ジェフ千葉は、エスナイデル監督を続投させるべきか?

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第33節を終えて、ジェフ千葉の順位は11位。 残り9試合で、プレーオフ圏内とは勝ち点差6、自動昇格圏内とは勝ち点差12です。 今季ジェフ千葉に就任したエスナイデル監督については、シーズン当初からファンやサポーターからの評価が真っ二つに割れています。 ハイプレス&ハイラインの超攻撃的なスタイルにより攻撃力を高めた一方で、簡単に失点をするためです。 私も、スペインでの監督実績があまり良くない事から(すぐに解任されることが多く、同じチームを1年を超えて率いたことが無い)、これまで様子見として来ました。 例えば、今年4月の記事には、以下のようなことを書きました。 (前略)しかし、あくまで「様子見」であって、開幕して1か月強のこの時期にエスナイデル監督を断罪するのは早すぎます。 10月までは様子見でいいと思います。 その時点で、ブレイクスルーの兆候を感じられるかどうか。 そのタイミングで、エスナイデル監督の評価をするのが良いのではないでしょうか。 まだ9月なので少し早いですが、来季もエスナイデル監督を続投させるべきかどうかを考えてみます。 結論から言えば、続投させるべきだと思います。 ただし、ものすごくポジティブなスタンスで「エスナイデル監督を続投させて当然じゃん!」と思っているわけではありません。 メリットとリスクを天秤に掛けた場合、少しメリットの方が上回るだろう、という考え方です。 エスナイデル監督を続投させるメリットは、やはり点を取れるチームを作りつつあることだと思います。 第33節を終えた現時点、つまり9試合を残している今のジェフ千葉の総得点数は51。 昨季末のジェフ千葉の総得点数は52でしたから、間違いなく得点力は上がっています。 また、今季のJ2の総得点数で言えば、名古屋グランパス(総得点数61)、徳島ヴォルティス(総得点数55)に続いて第3位です。 サッカーでは点を取ることが最も難しく、そして先制してしまえば、その試合を優位に運ぶことができます。 ジェフ千葉は、一見、J2にしては充実した攻撃陣を揃えているように見えますが、そうではありません。 ここまでで13ゴールを決めているラリベイは、ゴールランキングで8位。 1位のイバの19ゴールとは、大きく差を開けられています。 なのに、ジェフの総得点数が第3位なのは、エスナイデル監督の戦術に拠るところが大きいと思います。 内容に目を向けた場合も、「型」が出来つつあります。 どんな相手でも攻撃的にふるまって前プレとポゼッションを仕掛け、意図通りに相手陣内でボールを持つことができています。 試合で苦しい状況に陥っても、立ち戻る「型」があるため、昨季までのように何をやるべきなのかが分からなくなったりはしていません。 そういう点では、大きく進歩をしていると思います。 もちろん、エスナイデル監督が意図しているサッカーは、まだまだ定着しておらず、ボールを持っても相手陣内で崩せないこともよくあります。 良い時は崩せるのですが、いったん調子が落ちると、選手たちに崩し方に迷いが出て、崩せなくなる傾向が強い。 さらに練習して、前プレのオートマティズムやポゼッション攻撃のオートマティズムを確立することが必要でしょう。 ただ、今後、練習を積めば、相手を安定的に崩せるようになる可能性は高いと思います。 そういう意味で、エスナイデル監督を続投させるメリットは、間違いなくあります。 一方で、リスクですが。 守備については、あまり心配していません。 なぜなら、戦術的に崩されての失点は少なくなってきたからです。 カウンターからの失点が多いのですが、前プレをかわされロングカウンターできっちりやられた、というより、最終ライン絡みのミスがあり、ショートカウンターを食らって自滅した、的な感じですね。 これは、今季のオフにDF陣の入れ替えを行うことで対処できるでしょう。 大変不遜な言い方で恐縮ですが、率直に言って、いまのジェフのDFは個の能力が低い。 J1下位レベルに達していないと思います。 特に、2015年~16年の間のオフに、移籍金ゼロで大量加入したDFたちは、その傾向が顕著です。 私が、いま10人いるDF陣の中でジェフに残って欲しいと思っているのは、岡野洵と乾貴哉とキム・ボムヨンだけです。 岡野と乾は才能がありますし、年齢を考えれば、成長が期待できます。 キム・ボムヨンはレンタルですが、完全移籍で獲得すべき力があると思っています。 でも、他の選手は、入れ替える必要があるでしょう。 J1昇格&定着を望むなら。 名前を出して申し訳ありませんが、例えば、近藤直也。 いま、近藤はCBの軸となっています。 ですが、近藤の走るスピードやクイックネス、ボール扱いの技術、判断の正確性を考えると、彼を超えるCBを獲得しない限りジェフのJ1昇格&定着は困難でしょう。 近藤でさえそうなのですから、他のDFは推して知るべし、です。 ですから、守備陣については、エスナイデル監督ではなく、高橋GMが頑張って解決する問題だと思っています。 ジェフにお金がないのは分かっていますが、この冬、CBを2人だけなら獲得できる余裕はあるんじゃないでしょうか。 SBも欲しいですが、まずはCB優先で。 それでは、エスナイデル監督を続投させるリスクは何か。 個人的に一番懸念しているのは、シュートの問題です。 ここ数試合の枠内シュート数と得点の関係を見てみましょう。 第28節 湘南戦 (ホーム) 枠内シュート数:12本  得点数:0 第29節 山形戦 (アウェイ)枠内シュート数: 5本  得点数:2 第30節 岐阜戦 (ホーム) 枠内シュート数: 7本  得点数:1 第31節 東京V戦(ホーム) 枠内シュート数: 6本  得点数:2 第32節 群馬戦 (アウェイ)枠内シュート数:14本  得点数:0 第33節 水戸戦 (ホーム) 枠内シュート数:17本  得点数:2 この数字を見て分かるのは、枠内シュート数と得点数の関係が”独立”していることです。 (数学的な意味での”独立”です) 一般的には、枠内シュート数が増えれば、得点数が増えるのが普通です。 ですが、エスナイデル監督のサッカーでは、そうはなっていません。 試合を見ていて思うのは、シュートを枠内に蹴ってはいるのですが、GKをどうやってパスしてゴールの中にボールを入れるか、という観点が足りないシュートが多いように思います。 「枠内に蹴っときゃ、そのうち入るだろ」みたいな。 本当は、ゴール枠内にシュート蹴ったからって、それだけでゴールになるなんて事はありません。 GKをパスしてゴールを陥れる枠内シュートには、必ず理由があります。 ① GKの手足が届かないコースへのシュート ② GKの反応が間に合わない速いシュート ③ GKの意表を突いたシュート ④ GKが反応しづらい場所へのシュート(脇の下など) ⑤ GKの体勢を崩した上でのシュート ⑥ ①~⑤の複合パターン ジェフ千葉の選手が打つ枠内シュートは、①~⑥のどれにも当てはまらないことが多く、ですから、打った瞬間に入らないだろうな、と思うことも多いです。 このため、エスナイデル監督のシュートに関する指導には、課題があるのではないか、と危惧しています。 今後、もしエスナイデル監督が続投し、チームが成長して相手を安定的に崩せるようになっても、シュート能力が低いままでは、J1昇格&定着は厳しい。 東京V時代のフッキのようなスーパーなCFを獲得できればベストですが、ジェフにそんな資金はありません。 エスナイデル監督が続投した場合、シュートをいくら打っても、ゴールが決まりにくいチームになるかもしれません。 それが、最大のリスクのような気がします。 もちろん、エスナイデル監督が段階的にチームを作っていて、現時点ではシュート精度を上げることよりも、チームビルディングを優先している可能性はあります。 そうであれば心配は要らないのですが、何となくそんな風には見えないんですよね。