遅ればせながら…

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 遅ればせながら、まずは選手の皆さん、ACL優勝おめでとうございます。そして、2017年シーズン、お疲れ様でした。この後、CWCがありますが、精一杯頑張ってきてください。  極めて長期の出張で、長らくお休みしていたこのブログ。監督が堀さんに替わってからは、ネット上の報道記事か、動画サイトのハイライトで断片的に試合結果を知るのみ。浦和がアジアチャンピオンに輝いた興奮・感動を味わうことも出来なかった。11月29日、第33節川崎戦当日にようやく出張から戻り、羽田からその足で埼スタへ直行。次いで、最終節横浜FM戦は、今週10歳を迎える息子と一緒に、初めて自転車で埼スタへ。息子が生まれた年に、浦和はアジアチャンピオンになり、その10年後に返り咲き。前回優勝時にはまだ妻のお腹の中にいた息子が、埼スタへの長い道のりを、力強くペダルを漕いで進む姿を見て、その間の年月の長さをしみじみと実感する。 今週一週間は代休取得。取り溜めたテレ玉の「REDS TV GGR」を見まくりながら、諸々の思いを書きたい。長くなりますが、少々お付き合いを。 ●浦和0-1川崎 ●浦和0-1横浜FM  リーグ戦最後の2試合、どちらの試合も守備はまずまずで、両試合とも1失点に抑えたのは一応合格と言えるかも知れない。しかし、如何せんゴールが遠い。どちらの試合も1点も取れずに終了。アジアチャンピオンとしては少々寂しいシーズンの終幕であった。やはり、ミシャ時代に崩壊した守備の修正に重きが置かれ、攻撃は二の次とせざるを得なかった堀監督の悩みが、そのまま出てしまったような試合に見えた。  最終戦後の淵田社長の挨拶時、昨年までだったら、この成績で、尚且つ終盤で連敗でもしようものなら、大ブーイングが起きたであろうが、 「アジアチャンピオンになったから、まぁ、いいか。選手達は良くやったよ。 来年、来年!」 といった雰囲気の埼スタ場内。自分も、今年はこういう年だったと割り切って、場内を一周する選手達に拍手を送る。 ・2017リーグ戦  さて、とりあえず2017年のリーグ戦が終了。最終成績は以下のとおりであった。 14勝 7分 13敗 勝点49 64得点 54失点 得失点差+10  シーズン序盤戦は首位に立ち、得失点差でも大きくプラスになっていたことを考えると、その後の戦績がが如何に惨憺たるものであったかがわかる。何せ、仙台に7-0、新潟に6-1で勝利したこの2戦だけで、得失点差は+12。つまりそれ以外の戦いでは-2ということであり、ついには浦和の総失点は仙台よりも多くなった。正直なところ、国内リーグでこんな成績のチームが、よくもまぁアジアチャンピオンになったものであると思う。恐らく、多くのサポーターの皆さんは、 「ACLではこんなにすごい戦いが出来るのに、リーグ戦では何で…」 と少なからず思ったのではないだろうか。特に、ACL準々決勝の相手は川崎。第1戦は1-3で敗れ、第2戦も先制されて、圧倒的に不利な状況に追い込まれながらも怒濤の攻撃でひっくり返した。その相手が、国内のリーグ戦では浦和に勝点23もの差をつけてチャンピオンである。浦和にとってこんなにモヤモヤ感の残る結果はない。その背景としては、ミシャ氏の後を引き継いだ堀監督およびスタッフが、ACLを本気で取りに行って、これを優先する選手起用・対策をしていったというのもあるかも知れないし、何よりも、ACLでは国内にはない強いチームが相手だけに、選手達がより一層集中して、MAXの能力を発揮したということが挙げられるかも知れない。国内のリーグ戦でこれと同等の集中力を継続して発揮し続けるのは、なかなか難しいことなのかも知れないけれど、これだけのことが出来るのなら、優勝は出来なかったとしても、もう少し勝ち点を積み上げてほしかったというのが正直な私の気持ちである。  さて、今年の浦和は監督の途中解任もあり、選手達も非常に混乱・困惑したのではないかと思われる。ミシャ氏、堀監督、選手達について、思うところを記してみたい。 ・ミシャ氏  これまでにも書いてきたように、就任以前は得点力不足に悩まされていたチームを、得点の取れるチームに変貌させ、過去2年で勝ち点を72,74と上げた実績はすばらしく、この点については評価したい。それだけに、一昨年、昨年と展開していた良いサッカーに、今年は守備の修正であるとか、勝負強さ、肝心な場面での冷徹さを付け加えれば良かったのではないかと思う。ところが、ミシャ氏は何を考えたか、無理をして良かったサッカーを崩してしまい、守備を無視するかのような「ハーフコートサッカー」を展開して、半ば自滅してしまった。私は今シーズンが始まる前に、その戦術に対する危惧をこのブログに記したが、本当にその通りになってしまうとは、自分自身も少々驚いているし、残念だった。ミシャ氏が新たに展開したサッカーは、序盤戦に相手チームが慣れていない時には有効だったかも知れないが、見るからにあまりにもバランスが悪く、あっという間に弱点を攻略されるようになってしまった。昨年はCSで敗れたとは言え、シーズン中はあれだけ良いサッカーをして勝点を上げていたのだから、弱点の修正をしつつ、自信を持って継続してほしかった。 ・堀監督  シーズン途中からチームを引き継ぎ、守備の修正を主眼に置いた戦術変更をしつつ、アジアの強豪に立ち向かい、アジアチャンピオンに導いた手腕は、最大限に評価しなければなるまい。10年前と比べると、選手のスケールは少々小粒と思えたけれども、選手達に集中力と団結力を発揮させ、偉業を成し遂げたことは天晴れ。本当に、大仕事をやってのけてくれたと思う。  その大仕事の背景にあることとして私が挙げたいのは、選手達の意識を変えたように見えることである。ミシャ時代のこと、選手達からは、ことある毎に 「自分たちのサッカーをする。」 「勝ったけど自分たちのサッカーができなかったのが反省材料。」 という言葉がまずは口を突いてきていた。私にはそれがどうにも違和感があった。まずは自分たちのサッカーをすることは大事だと思うが、プロの戦いの中では、時にはそれを崩して、割り切ってとにかく結果を導き出すことに徹さなければならない場面もあるはず。今までの浦和の選手には、そういう部分が足りず、ここ一番での勝負弱さに繋がっていたのではないかと思えた。ところが、(録画で見たのだけれど)ACL決勝前の柏木選手の口からは 「自分たちのサッカーどうこういうよりも、勝つこと。」 という言葉が聞かれた。正直なところ、この言葉には 「お?変わったな。」 と私は思わされた。 堀監督が、選手達にこういう意識を植え付けたことも評価したい。  今までに何度か書いてきているが、「自分たちのサッカー」は勝つために存在すべきである。負けても自分たちのサッカーをすれば良いということは有り得ないと思う。プロである以上、結果にはこだわってもらいたい。ただし、念のため申し上げるが、私は「自分たちのサッカー」が必要ないと言っているのではない。「自分たちのサッカー」は、選手たちが迷わずプレーするための拠り所として、あるいは迷った時に立ち返ることができるものとして、間違いなく必要だと思う。ただし、「自分たちのサッカー」は「勝利」という目的を達成するための手段であるべきである。ところが、ミシャ時代の選手達からは、目的と手段を取り違えているような、本末転倒な発言がされていて、私には「何か違うのではないか?勘違いしているのではないか?」と思えたのである。堀監督は、選手のそういう心の持ちようを修正してくれたのではないかと思う。  堀監督を評価する要素としてもう一つ挙げたいのは、「真の競争を」と公言し、ミシャ氏が殆ど起用してこなかった選手を、公言通りに起用するようになったことである。特に、アマチュア時代から高い評価を受け、ドイツでプレーしていた長澤選手が、プレシーズンから良い動きを見せていたにも関わらず、ミシャ氏が起用してこなかったのは、戦術的な意味があったとしても不可解であった。しかし、堀監督が抜擢して能力を発揮させたのには、胸のつかえが取れたかのような思いがあった。更には、浦和のリーグ優勝を知る唯一の選手であり、ミシャ時代には起用が皆無であった平川選手を起用するようになったのも、特筆すべきことである。リーグ戦での起用は全くなかったのに、いつ起用されてもよいように、あの歳でコンディションを保ち続けた平川選手のメンタリティーは本当に素晴らしく、堀監督はその様子をよく見ていたに違いない。そのような平川選手の起用によって、年齢に関係なく、戦術を理解し、コンディションが良ければ使う。誰にでもチャンスはあるのだというメッセージを、全選手に送ることにもなったのではないだろうか。  ミシャ時代は、レギュラーがほぼ固定化されていたため、真のターンオーバーは出来なかっただろうし、選手達に競争させて能力を引き出す、あるいは過密日程下でも選手を上手く回して消耗を防ぐといったことも、今ひとつできなかったであろう。色々な意味で、チームに競争原理を持ち込んだことは良いことではないかと思う。  さて、ACL優勝という偉業を成し遂げた堀監督ではあるが、やはりリーグ戦との両立は難しかったか。ミシャ時代と比べると守備は多少は修正されたが、なかなか失点が止まらず、残念ながらクリーンシートが少ない。また、生で観たここ2戦を見た限りでは、攻撃が定型化してしまい、相手守備網を惑わすようなオフザボールの動きが乏しくなってしまったように感じた。正直なところ、攻撃の迫力は減退して、相手チームはレッズの攻撃に怖さを感じなくなったのではないかと思われる。上にも書いたが、川崎戦、横浜FM戦とも、ミシャ時代によく見られた、相手の堅い守備をこじ開けるための流動的なオフザボールの動きが少なく、ほとんど得点の匂いがしなかった。ただ、堀監督にエクスキューズがあるとすれば、ミシャ時代に崩壊した守備を立て直すことが優先され、攻撃は二の次にせざるを得ないチーム状態だったし、優勝も、ACL出場権も、残留もかかっておらず、ACLがらみの過密日程の影響でスタメンはベストではなかっただけに、致し方がないというところかもしれない。  ところで、堀監督はミシャ政権時代もコーチだったことから、そのままミシャ戦術を継続しつつ修正を加えるのか、あるいは堀監督オリジナルの戦術を進めるのかが、就任直後の注目の的であったと思われるが、堀監督が取った方針は後者。その方針を知って私が想像したのは、ミシャ政権時のチーム運営方針は、ミシャ氏とコーチ件通訳であった杉浦氏の両輪で殆どのことが進められ、堀氏は口を差し挟める状況にはなかったのではないかということである。少々穿った見方かも知れないが、当時の堀コーチは 「黙って見ていてミシャサッカーを勉強しろ。」 という立場だったのではなかったのかと推察される。なぜなら、もし、堀監督がミシャ氏の考えに染まり、その戦術をミシャ、杉浦両氏と共に積極的に推進していたのであれば、就任後もその戦術に多少の修正を加えながらも継続したはず。つまり、ミシャ政権時の堀監督は、ミシャ氏と考えは違うが、フロントの方針として、無理矢理スタッフとして加えられていたとすら思えるのである。  ただし、私個人の思いとしては、だからといって全面的にミシャサッカーを否定するのではなく、ミシャサッカーの良かった部分のエッセンスは残してもらいたい。即ち、選手達が縦横に動き回り、どこからでも得点出来るのがミシャサッカーの良いところだったが、そのような動き自体はどんな戦術でも取り込める要素であるはず。特に、川崎戦、横浜FM戦のように、相手に先制されて中央を固められたときには、こういった要素がないと打開するのは難しくなるのではないだろうか。  同じことで少々表現を変えるが、ミシャ氏が退任した後というと、サポーターの皆さんの頭に浮かぶのは、広島がその後に3回優勝したことであろう。その広島は、森保氏がそれまでの基本的なシステムは継続しつつ、特に守備を修正して結果を残したことが知られている。他方、今年優勝した川崎は、同じく攻撃的であった風間氏の良かったところを残し、継続性を持たせた上で結果を残した点で、広島と類似しているのではないか。せっかく、今まで築き上げ、一定の結果を残したものを全否定するのではなく、活かせるものは活かすべき。そうでなければ、それまでの5年半が無駄になるし、今後のチーム作りの効率も悪くなる。選手達がミシャサッカーを覚えているうちに、堀サッカーにミシャサッカーの良い部分のエッセンスを取り込んでもらいたいと思う。 ・選手  選手達は精一杯戦ったのだと思う。本当に一生懸命戦ったのに、ACL以外では結果が伴わず、 「こんなはずじゃ… 何で…」 という思いはあるに違いない。違いないのだが、多くのサポーターの皆さんが気になったことの一つとして、「安い失点」があるかもしれない。サッカーだから、当然のことながらミスはいつでも起こり得るし、人がやっていることだから、イージーな場面で気が緩むことものあるのだろう。それを割り引いても、今シーズンの浦和はあまりにも「安い失点」が多かった。気の緩み・集中力の欠如からくる安易なミス(大宮戦での宇賀神選手→遠藤選手のパスをかっさらわれたシーン、鳥栖戦開始1分以内の失点、同じく鳥栖戦のロングボールへの安易な対処などなど)が原因となった「安い失点」が本当に目立った。それらは、プロとしてはいただけない、戦術、あるいは監督・コーチの指導以前のレベルではないだろうか。また、清水戦、広島戦など2-0でリードしておきながら、簡単に追いつかれる試合(広島戦は関根選手のスーパーゴールのおかげで勝ったが…)など、勝てたはずの試合を引き分けに、引き分けられたはずの試合を負けにしてしまった試合が多すぎた。それらで失った勝ち点を積み重ねていれば、優勝は出来なかったとしても、ACL圏内争いくらいは出来ていたのではないかと思える。本当にもったいなかった。  ACLでは、東アジアトップクラスの上海上港、西アジアトップクラスのアル・ヒラルを相手に集中した守備を見せて、アジアチャンピオンの座をたぐり寄せた。間違いなく選手の能力はあるのである。集中すればできるのである。それだけに、「安い失点」は、観ている私たちにもったいなく見えるだけでなく、他でもない、当の選手達自身が後悔しているのではないかと思う。アジアチャンピオンたる者、ミスをするなら、より高いレベルでしてもらいたいし、リーグ戦の試合では、毎試合がACLの試合だと思って、45分+45分くらいは集中して、「安い失点」はしないでくれよと思う。  この後はCWCを、開催国枠ではなくアジア代表として戦うという栄誉。サポーターにとっては、リーグ戦が終了した後も浦和が世界を相手に戦う姿が見られるという、臨時ボーナスをもらったかのような幸せ。リーグ戦での成績は残念だったけれども、 「俺たちの力はこんなものじゃない!レアル・マドリーを食ってやる!」 というつもりで、アジアチャンピオンの誇りをもって、精一杯戦い、是非とも、昨年、開催国枠から決勝まで勝ち上がり、健闘した鹿島を上回る成績を残してきてもらいたいと切に思う。 この記事を打ち込んでから知ったのですが、このサイト、終了するのですね。 んー、どうしようかな… スポーツ関連サイトとしてはメジャーなスポナビさんだからこそ、私の駄文を皆さんに読んでもらえたと思っているので…休み中に移行サイトを探さねば。