【白鳥城の騒霊】小川佳純による啐啄同時(そったくどうじ) ~はたしてアルビのヒナたちは殻を破ることができたのだろうか?~

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12月5日の新潟日報の「オレンジスタイル」。内田潤コーチと黒河コーチの対談コラムと、その前日の退任した呂比須さんのインタビュー記事は面白かったです。二つを重ねて読むと、なんとなく今年のアルビの「なぜ迷走したか」の部分と「なぜ迷走から立ち直れたか」の部分が何となくだが、理解できたような気がしました。   「なぜ迷走から立ち直れたか」について。 アルビは三浦体制で、1勝2分け8敗(11試合)。呂比須体制は9/30の28節までで1勝3分け12敗(17試合)。このときは16試合連続勝ち星なの状態で惨憺たる成績で、29節ガンバ戦の勝利から最終節までで5勝1分け0敗の6戦連続負けなし急上昇の成績を上げた。 サポの中には終盤の6戦負けなしの成績だけを評価して、呂比須さんを辞めさせるのはもったいないとかいう人がいたけど、4日の日報を読むかぎり騒霊はまったく反対の立場です。 むしろなぜもっと早くに解任しなかったのか。フロントの危機感のなさにがっかりしましたね。 そして日報記事の冒頭で、呂比須さんはこう答えておりました。 シーズン途中からのチーム作りの難しさもあり、「時間が欲しかった」と繰り返し強調する。 「ファーストステップに2カ月かかった」 この発言を読んでプチ激怒しましたね。呂比須さんにはどんだけアルビは時間を与えたと思ってるんだろう。5月20日の12節から12月2日の34節までシーズンの三分の二の期間を与えたのに、「まだ時間が足らなかった・・」ってなんなんでしょうね。   正直。プロ監督とその姿勢はどうよ。と思いますよ。 そもそもプロフェッショナルって二つの側面があって、一つは「誰も成し遂げてない究極の目標や結果を追い求める。そのためには金も時間も度外視して匠の境地を追求する」という側面がありますけど。。もう一つのプロフェッショナルっていうのは「限られた食材や道具を使って、限られた中での最善の結果を追求する」という安いんだけどもお値段以上の価値を与えられるみたいな職人もまたプロフェッショナルといえると思うんですよね。プロには両面が必要で、その状況状況によって前者後者を使い分けができなければならない。それがプロだと思うんですけど。 呂比須さんはなんなんでしょうね。やっぱりかなり勘違いしてますよね。ずっと前者ばかり追求されてたようですね。 アルビがガンバだったらそれもまた正しいんでしょうけどね。アルビはガンバみたいに後ろに大企業の支えなんてなんですからね。そもそもそういうところの現状認識をはじめっから間違えてた。とぼけた監督だったということがしっかり理解できた。そういう意味で、日報の呂比須さんの記事はいい記事でしたね。グッジョブ、新潟日報。 でなぜ終盤。新潟は立ち直ったのか。 ここの理由は一つじゃないと思いますけど。それでも12月5日の新潟日報の「オレンジスタイル」で内田コーチと黒河コーチは一つの答えを出しています。 黒河コーチはこう述べています。 「新しい選手が前線に来てチームが変わった。タンキ、富山から河田。チアゴがいなくなって小川。河田の成長も大きいけど、小川はこんなにもい選手だったのかと思った。」 内田コーチも同じく、 「小川がいなかったらここまで踏ん張れなかった。」と 両名とも小川の貢献を高く評価していました。 とく内田コーチは一つのエピソードを交えてこう説明しています。 「ただ自分たちで良さを取り戻せた。ゲーム形式の中で、スタッフが『前からいけ』『今いけ』っていうのを、小川はやめてくれって言ったんだ。自発的に声を出していけるようになりたいからと。それってすごいことだと思う。」 この発言は、ちょっと解説が必要で、たぶん騒霊はこう解釈しています。 このころには「アルビのサッカー」とは何か?「俺たちのサッカー」とは何か?という部分が選手たちの中でかなり明確化していたんだと思います。 アルビサポの方にはそれを説明するまでもないでしょうが、このブログにはこれまでのアルビの歴史を知らずに読まれてる方もいらっしゃると思うので。ちょっと蛇足的に「アルビのサッカーとは何か?」を説明すると。。 たぶん選手たちもサポたちも「アルビらしいサッカー」というアルビ像がしっかり出来上がってまして。 それが2013年のヤンツー監督時代にやっていたアルビのサッカーなんだと思います。 この年に、アルビ史上最高の勝ち点をゲット。ホーム不敗記録更新。前線には、点でボールを合わせることができる川又堅碁がいて、中盤で一人でボール狩りができるレオシルバがいて、GKには足下の技術も高く守備範囲も広い東口順昭がいる。センターラインががっしりしてて、そして監督がヤンツーさんの「ハイプレス+ハイライン」のサッカーで「中盤でトライアングルを作ってのボール狩り」からのショートカウンター。それが「アルビのサッカー」であり「俺たちのサッカー」だと。   このころ目指すべき目標ははっきりしてたんでしょうね。選手たちにとっては。 あとは今いる選手たちの力量の中でどうバランスをとるか。ここが課題になっていたはずです。   たぶん小川がやってきたあたりから、それまでいたアルビの若い選手たち、特に加藤大なんかは 「行くときは行く。行かないときは行かない。そこら辺の攻守の判断の部分・・」 という状況判断の精度の足らなさを盛んに発言してた時期があったんです。 だから「アルビのサッカー」はイメージできてたけど、具体的にそういう「行くべきと行かないときの」決断の部分のところを悩んでたわけで。 そこらへんはぶっちゃけ「勇気」という一言で言い尽くせますから。 もしそういうことなら。 小川の言葉はとても理に適ってるような気がします。だから 小川のスタッフからの『前からいけ』『今いけ』っていう声掛けを、小川はやめてくれっていうのは、たぶんアルビの若い選手が悩んでる時に、悩んでる時だからこそ、良かれと思っての親心的なアドバイスはやめてくれって言ったんじゃないでしょうか?? 閑話休題。 禅の言葉に「啐啄同時(そったくどうじ)」という言葉があります。。 「啐」とは、鶏のひなが卵から産まれ出ようとするとき、殻の中から卵の殻をつついて音をたてる状況のことです。 「啄」とは、そのとき、すかさず親鳥が外から殻をついばんで破るんですね。 つまり卵からヒナが生まれるとき、啐の状態と啄の状態が同時に起こってこそ、はじめて殻が破れて雛が産まれる。 生まれるということは生まれたいという個の意思だけでなく、生まれさせたいという周囲の意思があってこそ、初めて生まれるという行為は成立する。禅では機が熟して悟りを開こうとしている弟子に師がすかさず教示を与えて悟りの境地に導くこと。を「啐啄同時」というのですが。。   つまり小川はスタッフに対し、まだまだ選手が「啐」の状況に至ってないのに、軽はずみに「啄」の状況を作らないでくれ。 と軽い苦言をしてくれたのだと思いますね。たぶんアルビのコーチは他と比べて「教えすぎる」みたいなところがあるのかもしれません。 良かれと思ってやってることが、子供たちには、選手たちには、実はよくなかったりすることってよくあると思うんですよね。 たぶんそういう状況だったのだと理解します。   そして。内田コーチもそこを理解したんでしょう。きっと。だから。 内田コーチ的にいえば終盤の6戦負けなしの結果はその多くの要因は「選手たち自身が自分たちで(アルビのサッカーの)良さを取り戻せた。」と。けして呂比須さんが何かを変えたわけではない、その結果の6戦負けなしではないと軽くディスってるんだと思いますよ。   もし内田コーチの見立てが正しいなら。。。 来シーズンは小川佳純は新潟に完全移籍でキャプテンになるでしょうね。 そして「啐啄」が本当に行われてたとしたら。加藤大は来季、一皮むけた選手になってるような気がしますね。 大。期待してます。 以上。 にほんブログ村サッカーランキング クリックありがとうございました。ブログ更新の励みになってます。 https://twitter.com/sorei_swan