第16回サポカン ~エディオンスタジアム広島に洋式トイレがやってきました~

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[Ⅰ]はじめに

毎年サポーターズカンファレンスから着想を得て書き殴る本企画。
前年に続いて今年もなかなか筆が乗りませんでした。

そうこうしているうちにJリーグクラブライセンスの判定が公表される時期に。


www.jleague.jp


この内容を解説したいなと思っていたのですが、これってサポカンと繋がるじゃないかと。
そこでサポカンのシリーズにこじつけてクラブライセンスの解説をしたいと思います。

なお、クラブライセンス制度を解説するのは大変なので、以前作成した解説をご覧下さい。
本稿は当該解説がある程度頭に入った状態であることを前提に進めていきます。


awayisum.hateblo.jp


本制度は昨年12月に改正されていますのでその解説はまた書きます(たぶん)。
ただ、そこまで大きな変化はないようなので基本的にこの解説で十分だとは思いますが。

それではサンフレッチェ広島のライセンスを中心に見ていきたいと思います。



[Ⅱ]サンフレッチェ広島のライセンスについて

サンフレッチェ広島は2019シーズンJ1クラブライセンスを取得することができました。
成績基準は既に満たしていますので来シーズンもJ1で戦うことができます。

他方で、今年もB等級基準未充足であるとして制裁が科されました。

クラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定による 2019シーズン Jリーグクラブライセンス判定について
《Jリーグ.jp 2018年9月27日付》


制裁対象
屋根のカバー率の不足のみ(17クラブ)


スタジアムとクラブ

エディオンスタジアム広島【広島】


制裁内容
・対象スタジアム名公表
・屋根のカバー率不足への改善策もしくは構想の提出[期限:2018年11月末]


クラブライセンス制度がスタートしてから変わらず毎年制裁対象です。
ただし、制裁対象が今年から変わっていることに気付かれたでしょうか。

クラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定による 2018シーズン Jリーグクラブライセンス判定について
《Jリーグ.jp 2017年9月26日付》


制裁対象
トイレの数と屋根のカバー率がいずれも不足(5クラブ)


スタジアムとクラブ
エディオンスタジアム広島【広島】


制裁内容
・対象スタジアム名公表
・スタジアム環境の抜本的な改善に向けた以下の計画および報告の提出
 ① 2017年7月から2017年12月までの活動報告[期限:2017年12月末]
 ② 2018年活動計画[期限:2017年12月末]
 ③ 2018年1月から2018年6月までの活動報告[期限:2018年6月末]
・活動報告および活動計画に関連し、クラブライセンス事務局が個別文書を発信する可能性あり


このようにトイレの数は要件を満たしたため制裁対象から外れました。
この点について第16回サポカンで次のように説明されていました。

テーマ3 試合運営について(運営部長 山西博文)
《第16回サポーターズ・カンファレンス議事録》


〈3.エディオンスタジアム広島の施設改善について〉


Jリーグのスタジアム検査基準を満たしていない洋式トイレ、観客数の個席数について、広島市に改善を進めていただいております。


トイレの洋式化工事の着工は平成30年度を予定しており、工期は10カ月と想定されています。和式トイレ144室が洋式トイレ144室に改修されます。ちなみに、「観客1000人につき、少なくとも5室」としているJリーグの基準からすると、144室は2万8800のお客様に対応できる規模ということです。


このように、和式トイレ144室が洋式トイレ144室に改修されると発表していたのです。
それでは何故このような措置が必要になったのか引き続き解説していきましょう。

[Ⅲ]I.12 スタジアム:衛生施設 (トイレ要件)

そもそもトイレに関する要件はどういったものかというと次の通り。

交付規則 I.12 スタジアム:衛生施設(B等級


(1) スタンドには、どの席からもアクセス可能な場所に、男女別のトイレ設備を十分に備え、かつ、車椅子席の近くには、多目的トイレを備えなければならない。


(2) トイレは、明るく、清潔で、衛生的でなければならず、試合中もその状態を保たなければならない。


(3) スタジアムは、1,000名の観客に対し、少なくとも洋式トイレ5台、男性用小便器8台を備えなければならない。

交付規則 I.12 スタジアム:衛生施設(C等級


(4) 前項にかかわらず、Jリーグでは、1,000名の男性観客に対し、少なくとも洋式トイレ3室、男性用小便器15台および洗面台6台、また、1,000名の女性観客に対し、少なくとも洋式トイレ28室、洗面台14台を備え、5,000人の観客に対して多目的トイレ1室を備えることが望ましい。


したがってB等級基準を満たすためには5台/1000人の洋式トイレが必要です*1
現在、エディオンスタジアム広島の入場可能数は36,894人とされています*2

ということは185台の洋式トイレが必要になる…かというとそうではありません。

運用細則 I.12 スタジアム:衛生施設(B等級/C等級


3.判定


(2)前項に関わらず、基準I.12(3)においては、以下のとおり例外を設ける。


①審査対象であるスタジアムの客席数の60%(小数点以下を切り上げる)を母数とし、この母数が男女比同数から構成されているものとして、洋式トイレおよび男性用小便器の数を計算する(母数が奇数の場合は、余った1名を男女いずれかに任意に寄せるものとする)
②前号による計算の結果、基準I.12(3)または(4)の基準を充足することとなる場合には、当該基準の未充足に対する制裁は科さないものとする


この通称「60%ルール」が存在しますので必要な洋式トイレの数は111台*3
実際、サンフレッチェ広島が制裁を回避したのは60%ルールがあったからだそうです。

Jクラブスタジアム9か所でトイレの洋式化が進む
《ゲキサカ 2018年9月27日付》


デンカビッグスワンスタジアム京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場はこれでトイレの数の基準を100%充足することになった。またエディオンスタジアム広島は「満員」から「60%入場」を母数として判定した場合に基準を充足していれば制裁免除となる、通称『60%ルール』が適用されることになった。


余談ですが、エディオンスタジアム広島の収容人員は50,000人とされています*4
実際に2012年頃までJリーグのホームページでもそう示されていました*5

しかし、サッカースタジアム検討協議会での質問からクラブは入場可能数を厳密に調査。
その結果、入場可能数は約3万6千人であることが示されました。

第2回サッカースタジアム検討協議会議事録
広島市 2013年7月11日開催分 17頁》


小谷野委員
それでですね,前回の会合で,だいたい正味どれだけエディオンスタジアムに入るのかというので,42700人くらいで,安全上の観点から,去年の優勝決定試合で34500人で止めたと私発言しましたが,もう一度数を数えましたら,結構,見えない見切り席がありまして,そこの部分は実際は5900席もあったということで,現在のスタジアムの収容人数というのは36770人ということでございます。なので,ギリギリ詰こんで42700人と私申し上げましたが,その後,運営などと,もう一度確認したところ,実際そんなに入らなかったということでございます。


その後、Jリーグのホームページでもこの入場可能数が使用されるようになりました*6

わざわざ変更した背景にはクラブライセンスのトイレ要件が絡んでいたのかもしれませんね。
5万人だと60%基準を適用したとしても洋式トイレが150台必要ですから。

[Ⅳ]エディオンスタジアム広島のトイレ改修

さて、昨年まではB等級未充足とされていたエディオンスタジアム広島
実際に洋式トイレはいくつあったのかというと、2013年のプレスリリースが参考になります。

2014シーズン クラブライセンス交付のお知らせ
サンフレッチェ広島 2013年9月30日付》


第2.決定理由
1.貴クラブは、クラブライセンス交付規則(以下「本交付規則」という。)第8章から第12章に定める各ライセンス基準のうちJ1に関するものであってA等級のものを全て充足していることから、当機関は、本交付規則第22条2項に基づき、貴クラブに対して、2014シーズンに関するJ1クラブライセンスを付与するものとします。


2.貴クラブは、本交付規則第34条2項に定める施設基準のうち、①I.12(3)については、貴クラブから提出された「ホームスタジアム検査表」(以下「検査表」という。)によれば、1,000名の観客に対し、洋式トイレは約0.8台であることから、5台以上備えていないと認められ、また、②I.13(1)については、検査表によれば、スタジアムの観客席は36,782席であるところ、屋根で覆われている座席は1,774席であることから、屋根が観客席の3分の1以上を覆っていないと認められ、いずれの基準も充足しておりません。


したがって、当機関は、本交付規則第15条および第8条1項に基づき、貴クラブに対して、上記第1の2記載の制裁を科することを相当と認めます。


このように、1000人あたり0.8台ほど洋式トイレが設置されていたことが分かります。
すなわち、36,782席で換算すると洋式トイレの数は29台だったのではないでしょうか。

必要な洋式トイレの数は111台ですから、最低でも82台増やすことが求められていました。
そこで広島市は平成29年度当初予算でトイレ改修を含んだ広域公園整備予算を計上。

平成29年度広島市当初予算の概要
広島市 2017年2月公表 117頁》


事業名
公園緑地等整備


説明
広島広域公園整備 7,210万円


 陸上競技場走路及び水濠の改修 1,660万円


 陸上競技場トイレ改修 200万円
  和式トイレを洋式トイレに改修する。
  (スケジュール)
   29年度 実施設計
   30年度 改修工事


 陸上競技場メインスタンド改修 250万円
  メインスタンドのベンチ席の一部を個席に改修する。
  (スケジュール)
   29年度 実施設計
   30・31年度  改修工事


 テニスコート改修 5,100万円
  基層打替工事 3面


さらに平成30年度当初予算でもトイレ改修を含んだ広域公園整備予算を計上しました。

平成30年度広島市当初予算の概要
広島市 2018年2月公表 119頁》


事業名
公園緑地等整備


説明
広島広域公園整備 3億2,990万円


 テニスコート改修 2,880万円
  基層打替工事 4面


 テニスコートトイレ洋式化 720万円


 陸上競技場メインスタンド改修 7,960万円
  メインスタンド個席の老朽更新及びベンチ席の個席化


 陸上競技場トイレ洋式化 4,910万円


 第二球技場人工芝張替え 1億6,520万円


この予算化を受けてエディオンスタジアム3階に洋式トイレが36台追加されました。



これでエディオンスタジアムの洋式トイレは65台。
目標の111台には遠く及びませんが、B等級基準未充足による制裁は科されていません。


運用細則 I.12 スタジアム:衛生施設(B等級/C等級


3.判定


(3) 前項に関わらず、審査対象であるスタジアムの改修着工または新しいスタジアムの建設着工が確定し、工事の完了によって基準 I.12(3)を充足する目途が立っている場合には、当該基準の未充足に対する制裁は科さないものとする。


その根拠は上記の通り*7
要するにエディオンスタジアムはまだB等級基準を充足していないが制裁もないということ。

エディオンスタジアム、トイレ洋式化改修
《フガドコ 2018年5月24日付》


今回の工事の入札予定価は1371万円、今回の改修台数は36台ですので1台あたりですと約38万円です。今年度トイレ改修に計上された予算は4910万円、今回の入札と同様に計算すると約130台が洋式されることになります。


ここでは約130室と予想していますが、第16回サポカンによると144室整備される模様*8
もしかしたら第2期工事は数が多いので多少なりともコストダウンできるのかもしれません。

とにかく工事全体が完了して初めてエディオンスタジアムがB等級基準を充足するのです。
もちろん屋根の基準は未だ充足できる目途はありませんが。



[Ⅳ]おわりに

ここまで2019シーズンライセンスの交付について解説を加えてきました。
トイレ要件の話だけでこれだけ長くなるのですからクラブライセンス制度は奥が深い。

本当なら町田ゼルビア水戸ホーリーホックのライセンスの話もしたかったのですが断念。
前者は大企業の力を借り、後者は粘り強い交渉でハードルを越えようとしています*9
形式的な基準により努力が報われないのはとても哀しいので頑張って頂きたい。


一方、クラブライセンス制度の施設基準で示されているスタジアム要件は快適なサッカー観戦と持続可能なクラブを作っていくためには必要な要件だと思っています。

もちろんもっと柔軟な運用をした方がいいと思う点は多々あります。
しかし、原理原則としてはその水準を上回ることが望ましいのもまた事実です。


例えば、キャパシティも指針を示さなければ小さな箱しか整備されないことでしょう。
代替施設があればいいですが、そもそもスタジアムの数が足りていない日本社会。
必要なときになってから議論を始めていたら10年はかかります(広島がいい例です)。
もちろん1万5千人や1万人という数字が適切かどうかは別の話ですが。


今回取り上げた洋式トイレ然り屋根然り。
スタジアムを利用する人のことを考えれば整備されて然るべきものでしょう。
サッカーに限らず陸上競技・コンサート等のイベントであっても重要なポイントのはず。

その当たり前のことを当たり前だとしっかり主張していくべきだと思います。



*1:後述するが男性用小便器の数はクリアしている模様。2014シーズン クラブライセンス交付のお知らせサンフレッチェ広島 2013年9月30日付》。

*2:これも後述するが、2014シーズンライセンス判定時点では36,782席とされていた。2014シーズン クラブライセンス交付のお知らせサンフレッチェ広島 2013年9月30日付》、サンフレッチェ広島の試合日程・結果《Jリーグ.jp 2018年10月1日閲覧》。

*3:なお、36,782席で計算しても111台必要。2014シーズン クラブライセンス交付のお知らせサンフレッチェ広島 2013年9月30日付》、制裁免除のスタジアムが続出…Jクラブを救う「トイレ60%ルール」とは?サッカーキング 2015年10月1日付》。

*4:各施設詳細 | 広島広域公園(エディオンスタジアム広島)広島市スポーツ協会 2018年10月1日閲覧》。

*5:スタジアムガイド:広島ビッグアーチ《Jリーグ公式サイト(Internet Archive) 2012年9月19日魚拓》。

*6:サンフレッチェ広島の試合日程・結果《Jリーグ.jp 2018年10月1日閲覧》。

*7:ただし、運用細則I.12-3-(2)の規定と運用細則I.12-3-(3)の規定を同時適用できるかは微妙。だがゲキサカの報じた内容が正しいとすれば、どう考えても両方を同時適用している。いずれにしても細かい話なので揉めることはないだろうが。Jクラブスタジアム9か所でトイレの洋式化が進む《ゲキサカ 2018年9月27日付》。

*8:テーマ3 試合運営について(運営部長 山西博文)《第16回サポーターズ・カンファレンス議事録》。

*9:J1ライセンス取得に向けたクラブの体制強化についてFC町田ゼルビア オフィシャルサイト 2018年10月1日付》、2019シーズンに関するJ1クラブライセンス交付について水戸ホーリーホック公式ウェブサイト》。

森﨑浩司アンバサダーの欧州視察レポート@2017年

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今回は魚拓的な投稿です。

2017年初頭にサンフレッチェ広島は欧州のスタジアムを視察しました。
最大の目的は新スタジアム構想のための情報収集ですね。

サッカースタジアム建設について(信江雅美 事業本部副本部長)
《第15回サポーターズカンファレンス議事録》


我々としても、冒頭に織田から話があったように、1月15日からオランダ、ドイツの7ヵ所のサッカースタジアムの視察に、若手を中心に社員を派遣します。スタジアムの建設や管理運営、また近くにお住まいの方との関わりや、街の賑わいをどう創出していくかなどについて先進事例を情報収集してまいります。今回のスタジアム視察では、広島でのスタジアム建設の参考になるように、ロンドンやベルリンのような首都ではなく、地方の中核都市の、まさに中心部に立地したスタジアムを中心にピックアップしました。オランダであればアイントホーフェンのフィリップススタジアム、ドイツであればデュースブルクのMSVアレナ、マインツオペルアレナ、ジンスハイムのヴィルソル・ラインネッカーアレナ、ミュンヘンアリアンツ・アレナシュツットガルトにはメルセデスベンツ・アレーナがあり、アウクスブルクのWWKアレナも視察します。今回は、映像制作会社のスタッフも帯同します。現地で撮影も行いますので、テレビやホームページでその内容を映像として広めることで、スタジアム建設の機運を高めていきたいとも思っています。ご期待ください。


また、ヨーロッパとは別に、スポーツビジネスのまさに先進国であるアメリカにも、1月25日から、スタジアムでのデジタルコンテンツの使い方やIT技術を使った新サービスの情報収集を目的に視察を行う予定です。このたび、こうした海外視察を集中的に行うのも、今後、より具体化していくサッカースタジアムの建設と運営について、得てきた情報や知識を、実際に役立てていくためです。有意義な視察にしていきたいと思います。


この内容についてはYouTubeで公開され、新聞でも取り上げられました。


www.youtube.com
www.youtube.com
www.asahi.com


こうした視察は我々にとっても非常に貴重な資料です。

Jリーグが過去行った視察に関する資料も非常に有益なものがありました*1
また、2016年に森保元監督が実施した海外スタジアム視察に関する資料も重要*2

2017年の視察に関する資料も同じようにアーカイブとして残しておくべき資料でしょう。
そこで、本稿ではTwitter上での森崎浩司アンバサダーのレポートを魚拓していきます。

以下はただだらだらと並べるだけなので興味がある人は見てみて下さい。



[Ⅰ]フィリップスタジアム(オランダ・PSV


[Ⅱ]シャウインスラント・ライゼン・アレナ(ドイツ・MSVデュースブルク


[Ⅲ]オペル・アレナ(ドイツ・1.FSVマインツ05



[Ⅳ]ヴィルソル・ライン・ネッカー・アレナ(ドイツ・TSG1899ホッフェンハイム



[Ⅴ]メルセデス・ベンツ・アレナ(ドイツ・VfBシュトゥットガルト



[Ⅵ]WWKアレナ(ドイツ・FCアウクスブルク






[Ⅶ]アリアンツ・アレーナ(ドイツ・FCバイエルン






[Ⅷ]オペル・アレナ(ドイツ・1.FSVマインツ50)





サンフレッチェ広島 2017年通信簿(その五・終) ~クラブ(人)は変わっていくものだろ~

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awayisum.hateblo.jp


今回で2017年通信簿は最終回。

まず、スタジアムについては今年怒ったことを中心に確認していきます。
次にその他の事項として、ここまで触れることができなかったテーマについて簡単に。

最後に全体のまとめとして、「変」をテーマに2017年シーズンを切り取った理由について述べる形で本シリーズを締めくくりたいと思います。

それではよろしくお願いします。



[Ⅰ]スタジアム…【もう少し頑張りましょう】

2017年はスタジアムに関して何一つ進まなかったといっても過言ではない停滞の1年でした。

本稿では、スタジアム問題の現況(2017年時点)について「2017年におけるスタジアム問題の動き」、「周辺住民との対話」、「三候補値の比較」、「サンフレッチェの取り組み」、「その他」の5つに分けてザックリ説明していきます。

①2017年におけるスタジアム問題の動き

まずは2017年に起こった出来事と取組について確認したいと思います。
広島市広島県のホームページにスタジアム問題の経過が載っていますので拝借*1


https://lh3.googleusercontent.com/rHTz5u2uhg_eS2g_KWuzQnjAVnBCx-dt1eJHbHq5-CEenkB0M182AyBOC95FEiDMw-NBHziCvWltnnx7hN-I8cKISkOZ3vZ68b14s7IiZQio5pP-6-d4pQZFn3Uqo-2pfLxC-ili5A=w960-h493-no
広島市より》


上記の通り、2016年9月にサンフレッチェ広島県広島市広島商工会議所の4者が合意*2
中央公園自由・芝生広場をスタジアム候補地に加えることで一致したところです。


2017年の流れとしては課題をそれぞれ検討し、持ち寄って再度会談を開く予定でした。
しかし、この動きに中央公園の周辺住民(以下、「明日を考える会」という)は反発*3

結果、広島県広島市広島商工会議所(以下、「三者」という)は、4者会談を開催する前に明日を考える会との会合を優先せざるを得なくなりました。

②周辺住民との対話

明日を考える会とのやりとりも広島市広島県が時系列でまとめていますので拝借*4


https://lh3.googleusercontent.com/PbpFSQn5vxrR_QTckhjBVVsDALoCzRqnxyuQ6jhsNyEUrYLwlZKKHO0PLxqkqR2zJ4Mx5OCS521CwYyDcsIh_y9ov7oag4LSX1C2zjMIBy7vTI428gHzx9LQ2fi_t0TJKH8TxpdzkA=w960-h388-no
広島市より》


上記のように、1月24日に明日を考える会が候補地撤回申し入れ書及び質問書を提出*5
これを受けて三者は回答を作成し、2月28日に明日を考える会との初会合に臨みました。

サッカー場問題 住民と意見交換 広島県・市・商議所
中国新聞 2017年3月1日26面》


地元からは住民団体の役員ら約30人が参加。「サッカー場建設が基町の活性化につながるのかイメージが湧かない」「広場は子どもたちが数少ない遊び場として使っている」などの声を上げた。県と市は、旧市民球場跡地(中区)、広島みなと公園(南区)両候補地と比較するため、中央公園広場に整備する場合の概算事業費や騒音対策などを新年度に調査。夏までに結果をまとめて住民に示す構え。市の担当者は「図面を作る前に、これだけは残してほしいというものを聞かせてもらいたい」と述べた。


三者は2月の初会合以降も会合を開こうとしていたようですが、日程が折り合わず*6
さらに6月の中間報告も見送られ、8月29日にようやく2回目の会合が開かれました*7

サッカー場配置案公表 中央公園の南北方向を軸に建設 広島市など 屋根設け騒音軽減
中国新聞 2017年8月30日28面》


地元側からは渋滞対策を巡って「交通量のデータが古く、受け入れられない」などの意見が出た。「生活空間が激変し、賛成できない。住民ファーストで考えて」との声も上がった。徳弘親利会長は「今日で終わりではない。これからが基町の正念場だ」と語った。市文化スポーツ部の杉山朗部長は「いろいろな心配があると分かった。もう一度整理をしたい」と話した。


そして、3回目の会合の年内開催を模索していたものの越年することになりました*8
内容面だけでなく日程面でも終始折り合えなかった1年間だったというのが率直な印象です。


松井市長も「後ろを区切るというのは、なるべくしない方が良い」と述べています*9
4者会談までまだまだ時間がかかることは避けられない状況です。

③三候補値の比較

明日を考える会との会合と平行して三者は3候補地の比較結果を公表しました*10
詳しい内容を説明するにはスペースが足りないので広島市広島県の公表資料をご覧下さい。

広島市の石橋市議が動画で解説されていますので、そちらも参考にどうぞ。


www.youtube.com


比較結果の内容で覚えておくべきことは、3候補地の中でどこが優位かを示さなかった点です。

3案「並列」どう判断 広島サッカー場 候補地比較結果公表 事業主体など課題山積
中国新聞 2017年12月2日21面》


この日の市議会都市活性化対策特別委員会。市の担当者は「3案の中では順番をつけていない」と強調した。先に候補地となった旧市民球場跡地(中区)と広島みなと公園(南区)では「みなと公園の優位は消えていない」と説明したが、3案では、事実上「みなと優位」が消えた形だ。市議から「いつごろ建設に向かって進むのか」「事業主体はどこか」などの質問も出た。事業主体は候補地決定のタイミングで決めるとし、スケジュールについては「基町の住民に中央公園広場を候補地としたことへの理解を求めている状態。大まかな時期も答えられない」と述べた。


以前も解説したように、広島みなと公園を優位とする結論は説得力に乏しいものでした。


awayisum.hateblo.jp


今回の比較検討が満足のいくものかというとそうではありません。
ただ、間違った検証方法で導き出された結論が取り消された(らしい)のは前進
これくらいはポジティブに受け止めてもいいのではないでしょうか。

サンフレッチェの取り組み

ここまで見てきたように2017年はサンフレッチェにとって「待ち」の1年でした。
三者の動きの遅さに対してクラブとしてどのような対策を講じたかは確認が必要でしょう。
しかし、何もしていなかったというとそういう訳ではありません。

2017年初頭、クラブ職員の海外視察を実施しています。


www.youtube.com

テーマ1 クラブについて(織田秀和 代表取締役社長)
《第15回サポーターズカンファレンス議事録》


【クラブの経営面について】
後ほどスタジアムの話もしますが、我々はスタジアムができることを望んでおります。できることを確信しております。


スタジアムができるときにどのようなスタジアムであればよいか。どのようにスタジアムをビジネスとして展開していくか。そういう勉強を今からやっておく必要があります。明日から職員5人をドイツ・オランダに派遣して、街中にある3万人規模のスタジアムを視察研修させます。どういう作りで、どういう地域との関わりをしているのか。それを勉強させます。別に、4人ほどアメリカにも行かせます。スポーツビジネスはアメリカが本場ですので、サッカービジネスだけではなく、MLBやNBAを勉強させます


なかなかこういう機会を作ることができていませんでしたが、将来を考えたときに必要だと思っています。来るべきときが来ることを願っていますし、スタジアム建設費用として内部留保もしております。


欧州だけでなくMLSの視察も実施したのはよく考えているなと感心しました。
ただ、その視察報告的なものは発表されていませんので、是非とも見せてほしいです。

⑤その他(2018年の予定)

2018年に広島広域公園陸上競技場のトイレやスタンドの改修工事も始まるようです*11

資料3(P107~P141):当初予算主要事業(建設関係)
広島市 2017年2月6日付》


広島広域公園整備 7,210万円

 和式トイレを洋式トイレに改修する。
 (スケジュール)29年度 実施設計 30年度 改修工事

 メインスタンドのベンチ席の一部を個席に改修する。
 (スケジュール)29年度 実施設計 30・31年度 改修工事

 基層打替工事 3面


広島広域公園陸上競技場はこれまでJリーグから散々怒られていました*12

サンフレッチェもこういった事態にやきもきしていたのでしょう。
2016年にエディオンスタジアム命名権更新の件で少し揉めてしまいました*13

2016年06月23日記者会見「6月22日からの大雨に伴う対応状況について外3件」
広島市 2018年1月18日閲覧》


【サッカースタジアムの建設について】
そうした中で、今、エディオンとの関係で申し上げると、今の広域公園にサッカースタジアムがあります。ここは、実は、別の形で命名権エディオンスタジアムという命名権を頂いていて、命名権料なんかももらっています。こっちの方については、実は、今言った大事にするということをやってもらいたい中で、その当事者のいろいろな思いもあるのでしょうけど、「命名権料を引き下げてくれないか」という申し出も受けています。


担当部署が違うのですけど、そして、同時に引下げを提案するのは、元々、あそこは、陸上競技場でありながら、スタジアムを兼務しています。その陸上競技場なのですが、できるだけJリーグのサッカースタジアムの施設基準に合わせて、大規模改修をしてもらってないので、それをやってもらうようにするためには、「ちゃんとやってもらわないと命名権料というのは出せないですよ」というような、そういう持ち掛けが今来ています。大規模改修に関しては、市の方とすれば、今までの扱いで、サッカースタジアムだけという施設じゃなくて陸上競技場という性格もありますので、市がお金を掛けて、どうするかっていうのは、全体を考えながら調整しているので、そのJリーグのためだけの運用というのはできない。しかし、その命名権は、年間、頂く中で、サッカー競技の運用を円滑にするために、それに必要な手当をするためにということで、大規模改修に充てるというとこまで、多分、全部が、額が全然違いますから、それは関係ないですけど、今、そういった形での要請が来ています。


その後交渉が上手く進んだのか、スタジアムの命名権は無事更新されました*14

広島広域公園陸上競技場(エディオンスタジアム広島)の命名権契約の更新について
広島市 2017年1月27日》


2 呼称  エディオンスタジアム広島  
3 契約金額(命名権料) 年額3,300万円(消費税及び地方消費税を含む。)
4 呼称使用期間  平成29年3月1日から平成32年2月29日まで(3年間)
5 契約締結日  平成29年1月25日


そしておそらくこのときの要望を受けて冒頭の改修の話が前に進んだのだと思います。
改修しないとACLに出場しても試合ができない困った事態になるところでした*15
改修に応じてくれた広島市には感謝したいですね。


というわけでスタジアムに関する2017年の話題は以上です。
2018年は少しでも前に進んだと言えるような1年になってほしいと切に願っています。



[Ⅱ]備考欄(その他)

最後に、ここまでのテーマで取り扱えなかった項目について確認しておきたいと思います。

①ドーピング問題の決着

第一に、2016年に発生したドーピング問題の決着について。

アンチ・ドーピングに関する社内処分について
サンフレッチェ広島 2017年1月27日付》


当クラブはアンチ・ドーピングの徹底の観点から、メディカル体制の抜本的見直し、及び刷新をおこない、再発防止に努めてまいります。


処分内容

  • 代表取締役社長 織田秀和 減給5% 1ヶ月
  • 強化部長 譴責
  • その他、関係者を社内規定に準じて処分


本件について千葉選手に過失がないことは再三再四述べてきたところです*16
強いて言えば過失はクラブにありますから何らかのケジメは必要だったということでしょう。

ただ、千葉選手に落ち度がないことを立証するために努力してくれたチームドクターの寛田司医師にも責任をとらせるという処分については少々納得しづらい点はありました*17

②他のスポーツクラブとの関係構築

第二に、他のスポーツクラブとの関係構築を積極的に進めた点について。
その代表的なものが「中四国Jリーグ7クラブ連携協定」です。

大規模災害に備えた中四国Jリーグ7クラブ連携協定の締結について
サンフレッチェ広島 2017年5月11日付》


中四国クラブ間ではこれまでにもPRIDE OF 中四国をはじめ、クラブ間での取り組みや協力により、公式戦での盛り上がりや相乗効果を生み出してまいりましたが、災害対策につきましてもクラブ間で協力できるよう体制強化を行うべきとの考えに至りました。自然災害につきましては被害の大きさや状況などの予測が難しく、協力すべき事柄も多岐にわたりますが、このたびの協定では、主に下記二点において公式戦の円滑な再開に向けた協力体制をつくることに合意いたしました。


○被災した場合の練習拠点の確保
チームは日々練習を重ね、体調管理を徹底した上で公式戦に臨みます。被災時にはそれぞれの地域での練習場確保が難しい場合も想定されることから、中四国クラブ全7クラブが協力して代替地の確保に努めることとします。


○公式戦を円滑に行える体制作り
被災時には通常本拠地としておりますスタジアムの使用が難しいことが想定されます。練習拠点とともに公式戦を行う会場の確保は、公式戦再開に向けた必須事項となることから、中四国クラブ全7クラブが協力してそれぞれのクラブの本拠地(スタジアム)をはじめとした会場の確保に努めることとします。


2016年に起きた熊本地震によって熊本はもちろんロアッソ熊本も大きな被害を蒙りました。

特に、ホームスタジアムが救援物資の集積や警察などの救援活動の拠点として活用され*18、安全上の確認が必要だったことで県外で試合開催せざるを得ず*19、一時は練習場の使用もできないほどの状況だったのでリーグ戦再開まで時間がかかったことはまだ記憶に新しいはずです*20

そうした災害が起きる前に協定を作っておこうという判断は素晴らしいものだと思います。
困ったときはお互い様ですし、事前に協力体制を築いておけば動きやすいはず。


また、カープを訪問して集客面のアドバイスを受けるという話題もありました*21
その二その四でも述べたように他団体との関係構築が進んでいるのはポジティブですね。

③アジア戦略

最後に、2018年シーズンの新戦力としてタイ代表のティーラシンを獲得しました*22
ティーラシンのプレーについては置いておいて、経営面で重要なのはアジア戦略です。

サンフレにティーラシン加入
中国新聞 2017年12月20日16面》


経営面での波及効果もにらむ。絶大な人気にあやかり、タイからの観戦者の増加を期待。ムアントンの親会社はメディア企業で、広島の試合が現地で放送される見込みだ。「タイのメッシ」と評されるチャナティップを今夏獲得したJ1札幌は、タイで販売促進を目指す国内の企業とスポンサー契約を結んだ。広島は新たなスポンサー獲得へ、現地やタイ進出を目指す国内の企業へのアピールを検討。グッズ販売にも力を注ぐ構えだ。広島は「戦力としてピッチで活躍してもらうことが一番大事。その上で集客や経営にいい影響をもたらしてほしい」とチーム再建への起爆剤の役割を託す。


Jリーグ全体としてアジア戦略に乗り出している昨今。
Jクラブで先頭を走っているのが北海道コンサドーレ札幌である点に異論はないでしょう*23

札幌はレ・コン・ビンを皮切りにアジア出身選手を毎年のように獲得しています*24
アジア選手獲得による直接的な効果は小さくとも、間接的な効果が多いという話。

2013年 アジア戦略とレ・コン・ビン<後編>シリーズ 証言でつづる「Jリーグ25周年」
スポーツナビ 2017年10月28日付》


「日本の商社が、札幌ドームにベトナム語の看板を出してくれることになったんですね。レ・コン・ビンはCKを蹴ることが多いから、ちょうどコーナーアークのあたりに看板を出しましょうと。ベトナム語なので、何と書いてあるのかは分からない。でも、中継映像を楽しんでいるベトナムの人たちは、その看板を見て『おおっ!』と思うわけですよ。それに日本でも、全国ニュースで取り上げられましたしね」野々村の証言である。ちなみに、レ・コン・ビン獲得で得た売り上げは「看板を含めて5000万円くらい」とのこと。だがそれ以上に「国内でのメディア露出もそうだし、試合の勝ち負け以外の価値というものを、スポンサーさんに分かっていただけたのは大きかった」とも語る。


広島はアジア戦略の後発クラブです。
2018年シーズンはどのような取り組みを見せてくれるのか注目しています。



[Ⅲ]2018年のシーズンの展望(的な何か)

さて長々となりましたが2017年通信簿は以上です。
もはや通信簿なのかという疑問も湧いてきていますが、その辺りはご寛恕下さい。

その一でも述べたように2017年を表す漢字は「変」だったと思います。
「変」化、「変」更、「変」革、そして大「変」な一年だったのではないでしょうか。


「変」にはポジティブな面もあればネガティブな面もあります。

これまで続いた森保体制が崩壊し、入場者数も大幅減という変化は辛く厳しいものでした。
一方、スタジアム前広場やシャトルバス・パークアンドライドの試行など変革もありました。

テーマ5 スタジアムイベントについて(久保雅義 企画広報部長)
《第15回サポーターズカンファレンス議事録》


【広報について】
今年は25周年という節目の年、改革の年と考えております。様々なことにチャレンジして楽しんでいただけるように、創意工夫をして皆さんの意見を取り入れていきたいと思っています。ぜひ、ご意見をおっしゃっていただければありがたいですし、それがサンフレッチェ広島のさらなる発展と、ライト層の方にご来場いただける環境づくりになると思っています。ぜひ、お知恵を貸してください。私も一層の努力で、これまで以上にサンフレッチェ広島を広島全体に広げていきたいと考えています。ありがとうございました。


クラブもそれに関わる人も変わらずにはいられません。
それは人も組織も毎年歳をとるという変わらない原理がある以上不変のものです。


2017年は変化せざるを得ないことにより失ったものも多い一年でした。
しかし、だからこそサンフレッチェの持つ財産を再確認で来た一年でもあります。

「残留」
《ちゅーピーメルマガ:運動部デスク日誌 2017年11月27日配信分》


思えば、今年の広島スポーツ界は、連覇を果たしたカープ一色だった。マツダスタジアムは連日の大入り。テレビ視聴率は平均で30%を超え、25日の優勝パレードは全局が生中継した。大フィーバーの裏で、サンフレは埋没した。「カープ1強でいいのだろうか」。その答えを、この一戦で探すつもりでいた。


今季最多の2万2333人という入場者数を聞いて、正直ほっとした。観戦した人の話では、いつもは静かなエリアからも拍手や声援が響き、「普段は来ていないサポーターが集まってくれてうれしかった」という。サンフレが地域の宝であることを再確認するきっかけになったと思えば、ハラハラした日々も無駄ではなかったように思える。


2018年は社長も監督も替わって新しい1年が始まります。
集客対策、スタジアム問題、アジア戦略など課題は山のように存在しています。

クラブとサポーターがICHIGANとなって取り組めることを心より願っております。


https://lh3.googleusercontent.com/ZRQFeoa0hRZD7eV324Bmb3wBdChPZk4sNdNZs32i595iYwnAYRGy14wTpJfsqFuW0myBmIk-o9dZmAqC2s35f-vjmfFdRzIClsoFRduZGA4EH7DAhfdR7DGXx3QLfXvRxDe3eJFR-w=w570-h160-no
サンフレッチェ広島より》


それでは2018年シーズンもよろしくお願いいたします。



*1:サッカースタジアムの検討広島市 2018年1月16日閲覧》、サッカースタジアムの検討広島県 2017年12月1日更新》。

*2:サッカースタジアム検討に係る知事・市長・商工会議所会頭及びサンフレッチェ広島会長による4者の意見交換(2回目)の概要広島市 2016年9月14日》。

*3:サッカー場4者会談は来年に開催《中国新聞 2016年12月13日24面》、中央公園への建設反対伝えるNHK 2017年1月25日付》。

*4:サッカースタジアム実務者検証作業部会と「基町の明日を考える会」とのやりとり広島市 2018年1月16日閲覧》、サッカースタジアム実務者検証作業部会と「基町の明日を考える会」とのやりとり広島県 2017年9月6日更新》。

*5:反対の基町住民 質問状を提出へ 広島 サッカー場建設《中国新聞 2017年1月24日22面》、広島中央公園にサッカー場「悪影響なら異議」 住民、市に表明日本経済新聞 2017年1月26日付》、

*6:県・市、月内にも中間まとめ 広島サッカー場 中央公園案 具体像盛り地元説明《中国新聞 2017年6月24日23面》。

*7:広島サッカー場 中央公園案 中間報告見送り 来月に最終結果《中国新聞 2017年7月21日24面》、配置図も住民提示へ サッカー場 中央公園案 広島市など29日説明《中国新聞 2017年8月24日23面》。

*8:サッカー場 見えぬゴール 広島 中央公園案加え1年 月内に事業費算出 市、住民不安解消に力《中国新聞 2017年9月16日29面》、候補地絞り込み 越年へ 広島サッカー場 住民と調整つかず《中国新聞 2017年12月22日29面》。

*9:2017年11月22日記者会見「平成29年第5回市議会定例会提出案件について外1件」広島市 2018年1月16日閲覧》。

*10:サッカースタジアムに係る各建設候補地の比較広島市 2017年12月1日公表》。なお、3候補地とは旧市民球場跡地、広島みなと公園、中央公園自由・芝生広場の3箇所をいう。

*11:広島広域公園 どうする第二球技場改修《中国新聞 2017年10月19日33面》。

*12:例えば、エディオンスタジアム広島の大型映像装置についてサンフレッチェ広島 2014年7月11日付》、2015シーズン J1クラブライセンス交付のお知らせサンフレッチェ広島公式HP 2014年9月30日付》。

*13:エディスタ広島命名権料 エディオン減額打診《中国新聞 2016年6月24日24面》。

*14:「エディスタ広島」継続 命名権2度目更新 3月から3年間《中国新聞 2017年1月28日25面》。なお今回は2回目の契約更新である。当初契約は、命名権料が年額3,300万円で、名称使用期間は2013年3月1日から2016年2月29日までの3年間だった。広島広域公園陸上競技場の命名権契約締結のお知らせエディオン 2012年12月13日》。1度目の更新契約は、命名権料が年額3,500万で、呼称使用期間は2016年3月1日から2017年2月28日までの1年間だった。広島広域公園陸上競技場(エディオンスタジアム広島)の命名権契約の更新について広島市 2016年1月25日》。

*15:熱狂席確保へ苦肉策 等々力競技場で川崎市カナロコ 2016年10月18日付》。

*16:当クラブ所属選手に対する、日本アンチ・ドーピング規律パネルの決定についてサンフレッチェ広島 2016年12月22日付》、千葉和彦選手(サンフレッチェ広島F.C)に落ち度はない《望月浩一郎ブログ 2017年1月2日付》、千葉和彦選手のドーピング事案について《Japan Sport Law Support and Research Center 2017年3月5日付》。

*17:サンフレッチェ広島なぜ低迷? ベテランチームドクターの離脱が影響かフットボールチャンネル 2017年5月17日付》。

*18:うまスタ、休止長期化も 「安全性確認できず」《くまにちコム 2016年5月3日》。

*19:J2熊本、本拠地「うまスタ」使用は夏まで困難か《産経ニュース 2016年5月10日付》、7月からの「うまかな・よかなスタジアム」の使用についてロアッソ熊本 2016年6月17日付》、「うまかな・よかなスタジアム」の使用についてロアッソ熊本 2016年8月19日付》。

*20:ロアッソ熊本トップチームの練習についてロアッソ熊本 2016年4月15日付》。

*21:集客の仕掛け カープに学ぶ サンフレ織田社長が訪問《中国新聞 2017年1月19日23面》。

*22:ティーラシン選手(ムアントン・ユナイテッドFC)期限付き移籍加入合意のお知らせサンフレッチェ広島 2017年12月20日付》、ティーラシンとは何者か? J入り濃厚なタイ最高峰ストライカー《Victory 2017年12月18日付》。

*23:コンサドーレの野々村芳和社長が目指す『100億円クラブ』の真意とは?《J論 2016年5月27日付》、コンサドーレ 野々村芳和の経営論 北海道から世界のクラブへ ~株式会社コンサドーレ 代表取締役社長CEO 野々村 芳和 氏(後編)日経BPスペシャル 2017年11月8日付》。

*24:2013年 アジア戦略とレ・コン・ビン<前編> シリーズ 証言でつづる「Jリーグ25周年」スポーツナビ 2017年10月27日付》。

サンフレッチェ広島 2017年通信簿(その四) ~クラブ(人)は変わっていくものだろ~

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通信簿その四のテーマはグッズ販売とイベント企画・広報。

前半でグッズ販売について述べ、後半で企画広報について触れたいと思います。



[Ⅰ]グッズ販売…【良くできました】

それでは前半のテーマ=グッズ販売についてみていきましょう。

Jリーグは、2005年から継続してJクラブ個別経営情報開示資料を開示しています。
その内容も毎年詳細化しており、2016年度分から物販収入が表示されるようになりました。


https://lh3.googleusercontent.com/3hXUkedXuOskN6XB6_KPIomIFfZPusBL_OKSaXJ0sQi0UcbB6XyjEkxhYLKb64JkcBKVaWngP_Q82yZwLlbr02a45VlIC57X_4dC6piMKV0igp4PV24ZJRrPvk5yZvnm1EPaXoxC9Q=w720-h960-no
https://lh3.googleusercontent.com/5DSfzAcwdccNfd03ycDWIhyb4cqTtN452Nxo5ZJWlkY6HnTYLca86KWQzjFTX7-_Aaimlwt5sDhb1tjc6HN9lxfnbezZIMSCZfcJZT9LYgjFAe0n9GGKH17iH0ZQHlb42kHKRNUnvA=w720-h960-no


このように、サンフレッチェ広島の物販収入は全53クラブ中5位と大健闘しています。
ただし、2016年度の物販収入には前年の優勝の影響が出ていることには留意が必要。

それでも、ここ数年の物販収入の伸び方は非常に好調という話ですので、2017年度も3~4億円は売上を確保できているのではないかと推察されます*1

このように、グッズ販売はサンフレッチェ広島を支える収益基盤になりつつあります。


さて、2017年の大きな変化としてオフィシャルショップV-Pointの移転がありました*2
移転する理由はそれまで営業していたエディオン本店が建て替えられるため。


www.youtube.com


新しい店舗は地下街シャレオ東通りの中央広場寄り。
エディオン本店本店で営業するよりも一般の方も入りやすくなりました。

そのためか、店内の装いもアパレル系になっているような気がします。


一方でエディオン8階で営業していた頃よりも賃料が上がることはまず間違いないでしょう。
2017年度分のグッズ販売に係る利益率が下がってしまう可能性は否めません

そこは広告効果を加味しながら検証していただきたいと思います。


さて、2017年も面白いグッズがありましたので、数点に絞ってご紹介しておきます。
まず、「G-SHOCK サンフレッチェ広島 25周年モデル」*3


www.youtube.com


G-SHOCKは2015年にも1000個限定で販売され、転売が起きるほどの人気商品でした*4
当時は黒が基調となっていましたが今回は白になりモデルも変更。
販売数も強気の1500個となったためまだ在庫はありますよ。


e-vpoint.sanfrecce.co.jp


後半で紹介しますが、サンチェさんがマスコット総選挙で1位に返り咲きました。
それを記念して販売したサンチェカレンダーは1000部と前年の4倍*5

かなり使い勝手がいいと評判でしたので増刷されたようです。


https://lh3.googleusercontent.com/4TwYwsajPziC6opNgLx5tiepPaDjyVLSQE-tyKRJKuw-0q963Pj-ZkJNd0JIBuJcGyyCNhzsjhIjDob6cpg4B2oW2KzFzgovYoSkNmJYRC86_QjOOf-GMXGsFlM7khdTjKpXHtm2mQ=w700-h350-no
サンフレッチェ広島より》


2017年は、商品の販売数が前回発売時よりも多くなっているケースが散見されました。
グッズ販売が順調だから起こるポジティブなサイクルですから継続して欲しいところ。

在庫が出るラインと機会損失を出すラインの見極めはどんなお店でも難しいものですが、ユニフォームの販売と合わせて頑張っていただきたいと思います。


https://lh3.googleusercontent.com/DWmRJutVU1XYTWrj-2jWmtPV7VH7HCbdmMcZjIlcXSTlA-auJBB55bXlPmnaZrP1yFEtG7aKBEoZkAsO2knPqFwlq3pk4KFhJDhRg0Pd389k1IV4s7_jp1IQf70R8Pk_itgl3a8TMw=w700-h303-no
サンフレッチェ広島より》


これらの他にはその二で紹介したサンチェマンホールに因んだグッズも展開されました*6
こういう特徴的なグッズがもっともっと出てきて欲しいですね。


e-vpoint.sanfrecce.co.jp



[Ⅱ]企画広報…【もう少し頑張りましょう】

例年高評価を付けている企画広報ですが今年は少し評価を落としました。
全体的には頑張っているのですが、いくつか気になる課題があったからです。

それでは3項目に分けて2017年の企画広報を振り返っていきましょう。

①2017年の変化=企画・広報全般

2017年からにぎわいステージのパフォーマーを募集するようになりました*7
それまではクラブ主導でパフォーマーを招致していましたがここにもテコ入れ。

募集の背景は分かりませんが、飲食店に続いておまつり広場の改革が進んでいるようです*8


また、ファン感謝デーが5年ぶりに屋外イベントになりました*9
せっかくなので遡れる遡れるだけ過去のファン感謝デーを遡ってみました。


年度 日付 会場 備考 URL
2003年 11月24日(月・祝) NTTクレドホール
2004年 12月5日(日) 広島グリーンアリーナ
2005年 8月13日(土) 広島広域公園陸上競技場
2006年 12月3日(日) 広島県立総合グランド
2007年 実施せず
2008年 10月5日(日) 広島広域公園第二球技場
2009年 8月2日(日) マツダ体育館
2010年 6月5日(土) 広島広域公園第二球技場
2011年 9月3日(土) 広島広域公園第一球技場 台風接近により中止
2012年 10月14日(日) 吉田サッカー公園
2013年 7月21日(日) 広島国際会議場 Ustream配信あり
2014年 2月9日(日) 上野学園ホール Ustream配信あり
2015年 1月24日(土) 広島国際会議場 Ustream配信あり
2016年 11月13日(日) アステールプラザ Ustream配信あり
2017年 7月17日(月・祝) 広島広域公園第一球技場


このように、近年は㈱ベアフットの協力で屋外イベントにシフトしていました。
屋内でのイベントは天候を気にしなくていいのとUstream配信できることが強み。

他方で、キャパシティには限界があり、子連れでの参加が微妙なのが弱みでしょうか。
せっかくサッカーというツールがあるのですから外で身体を動かした方が楽しそうですしね。

2017年のファン感謝デーは監督交代直後だったので、いい切替になったかもしれません。


SNSを用いた広報活動についても1点変化がありました。

サンフレッチェ広島SNSとしてTwitterFacebook、LINE、Instagramを活用しています。
そして、画期的だったのは2017年シーズンからFacebookライブを導入したこと*10

Facebookライブとは、いわゆるストリーミング放送のFacebook版という認識で十分です。
クラブは森﨑浩司氏などの試合前解説やおまつり広場の賑わいレポートを放送していました。

新しい広報ツールとして今後の活用も楽しみにしています。

森崎浩司アンバサダー

2017年の広報活動を語る上でこの人を欠く訳にはいきません。
2016年シーズンをもって引退した森﨑浩司氏がクラブ史上初のアンバサダーに就任しました。


www.sanfrecce.co.jp


森﨑浩司氏はツイッターアカウントも開設し、積極的な情報発信を開始。
選手のオフショットを公開したり、様々なイベントに積極的に参加しました。


アンバサダー就任1年目にもかかわらずチーム状況は最悪。
そんな中でもファン・サポーターが苦しいとき一緒に悩んでくれました。
また、ツイッターなどを通して呼び掛ける姿は非常に頼もしかったです。




森﨑浩司氏はアンバサダーとしてこれ以上ないほど活躍されたと思います。

一方で気になるのは、森﨑浩司氏にあまりにも負担がかかっていないかという点。
クラブに足りてなかった広告塔的存在が表れたことで色々な仕事を任せるのは分かります。

ただ、チームがそうであったように広告も属人的なものであっていいのでしょうか。
後述するサンチェさんの話と合わせて少し見つめ直した方がいいように思います。

もちろん、いきなり1年目から改善できるとは思っていません。
ただ、今後の課題として認識した方がいいのではないかと考えます。

③オフィシャルマスコット・サンチェさん

前述したように、サンチェさんはシーズン前のマスコット総選挙で1位を獲得*11
2015年以来2度目となるセンター返り咲きとなりました。


https://lh3.googleusercontent.com/N-H32y-0xUarYwIzWh9lY68uOvqGE9yHvgF12GqNRFLR9Mm2wrp7SxU3adnmL1mOTIgPuOf4UR-IsMAHG5Tqd_RJr4acIsXhToZt5hTRwbWj1A_VhnubcBff_nl91_4a-W0wPjoZHg=w1485-h989-no
Jリーグ公式Twitterより》


また、堂島孝平さんに作曲を依頼したサンチェたいそうも完成*12
さらに、サンチェたいそうを引っ提げて第2回でも紹介したサンチェキャラバンも実施。


www.youtube.com


この他にも安佐南区民まつりや経済大学の興動祭へ参加するなど精力的に活動しました*13
整形前では考えられないくらい引っ張りだことなっています。


一方で、9月30日以降サンチェさんのTwitterの更新が停止しています。
もっというと7月以降の更新は3ツイートのみでした。



成績が悪いため更新内容に気を遣っているうちに更新できなくなったのか、純粋にそこにリソースが割けなくなったのかは我々には分かりません。

ただ、小谷野元社長のもと1つの財産と言えるほど成長したコンテンツを手放すのはおかしい。
それに、なんのためにマスコット総選挙で頑張ったのだと言いたくもなります。


その分のリソースが森﨑浩司氏の方に向けられている印象があるのです。
もう少しバランスというか配分を考えてTwitterを運用できないでしょうか。

2018年シーズンが始まるまでに再開してくれると嬉しいです。



[Ⅲ]まとめ

今回も長くなりましたが、実はグッズ販売の画像が縦に長いことが最大の原因です。
企画広報についても、他に紹介したい活動は山ほどありましたが断念。


2017年のグッズ販売・企画広報もまた成績に足を引っ張られてしまった印象が拭えません。
例年であればフックしたであろう企画が上手く引っかかりませんでした。

サンフレッチェ広島 Jリーグベストゴール」の募集期間が延長されたのもその一つ*14
成績が良ければこういった企画ももっと盛り上がったはず。
試合興行を中心とするクラブ経営の難しさに直面した一年でした。


サンチェたいそうにしても、商品はいいのだからもう少し上手く普及できれば面白い。
そこで考えたサンチェキャラバンは実に面白い取り組みだったと思います。

一方で、子供だけでなくもう少し上の年齢にもフックするような施策を考えたいところ。
今後の取り組みに期待したいと思います。


それでは次回・最終回です。
スタジアムとその他の話を拾ってまとめに入りたいと思います。

最後までお付き合いいただければ幸いです。



*1:2012年度は3.4億円、2013年度は4.0億円、2014年度は4.3億円だった。第13回サポーターズカンファレンス議事録より。

*2:サンフレッチェ広島オフィシャルショップ「V-POINT」移転のお知らせサンフレッチェ広島 2017年3月13日付》、4月13日(木)紙屋町シャレオ東通りにサンフレッチェ広島オフィシャルショップ「V-POINT」移転オープンのお知らせサンフレッチェ広島 2017年4月5日付》。

*3:『G-SHOCK サンフレッチェ広島 25周年モデル』販売開始のお知らせサンフレッチェ広島 2017年6月13日付》。

*4:『G-SHOCK サンフレッチェ広島モデル』販売開始のお知らせサンフレッチェ広島 2015年5月29日付》。

*5:サンチェ卓上カレンダー 販売のお知らせサンフレッチェ広島 2017年2月24日付》、サンチェカレンダー(卓上タイプ)販売のお知らせサンフレッチェ広島 2016年3月29日付》。

*6:『ご当地マンホール サンフレッチェ広島』グッズ 販売のお知らせサンフレッチェ広島 2017年8月4日付》。

*7:「にぎわいステージ」パフォーマー募集のお知らせサンフレッチェ広島 2017年2月7日付》。

*8:2015シーズン サンフレッチェ広島ホームゲーム飲食売店 募集のお知らせサンフレッチェ広島 2014年11月11日付》。

*9:【情報を追加しました!】『サンフレッチェ広島 ファン感謝デー2017』のお知らせサンフレッチェ広島 2017年7月14日付》。

*10:なお、初回放送はおそらく2017年4月16日の横浜マリノス戦。Facebook LIVE生配信第2部 試合開始直前!中島浩司・森崎浩司による本日のゲーム見どころ、前節を振り返っての生解説サンフレッチェ広島Facebook 2017年4月16日投稿》。

*11:結果発表:Jリーグマスコット総選挙(2017/サッカー)Jリーグ.jp 2018年1月15日閲覧》。

*12:サンフレッチェ広島25周年記念事業“サンチェたいそう”2月25日(土)試合会場にて初披露のお知らせサンフレッチェ広島 2017年2月18日付》。

*13:サンチェが「第38回安佐南区民まつり」に参加サンフレッチェ広島 2017年11月7日付》、第12回祇園・興動祭にサンチェが出演サンフレッチェ広島 2017年11月13日付》。

*14:【投票期間を延長しました!】『あなたの選ぶ サンフレッチェ広島 Jリーグベストゴール』募集のお知らせサンフレッチェ広島 2017年6月30日付》。

サンフレッチェ広島 2017年通信簿(その三) ~クラブ(人)は変わっていくものだろ~

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通信簿その三のテーマは集客。

2017年シーズンはそれまでとは異なる集客上の取り組みがありました。
そうした変化を中心に確認していくことにしましょう。



[Ⅰ]入場者数…【もう少し頑張りましょう】

それではまず入場者数について確認しておきたいと思います。
2017年シーズンはリーグ戦の入場者数が約23万8千人と6年ぶりに25万人を割りました


https://lh3.googleusercontent.com/B7EiUMBiiFrs7T5HnDvS-AGHStZgN7hCbiujSV2DvZnIAuYPWl3smeRwCLMOX5BJ3FNrbetes6XtgtFDuLShDn__Znj5_xcg2iMIjw9N2F_5F2-bxHLBrDW2aZyU6_cIic_2ug8HhA=w960-h720-no


入場者数の躍進が好成績に支えられていたということが改めて浮き彫りになった形。
ポジティブな話題は、史上10クラブ目のJ1通算入場者数500万人突破くらいでしょうか*1


入場者数が減少傾向である理由としてはいくつか考えられます。

  1. そもそも2012年以来の好成績で入場者数が増えていたので元に戻っているだけ
  2. 代替物の普及(カープやドラゴンフライズなど)
  3. 品質の低下(成績の悪化、駐車場の減少)


他にもあるかもしれませんが、クラブとして対処できるのは3番目の要因くらいです。
実際に、2017年はそれまでとは違う、変わった施策をいくつも実施しています。


もちろん失敗もありましたし、成果をあげられなかったのも事実です。
ただ、どのような集客努力をしていたのかはきちんと認識しておきたいと思います。

一口に集客対策といっても様々な対策があります。

本稿ではその中でも変化に主眼を置き、「スタジアム運営」、「試合企画」、「チケット販売」、「年間パス販売」、「アクセス対策」の5つに分けてチェックしていきたいと思います。



[Ⅱ]2017年の変化=スタジアム運営

2017年実施した集客対策として最も大きなものは再入場全面解禁です。


www.sanfrecce.co.jp


これまで再入場の権利は年間パス保有者限定の特典。
このような仕様にしている理由は年間パスに付加価値を付けるためと説明されていました*2

他方で、一度入場すると出られないのでは屋台や屋外イベントを楽しめません。
再入場が解禁されたことで飲食関係などプラスの影響があったのではないでしょうか*3


また、スタジアム外のおまつり広場が改善されたことも特筆すべき点です。



まだまだ全然足りていないとはいえ、飲食スペースは格段に広くなりました。
イベントの観覧もやりやすくなっていますし、まさに求められていた改善です。

今後の課題は、屋台に並ぶとその行列が中心に向かって伸びてしまう点でしょうか。


託児所の受付が場外に移動し、入場前に利用できるようになった点もナイスな改善点です。
むしろ再入場が解禁される前からやっておくべきだったのでは…という想いもありますが。


https://lh3.googleusercontent.com/MK8vci3GAyLt4b-8zriA34z4ZRg6czG8Ogc_xfYZfU9GKpJnT5eEcdsrNxMNm33OiEAmIST-xiSXZeD3xQhQNa_uroBPISCt78rLlzMZ_cj_tQGNMl4lYnJvh2LL0zyTNc3kyXr-GA=w600-h423-no
サンフレッチェ広島より》


最後に、スタジアムのスロープ下を「サンチェひろば」として展開し始めました。


https://lh3.googleusercontent.com/LL61SA984AdVITsEeyjZNpna24LRq6KKbHF1FoXbJjHnzkyyH5J5Y2Z7mpqX4A1QTI2KD5W2tjwTUQ61ut_ov5_wLeaJPM7Yhg8WCV7BDDZGDymrU2AR4WVWTAAVnAofcwtojWMLgg=w700-h600-no
サンフレッチェ広島より》


従来はアウェイスタンド寄りだった「サンチェふわふわドーム」などをスロープ下に移動。
子どもたちが遊べる場所を1カ所に集約したことで分かりやすくなったのではないでしょうか。

また、結果としてスケートボードの利用者を間接的に排除することに成功しました。
言葉は悪いですが、歩行者にとって非常に危険でしたので棲み分けができて良かったです。


他方で、それまでは大行列だった重富のビールスタンドが有効活用できなくなりました

スロープ下まで移動することは非常に面倒に感じるもので、わざわざ降りる人は少ない。
降りるだけなら構わないとしても、もう一度山を登るのはしんどいのです。
というか登っている間に買ったビールの泡が飛ぶのは重大な欠陥ではないでしょうか。

テーマ5 スタジアムイベントについて(久保雅義 企画広報部長)
《第15回サポーターズカンファレンス議事録》


【試合会場の雰囲気づくりについて】
このたび、スロープ下からのにぎわいを創出したいと考えたのは、広域公園駅を降りてからスタジアムに上がるまでの坂道を長いと感じているからです。それを考慮して、下の方から少しでもサンフレッチェ広島のスタジアムに近づいてきたという雰囲気を創出したいと思っています。


趣旨は分かりますが、結果としておまつり広場とサンチェ広場は分断されてしまいました。
メリットもある一方で、その2カ所を繋ぐにはあまりにも距離的(傾斜的)ハードルが高い

この点は、2018年シーズンに向けた大きな課題として残っています。

[Ⅲ]2017年の変化=試合企画

全ての企画を取り上げることはできませんので3つだけ印象的なものをピックアップします。


1つ目は、ここ数年恒例となっているレディースデー。
2017年シーズンは「サンフレガールズフェスタ2017」と題して沢山企画しました。


www.sanfrecce.co.jp


ハーフタイムにバルーン風船を飛ばすなどこれまでにない企画が多かった印象。
是非来年も意欲的な企画に取り組んで欲しいなと思います。


先程紹介した「サンチェひろば」で今夏はビアガーデンを開催していました。
重富様のビールを絡ませた企画として非常にアリです。



ただ、やるならもう少し本気度が欲しかったというのが正直な感想。
価格面で強気なのですから、ビール以外の商品などにも力を入れなくては続きません。


最後に、今年一番反響が大きかった企画は八天堂様とのコラボ企画でしょう。


www.youtube.com
https://lh3.googleusercontent.com/KeLN5fF0lKl-o6HJnDAnIg1R1GFER04FXdkX0LAHQsRDaHgV1T0jayZytkUN4WrQAwi7jEw38jD78ZeLwCKgP6Z-QF-QuoDTtI2BWFU8-prshLi4AHTDVclARPAZDEL54A1tjyvepA=w700-h303-no
サンフレッチェ広島より》


クリームパンが限定商品ということもさることながら保冷バッグも限定品。
初日の川崎戦は長蛇の列となり、開始50分で500個が完売する驚異的な売れ行きでした*4

こういう魅力的なコラボ企画は訴求力を高めるので今後も頑張って欲しいですね。

[Ⅳ]2017年の変化=チケット企画

2017年はクラブ創立25周年ということもあってチケット企画も充実していました。
青春ペアシートやスタチケ、カープコラボチケットに関しては2016年までとほぼ同じ*5


https://lh3.googleusercontent.com/rqIT2f3sHaixGT4JL_Mh2AeUvSJdiTZAKaR7Kc5hLHb1zvmkMhIg7sovA-jFUFuv6pHsP9nya335KZcy7gVzENEBPOKUBfcULloUrk7HO_VrCVOM2ATlGkFVeUYd1OkHyq-o8a1B1Q=w622-h293-no
サンフレッチェ広島より》


新しい企画としてはマリノス戦などで販売されたテーブル付きシート*6
飲食にもってこいですし、嬉しい人も多いのではないでしょうか。


https://lh3.googleusercontent.com/rByIBoViAAZxRXDLNtvMnTXgqvZdD0jfsavQLN_BNrhTpzPAlZOoCytNb67ulQFIMnxLSYW48Lj2tGSrFV76vEQ9Kkhkt9jM4NsDA2dzO97AKd1V1u-eLoaQDoL80pPBrikZxtoMsg=w570-h320-no
サンフレッチェ広島より》


また、レイソル戦は4月1日=エイプリルフールだったこともあって森山あすかさんが出演*7
それに因んで「うっそ~~!!運だめシート」を販売しました*8


https://lh3.googleusercontent.com/3b3QX96xdUhAh6vbmz9ShcKV5zxLbYg0eq5xbcUHqNYzJtSofAWNEXgfQPBRrstXIjjDbGYyK1rZPKk_XFT0cfauplHJF8KplpDV-vSDYRtfsKQfxMO1uSB489WUQzb8PoJAG5-VCw=w570-h320-no
サンフレッチェ広島より》


そして2017年はアンジュヴィオレ広島広島ドラゴンフライズとのコラボもありました*9
デザインが非常にいいのでカープ同様継続できたらいいなと思っています。


https://lh3.googleusercontent.com/o6XQ337nW3fHj_A7jR29DOS4u32bXOBQ4BLx66r89jIc-botloELm5LyBd71eVNp81EKMtM4eDlYdLGzgNym_ek44Q71e_LBXqaZh0TWuCiRC3OKOcZuCGyiguMD5VZs9JNJWI_kiA=w627-h229-no
サンフレッチェ広島より》

https://lh3.googleusercontent.com/hHYtpb3rtL5UjXp7OMZd0C1Sd2UnTK9QLZ5_ZDDqB_RC-sJqL4gPEmbKeWRgZ1lcFerWZ_9d55z-T0fWB66ABjJKHN0YTdlNxUEbVwncQG-FoJ8tQyGAYyIiPS334h-jAD_7Cafl8w=w400-h567-no
アンジュヴィオレ広島フェイスブックより》


これらの他に夏休み親子特別体験ペアチケットなども発売していました*10


また、県内全ての新小学一年生を対象にした無料観戦パスポートを交付しました。

広島県内の新小学1年生への無料観戦パスポート交付について
サンフレッチェ広島 2017年3月21日付》


趣旨
小学校入学により新たなライフステージに立ち、様々な経験を積んでいく多感な時期に、プロサッカーを生で観戦することを通じて、子供たちの心身の成長に寄与すると同時に、サンフレッチェ広島を通じて多くの広島県民の方にスポーツに触れていただくことを目的に本事業を実施いたします。


対象
2017年4月に小学1年生になる児童約25,000人(広島県内全ての小学校)


内容
2017年にホームスタジアムで開催されるリーグ戦及びカップ戦を無料観戦できるパスポートを申込制により交付します。
・席種:バックスタンド自由シート


従来は無料招待券を絞る傾向だったことを考えると大きな変化です*11
ただ、創立25周年という題目にしているため実験的なものと捉えるべきかもしれません。


チケットの種類だけではなくチケットの販売方法でもいくつか変更点がありました。
それが、オンライン販売での会員割引対応と、団体観戦プラン申込の簡素化

【サンフレッチェクラブ会員のみなさまへ】オフィシャルホームページ「オンライン販売」より、会員割引購入ができるようになります!
サンフレッチェ広島 2017年1月26日付》


サンフレッチェ広島では、2月18日(土)10:00よりオンラインにて会員割引販売を開始いたしますのでお知らせいたします。店頭に行かなくても、クラブ公式オンラインチケットページ(Jリーグチケット)にて、会員割引価格でチケットをお求めいただくことができるようになります!購入には「Jリーグチケット利用登録」と「ワンタッチパスID設定」が必要となります。お客様の「ワンタッチパスID」に関しましては、2月10日以降お届けの新カードに添付しておりますのでご確認ください。

団体観戦プランのお申込が簡単になりました!!
サンフレッチェ広島 2017年10月16日付》


サンフレッチェ広島団体観戦プランのお申込みがとっても簡単・便利☆になりましたのでお知らせいたします。以前はFAXのみでのお申込み受付でしたが、この度携帯やPCから受付可能なメールでの受付となりました。15名以上でご観戦希望の方は、ぜひこの機会にご利用ください!


どちらも今まで対応できていなかったのか…という驚きの方が強いです。
まだまだチケット販売1つとっても改善点は山盛りなのかも知れません。

[Ⅴ]2017年の変化=年間パス販売

年間パスの販売数はクラブにとって重要な課題であることは以前も述べました。


awayisum.hateblo.jp


そのためクラブは様々な付加価値を付けることで年間パスの販促を行ってきています。
価格面だけでなく、優先入場や再入場の権利などがその特典の代表例です。

しかし、前述したように2017年に特典の1つである再入場の権利を解禁しました。
これはクラブが年間パスに別の付加価値を付けることに切り替えたともとれます。


この傾向は数年前から見られており、例えば、ユニフォームの最速先行予約や、ふれあいイベントへの参加権・プレシーズンの新加入会見への招待などがありました*12

同様に、2017年はミキッチ選手のサイン会も年間パス所有者限定として優遇策を実施*13



年間パスの付加価値を増やしていくことは販売促進上、重要なことです。

とはいえ、この取組はまだまだ道半ばなのだろうと思います。
個人的には、優先入場のメリットをもっと前面に出せないかなと思っているのですが。

[Ⅵ]2017年の変化=交通アクセス

最後にスタジアムの交通アクセスの改善への取組について述べなければなりません。
以前、広島広域公園のアクセス問題がどこに起因するものかの分析を行いました。


awayisum.hateblo.jp


分析結果については上記投稿を見てください(但し長い)。

この投稿後に長距離シャトルバスの試験運行が開始されたのはご存じだと思います*14
そして、2017年シーズンは長距離シャトルバスが本格運行されることになりました*15



前掲投稿にもあるように長距離シャトルバスにはそれなりのリスクとコストがかかるもの。
それにもかかわらず運行を決定したことにクラブ側の危機感が窺えます。


さらにクラブは遠距離パークアンドライドも実行に移しました。


www.sanfrecce.co.jp


それまでは採算面などから躊躇っていた改革がここに来て一気に進んだようです。

特に西風新都エリアの売却が進んでいることは抗いようのない事実なのでしょう*16
広島広域公園のアクセスが致命的な状態となる前に対処するのは正しい判断だと思います。


上記の他にも森崎浩司アンバサダーと行く貸切アストラムラインで観戦という企画*17
コカコーラの協賛を得た公共交通機関での来場啓発実施などにも取り組みました*18



これらの成果がどれほど出たのかはサポーターズカンファレンスで聞いてみたい話ですね。



[Ⅶ]まとめ

今回は長くなってしまいましたので簡単にまとめておきたいと思います。

サンフレッチェ広島の2017年シーズン入場者数は大幅減でした。
しかし、2016年シーズンまでになかった様々な改善点があったのも事実です。

  • スタジアム運営では、再入場の解禁やおまつり広場の改善、サンチェ広場OPEN。
  • 試合企画では、レディースデーの拡充や様々なコラボ企画。
  • チケット企画では、チケット種類の増加や販売方法の改善。
  • 年間パス販売では、再入場特典がなくなった代わりにイベント参加権へシフト。
  • 交通アクセスでは、シャトルバスの本格運用とパークアンドライドの実施。


集客という広いテーマで見るとこれほどの変化が1年で起きていたということに驚きます。

叶うならば成績面がこの努力の足を引っ張らないで欲しかったのですが。
それまでは逆に成績面が引っ張ってくれていたので文句も付けにくいところ。

いずれこうした努力で観客を増やし、成績面を引っ張れるようになりたいものです。


次回はグッズ販売とイベント企画について見ていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。



*1:2017年シーズンを終了してJ1通算入場者数は511万1896人となった。なお、他の9クラブは浦和、横浜M、鹿島、新潟、名古屋、F東京、清水、G大阪、磐田。J1通算入場者数500万人を突破したのは7月30日のJ1第19節サガン鳥栖戦でのこと。

*2:第14回サポーターズカンファレンス議事録。

*3:年間パスのメリットが1つ失われたことについては後述する。

*4:サンフレッチェ広島のTwitterより。

*5:25周年特別学生割引企画!!4月22日(土)ベガルタ仙台戦限定!!『青春ペアシート』販売についてサンフレッチェ広島 2017年3月7日付》、『SANFRECCE×CARP』コラボチケット抽選販売について!!サンフレッチェ広島 2017年4月26日付》、8月19日(土)ヴァンフォーレ甲府戦限定!!スタジアム見学会付きチケット『スタチケ』販売についてサンフレッチェ広島 2017年7月26日付》。昨年と違う点は、カープとのコラボチケットのデザインがは全試合共通となった点。

*6:【25周年特別企画】4月16日(日)横浜F・マリノス戦 限定!!テーブル付きシート 販売についてサンフレッチェ広島 2017年3月2日付》。

*7:4月1日(土)柏レイソル戦 おまつり広場『にぎわいステージ』出演パフォーマー&プログラム紹介サンフレッチェ広島 2017年3月30日付》。

*8:【25周年特別企画】4月1日(土)柏レイソル戦 限定!!「うっそ~~!!運だめシート」販売についてサンフレッチェ広島 2017年3月2日付》。

*9:25周年企画!!5月6日(土)ヴィッセル神戸戦限定!!『サンフレッチェ広島/広島ドラゴンフライズ ダブル観戦チケット』販売についてサンフレッチェ広島 2017年4月7日付》、25周年企画!!5月27日(土)ジュビロ磐田戦限定!!『アンジュヴィオレ広島/サンフレッチェ広島 ダブル観戦コラボクリアファイル付きチケット』販売についてサンフレッチェ広島 2017年4月14日付》。

*10:【25周年特別企画】7月30日(日)サガン鳥栖戦限定“presented by NIKE“『夏休み親子特別体験ペアチケット』販売のお知らせサンフレッチェ広島 2017年6月2日付》。

*11:第13回サポーターズカンファレンス議事録。

*12:『2018シーズンパス』WEB申込特典“ユニフォーム最速先行予約”についてサンフレッチェ広島 2017年11月17日付》、「シーズンパス特典 選手ふれあいイベント」参加者募集のお知らせサンフレッチェ広島 2017年9月14日付》、『2018シーズンパス早期申込特典』新加入会見ご招待応募のお知らせサンフレッチェ広島 2017年12月27日付》。

*13:『ミキッチ選手 握手&サイン会』開催のお知らせサンフレッチェ広島 2017年11月25日付》。

*14:【本日、申込締切日!】エディオンスタジアムまでが、“速い☆近い☆快適☆”『広島市中心部・西部方面からの直行バス運行』のお知らせサンフレッチェ広島 2016年9月29日付》、《10月29日限定の特別企画》エディオンスタジアムまでが、“速い☆近い☆快適☆”『広島市中心部・西部方面からの直行バス運行』のお知らせサンフレッチェ広島 2016年10月14日付》、市中心部・西方面からのバス便運行 レポートサンフレッチェ広島 2016年10月4日付》。

*15:エディオンスタジアムまでが、“速い☆近い☆快適☆”『広島駅・廿日市方面からの直行バス運行』のお知らせサンフレッチェ広島 2017年2月15日付》。

*16:産業用地20年で完売 ひろしま西風新都「セントラルシティ」 50万平方メートル 景気回復や低金利中国新聞 2017年12月26日9面》。

*17:【公共交通機関利用促進】アストラムライン史上初!貸切トラムでアンバサダーとエディオンスタジアムへ行こう!参加者募集のお知らせサンフレッチェ広島 2017年9月21日付》。

*18:【公共交通機関利用促進応援企画】ホームゲームラスト3試合にて公共交通機関での来場啓発実施について ---計27,000本の「いろはす・あまおう<340ml>」配布---【提供】コカ・コーラウエスト株式会社サンフレッチェ広島 2017年10月19日付》。

サンフレッチェ広島 2017年通信簿(その二) ~クラブ(人)は変わっていくものだろ~

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awayisum.hateblo.jp


通信簿その二。テーマはパートナーシップとホームタウンです。

前半ではスポンサー様に関する話と企業とのコラボ企画について。
後半はホームタウン活動について2017年の変化を中心に見ていきたいと思います。



[Ⅰ]スポンサー…【良くできました】

スポンサーに関して大きな動きはありませんでした。
変わらず支援して下さるスポンサー様に感謝したいと思います。

チームの収益の半分近くを占める広告料収入が重要なのは言うまでもありません。
サンフレッチェ好成績に引っ張られながら着々と広告料収入を伸ばしてきています


https://lh3.googleusercontent.com/AHdW2vB2MuKH15Ng7dNNisSon37Md1KqkdsuvKfX1RDVxP4rXDORRFdWGS8WxfUEFUOdrQ-v_HuGqOQ8h7e8dim1YWj0Nya5gxzftbnjowd11RPhaYgQ31jyAyU0fWcgADQh5qsl6Q=w960-h720-no


2017年度の決算情報は現時点では分かりません。
ただ、優勝した翌年は優勝ボーナスや祝儀受注というものがあるそうです。

テーマ1 クラブについて(小谷野社長)
《第14回サポーターズカンファレンス議事録》


【経営面について】
入場料収入以外の他の収入面に簡単に触れますと、2015年度の広告料収入はスポンサーからの優勝ボーナスやご祝儀受注が剥落しますので厳し目の年になると思います。2012年度の14.3億円と2013年度の13.9億円に対して2014年度は15.5億円の見込みですが、2015年度の予算は15億円をわずかに上回る程度と考えています。


したがって、2016年度の広告料収入が伸びたのは2015年の好成績の影響だと推察されます。
2017年度はそれがありませんので、2015年度並みの14億~15億程度なのではないでしょうか。


そんな中、来シーズンからユニフォームの鎖骨スポンサーが解禁されるそうです。
Jクラブにとっては非常に大きな収益源となる可能性があります。

Jリーグで来季から“鎖骨スポンサー”導入 クラブは大幅増収も
《スポーツ報知 2017年10月25日付》


大きさは縦5センチ横10センチ程度の長方形になりそうだが、プレー中だけでなく、新聞や雑誌などで使われる選手名鑑の顔写真に確実に掲載されるため、広告効果は絶大。気になる契約料は各クラブの設定により異なるとはいえ、最も高い胸スポンサーに次ぐ契約料になる可能性がある。例えば、有力クラブの場合、胸スポンサーが年間で約3億円であれば、2番目に高いとされる背中部分と同等以上の約1億5000万~2億円の広告料になる見込み。左右両側につければ、胸スポンサーと同規模の契約が期待でき、クラブにとって大幅な増収となる


(中略)


一方、胸スポンサーと複数年契約を結んでいるクラブによっては、メインの広告効果が薄れる懸念に配慮し、鎖骨スポンサーの使用を控える可能性もある。その結果、来季はつけない選択をする場合もあるだろうが、Jリーグとクラブ運営に新たな可能性が広がるのは事実。


ただ、報知も指摘しているように、すぐ付けるというのは難しいのでしょう。
ユニフォーム情報を見る限りでは、2018年シーズンは鎖骨スポンサーなしで行くようです。



将来的には是非とも鎖骨スポンサーを獲得したいところですが、報知の指摘する問題が解消されたとしても、いきなり営業をかけて成立するようなものでもありません。

その意味でもスポンサー様との交流会を開催しているのは良い傾向だと思います*1



awayisum.hateblo.jp

[Ⅱ]コラボ企画…【良くできました】

続いて、2017年のコラボ企画について見ていきましょう。
全てをチェックするのは難しいので、変わったものを5つほど取り上げてみました。


まず、そごう広島店様とのコラボ企画としてバレンタインデーイベントを開催。

この時期、選手にチョコレートを直接渡すというのは難しかったはずです*2
それを代行してくれるこの企画は実に良い企画だったと思います。センス◎。



また、昨年提携が発表されていた福山大学のスポーツマネジメント論も開講されました*3
今後、どこかのゼミでサンフレッチェの集客対策を研究してくれたら嬉しいなと。


www.youtube.com


あまり話題になりませんでしたが、中国新聞の「サンフレエディコラ倶楽部」という企画も。
年間パスを持っている身なので機会はありませんでしたが、ありがたい話。



きもののやしま様からは去年の浴衣に続いてコラボ甚平が発売されました*4
浴衣だとハードルが高いかもしれませんが、甚平なら着やすそうですね。


https://lh3.googleusercontent.com/p5VsEWPnzVxRdVeHRKsscLCAv3Cu9Dtu9BVy4FS1Ut9_qmT5pOtoTCzddyEwu1Z5PV_tC_1kXXfHhqmtbof5_O9zmAsTM7_u2NCK_coBXakG5MPlnVJV1eY4HeVQmA1sYmH5vjZvLg=w700-h241-no
サンフレッチェ広島より》


最後に津口ファーム様とのコラボで「タマゴ~ル!!」も発売されました*5
通販でも購入可能なので是非どうぞ。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

送料込】サンフレッチェ広島応援たまご タマゴ〜ル!!
価格:1580円(税込、送料無料) (2018/1/8時点)



このように、2017年もスポンサー様・各企業と面白い企画が練れていたように思います。



[Ⅲ]ホームタウン活動…【大変良くできました】

それでは後半の部=ホームタウン活動を見ていきましょう。
2017年の最大の特徴はこれまで以上にホームタウン活動に積極的だったことです。

そこで本稿では、「広島の街をもっともっと紫に」、「地域貢献事業」、「情けは人の為ならず」の3本立てでどのような取り組みをしたのか確認していきたいと思います。

①広島の街をもっともっと紫に

2017年で一番印象的な活動は「アストラムライン広域公園前駅 サンフレッチェ・デコ*6

アストラムライン×サンフレッチェ広島コラボ企画「アストラムライン広域公園前駅サンフレッチェ・デコ」
サンフレッチェ広島 2017年1月26日付》


●趣旨
広島高速交通株式会社が運営するアストラムラインは、広島市の中心部と北西部を結ぶ公共交通機関として重要な役割を担っており、サンフレッチェ広島にとって、ホームゲームの開催にあたり、最重要な交通アクセス手段です。2017年に、サンフレッチェ広島はクラブ創設25周年を迎えます。これを記念して、ホームスタジアムであるエディオンスタジアム広島の最寄駅であるアストラムライン広域公園前駅で「サンフレッチェ・デコ」を実施します。広域公園前駅は、サンフレッチェのイメージカラーとデザインに彩られ、ホームゲーム開催の当日、広域公園前駅に到着したファン・サポーターは、試合前の高揚感に包まれ、応援に力が入ります。そして、サンフレッチェカラーにデコレショーンされた広域公園前駅は、市民や広島を訪れた方が立ち寄りたくなる新たな観光スポットとなります。この取組みを通じて、サンフレッチェ広島を応援し、アストラムラインの利用促進を図ります。


●デザインコンセプト
サンフレッチェのチームカラーである紫色をベースにした色調で、スタジアム観戦をイメージした図案を、駅舎内のホーム・コンコースや連絡通路の階段に配することにより、エディオンスタジアムの最寄駅に到着した高揚感を演出します。コンコースに「サンフレッチェ・メモリアルコーナー」を設け、クラブ創設以来のチーム写真やユニホーム等の展示を行います。ファン・サポーターにとって「必ず行きたい場所」となり、市民や広島を訪れた方がアストラムラインに乗って「一度は行ってみたい場所」にしていきます。



25周年を迎えるまでできなかったのか…というのが正直な感想ではあります。

なんにしても、ようやく最寄り駅がサンフレッチェ仕様になりました。
アストラムラインを下りると紫色の世界が広がっているというのはやはり嬉しいものです。


広島広域公園では友鉄工業様のご協力を得てサンチェのマンホールを設置*7
スタジアムで写真を撮っている人も結構いましたね(私も撮りました)。



同様の取り組みとして、広島広域公園シバザクラの植栽も行われました*8




五日市のコイン通り商店街でも応援バナーを設置*9
横川商店街やタカノ橋商店街でも実施されていますが、嬉しい取り組みです。



また、創立25周年記念事業としてサンフレッチェ応援ラッピングトレインが登場しました*10
広島電鉄サンフレッチェ電車と合わせて街中を紫の車両が走る様子は素敵*11


www.youtube.com


この他に、サンフレッチェのグッズが広島市ふるさと納税の返礼品になったことや、「カープサンフレ」デザイン入りナンバープレートの交付が始まったこともトピックス*12


https://lh3.googleusercontent.com/pieJdv6odoH2BrpPbfq16kUVKsiM1377qQVuWsQ9ZUWDlNT9TmkvwPltb2oN_CneiFJHJafPwA9b9LQm5yjxp7Omqb11BPQhJptsFYx1s4hoR_I_UxNraNcgB_AfFw8ySC9NE2JHKQ=w381-h192-no
広島市より》


広島の街をもっともっと紫に」という言葉がついに実現し始めている気がします*13

②地域貢献事業

第二テーマは「地域貢献」。2017年は例年以上に取り組んでいたのではないでしょうか。
ただこちらも全て紹介していてはキリがないので一部だけ見ていきましょう。


まず1つ目として「サンフレッチェ広島×グリーンバード広島チーム」。
平和都市・広島の街をきれいにする活動で、2017年11月にスタートし、2回活動しました*14
2018年も実施予定らしいので、私も参加してみようと思っています。


https://lh3.googleusercontent.com/iAab2OH_yydt-RK_GxeEh2a_BpokxiuMSO0Vi1mzsjaQP_ky6UfAZ5aibSyiXLsrOcKMqSZM_t3olZXjYVQqZxVilS2fMhuGyUvjz6hq-fjZutg-kgz8-k4Svw6GUhu9FT5VeHa1iQ=w700-h212-no
サンフレッチェ広島より》


また、2017年はP3 HIROSHIMAの設立10周年でもありました。
それを記念して初めて実施されたのが広島赤十字・原爆病院訪問事業*15


https://lh3.googleusercontent.com/TGXiDT6jlI2_tXHZoLaPjQPHJOIyOcVYoGIamAlQzN5JENXb28w4zW4546OTCnw-KoKOjyCdWC3E6sD5z7fOx9IkurXOhADEoyTOJ92W5RBwfZmKNzvaQz4lb3ke4on4cR9avvaOBQ=w500-h292-no
サンフレッチェ広島より》


これらの他に、サンチェさんによるサンチェキャラバンをスタート(詳細はその四で)*16
近畿広島県人会にも出席したり*17、クリーン&サンフレッチェも継続して実施しました*18

地域貢献事業という面でサンフレッチェ広島の取組は大きく広がっているように思います。

③情けは人の為ならず

2017年シーズンはとにかくチームが残留争いをしたことが多方面で影響を与えました。
その一つとして、クラブが実施した「今こそ、一心」キャンペーンは記憶に新しいでしょう。


https://lh3.googleusercontent.com/0O-0o5rBjUYarUulqPVItbG8aoqL-4yfjDkICACOE3nvWhMv1g1JlfYLEOrbWViJqCOQ3D7w1j5IYE5qZTBYbf0QD3_1YwgUIBb0fuayXhADwugXuOoXwO23cR_p-2EKel1SUBOL-Q=w700-h303-no
サンフレッチェ広島より》


このキャンペーンに既視感を覚えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そう、2007年の低迷時に実施した「共に闘おう」キャンペーンと酷似しているのです。


https://lh3.googleusercontent.com/JgppdFnUris-HHP8RazOHCt9Yj7SFXpSIH-mg0Uhg7AfpxwYPNONNuEtgsuommEE_CpPkTB4NkcFC_RAWBz3u0M8ABNGVQpvGkFthDX_36dcj0Jp_Xy4LXpB7sHmVNh0Kp8fI7nEww=w362-h272-no
サンフレッチェ広島より》


タオルマフラーの販売や応援メッセージの募集などやっていることはほぼ同じでした*19
正直なところ調べてみてここまで似ていたのかと驚いたくらいです。


ただ、2007年と2017年とでは大きく異なる点もありました。
例えば、メッセージ募集の場所として一般の人が参加できるような場所が選ばれたこと。



2007年当時はデオデオ本店、広島銀行本店、Jカフェ富士見町店で募集していましたが、2017年は人通りの多い広島アンデルセン本店前や広島駅新幹線口でメッセージを募集*20

より多くの人から応援・声援を受けられやすい場所で実施したことに価値があると思います。


https://lh3.googleusercontent.com/ShpCsqi2jNXaM1mCvoSrXPJBOM1tiwz7YsEoHBYNc8NalmfHqiCB3zgYjERoKHQDJXDarJ4YHj8FmRoWnZLWbVaQhsyDX9Wty4jos1q9zP8LZxEoh1ytPNDDTi-MlBVfgmjrKzde2A=w1319-h989-no
《2017年11月24日広島駅にて撮影》


さらに、メッセージ募集の場所を提供してくれた西日本旅客鉄道株式会社様の掲示も素敵。
実に広島らしい広告で本当に嬉しくなりました。


https://lh3.googleusercontent.com/tM0Mvkd6I9QDxJnzlVE8U2exV8GFW-YB0yOmhE8vn_ifcPOl-rFZszfZGR1PaSdUDVAN3Dz8KwHAevjHO0H2qv3wvhGO3vngY7dkk6JfWRDmyT8dh6Mf2RfGhBrDW5SIT2VF5_VN9g=w354-h500-no
サンフレッチェ広島より》


日本出版販売株式会社様は「“今こそ、一心”サンフレッチェ広島×書店祭」を開催。
書店祭自体は2017年3月に開催済だったため緊急開催だったものと推察されます*21

本当にありがたい話です。


また、広島スポーツ関係団体やメディア各社、広島交響楽団様から応援メッセージを募集。
こういった取り組みは10年前ではできなかったのではないでしょうか。



ホームタウン活動が「情け」かというと正直語弊があります。
ただ、継続して地域貢献を実施していたことが回り回って返ってきたとは言えるでしょう。

2017年シーズンは、そうしたこれまでの取り組みが実を結んだ一面もあったのだと思います。



[Ⅳ]まとめ

今回はスポンサー様、コラボ企画、ホームタウンに関する話題を見てきました。
残留争いという厳しい1年でしたが、サンフレッチェが広島に根付いていることが再確認できたという意味では良い1年だったように思います。

また、大きな改善点も数多く見られました。
アストラムライン広域公園前駅サンフレッチェ・デコもその一つ。
まだまだやれることは沢山あるとポジティブに受け取りたいと思います。


次回は入場者数をテーマに据えてチェックしていきます。
引き続きよろしくお願いします。



*1:ちなみに、第2回ということは第1回も開催されているはずだがいつの話なのかは不明。

*2:千葉選手のドーピング問題がその前年末に起きていたため。なお、くどいようだが本件については千葉選手に過失がないことをしつこく指摘しておく。当クラブ所属選手に対する、日本アンチ・ドーピング規律パネルの決定についてサンフレッチェ広島 2016年12月22日付》、千葉和彦選手(サンフレッチェ広島F.C)に落ち度はない《望月浩一郎ブログ 2017年1月2日付》、千葉和彦選手のドーピング事案について《Japan Sport Law Support and Research Center 2017年3月5日付》。

*3:~サンフレッチェ広島初~ 福山大学2017年度前期に、教育提携講座「スポーツマネジメント論」開講のお知らせサンフレッチェ広島 2016年12月13日付》、福山大学×サンフレッチェ広島 教育提携講座開講を開講します!福山大学 2016年12月13日付》。

*4:きもののやしま様から“サンフレッチェゆかた”発売のお知らせサンフレッチェ広島 2016年7月1日付》、きもののやしま様から“サンフレッチェゆかた&甚平”発売のお知らせサンフレッチェ広島 2017年7月26日付》、サンフレッチェ広島×やしまグループ コラボ サンフレッチェ浴衣発売 <広島・岡山・山口・鳥取・島根>《着物のやしま 2017年6月20日付》。

*5:サンフレッチェ広島応援たまご『タマゴ~ル!!』販売開始のお知らせサンフレッチェ広島 2017年7月12日付》。

*6:アストラムライン×サンフレッチェ広島 コラボ企画『アストラムライン広域公園前駅 サンフレッチェ・デコ』実施のお知らせ《2017年1月26日付》。

*7:2017年2月15日 広島広域公園へのデザインマンホールふた寄付に対する感謝状贈呈式について広島市 2017年2月15日付》。

*8:広島広域公園で紫のシバザクラ植栽イベントが開催されます!サンフレッチェ広島 2017年3月8日付》、広島広域公園シバザクラ植栽イベントを行いました広島市スポーツ協会 2017年3月27日付》。

*9:がんばれサンフレッチェ コイン通りに紫色バナー西広島タイムス 2017年2月10日付》。

*10:サンフレッチェ広島創立25周年記念事業 JR西日本「サンフレッチェ応援ラッピングトレイン」お披露目式典、ならびに、JRバス中国「サンフレッチェ広島専用デザインバス」報道公開についてサンフレッチェ広島 2017年2月10日付》。

*11:2017広島電鉄『サンフレッチェ電車』の運行についてサンフレッチェ広島 2017年2月15日付》。

*12:スポーツ振興のためのふるさと納税広島市 2018年1月15日閲覧》、「広島東洋カープ&サンフレッチェ広島」デザイン入りナンバープレートの交付について広島市 2018年1月15日閲覧》。

*13:サンフレッチェ広島社長・小谷野薫「広島の街をもっともっと紫に!」《週プレNews 2014年6月28日付》。

*14:平和都市・広島の街をきれいにしよう! サンフレッチェ広島×グリーンバード広島チーム キックオフイベント開催のお知らせサンフレッチェ広島 2017年10月20日付》、平和都市・広島の街をきれいにしよう! サンフレッチェ広島×グリーンバード広島チーム 第2回清掃活動実施のお知らせサンフレッチェ広島 2017年12月13日付》。

*15:P3 HIROSHIMAの活動の一環として、千葉和彦選手とアンデルソン・ロペス選手が、広島赤十字・原爆病院を訪問しましたサンフレッチェ広島 2017年5月16日付》。

*16:『サンチェキャラバン』出動!《2017年9月11日付》。

*17:近畿広島県人会に参加しました!サンフレッチェ広島 2017年3月27日付》。県人会への出席自体は初めてではないかもしれないが、プレスリリースになったのはおそらく初めて。

*18:クリーン&サンフレッチェ ~環境とサンフレッチェを熱く語る集い~』参加者募集のお知らせサンフレッチェ広島 2017年8月24日付》。

*19:『すべてはチームのために~共に闘おう!~』キャンペーン第3弾!サンフレッチェ広島への応援メッセージ募集のご案内サンフレッチェ広島 2007年11月12日付》、『すべてはチームのために~共に闘おう!~』キャンペーン第4弾!限定300本!共に闘おう!タオルマフラー販売のご案内サンフレッチェ広島 2007年11月13日付》。

*20:『すべてはチームのために~共に闘おう!~』キャンペーン第3弾!サンフレッチェ広島への応援メッセージ募集のご案内サンフレッチェ広島 2007年11月12日付》、“今こそ、一心”応援メッセージ募集のお知らせサンフレッチェ広島 2017年11月10日付》、広島駅新幹線口にて、応援メッセージ募集のお知らせサンフレッチェ広島 2017年11月17日付》。

*21:「サンフレッチェ広島×書店祭」開催のお知らせサンフレッチェ広島 2017年3月9日付》、「“今こそ、一心”サンフレッチェ広島×書店祭」開催のお知らせサンフレッチェ広島 2017年11月10日付》。

サンフレッチェ広島 2017年通信簿(その一) ~クラブ(人)は変わっていくものだろ~

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あけましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願いいたします。


本シリーズも2013年にスタートして5年目となりました。


awayisum.hateblo.jp


毎回導入で「J's GOAL今年の漢字」を使っていたのですが、今年はなかったようです。
この企画は2009年から続いており、気に入っていただけに少し、結構残念*1

そこで誠に勝手ながら2017年の今年の漢字を選んでみました。


https://lh3.googleusercontent.com/H2Ocfe6z6gNfJKYGrxePhmwVTu9kRQjK1d_hztI16ud29pTRgO4rWRLtm8mwJM--AggwahPiZlV8qhTEfovscKZYEvWrgfBh_zy3_gfwS4XMNGu7E3ujQtgF-uNwLQep20ou5mWung=s500-no
《J's GOALの今年の漢字を加工したもの》


2017年の漢字を1つ選ぶなら「変」が最もふさわしいのではないでしょうか。

成績だけでいえば「崩」や「留」を候補に挙げる方も多いのではないかと思います。
ただ、2017年は成績だけでなく色んなことが「変」わった1年でした。


本シリーズでは「変」わったことを中心に2017年シーズンを振り返っていきます。
変化に注目した結果、例年以上に文量が多くなっている気がしますがご了承下さい。

それではよろしくお願いします。


※なお、本記事に第16回サポーターズカンファレンスの内容は含まれておりません。



[Ⅰ]2017年シーズンの成績…【もう少し頑張りましょう】

大会 成績
J1リーグ 15位
ルヴァンカップ プレーオフ敗退
天皇杯 ベスト16
トヨタプレミアカップ2016 優勝


https://lh3.googleusercontent.com/3D04ARGXtNGYYvOuYTebHVG_6F4xc8Oe1SlP2FS3hgutoDqXbwPiykce6ohPkx20qjfI9LJMpxVBnpa8-bBRBHW547YZ_X0ddkvS4tvs8ovTfUNyv_S3eYPL4GhqQyKrLP3n8Mr4lw=w1286-h759-no
J. League Data Siteより》


上記の通り、2017年シーズンはJ1残留を争う厳しい1年となりました。
最終的な順位は15位で、16位の甲府との勝ち点差は僅かに1というギリギリの残留。


https://lh3.googleusercontent.com/jwbMEh4rV7kIL9oytL7r_Pi-TOZxsvEK6COn_wDitMcTua4q7R_CEK1Qha1URkRYTG_X-cVKKfT441rVu4u7ki6nKVPtpaQf9iNmb2FidVFYrqjwmDrVU-Mjne6pzq-hzZIAueJ1sw=w960-h720-no


勝ち点の推移をグラフにしてみましたが甲府をよく躱せたなと感心しました。
12節~19節あたりの停滞から脱してくれたヨンソン監督の手腕を手放しで賞賛したいです。


https://lh3.googleusercontent.com/fUXfU5zELs7qjs2Wy25EyQxMI1FZEPUjhKK_iCrkbRnIoufWsX49l3kenk3OPDZj6OP1bGh9xq1pT_RCW7fiT1aP3ZX6zvGmOup7BlHXD2hsvPDmR4yTF1vCgaqyMehACzS43mWikg=w960-h720-no


余談ですが、現在の18チーム制となってから自動残留の最小勝ち点は2016年の新潟で30。
勝ち点33での自動残留はこれに次ぐ少なさ。本当によく残留できましたね。

[Ⅱ]2017年の変化

今回のテーマが「変」ということで、成績に関する2017年の変化をまとめてみました。

①2017年の変化=選手・監督・スタッフの入れ替わり

さて、2017年シーズンにおいて何より大きく変わったことは森保氏の退任です*2

2012年に難しいクラブ状況で監督を引き受けてくれた上に、5年半で3度の優勝。
感謝以外に何を伝えればいいのかというくらい広島に沢山のものをもたらしてくれました。


awayisum.hateblo.jp


クラブは、森保監督の後任としてOBのヤン・ヨンソン氏を招聘しました*3

ヨンソン監督はそれまでの特異なサッカーからモダンなサッカーにシフトチェンジ。
ギリギリだったとはいえ、最終節を残して残留を決めた手腕は本当に見事でした。


当初は長期間任せるつもりだったようですが、クラブはシーズン終了後に監督交代を決断*4
FC東京甲府で指揮を執った城福浩氏を招聘することになりました*5

さらに森保体制を支えた横内ヘッドコーチ、下田GKコーチ、松本フィジカルコーチも退団*6
2017年シーズンのスタッフは中村伸コーチを除いて総入れ替えとなりました*7


また、中心選手だった塩谷司ミキッチが2017年にチームを去ることになりました*8


www.youtube.com
www.youtube.com


3度の優勝の立役者でもあるお二人の今後のご活躍を祈念いたします。
森崎浩司佐藤寿人との別れと合わせてクラブが変革期にあることを印象づける話題でした。

②2017年の変化=シュート決定率の低下

では、どうしてこれほどまでに低迷するような事態となってしまったのでしょうか。
データ分析を集計したところ、次のような問題点があったと指摘されています。

【Jリーグ】2017年のJ1リーグをデータでまとめてみました ~チームスタッツ編~
《サッカーをデータで視てみよう 2017年12月13日付》


【図5】決定率 × シュート到達率の散布図
これまでは、パス→ボール保持→攻撃→シュート、という各プロセスにフォーカスして2軸で見てきましたが、図5はシュート→ゴールという仕上げの部分についての可視化。これは、18チームそれぞれにバラけました。優勝を果たした川崎フロンターレはシュート到達率→決定率の効率においても文句なくトップ水準。精度高いパスワーク、効率的なアタッキング、ゴールを陥れるクオリティと攻撃のすべての過程で高いパフォーマンスを見せたと言えそうです。この可視化で右下に沈んでいるのがサンフレッチェ広島でして、広島が今季苦しんだ要因もここにあろうかと。シュートまでのプロセスでは、図4までで見てきた可視化の通り、浦和や川崎とほぼおなじ水準で来ていたかと思うのですが、肝心要の「決定率」が付いてこなかった...シーズン折り返しのレビューでも言及しましたが、ここがボトルネックとなってしまったことが今季不調に陥った最大の要因でしょう。


過去6シーズンの比較で見てもこの事実は明らか。
この変化が成績に大きな影響を与えたことは疑いのない事実でしょう。
(もちろん他にも要因があるでしょうがここではシュート決定率の話に絞ります)


https://lh3.googleusercontent.com/8uwPIpLNKk1YQSJNmQE_Oxihgy_0Ybi0-4ptyDUMk4DHWnygh3GXWmOcdUi1z3aiiMQZVmPpHb-45I-6eOb6ZPdqHX_AeZY_lig--w4_uzKhbnR-D-bgnMBvEHy2VNKdWk1qX4Tv2g=w960-h720-no


ただ、一概に「決定率が低かった」と言っても色々な要因が考えられます。
相手の守備を崩せずに無理なシュートが多かったのか、そもそもシュートが下手だったのか。


https://lh3.googleusercontent.com/7fDVy-AIPenSvqAh1rlQtgS3TGrue-ak95qoGJilT4Ayy3I0XHAo1R-B9d_K9s3ScHcP76CKuJoegw6a5_VGXdftDyIgsjeG6I8HbxhF3iGT8xB-4XTCOlZpkwP0kdYrQLVcL7ORZQ=w960-h720-no


一目瞭然ですが、アンデルソン・ロペスのシュート数が群を抜いています。
表にはありませんが、90分あたりのシュート数でも他を寄せ付けていません*9

その一方で、アンデルソン・ロペスのシュート決定率は8.5%と低い数値を示しました*10


https://lh3.googleusercontent.com/4y6LhlBxgJhjFxfKGqNvpnhvAevPQp3GG4lOayuiywgRZLAgot-jPUK98c3v77bDkzmAqO30vKUTWUU7x0o_1e9n8NGGBebBWuj0ynaWHwIqAQrWkt3Bodwa93De8SlrYb8XVAOEKg=w960-h720-no


ここで、J1のシュート数ランキングを作って比較してみました。
このように、アンデルソン・ロペスのシュート決定率が突出して低いわけでもなさそうです。

つまり、特定の個人ではなくチームとしてシュート決定率が低かったということでしょう。


以上のことから、チーム全体のシュート決定率が低かったこととシュート決定率の低いアンデルソン・ロペスにフィニッシュを依存したことが成績低迷に影響していると考えられます。

また、関連して1トップに入った選手のシュート数が少ない点も気になります。


換言すれば、FWにピーター・ウタカのような強烈な選手を置けば解決するのでしょう*11
ただ、そういった補強をしないのなら選手の入れ替わりだけで解決する問題ではありません。

2018年シーズンに向けた大きな課題として受け止めるべき問題です。

③2017年の変化=プレシーズンの動き

少し話が変わりますが、プレシーズンのスケジュールにも変化がありました。

2016年シーズンまでは基本的に鹿児島キャンプと宮崎キャンプの2つで調整するスケジュール。
それに対して、2017年シーズンは鹿児島・宮崎キャンプに加えてタイキャンプを実施*12

さらに、タイで開催されたトヨタプレミアカップにも招待を受けて出場しました*13


https://lh3.googleusercontent.com/hbFY5o7w6bdU-_VJfh1E9tYRtPaFE5ml9qD50VrhXIMRbrm4Phoe7tgGOIJbVM86Oo4Ia8ctk0pvkDuKwf6Xk4jZVANDGGuhw5ZMpyrG4FUlqJl_MTtDGceoeyjnYGjiOJ8V5exlqg=w700-h467-no
サンフレッチェ広島より》


また、2005年以来となるプレシーズンマッチも開催されました*14
トータルして非常に移動の多いプレシーズンだったのではないかと思います。


さて、キャンプの話題に関連して京都の説明会の中で気になる指摘がありました。

京都サンガF.C.現状説明会
京都サンガ 2017年9月16日開催》


野口)次の準備段階についてですが、鹿児島キャンプですけども、毎年、霧島市で行っていましたが、今年は異常にグラウンドが硬く、腰痛を訴える選手が続出し、その他のケガも多く出ました。それもあり、フィジカル強化を行うキャンプであったんですが、ケガ人が多く出たため、2回練習を1回に減らして調整していく形になりました。


山中)実際に、私も3日間ですがキャンプに帯同して、これはあかん、と思いまして、大黒選手や闘莉王選手と話をしたんですが、ここのグラウンドでやり過ぎると、みんな故障してしまう。城陽に帰って上げていくしかない。というのが二人の共通した意見でございました。


(中略)


山中)私、回答できるのが一つあります。グラウンドの件でございますが、鹿児島で、実はご存知と思いますが、一昨年までは硬めではあっても、そんなに硬くはなかったんですが、ご存知のとおり去年桜島が何回も噴火しまして、火山灰は水を含みますとコンクリートのみたいに硬くなるんですね、その後、スパイクなどでガンガンやればあれだったのかもしれませんが、冬芝の状態で、青々した状態ではなかったので、それもできなったということで、ただ他に変えますと明言はできないですけれども、少なくとも今年キャンプに使ったピッチ使いません。それは私の指示で今、担当が動いてくれまして、実際に変更するか否かは別として、他の候補地をすでに選定済みです。


サンフレッチェ広島も京都と同じ霧島市国分運動公園で1次キャンプを行っていました*15
そして、実際に開幕前後に選手の離脱が相次いだことは事実です*16

ただし、京都の説明する問題があったとしてもそれが直接影響を及ぼしたかは分かりません。
また、仮に因果関係があったとしてもこれを回避するのは容易ではないとは思います。

何はともあれ2018年シーズンは霧島市でのキャンプを回避しています*17
とにかく怪我人が出ないプレシーズンになることを願っています。



[Ⅲ]まとめ

例年とは異なり、データ上の変化と話題が多かったので長めの取り扱いとなりました。
基本的にサッカーの内容に関する話はしないようにしているのですが。

「城福浩監督 就任記者会見」を行いました!【前編】
サンフレッチェ広島 2017年12月22日付》


足立修強化部長
2017年は、非常に苦しいシーズンとなりました。ここにいらっしゃるマスコミの皆さまと、広島県民・市民の皆さまとチームが一丸となり、何とかJ1残留を手にすることができました。J1で戦う来季は、0から新たに出発するという意味で、城福監督を招聘し、もう一度、サンフレッチェらしさを取り戻したいと思っています。


2018年シーズンについてですが、上記のようにゼロベースの戦いとなるようです。
これまで積み上げてきた財産は2016年シーズン・2017年シーズンで使い潰しました。

昨年のサポーターズカンファレンスでも指摘されていた若手のレンタル移籍も変わらず*18
素晴らしい選手の補強には成功していますが、スペシャルな選手の獲得はなし。

前述したように、苦しい戦いとなると予想しています。


ホーム最終戦で織田社長も仰っていたことですが、何ができなかったのか、何が悪かったのかを検証し、反省し、しっかりと対策を講じていただきたいと思います。


youtu.be



*1:ちなみに、企画の始まった2009年の漢字は「躍」だった。ゆく年くる年:今年の漢字 広島《J's GOALアーカイブ 2009年12月31日付》。

*2:森保 一 監督 退任のお知らせサンフレッチェ広島 2017年7月4日付》。

*3:ヤン・ヨンソン監督 就任のお知らせサンフレッチェ広島 2017年7月11日付》。

*4:広島・ヨンソン新監督会見「攻撃的なサッカーを目指す」26日ルヴァン杯から指揮《デイリースポーツ 2017年7月14日付》、ヤン・ヨンソン 監督 退任のお知らせサンフレッチェ広島 2017年12月4日付》。

*5:城福 浩 監督 就任のお知らせサンフレッチェ広島 2017年12月7日付》。

*6:U-20日本代表コーチングスタッフに、横内昭展ヘッドコーチ、下田崇GKコーチ、松本良一フィジカルコーチが就任サンフレッチェ広島 2017年12月5日付》。

*7:2018シーズン トップチームコーチングスタッフについてサンフレッチェ広島 2018年1月9日付》。

*8:塩谷司選手 アル・アインFC(UAE)へ完全移籍のお知らせサンフレッチェ広島 2017年6月15日付》、ミキッチ選手 来シーズンの契約についてサンフレッチェ広島 2017年11月13日付》。

*9:この表の中で比較すると、90分あたりのシュート数はアンデルソン・ロペスが4.10本で1位。2位はパトリックの3.15本、3位は工藤の2.57本。

*10:なお、スポーツナビの集計データはFootball LABのそれと比較してシュート数が少ないため決定率は少し高くなっている(例えばアンデルソン・ロペスはシュート93本で10.8%)。ただし、他データとの整合性を取るためFootball LABのデータを採用した。

*11:なお、2017年シーズンはFC東京に所属したピーター・ウタカはシュート40本で8ゴールとシュート決定率20.0%を記録した。2016年シーズンは広島に所属してシュート119本で19ゴールとシュート決定率16.0%を記録している。ピーターウタカ 2017 選手データ《Football LAB 2018年1月14日閲覧》。

*12:サンフレッチェ広島 2017トレーニングキャンプ(2次)のご案内サンフレッチェ広島 2017年1月19日付》。

*13:『トヨタプレミアカップ2016』出場のお知らせサンフレッチェ広島 2017年1月19日付》。

*14:2017 Jリーグプレシーズンマッチ in 山口「レノファ山口 vs.サンフレッチェ広島」開催のお知らせサンフレッチェ広島 2017年1月25日付》、2005Jリーグプレシーズンマッチ in 岡山 サンフレッチェ広島vs.セレッソ大阪の試合結果についてJ’s GOALアーカイブ 2005年2月23日付》。

*15:サンフレッチェ広島 2017トレーニングキャンプ(1次)のご案内サンフレッチェ広島 2017年1月10日付》、「鹿児島トレーニングキャンプ(1/29~2/12)」スケジュール決定のお知らせ京都サンガ 2017年1月24日付》、

*16:柴崎晃誠選手の負傷についてサンフレッチェ広島 2017年2月3日付》、佐々木翔選手の手術についてサンフレッチェ広島 2017年2月14日付》、柏好文選手の負傷についてサンフレッチェ広島 2017年2月27日付》。これらの他にプレスリリースはなかったが青山敏弘アンデルソン・ロペス、林卓人、森﨑和幸も戦列を離れた時期があった。【ライターコラムfrom広島】“源”森崎和幸不在の痛手 苦境脱出は背番号8から学んだことの模索にありサッカーキング 2017年4月6日付》。

*17:サンフレッチェ広島 2018シーズン開幕前スケジュールのご案内サンフレッチェ広島 2017年12月21日付》。

*18:例えば、野津田岳人選手 ベガルタ仙台への期限付き移籍期間延長のお知らせサンフレッチェ広島 2017年12月28日付》、宮原和也選手 名古屋グランパスへ期限付き移籍延長のお知らせサンフレッチェ広島 2017年12月30日付》。

第15回サポカン ~女性と子ども(若者)を狙い撃て~

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毎年サポーターズカンファレンスから着想を得て書き殴る本企画。
前回はスタジアムアクセスについてまとめたところです。


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今回も何か書くつもりだったのですが、テーマが絞りきれず二転三転。
このまま諦めようかとも思いましたが、ここまで続けていることですし頑張ります。

第15回サポーターズカンファレンスについては下記のブログなどもご参考に。


www.plus-blog.sportsnavi.com


それでは早速始めていきましょう。今回のテーマは顧客ターゲットです。



[Ⅰ]第15回サポーターズカンファレンス

第15回サポーターズカンファレンスでは様々な話が取り上げられました。
それもそのはず2016年シーズンはいい意味でも悪い意味でも話題が豊富だったからです。


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例年取り上げられるクラブ経営や集客、アクセス、スタジアム問題。
佐藤寿人選手の移籍や森﨑浩司選手の引退、若手選手の引き留めという強化に関する話題。
千葉選手のドーピング問題(本人に落ち度なし*1、スタッフの起こした事件。
さらには25周年の特別企画やDAZNマネーなどなど。

今回はそれらを敢えてスルーして、次の説明から話を広げていきたいと思います。

クラブについて(織田秀和 代表取締役社長)
《第15回サポーターズカンファレンス議事録》


【観客動員について】
昨年は、ネットでカスタマーリサーチを実施し、7,000件あまりの意見が集まりました。こちらにいらっしゃる皆さんも、ご回答いただいたかもしれません。そういったアンケートをもとに、Jリーグの専門家に分析レクチャーしてもらいました。サンフレッチェの強み弱みを洗い出してもらい、我々が目指す方向性を今年の施策に活かしていこうとしています。例を挙げると、他クラブと比べて、女性や子どもの動員が少ないということがありましたので、このあたりをターゲットにしていく必要があります


ここで説明されている「カスタマーリサーチ」は2016年8月実施のwebアンケートのこと*2

こうしたwebアンケート調査は珍しいものではありません。
2012年にも実施されていますし*3、今年もひっそりとアンケートが実施されていました*4

テーマ4 観客動員について他(灘井康夫 地域事業部長)
《第14回サポーターズ・カンファレンス議事録》


【観客動員について】
それと同時に、CRM、お客さまに関する情報の収集も2014年から本格的に進めています。2014年で約10,000人の情報を集めており、 2015年も継続して伸ばしていくために、春先からのイベント参加時に合わせて、様々なアンケートなどを実施いたしました。その結果、1stステージが終 わった時点で15,000人までデータが増えています。この15,000人のデータをうまく活用して、試合前のメルマガを配信するなど、告知方法の1つと して運用しております。


このように、webアンケートをもとに顧客の特性を掴んで集客対策というのが最近の傾向。

ただ、2016年に実施したアンケートの結果について我々が見ることはできません。
そこで、Jリーグが毎年実施している観戦者調査 サマリーレポートをもとに分析してみました。

[Ⅱ]サンフレッチェ広島の顧客層

まずは男女比率について検証してみましょう。
前述したように、Jリーグの観戦者調査の中から広島のデータだけを抽出しています。


https://lh3.googleusercontent.com/ykZKuKtxP3t1GUIrTL22WZLTDr3iAYfEu71Ip7z7FitC6M9FUDHNlohVtgbp0wVJa5DNab52PGHfLxsln0sgmvnn1c_sMDMpcbCbvcVY886LuEyZ2bgJTqed4bcjb-o4jQa2F4obcA=w960-h720-no


男性は全体の6割強・女性は全体の4割弱というのが平均的な比率になっていました。
2014年以降は女性比率がじわじわと増加しており、良い傾向のようにも思えます。

ただ、これはあくまでも比率であって、観客数の増減などを加味していません。
そこで、1年間の総観客数にこの女性比率を乗じたものが次のグラフ。


https://lh3.googleusercontent.com/0ucmHOBb_JydxyVAVnrcBYJq73CwPO9VBHNyocMGCRlWJgD7ROxtc9aXlbXk_r2RjzPODaPStKVsUKtIYlVen_WGYp-lGXvNwybnlhpgS_bwXn-bZDoY97Bx4OcnX7K-hvaUE0bsew=w960-h720-no


ここ5年は成績が好調だったこともあって総観客数は安定して25万人を超えています。
一方、女性客数は2009年の11万4千人(推定)が過去最高で頭打ちになっているようです。
ここをもう少し増やしていきたいというクラブの考えはもっともな話。

一応、Jリーグ全体とカープを比較対象にした図も作ってみました。


https://lh3.googleusercontent.com/XnQeCJB5f0G_b3DkjIHvIoOiQ7krR1Az7YZfQx4SSZSB1ucwZvbISqF5i53rEEDvzXjac19wgyNql0_ITT93YfOvU4FgmyoVUrl9l0_gdL1TK0zPQxkYl801AC5FA56BaYpowat7LQ=w734-h551-no


Jリーグ全体の女性比率は緩やかに減少傾向で、あまりいい傾向とは思えません。
カープに関しては好成績で女性比率がぐっと上がっている印象を受けます。
いずれにしてもサンフレッチェが飛び抜けて良い/悪い訳ではなさそう。


次に、子どもの観客に関する分析をしてみました。

ただし、第15回サポーターズカンファレンスで言及された「子ども」の定義は不明。
そこで、本稿では子供=若者と解釈した上で話を進めていきたいと思います*5

それではサンフレッチェ広島の観客の年齢構成から見てみましょう。


https://lh3.googleusercontent.com/Bn9r2uoFqXAOmOkppSnmXMLQCG8TtiJTEvPdSptS_NYYunpx-bjWAh6yM-bjESYOTwezaXxleyUY2X9qbCBl0R8WspNAYwB3zj5c_jlgWxY80BjtdMJULX6m90NOCmiY0VUfHJZryQ=w960-h720-no


結果として、サンフレッチェの観客の高齢化が進んでいることが明白となりました。

50歳以上の割合は、2004年~2006年頃は10%程度だったものが現在は35%前後にまで上昇。
18歳以下の観客はここ3年間5%を切っており、22歳以下で見ても10%に届きません。

ただ観客の高齢化はサンフレッチェに限った話ではなくJリーグ全体でも同様の傾向


https://lh3.googleusercontent.com/SL_fCEWBwoE6mITBJ1KVsipEY2-HKr1J71uJtKvVrNsFn6mKwvKvuY8jbsVpWdsuDWojBkewvc022ZS5VTVfSWXur5bsbLKS9jaR5dtBsJGpn0uVWsxFn56hg3t6MyNPyeiqgcxAJg=w960-h720-no


そもそも日本社会全体が少子高齢化の傾向なのですから自然なこととも言えます。

また、Jリーグの調査では同伴した子供の年齢が反映されていません*6
平均年齢はこの調査結果よりも6歳程度低いというのは念頭に置いておくべきです。


続いて、年齢構成をもとに世代別の推定観客数をまとめたものがこちら。


https://lh3.googleusercontent.com/WmOJBzOEn-CYuWxEyUOWSVeWosCWm74yPDIGMwxLTtBJ_5tjkvCNx8Gm0kctMR7B86kTFauhf9JTa1yKD13WSLBDS8kw7ud98IGz5ykxnkvjTv7jbGROtWh5noWdTE6l2AWmAmp5Ug=w960-h720-no


好成績だった2012年、2013年、2015年の次の年は若年層が増加傾向。
やはり成績が良い年の翌年は話題になりやすく若い人が来やすいのかも知れません。

一方でCS優勝&CWC3位だった2015年に若年層の観客数が落ち込んでいるのは気になります。
好成績をその年の集客に繋げる努力がもっと必要とされるのではないでしょうか。



[Ⅲ]女性へのアプローチ事例

さて、ここまででサンフレッチェ広島Jリーグ全体の観客層を分析しました。
そして、サンフレッチェ広島の女性比率は決して高いとは言えないことが分かりました。

ただ、Jリーグの女性比率は減少傾向であるものの、海外のサッカーリーグと比較すると決して低くはないことから悲観するべきでないという指摘もあるようです*7

女性の集客数は世界最高レベル。Jクラブが仕掛ける“ファンづくり”の実態
サッカーキング 2017年9月12日付》


女性をターゲットとしたマーケティングはどのクラブも一定の成果を上げています。Jリーグにおけるスタジアム入場者数の約40%は女性であり、この割合は実は世界最高レベルの数値です。女性を対象としたサッカービジネスの面で言うと、Jクラブは世界の一歩先を行っていると言ってもいいかもしれません。


とはいえ、女性客をもっと開拓できるだけのポテンシャルを抱えているはず。

実際、広島東洋カープの観客の女性比率は50%前後と近年非常に高い割合を示しています*8
広島においてスポーツ観戦をする女性は決して少なくないはずなのです。

また、女性ファンの来場が多いクラブほど集客に成功しているという指摘もあります。

2016ファジアーノ岡山「Challenge1」について記者会見を行いました 【2】
ファジアーノ岡山 2016年3月3日付》


●男女比について


岡山は、女性の来場が少ないと言う結果が出ています。仙台や松本、スタジアム収容率が80%を超える川崎などと比べると5%近く少ない。新潟や甲府、割と男性ファンが多いと思われそうな浦和と比べても3~5%の開きがあります。Jリーグ全体を見ても、女性ファンの来場が多いクラブ程、集客に成功しているというデータが出ています


以上のことから女性に対するアプローチに注力するのは重要だと言っていいでしょう。


それでは、その認識を踏まえてどのような取り組みをすればいいのでしょうか。
そこで参考にしたいのが女性客獲得という面で近年評価されている鹿島アントラーズ

観客の集客方法について24
《J OKAYAMA ~岡山サッカーの桃源郷へ 2015年7月18日付》


【女性ファンの割合が最も多いのはJ1鹿島】


クラブ別女性比では1位はJ1鹿島で46.1%で1位。その大きな要因となっているのがカシマスタジアムのトイレの数。2001年改修工事の際に女性客を意識して、女性トイレを、53個から285個と6倍増設。そのために、ハーフタイム中、試合終了後のトイレ行列が余り無い。入口と出口を分けて動線もスムーズ。トイレ環境に気を使っている事がよくわかる。試合前にスイーツを食べながら選手や女性サポーターと交流できる、女性お一人様専用チケット「姫チケ」(期間限定)を販売し、女性サポーターに好評。ホスピタリティの向上を意識する事で、女性サポーターが増加。女性はホスピタリティが重要


こちらは2年前のFOOT×BRAINの特集をまとめたもの。
ここにもあるようにホスピタリティの向上が女性客獲得のために重要だとされています。

中でも女性客獲得のためにトイレの増設・環境整備は不可欠と言っても過言ではありません。
女性は男性よりもトイレの使用時間が長いと指摘されていることも一因*9


東京五輪のために整備される新国立競技場をはじめとして、近年建設された(または計画が進む)スタジアムではトイレ環境の整備に力を入れているようです*10


https://lh3.googleusercontent.com/KBubVwYxj8gTaMpmtjPoX4SDXHPjE_JuyTqMwMc2Hf9hi6k7gUvAv-pPdF_UXrc7D5h2_ScmO02UydlDnwCLZb8LUQ8fO-deY1v0mg1rueTB1dDNb8geTsnEiC7tUD461ISRYNCE2w=w1120-h759-no
新国立競技場整備事業~もっと知っていただくために~より》

トイレ行列、短くなる? 五輪会場で街で、オアシス拡大中
毎日新聞 2017年5月29日付》


DeNAが球団オーナーとなった12年シーズン以降、「女性にも試合を見に来てもらいたい」(球団広報)とトイレを全て洋式化し、男女の個室を増設した。さらに20年に向け、収容人数(現在約2万9000人)を約3万5000人に拡張する改修計画があり、トイレの数も見直される可能性がある。


(中略)


Jリーグの試合の観戦時、観客がトイレに駆け込むのは15分ほどのハーフタイム。特に女子トイレの前は長蛇の列だ。川崎フロンターレのホームスタジアム、川崎市等々力陸上競技場は15年にメインスタジアムを改修、トイレの混雑緩和に取り組んだ。入り口と出口を別にして人の流れを一方通行とし、個室の内側の壁は女性が赤、男性は青に塗られている。白い扉が開けば色の違いで空室とすぐに分かり、稼働率が上がるという工夫だ。


もちろんトイレ環境の整備は女性客獲得のために重要な要素です。

ただ、これはどちらかというと「行きなくない理由を減らす」ための施策。
すなわち、「リピーター獲得」のための取り組みという側面が強いように感じます。

今まで一度も来たことのない女性客を獲得するためには他の施策も必要となるはずです。
鹿島の取り組みでいうと、ファッション誌に所属選手(イケメン)を投入したり、クラブの月刊誌やポスターもビジュアルを重視するなどがあるようです*11

また、この時代においてSNSの活用は重要なポイントとなってくるはず。

スポーツ観戦女子をどう増やす?女性ファンつかむカギはビジネスの現場に
《スポーツイノベイターズオンライン 2017年1月10日付》


情報発信の際にも女性の目を意識しているという。「バスケは日本ではまだマイナースポーツ。メディアに取り上げてもらうことも少ないので、自分たちから積極的に情報を発信していく」(経沢氏)という考えから、BリーグSNSに力を入れている。特に若い女性の利用率が高いインスタグラムでは、女性客のファッションや会場の雰囲気などを積極的に発信し、「会場にいる自分を想像させる」「Bリーグを身近に感じてもらう」ことを狙っているという。

人気モデルとアイドルが“イケてない”Jリーグに物申す!! イマドキ女子の声を聞け
フットボールチャンネル 2016年10月1日付》


松本「だから、もうSNSでトレンドを作れればもう一発なんですよ。だから、SNS映えするような、写真映えする可愛いフードメニューだったりとか、可愛いキャラクターとかグッズだったりとか。あとはそういう場所に行って“私たちリア充してまーす”みたいなのをアピールできるフォトスポットの確立! これです!」


サッカーファンは野球や相撲ファンと比較してSNS利用率が高い傾向にあります*12
女性に訴求しやすい内容をSNSで発信することによって拡散を狙うことは効果的でしょう。



[Ⅳ]子ども(若者)へのアプローチ事例

女性客の集客の話はこれくらいにしておいて子ども(若者)の集客の話に移りましょう。

前々項でJリーグ全体で観客の高齢化という問題も明らかとなりました。
この高齢化問題についても次の理由から悲観するものではないという指摘があります*13

「新しい仲間」を増やすためにできること Jリーグスタジアム観戦者調査2013
スポーツナビ 2014年2月6日付》


続いて、平均年齢について。13年は39.5歳で、前年の39.0歳から0.5歳上がった。平均年齢は04年の34.7歳以降、4.8歳(平均すると毎年0.54歳ずつ)も上がっているため「ファンの高齢化」がかねてより懸念されているが、仲澤氏は「一概にネガティブにとらえることはない」としている。その理由として氏が挙げたのが、イングランド・プレミアリーグの平均年齢が41.0歳(11年)であり、英国国民全体の平均年齢とほぼ変わらないこと(日本国民の平均年齢は45.8歳)。また、特に地方都市においては、リピーターとなる観客の年齢はどうしても高くなりがちであり、「丁寧に(集客活動を)やっているクラブほど、平均年齢が上がっていくのはやむを得ない」(仲澤氏)としている。


そうは言っても若い人が増えなければ先細っていくばかり。
少なくとも若い人たちが観戦に来やすくする努力が重要なのは論を俟たないはずです。


では、若い人たちが来やすくするためにはどのような取組をすればいいのでしょうか。
アビスパ福岡を題材した福岡大学の学生の研究に集客のヒントがあるように思います。


https://lh3.googleusercontent.com/t4FARYVoMyp4KVRx3TuhOOWC1g5nfHgW91eMZxZP-WVqqTfX2gYsRAOhymESSsjLD0kI5ymdr9YwVdhb8TirnIGDE8VUJZDykh9YE_L6COOXzsx6reygP5YKkmr6ve6WRGGGcRFUzg=w734-h551-no
アビスパ福岡×福岡大学 アビノミクスより》


このように、若い人が観戦しない理由は「キッカケ」と「チケット価格」にあると指摘。
これを裏付けるデータを確認していませんが、感覚としては納得できるものです*14。。


では、Jリーグ・Jクラブはこの2つの要因にどのような対策を講じているのでしょうか。

まず第一の要因=キッカケへの対策として、先程ご紹介した福岡大学アビスパ福岡のように学生に試合イベントの企画を任せてしまうという方法がよく採られています*15

若者たちとクラブとの絆〜 「共につくる」ことの価値 〜
Jリーグニュースプラス 2011年3月8日》


「19歳から22歳の若年層の観戦者が少ないことはJリーグ全体の課題ともなっているが、新潟では特にその傾向が顕著なデータとして出ていた」と語るのは、アルビレックス新潟の事業本部営業部マーケティンググループの國井拓也氏だ。アルビレックスの観戦者平均年齢は43.5歳(「Jリーグスタジアム観戦者調査2010」より)。これは全37クラブで2番目に高く、リーグ平均(38.2歳)より5歳以上も高い。 これからのアルビレックスを長きにわたり支え続けるサポーターとなるべき存在として、若年層ファンの獲得は避けては通れない課題である。その課題解決のために、アルビレックスは地元の大学生と一緒になって、彼らと同年代の大学生をスタジアムに呼ぶという取り組みを始めた。それが、2009年に立ち上げた「ALB lab.(アルビラボ)」である。新潟の大学生たち自身が主導し、自分たちと同じ若者の集客率アップを目指すというプロジェクトだ。


要するに、若者をスタジアムに呼び込みたいのであれば若者に聞けばいいという発想。
どこがボトルネックとなっているかを分析して貰い、その対策として企画を考えて貰う。

クラブ側には大学生に企画を任せることで話題性と新鮮さをもたらすというメリットがあり、学校側には生徒たちに実践的な社会勉強の場を受けさせるメリットがあるというわけ。

サッカーとは関係がありませんが、鯖江市のようにうまく回れば面白いですね。


news.livedoor.com


また、この手法以外でいうと鹿島アントラーズの事例が比較的新鮮な話題でした。

鹿島アントラーズが考える「ファンマーケティング」とその先――周辺人口が東京の20分の1でも生き残る道とは?
《HRナビ by リクルート 2017年08月10日付》


たとえば、メルカリとのパートナーシップの締結。これは両社が獲得している顧客層が異なるからこそ成立したものです。メルカリのユーザーは20代~30代の女性が中心ですが、アントラーズは30代~40代の男性やファミリー層がメイン。アントラーズからしてみれば、今までアプローチが難しかった若年層の女性に対してアプローチが可能になる。マーケット・新規顧客の開拓という点で大きなメリットがあると思いました。


メルカリとの取り組みとして、まずは、ホームゲームとクラブ関連イベントの開催時に、JR鹿島サッカースタジアム駅から茨城県立カシマサッカースタジアムまでの太陽光発電下の道を「メルカリロード」と名付け、4月8日に開催されたセレッソ大阪戦では、オリジナルステッカーの配布やフォトプリントサービスを展開しました。さらに、ライブ配信で商品の販売・購入ができる機能「メルカリチャンネル」を活用し、ホームゲーム開催時限定で、試合後に選手のサイン入りグッズなどを出品しています。


このように、若い人たちが利用する媒体と協力関係を築くことも一つの対策なのです。
ある意味、アニメなどとのコラボ企画の類型と言ってもいいかもしれません。


第二の要因=チケット価格について各クラブがそれぞれ努力しています。
ただ、それを一つ一つ取り上げるのはあまりにも大変なので今回は割愛。

その代わりに、2013年にスタートした「Jマジ!」という企画を見ていきましょう*16

19・20歳はJリーグ観戦が無料! 『Jマジ! ~J.LEAGUE MAGIC~』5期目スタート
リクルートライフスタイル 2017年2月24日付》


『Jマジ!』実施背景
Jリーグは、誕生時から支援し続けるファンが多く定着している一方で、新規ファンの獲得が課題とされています。JRCが実施した調査(※4)によると、18~25歳の若年層男女は他の年齢層に比べJリーグ観戦意向が高いという結果がでました。また、観戦経験者の入れ込み度も高く、定着率も高い(この3年以内で観戦デビューをした人の中で、直近1年間に観戦実施している割合が高い)ことから将来の有望なターゲットであることがわかりました。そこでJRC日本プロサッカーリーグと協力し、19・20歳限定でJ1・J2の参画クラブの対象試合を無料で観戦できる『Jマジ!』を実施することにしました。


「雪マジ!19」というフリーミアム企画が成功したことでJリーグでも導入されました*17
Jクラブが個別に取り組むのではなくJリーグ全体(希望クラブのみ)で実施しているのが特徴。

システムは非常に簡単で、会員登録すれば一定期間無料になれるというシンプルなもの。
無料招待券ではなく、アプリを採用している点は若者向けと言ったところでしょうか。


ところで、フリーミアムとは「一定の無料期間を設けて、その間にファンを獲得、将来の課金に繋げる手法」を意味し、一般にネットサービスでよく利用されている手法です*18

こうした手法を採用するときに必ず問題となるのが「慣れ」。
入場料無料に慣れてしまうとチケット代を払わなくなってしまうというものです*19

この点について、「Jマジ!」の責任者は次のように説明しています。

青木理恵×たまじゅん部 “観るだけじゃないサッカーを”
《TAMAJUN Journal 2017年6月1日付》


青木
一昨年のデータですけれど、会員登録数では、約3万2千人の登録という数字があるんですね。この会員さんのうち、4割くらいの人が実際にスタジアムに行く頻度が増えたり、しばらく行かなかったのに行くことが復活したりという効果が出ています。一方で、先ほどのご指摘のような、「無料で来る人は、無料でしか来ない」というような問題に対して、「来シーズンは無料ではないけど来たいと思うか」という観戦意向のアンケートをとっていますが、84.3%の人が、「無料でなくても行きたい。」と回答してくださっています。他にも「2年前に会員になった方が、翌年に有料でスタジアムに行ったかどうか」というデータがあるのですが、77%の方が実際にスタジアムに足を運んでくださっているという結果となっていますので、「無料で来る人は、無料でしか来ない」神話というのは、必ずしも正しくはないんじゃないかなと、私は思っています。


正直なところ、このような結果が出ていることは少し意外でした。
本当は見に行きたいけれどチケット代がネックとなっている人が一定数いるのでしょう。

こうしてデータを取りながらアプローチするのが今後主流となってくるのかもしれません。



[Ⅵ]まとめ ~サンフレッチェ広島の取組~

今回取り上げたのは女性客・子供客に対するアプローチが重要であるというお話。

まずサンフレッチェ広島(など)の顧客層について分析を行い、その事実を確認。
その上で女性・若者客を増やす取組として、いくつか事例を紹介しました。


正直なところ、1回で片付けられるようなテーマではなかったなと反省しております。
事例紹介としても浅いですし、その取組が成果に結びついているかまでは調べていません。
その意味で本稿はそういった研究の導入編とでもいうべき様な内容でした。

また、前述したように子ども=若者という前提で本稿は進めてきました。
子ども=義務教育年代というニュアンスであればまた別のアプローチもあろうかと思います。
そういった点にまで言及できなかったのは今回の積み残しです。


さて、本稿では他事例ばかり紹介してきましたのでサンフレッチェについても簡単に。


サンフレッチェはこの女性客獲得のため2015年からレディースデーを開催しています*20

このレディースデーは単純に女性向けのイベントというだけではありません。
サンフレ女子会という女性サポーターグループが企画に参画している点も特徴的*21
女性目線でのイベントが多く、かなり力が入っています。

3年目となる今年は「サンフレガールズフェスタ2017」と題した大々的な企画でした。


www.sanfrecce.co.jp


また、高校生大学生を対象にSS指定席を格安で販売する青春ペアシートなども実施*22
手を変え品を変え、女性・若者を引き寄せる企画は頑張っているようです。

なお、これらの取組に対する評価は通信簿企画で改めて取り上げたいと思います。


www.instagram.com


また、こういうストレートなのも大事ですね。余談ですが。


ただ、ソフト面ではサンフレッチェも取り組んでいるのですがハード的な取組は難しい。
来年度以降、ついにエディオンスタジアムのトイレが改修されるという話があります。

豪ホッケー誘致へ球技場改修検討
中国新聞 2017年10月18日33面》


テニスコートは順次、更新中。サッカーJ1サンフレッチェ広島がホームにするエディオンスタジアム広島は個席数と洋式トイレの数が基準を満たしておらずサッカーのアジアチャンピオンズリーグを開催できない。このため来年度以降、トイレとスタンドの改修に乗り出す構えだ。


ここでの改修はあくまで洋式トイレの数増設がメインとなるでしょう。

エディオンスタジアムのトイレは入り口と出口が同一で混雑してしまいがち。
そういった面での環境整備は新スタジアム建設まで待たなくてはならないのかもしれません。


まとめとしては簡単ではありますが以上です。
ここまでお付き合い頂ありがとうございました。
それでは良いお年をお迎え下さい。



*1:しつこいようだが、千葉選手のドーピング問題について誤解のないよう次のリンク先を読んでおいていただきたい。千葉和彦選手(サンフレッチェ広島F.C)に落ち度はない《望月浩一郎ブログ 2017年1月2日付》、千葉和彦選手のドーピング事案について《Japan Sport Law Support and Research Center 2017年3月5日付》。

*2:《ご協力をお願いいたします》サンフレッチェ広島 WEBアンケート実施のお知らせ および ご協力のお願いサンフレッチェ広島 2016年8月43日付》。

*3:【お知らせ】スポーツファンとホームタウンの関係に関する意識調査(WEB調査)にご協力をお願いいたします。サンフレッチェ広島 2012年12月14日付》。

*4:ガンバ大阪でも同様のアンケート(調査主体が㈱Jリーグデジタルとクラブと筑波大学)が実施されているため、クラブ主体というよりはリーグ主体の可能性はある。ガンバ大阪Webアンケートご協力のお願いガンバ大阪 2017年5月17日付》。

*5:ここで言う若者とは、22歳以下の観客を想定している。これは観戦者調査 サマリーレポートの集計上その年代に着目されているからである。なお、子ども=義務教育年代と解釈する場合と、子ども=若者と解釈する場合とでは方向性が全く異なることに留意して頂きたい。

*6:この点について、「2013シーズンから試行的に、調査対象に同伴した子どもがいる場合には、その年齢についての回答を求める調査項目を設定した。これは、サマリーレポートの調査は、その対象を11歳以上としているため、来場者全体の年齢構成を反映していない点を補完する目的で設定された項目である。それによれば、全体では従来の算出方式では、40.4 歳(J1:39.9 歳、J2:40.8 歳)であった平均年齢が、34.1歳(J1:34.2 歳、J2:34.0 歳)になり、6.3 歳(J1:5.7 歳、J2:6.8 歳)平均年齢が低下するという結果が得られた」と述べている。Jリーグ スタジアム観戦者調査 2014 サマリーレポート16頁。

*7:同様の指摘として、フットボールの熱源 女性を引きつける戦略日本経済新聞 2017年12月19日付》。

*8:広島市民球場運営協議会の概要広島市 2017年12月24日閲覧》。

*9:トイレ行列、短くなる? 五輪会場で街で、オアシス拡大中毎日新聞 2017年5月29日付》。

*10:市立吹田サッカースタジアムLIXIL 2017年12月22日閲覧》、北九州市の新しいシンボル・ミクニワールドスタジアム北九州(ミクスタ)を徹底紹介《キタキュースタイル 2017年10月5日付》、ミクニワールドスタジアム北九州《COM-ET [コメット] 建築専門家向けサイト 2017年12月22日閲覧》。

*11:女の子とJリーグ 《Insight kick  2011年8月18日付》、フットボールの熱源 女性を引きつける戦略日本経済新聞 2017年12月19日付》。

*12:「女性のスポーツ観戦」に関する意識・実態調査《womedia Labo 2015年8月7日付》。

*13:同様の指摘として、「今の大学生はJリーグ開幕当時を知らない」 コアなファンで固定化された日本のサッカー《ログミー 2016年2月16日付》。

*14:少し次元が違う話かもしれないが、プレミアリーグでもチケット価格高騰で若者離れが進んでいると指摘されている。若者の足が遠のくプレミアリーグ。原因は?《Golaco 2017年11月18日付》。

*15:後述するアルビレックス新潟以外の例として、徳島ヴォルティスモンテディオ山形東京ヴェルディアビスパ福岡などがある。若者たちとクラブとの絆〜 「共につくる」ことの価値 〜Jリーグニュースプラス 2011年3月8日》、モンテディオ山形×東北芸術工科大学 共同授業実施についてモンテディオ山形 2016年4月26日付》、「若者のサッカー離れ」は正しくないを実証したい!?《BLOGOS 2016年10月9日付》、(緑の旗のもとに)学生とタッグ つかめ若者のハート朝日新聞 2017年7月6日付》、アビスパ福岡応援プロデュース福岡大学 2017年12月28日閲覧》、アビスパ福岡×福岡大学 アビノミクス福岡大学 2017年12月28日閲覧》。

*16:2017年で5期目となっている。20歳をJリーグ観戦に無料招待!「Jマジ!20 〜J.LEAGUE MAGIC〜」2ndシーズンが2月25日より始動 〜 会員の約4割が、「Jマジ!20」がきっかけでスタジアム観戦へ 〜リクルートライフスタイル 2014年2月25日付》、19・20歳限定、Jリーグ観戦に無料招待! 『Jマジ! 〜J.LEAGUE MAGIC〜』3期目スタート 〜 会員登録は3月2日、対象試合の申し込み受付は4月2日より開始 〜リクルートライフスタイル 2015年2月26日付》、19・20歳はJリーグ観戦が無料! 『Jマジ! ~J.LEAGUE MAGIC~』4期目スタートリクルートライフスタイル 2016年2月26日付》、19・20歳はJリーグ観戦が無料! 『Jマジ! ~J.LEAGUE MAGIC~』5期目スタートリクルートライフスタイル 2017年2月24日付》。

*17:衰退市場を救う起爆剤としてのフリーミアムモデル 加藤史子氏リクルートマネジメントソリューションズ 2015年8月26日付》。

*18:「タダの魔法」で若者とニッポンを元気に! 魔法のアプリ『マジ☆部』にかけるリクルートの想いとは《U-NOTE 2016年2月22日付》。

*19:この問題が顕著に表れた事例としてアルビレックス新潟がある。新潟、“無料招待券”廃止で勝負 集客減も「今は我慢」Jリーグまとめブログ 2015年3月28日付》、「タダ券は絶対に配らない」J2ファジアーノ岡山の流儀。《Number Web 2015年5月12日付》。

*20:5月10日(日)ガンバ大阪戦は「レディースデー」!!【第1弾】女性限定特典つきチケット『サンフレ女子チケ☆』販売のお知らせサンフレッチェ広島 2015年5月7日付》、5月8日(日)サガン鳥栖戦は「レディースデー」!!女性限定特典つきチケット『サンフレ女子チケ2016』販売のお知らせサンフレッチェ広島 2016年4月14日付》。

*21:4月26日は、スカパー!Jリーグ中継 ピッチリポーター、サンフレ女子会リーダー 掛本智子さんをお迎えしました!!サンフレッチェ ラジオ・サポーターズクラブGOA〜L 2016年4月26日付》。

*22:25周年特別学生割引企画!!4月22日(土)ベガルタ仙台戦限定!!『青春ペアシート』販売についてサンフレッチェ広島 2017年3月7日付》。

第14回Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く(2017年改訂版)【終】

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ついにクラブライセンス制度シリーズの最終回。
全部で14回と長くなりましたので、前半でクラブライセンス制度を簡単にまとめます。

後半で総括と参考文献を示して本シリーズを締めくくりたいと思います。

Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く(2017年改訂版)・目次>
回数内容(交付規則の対象条文)
第1回クラブライセンス制度導入の背景
第2回クラブライセンス制度の目的と概要(1条、4条、7条)
第3回クラブライセンス制度に関する用語説明(10条~19条、21条~23条)
第4回ライセンスの申請・審査・決定フロー(24条~26条、28条)
第5回ライセンス交付上(決定後)の取扱い(8条、15条、20条)
第6回競技基準、法務基準(33条、36条)
第7回施設基準(34条)
第8回財務基準(37条)
第9回人事体制・組織運営基準(35条)、各種基準の小括
第10回AFC規則とACL出場権、AFC規則との比較(2条、9条、29条~30条、41条)
第11回クラブライセンス制度上の制裁と交付後の違反(6条、8条~9条、23条)
第12回上訴制度、その他の改正項目(12条、17条、27条、40条)
第13回J3クラブライセンス交付規則について
第14回クラブライセンス制度の全体像、おわりに



[Ⅰ]クラブライセンス制度の全体像

第1回~第13回で述べたことの繰り返しですが、全体像を再度確認しましょう。

Jリーグクラブライセンス制度が導入されたのは、Jリーグ全体の水準向上もありますが、最大の理由はAFCライセンス(ACL参加資格)の要件を充足するため


https://lh3.googleusercontent.com/g3Qu1Q1YR0kSxQayZRiKf2na5SzA5iNSrnpBXt_SYL81o_frx8nDmNPG8ILCAdoV_3Z3_BE-cEsYZ5EEn9CCtjYhoWEQJJFA8OtVpRcaKsXvZTi_bWL4vPyCh8duUhi-Zbgvy1A_wg=w1335-h950-no
JFA 2010年度第2回理事会 協議事項9 関連資料No.7 2頁より》


そのため、Jライセンスを取得すればAFCライセンスが自動的に付与されます。

JライセンスとはJ1ライセンスJ2ライセンスをいいます。
J3の参加資格であるJ3ライセンスJ3規則に定められた別の枠組みです。


Jライセンス取得のためには、ライセンス申請者がコアプロセスをクリアする必要があります。
コアプロセスとは、ライセンスの申請、審査、決定、交付という手続きのこと。


https://lh3.googleusercontent.com/Fd0ARLTNzA8ZP4z_GL-_6eQUa5dh7ud7pXT4ZS0r9eWhokEqLao0wqBiKLaZln1IKGC1eWJcpz3eKOgxKdB1M5liBMu5ah9nrPwilQvLsMbZ0rYrIt7BNg-itJRJBVeX8GfttC2K2Q=w672-h950-no
Jリーグクラブライセンス交付規則 別紙1より》


その審査においては5つの基準をもとに判定が行われます。

また、5つの基準には、必ず達成しなければならないA等級基準、達成しないと制裁が科される(交付は妨げない)B等級基準、努力目標のC等級基準という3段階が存在します。

A等級基準を全て充足しなければライセンスは交付されません。


https://lh3.googleusercontent.com/6iIqBP-0iRgizBI1gv1ieDAmho_I6O--o__a_kqaX9fuxEdZUJ1JSWcTbWWFYDqHTnayWqXY5tX68QFglLJyqO1jcISDDygpLHvj6fC1xS-Q-t10jrh8VTkBjB5rZovGAqumJVgCqg=w960-h720-no


5つの基準の中でも特に重要なのは、三期連続赤字と債務超過を禁止している財務基準と、スタジアムのキャパシティ・屋根・トイレについて規定している施設基準です。

なお、JライセンスにはJ1ライセンスJ2ライセンスがありますが、これらを分けるのは(現状)施設基準のスタジアムのキャパシティに関する判定だけです。

5つの基準には、AFC規則にはないJリーグ独自の判定項目が存在しており(三期連続赤字、債務超過、屋根、トイレなど)、原則として交付規則の方が厳しい内容となっています。


ライセンスの審査が終われば、FIBによるライセンス決定会議が開催されます。
ライセンス決定会議では、次の5種類の決定が下されることになります。

  • ライセンスの交付
  • ライセンスの不交付
  • 制裁付きのライセンス交付
  • 是正措置通達付きのライセンス交付
  • 条件付きのライセンス交付


ここでいう制裁は、B等級基準未充足の場合に科されるもの。
また、是正措置通達はクラブ経営上努力すべき内容に関するもの。
条件付きのライセンス交付の内容は条件が課されたクラブによってまちまちです。

ライセンス不交付または制裁付き交付に不服な場合などには上訴することも可能です。


以上がクラブライセンス制度の大まかな概要です。



[Ⅱ]おわりに

本シリーズの目的は、交付規則を通してクラブライセンス制度の全体像を掴むことでした。
全14回という長編になってしまいましたが、ある程度達成できたと思っています。


本シリーズで目指したポイントがいくつかあります。

第一に、目次にもある通り、交付規則にある大半の条文を取り扱うことです*1
重要性の低い項目まで手は回りませんでしたが、概ねカバーできたのではないでしょうか。


第二に、改正のあった項目をできる限り紹介しようと考えました。

AFC規則の改正や、Jリーグを取り巻く環境の変化(ソーシャル・フェアプレーや熊本地震)によってクラブライセンス制度は毎年アップデートされています

次表は、クラブライセンス制度導入時と現在との項目数比較です。


https://lh3.googleusercontent.com/AJJqbkcgSbqwM5No6MFVrWtW2JCI5ooaJqOHPaRARZ6JzNtqmUw6eION8CHVyLu29GQo4fFuBfOH1PQJg4Y1CdrqHODTjdD7TTmW-Vk7x6mQPyy4uw7gGbnIUsTG_OlXNnzMYg=w960-h720-no


サッカークラブの水準向上を目的としている以上、項目数が減少するのは考えにくいところ。
したがって、今後も基準は増えていく傾向にあるのではないでしょうか。

脚注で紹介する部分も多かったですが、こういった改正項目にも概ね言及できたと思います。


第三に、条文の解説だけではなく具体的事例(制裁事例など)も取り入れました。
2012年に投稿した前シリーズとの最大の違いはこの点です。

クラブライセンス制度の運用方針についても、ある程度確認することができたと思います。


以上のポイントを意識しながら仕上げましたので、2017年現在で最も詳しいクラブライセンス制度解説シリーズになったのではないかと自負しています。


他方で、本シリーズでできなかったこともありました。

その一つが、FC岐阜今西和男氏に関する事例を取り上げること。

本件の詳細については木村元彦氏の『徳は孤ならず』をご覧頂けたらと思います。
木村元彦氏の「徳は孤ならず」はJリーグファンなら是非とも一読するべきものです。


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この内容について、読んだ人によって受け止め方は異なるかもしれません。

ただ、この内容について触れるのであれば、第11回で指摘した制裁に関する問題点とは異なり、クラブライセンス制度の制度設計そのものに焦点を当てる必要があります。

それをクラブライセンス制度の解説で取り扱うことはふさわしくないのではないか。
そのような理由から本シリーズでは詳しく触れていません。


しかし、現実にクラブライセンス制度は完璧なものとは言えません。
それは青影宜典クラブライセンスマネージャーも認めているところです。

Jリーグクラブライセンス制度運用のいま
フットボール批評14巻 2016年11月7日発行 87頁》


青影


当然この件にかかわらず、クラブライセンス制度そのものが、いつの時代でも100点満点の完璧な制度だとは僕は責任を持って言えません。先程の運用の面でも申し上げた通り、年度毎によって当然時流に合わせた対応が必要です。だからこの制度、この仕組み自体はやっぱり見直さないといけない、というような議論があるならば、それは真摯に拝聴した上で、議論した上で、また新しい改革を進めていくべきじゃないかという風に私個人は思っています。


クラブライセンス制度の抱える問題点のような視点から分析・検討することも有益なこと。
あるいは愛するクラブが今どういう状況に置かれているか知ることも重要なことでしょう。

本シリーズがそういった取り組みの一助になれば幸いです。


最後は簡単なまとめ方になってしまいましたが本シリーズは以上で終わりです。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。



[Ⅲ]参考文献

最後に、本シリーズにおいて参考・参照した文献を以下に列挙しておきます。
ただし、リンク切れを起こしていろ場合はInternet Archiveに置き換えています。

◆新聞
◆その他のウェブサイト



*1:本シリーズで取り扱っていないのは、交付規則3条、5条、31条~32条、38条~39条、42条~43条。内容については割愛する。

第13回Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く(2017年改訂版)

元の記事へ移動

今回取り扱うのは(本題から少し逸れますが)J3クラブライセンス交付規則です。

まず、2014年創設のJ3リーグ参加要件として設けられたJ3規則を簡単にチェック。
続いて交付規則との違いや運用事例を確認したいと思います。

Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く(2017年改訂版)・目次>
回数内容(交付規則の対象条文)
第1回クラブライセンス制度導入の背景
第2回クラブライセンス制度の目的と概要(1条、4条、7条)
第3回クラブライセンス制度に関する用語説明(10条~19条、21条~23条)
第4回ライセンスの申請・審査・決定フロー(24条~26条、28条)
第5回ライセンス交付上(決定後)の取扱い(8条、15条、20条、41条)
第6回競技基準、法務基準(33条、36条)
第7回施設基準(34条)
第8回財務基準(37条)
第9回人事体制・組織運営基準、各種基準の小括(35条)
第10回AFC規則とACL出場権、AFC規則との比較(2条、9条、29条~30条、41条)
第11回クラブライセンス制度上の制裁と交付後の違反(6条、8条~9条、23条)
第12回上訴制度、その他の改正項目(12条、17条、27条、40条)
第13回J3クラブライセンス交付規則について
第14回クラブライセンス制度の全体像、おわりに



[Ⅰ]J3クラブライセンス交付規則の趣旨

本筋から外れるのでJ3リーグ創設の背景について詳しく説明はしませんが*1J3規則が誕生した背景は重要なので、そこだけピックアップしておきます。

J3規則の誕生した背景は、端的に言うとJ2ライセンス取得のための前準備
というのも、J3は「J2昇格を目指すクラブのリーグ」と位置づけられていました。


https://lh3.googleusercontent.com/L0d6FhfxDpddHonlOUVuDZ-daV9LRRBEclpU-ix3G-44A-l6-hv2p8WhhCxN4AENUL5xofgLPNKwKhUp0NrrYIXmUb0ryEgEElgfo9eoEav8DIRGC9v8Yk7ZQyWYZl2J_sOKVQ=w1299-h974-no
《「Jリーグディビジョン3(J3)」の設立について 20頁より》


本シリーズで確認してきたように、J2昇格のためにはJライセンスの取得が必須です。
しかし、JFLのクラブにクラブライセンス制度をいきなり押しつけるのはハードルが高い。

そこで、交付規則ほど厳しいものではないJ3規則をクッションとして挟むことにより、クラブライセンス制度を体感してもらおうというような趣旨でJ3規則は導入されました。

Ⅱ.J3リーグ参加への手続き
Jリーグ入会(J3リーグ参加)の手引き【新たに入会を目指すクラブ向け】 11頁》


【J3クラブライセンスとJ1・J2クラブライセンス制度との違い】


「J3クラブライセンス交付規則」は、J3リーグへの参加を希望するクラブに対し、Jリーグが独自に、J3クラブとして最低限必要とされる条件を示したものです。従って、当該規則は「Jリーグクラブライセンス(J1クラブライセンス・J2クラブライセンス)」と連動しているものではなく、アジアサッカー連盟が定める「AFCクラブライセンス交付規則」とは独立したものです。しかし、J3に参加するクラブが将来的にはJ2昇格を目指すことに鑑み、「J3クラブライセンス交付規則」は、J2クラブライセンスの構成をある程度意識できるようなレベルに設定しています。これにより、J3に参加するクラブが、J2昇格に向けた準備がより円滑に進められると考えています。

[Ⅱ]J3クラブライセンス交付規則の特徴

それではJ3規則の具体的な中身について確認していきましょう。
ただ単に条文を見ていても仕方がないので交付規則との違いを中心に進めていきます。

まず、交付規則との大きな違いはライセンス申請者です。

J3規則 第3条〔申 請〕


(1) J3ライセンスの審査の申請日において、以下のいずれかの地位にあるクラブのみが、J3ライセンスの申請者(以下「J3ライセンス申請クラブ」という)となり得る。


① J1クラブ
② J2クラブ
③ J3クラブ
日本フットボールリーグ(JFL)に所属するJリーグ百年構想クラブ。ただし、J3ライセンスの審査の申請日の前年の11月30日までに、「Jリーグ百年構想クラブ規程」第5条第1項に定める申請を行っている百年構想クラブに限る。


このように、J1・J2・J3クラブだけでなく、JFLに所属するJリーグ百年構想クラブも対象。
Jリーグ百年構想クラブというのは「Jリーグ準加盟クラブ」の新名称みたいなものです*2

Jリーグ百年構想クラブがライセンス申請者になるのはJ3規則の趣旨を考えれば当然のこと。
他方で、J1クラブとJ2クラブが対象となるのは少し不思議に感じる人もいるかもしれません。

J1・J2クラブが対象となっている理由は、J3規則3条3項に示されています。

J3規則 第3条〔申 請〕


(2) J3ライセンスの交付を受けようとするクラブは、所定の手続きにより、原則としてJ3ライセンスの対象となるシーズン(以下「対象シーズン」という)の前年6月30日までにJ3ライセンスの交付を受けるための審査の申請をしなければならない。


(3) 前項の規定にかかわらず、Jリーグクラブライセンス交付規則に基づき、そのライセンス申請締切日までにJ1またはJ2のクラブライセンスの申請を行ったものの、いずれのクラブライセンスについてもFIB(クラブライセンス交付第一審機関)またはAB(クラブライセンス交付上訴機関)から交付決定を受けられなかったクラブは、対象シーズンについて前項の申請を行っていたものとみなす。ただし、Jリーグクラブライセンス事務局から、追加でJ3ライセンスに関する申請書類の提出を求められる場合がある。


そもそも、J3リーグで戦うためにはJ3規則に基づいてJ3ライセンスを取得する必要があります。
J3ライセンスの交付申請はその年の6月30日が期限で、Jライセンスと同じスケジュール*3

つまり、J3ライセンスの交付申請手続きをしていなければ、Jライセンスの交付申請を行ったクラブがライセンス不交付となった際に、いきなりJFL以下に降格することになってしまいます。

Jリーグ:J3の参加資格を明文化
毎日新聞 2015年4月28日付》


一方で、J1、J2も含めたJリーグクラブが参加基準を満たせなかった場合でも、改善の見込みがあると理事会で認められればJ3に参加できることも定めた。該当したクラブには「勝ち点減」などの制裁が科せられる。大河正明常務理事は「Jクラブのセーフティーネットとして(J3を)活用する趣旨も含めた」と語った。


これはあまりにも酷なので救済措置的にJ3ライセンスの自動申請が認められているのです。


次に着目すべきはその審査方法でしょう。

J3規則 第5条〔審査方法〕


(1) 審査は第7条から第11 条までに定める各基準をすべて充足した場合に合格したものとする。審査に合格したJ3ライセンス申請クラブには、対象シーズンのJ3ライセンスが交付される。


(2) 前項の規定にかかわらず、理事会は、第7条から第11条までに定める基準のいずれかを充足しない場合であっても、対象シーズンのJ3リーグの安定開催に支障を及ぼさないと認められる場合には、J3ライセンスを交付することができる。かかる場合、理事会は、Jリーグ規約第142条第1項に定める制裁を合わせて審議決定するものとする。ただし、基準F.01第3項に定める基準が未充足であったJ3ライセンス申請クラブに対する制裁は、原則として、対象シーズンの勝点減(最大10点)とする。


このように、全ての基準充足がJ3ライセンス交付の原則的な条件となっています。
ただし、Jリーグ理事会に認められた場合にはライセンスが交付される可能性もあると。

この点も交付規則とは大きく異なる点でしょう。

[Ⅲ]J3クラブライセンス交付規則における各種基準

J3規則5条2項にあるように、F.01の第3項を満たさない場合は勝点減の制裁が科されます
では、その肝心のF.01の第3項は何かというと、次のような内容。

J3規則 F.01 年次財務諸表(監査済み)


(3) J3ライセンス申請クラブが以下のいずれかの状況である場合は、基準F.01 は満たさないものとする。


① 3期連続で当期純損失を計上した場合。
② ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在、純資産の金額がマイナスである(債務超過である)場合。
③ Jリーグからの指摘に基づき、過年度の決算の修正が必要となった場合において、過年度の決算を修正した結果、前2号に示す事態となった場合。


このように、F.01の第3項は交付規則とほぼ同じ内容で、三期連続赤字と債務超過の禁止です。

特定の制裁が明示されている一方で、ライセンスの交付までは否定していません。
基準未充足の場合はライセンスが交付されない交付規則よりも柔軟な運用と言えます。


このように、J3規則と交付規則は類似した基準が多く、いくつかの基準は緩和されています
交付規則とJ3規則との比較表がありましたので、こちらで確認してみましょう*4


https://lh3.googleusercontent.com/4fsEG3x3z9T1McCbUM4QgUYXb9S1uvxZuDrMdERgoJvaY66kfguNWGryTp66pW4BpoDXb4hdISrXGdJmOhTp0s_OO52xvNnYOY5VF0T8RmYFP6PPkGgFhEiDJP3CroVaR9nFRA=w1379-h975-no
JFA 2012年度第12回理事会 報告事項10 関連資料No.2 37頁より》

https://lh3.googleusercontent.com/0WYzFzt2geuvCZ6QtUR2AF_1_Lvk5O6R9NO5sPNT1vH4irf8bQcL6BFiS063OQwa6-rcWACb7lFrz91BNYkFzdanteKqkBXaqbalz6Wj_oREO8Q0saH-PKlGf0zOxY8HXbrU4A=w1379-h975-no
JFA 2012年度第12回理事会 報告事項10 関連資料No.2 38頁より》


上記のように、U-18、U-15、U-12、U-10のユースチームを持つという要件が、U-18、U-15、U-12のうちいずれか1チーム以上となっている点など条件が緩和された基準がいくつかあります。

中でも特徴的な違いがあるのは施設基準でしょう。
まず、ライセンス申請時にJクラブが頭を悩ませる屋根とトイレに関する基準がありません

また、スタジアムのキャパシティについてもJ1・J2ライセンスとは異なります。

J3規則 I.03 スタジアム:入場可能数


ホームスタジアムは、メインスタンドに椅子席があるものとし、その入場可能数は5,000人以上でなければならない。なお、ベンチシートは1席あたり45cm以上で計算を行うものとし、芝生席は、安全性等についてJリーグが検査し、特段の支障がないと認められる場合には、観客席とみなすことができる。


このように、5000人が基準となっており、芝生席も認められる場合があるのです。
それでも5000席以上の専有できるスタジアムを確保するのはハードルが高いようですが*5

[Ⅳ]J3クラブライセンス交付規則とJ2ライセンス

冒頭でも確認したように、J3規則は交付規則のチュートリアル的位置づけ。
しかし、財務基準などはいいとしても、施設基準をステップアップするのは至難の業です。

そのため、J3ライセンス取得クラブがJ2ライセンスの取得に苦しむケースが散見されます。


その代表例とも言えるのが鹿児島ユナイテッドのライセンス不交付でしょう。
ライセンス不交付はクラブライセンス制度が導入されてから初めてのことでした。

J2クラブライセンス審査結果について
鹿児島ユナイテッドFC 2016年9月28日付》


鹿児島ユナイテッドFCは、2017シーズンのJ2クラブライセンスの申請を行い審査を受けてまいりましたが、判定結果は『不交付』となりました。つまり今シーズンの成績に関わらず、来シーズンのJ2昇格はないということとなります。


今回Jリーグから示された不交付の理由は、クラブライセンス交付規則番号I.01とI.03を充足していないことにあります。


I.01は公認スタジアムのことで、クラブとスタジアム所有者とでJリーグ規約に定める要件を満たしたホームスタジアムにおいてホームゲームの80%以上を開催できることが書面で合意されていない状態です。I.03はスタジアムの入場可能数のことで、現在のホームスタジアムである鹿児島県立鴨池陸上競技場は、2020年の鹿児島国体に向けて段階的に改修工事を行っておりますが、2016年度からメインスタンドの全面改修および屋根部分の改修工事を行うこととなっており、シーズン中を通して観客席10,000人を常時満たすことが確約できない状態です。つまりJリーグ規約に定める要件を満たしたホームスタジアムが無い状態ということになります。


このように、不交付の理由は施設基準のキャパシティと専有に関する項目。
屋根やトイレはB等級基準なので制裁で済みますが、A等級基準未充足だと交付は不可能です。

先日、秋田も特別措置を目指しましたが、最終的に交付申請を断念しています。

スタジアム整備 約20人の委員で協議(秋田県)
秋田放送 2017年6月22日付》


佐竹知事は「仮に新しいスタジアムの建設計画が確定している場合には、J2の基準を満たしていない球技場であっても、簡易な改修によって完成までの時限的なライセンスを取得できないかについてクラブを通してJリーグ側と協議して参ります。」と述べています。

【質疑応答掲載】6.30 2018シーズンクラブライセンスの申請に関する記者会見を行いました
ブラウブリッツ秋田 2017年6月30日付》


結論からお話しすると、今季についても現段階ではJ2ライセンスの申請は出せず、J3ライセンスの申請で留まったことをご報告するとともに、来季のクラブライセンスの申請については、J2ライセンスを申請すること、すなわち、来季J2に向けた勝負をするシーズンとし、最短で2019シーズンにはJ2昇格を目指すことを合わせてご報告いたします。


このように、主に施設基準がJ2ライセンスの壁となっているのが現状です*6
また、第7回でも確認したように、スタジアムキャパシティの数字には特に根拠もありません。

たしかにスタジアムのキャパシティはクラブの経営体力にも直結します。
クラブライセンス制度の導入によって施設環境を整えるという趣旨も分かります。

【大河正明×西尾邦明】 観客へのもてなし向上第一 サッカースタジアム 意義どこに
朝日新聞デジタル 2013年6月3日付》


――観客席に3分の1以上の屋根をつけるクラブライセンスの基準を満たしていないスタジアムが多くあります


ガンバ大阪、北九州、長野では基本的に屋根付きのスタジアムをつくる方向になりました。徳島も防災上の理由から付けようとしている。京都、静岡、広島、沖縄でも議論が進んでいます。地下で潜行しているところもあります。


狙いはライセンスを通じてサッカー界全体がホスピタリティーを上げていくこと。Jリーグが発足したばかりのころは常緑の芝生、1万5千人のスタジアム、ナイター照明を、と言っていたんです。かつて、関西ではナイターができなかったし、天皇杯の決勝も枯れ芝。ちょっと高めの目標を掲げながら、少しずつ向上させていく。それはJリーグのクラブのため、そして一番は観客のためなんです。


ただ、クラブライセンス制度の導入によってキャパシティにも厳格さが求められるようになっている現状と*7AFC規則では求められていないという事実を踏まえると、スタジアムのキャパシティに係る基準はもう少し緩やかでもいいように思います(例えばB等級にするとか)。

この辺は、クラブライセンス制度によって全体の水準を上げるという趣旨と、「ふるいにかけるわけではない」という建前とのせめぎ合いなのかなと思います。


<今回のまとめ>

  • J3規則は、いくつかの項目で交付規則と比較して要件が緩和されている


それでは次回が最終回。よろしくお願いします。



*1:J3創設の背景に関する資料として、「Jリーグディビジョン3(J3)」の設立について《公益社団法人日本プロサッカーリーグ 2013年3月6日発表》、【J3構想の実態を探る】Jリーグ理事 大河正明氏に聞く、『J3』のアウトライン(前編)フットボールチャンネル 2013年7月13日付》、【J3構想の実態を探る】Jリーグ理事 大河正明氏に聞く、『J3』のアウトライン(後編)フットボールチャンネル 2013年7月14日付》、クラブの拡大とリーグ構造の変遷《Jリーグ.jp 2017年7月2日閲覧》、大東和美村井満Jリーグ再建計画』(日本経済新聞出版社、2014)150頁など。

*2:この辺の説明をすると長くなってしまうので本稿では詳しく取り扱わない。「Jリーグディビジョン3(J3)」の設立について《公益社団法人日本プロサッカーリーグ 2013年3月6日発表 23頁》。

*3:Jリーグクラブライセンス交付規則 別表1。

*4:なお、2013年の資料であるため現在の規定とは多少違いがある。具体的には次のようなものがあげられる。I.15「身体障がいのある観客」が追加されている。P.03「財務担当」について、「J3開幕までに担当者を置くこと」という宥恕規定が設けられた。P.06「広報担当」とP.07「事業担当」の兼任が認められるようになった。P.08「コンプライアンス・オフィサー」が追加された。

*5:みんなでつながり、みんなで創る!奈良を盛り上げる「奈良クラブ」奈良県 2016年5月31日付》。

*6:静岡県東部初のJリーグクラブ(下)スタジアム要件の壁静岡新聞アットエス 2016年11月20日付》。

*7:Jリーグ、ライセンス制13年導入、クラブ経営、厳しく審査、3年連続赤字で剥奪。《日本経済新聞 2011年5月31日37面》。