T1リーグ2019第1節 関東第一×駒澤大学高@駒沢補助

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0312komazawaho.JPGいよいよ2019年も待ちに待ったT1リーグの開幕。関東第一と駒澤大学高。それぞれ一昨年度と昨年度の選手権予選で東京王者に立った両者の対峙は、おなじみ駒沢補助競技場です。
昨年はインターハイこそ東京予選を勝ち抜き、全国でもベスト16まで勝ち上がったものの、3連覇を期待されて臨んだ選手権予選では東京実業にPK負けを喫し、まさかの初戦敗退という結果を突き付けられた関東第一。その試合を経験している選手たちも複数残っている今シーズンは、再び全国切符を勝ち獲ることももちろんですが、久々のリーグタイトルも目指したい所。まずは難敵相手のオープニングマッチに、必勝を期して向かいます。
関東大会予選、インターハイ予選と苦しい時期を過ごしながら、秋の東京予選で國學院久我山、駿台学園、帝京と強豪校を力強くなぎ倒し、3年ぶりに冬の全国を経験した昨シーズンの駒澤大学高。ただ、「去年は自分たちがあまりスタメンに関わっていた訳ではなくて、先輩たちに連れて行ってもらった部分があった」とは時田悠人(2年・Y.S.C.C.横浜U-15)。「個のレベルが高くて、結構団結力があると思うので、勝ち切れるチームにしていきたいですね」とセンターバックに戻った原田大渡(2年・FC東京U-15深川)が表現したチーム力で、こちらも久々のT1王者に輝くための第一歩を踏み出します。まだ寒さの残る駒沢補助には少なくない観衆が。待望の開幕戦は関東第一のキックオフでスタートしました。


まず押し込んだのは、「今日はT1開幕ということで、自分たちの中で熱量や雰囲気面に関しては1人1人が意識していたと思う」と松本悠佑(2年・ジェフユナイテッド千葉U-15)も話した駒澤。3分に手島大雅(2年・FCヴィエンタス)の飛距離を出した左ロングスローから、こぼれを叩いた松本のシュートはDFにブロックされたものの、4分にも左に開いた橋本雄也(2年・ルキナス印西)が右足でクロスを上げると、青木優音(1年・クラブ与野)のヘディングは関東第一のGK出口貴也(2年・葛飾青葉中)がファインセーブで回避。5分にも松本の右CK、6分にも松本の左CK、7分には右サイドバックに入った森田陸翔(2年・クラブ与野)のロングスローと、シュートには到らない中でもセットプレーで圧力を掛け続けます。
11分にも手島の左ロングスロー、16分にも松本の左FK、直後にも森田の右ロングスロー、17分にも松本の右CKと左右からセットプレーが続く中、24分には原田が後方から好フィードを届け、内田哲平(2年・坂戸ディプロマッツ)のシュートはDFに当たって枠の左へ。その左CKを松本が蹴り込み、こぼれを拾った小林蒼太(2年・Forza'02)のシュートはここもDFがブロック。直後の右CKを松本が蹴り入れると、小林のシュートは枠を捉えるも、ラインギリギリで出口が必死にセーブ。「フィードは練習とかではあまりうまくいってなかったんですけど、今日は調子も良かったです」と笑った原田のフィードと、左に流れて基点を創る橋本のキープはアタックの重要なポイントに。
27分も駒澤。松本の右CKに、内田が合わせたヘディングは出口がセーブ。28分に松本が蹴った右CKは、DFが何とかクリア。29分と32分に手島が相次いで投げた左ロングスローも、フィニッシュには結び付かず。33分にも橋本がドリブルで積極的に仕掛け、こぼれを収めた松本のミドルは枠の右へ。守っても「大渡はもともとセンターバックで入ってきた選手で、やりにくさはないです」とパートナーを評した小林泰晟(2年・FCクラッキス松戸)が、その原田と組むセンターバックを中心に、守備の安定感も駒澤は抜群。
さて、「選手権の後というのもあったから、駒高さんは『やり方を変えるかな』と思ったんですけど、やっぱりそのままだった」と小野貴裕監督も話した関東第一は、前線の笠井佳祐(1年・VIVAIO船橋)と横山慎也(2年・ブリオベッカ浦安U-15)までボールが届かず、時間を創れるポイントを見つけ切れません。41分に掴んだ右CKを大井航太(2年・VIVAIO船橋)が蹴り込み、キャプテンマークを巻いた田中大生(2年・横浜FC JY)が頭で折り返すも、DFが大きくクリア。逆に44分には駒澤も、清水宏晃(2年・C.A.ALEGRE)のパスから青木が枠も右へ逸れるミドルへトライ。すぐさま押し返します。
45+1分には関東第一に決定機。2トップの連携でタメを創ったカウンターから、エリア内で類家暁(1年・東京ベイFC U-15)が右へ流すと、10番を背負うサイドバックの佐藤誠也(2年・VIVAIO船橋)がオーバーラップから好クロス。岡田琉空(2年・FC多摩)のヘディングはゴール左へ外れたものの、ようやく放ったファーストシュートはきなりのビッグチャンス。「ああいうカウンター対応の部分には課題が残るかなと思います」とは原田ですが、全体的に見れば駒澤ペースで推移した前半は、スコアレスで45分間が終了しました。


後半はスタートから駒澤に交替が。中盤センターに入った内田を下げて、林駿佑(2年・クラブ与野)をそのままのポジションに投入し、ミドルゾーンでの強度アップに着手すると、51分には橋本と林の連携で右CKを獲得し、松本の蹴ったボールは出口がパンチングで掻き出したものの、早くも林がセットプレーのチャンスを演出。52分に松本の左CKから、ニアへ飛び込んだ小林泰晟のヘディングは枠の左へ外れたものの、54分には林が左からカットインしながら、そのままフィニッシュまで。ここは佐藤が体でブロックするも、林が生み出す前への推進力。
56分には駒澤に2人目の交替。大野祥司監督も「技術的には1年の頃からこの学年での中でも一番の子」と言及する橋本に替わり、キック精度に定評のある時田がピッチへ。57分には早速「自分だったら良いボールが蹴れるという自信もあります」という時田が右CKをマイナスに蹴り入れ、森田のシュートは寄せたDFにブロックされるも、デザインされたセットプレーを披露。「松本も左足がいいんですけど、時田と2人いっぺんに出しちゃうと、両方蹴りたくなっちゃって(笑)」とは大野監督ですが、駒澤に揃った左右のプレースキッカー。
この前後の時間帯から「前半の流れのままで後半に入っていっても、同じ現象になると思っていたので」という小野監督が3-5-2にシフトした関東第一は、62分に1人目の交替。岡田と平田晟也(1年・フレンドリー)をスイッチすると、最終ラインに右から高村昂輝(2年・FC多摩)、田中、鹿股翼(1年・東急SレイエスFC)を並べ、ウイングバックは右に佐藤、左に高嶋隆太(2年・田口FA)を配置。類家をアンカー気味に、その前には大井と笠井が入る逆三角形の中盤に、平田と横山の2トップという形で整えた反撃態勢。63分は駒澤に3人目の交替。青木に替えて、ムードメーカー感溢れる大岡忠義(2年・フレンドリー)が投入されると、異様に盛り上がる駒澤応援団。
すると、すぐさま交替策は結果に直結。67分に相手陣内でパスカットした流れから、大岡が潰れたボールは時田の元へ。「相手が2枚前にいたんですけど、1回左に持っていったら2枚とも動いたので、あとは打つだけという所で、『ちょっとグラウンドがスリッピーだな』って考えていたので、『ちょっと滑らせて打とう』と」右足一閃。わずかにDFへ当たった軌道は、右スミのゴールネットへ突き刺さります。「自分はケガ明けということでベンチスタートだったんですけど、自分に求められている所は得点の部分だと思っていたし、『自分が決めて勝つ』という強い気持ちを持ってピッチに入れたかなと思います」という8番の貴重な先制弾。駒澤がスコアを動かしました。
「相手がシステムを変えたのは気付いていて、どうするかという対応は自分たちはまだ『ちょっとできなかったかな』というのはあって、前から行くのが駒澤のスタイルなんですけど、ちょっと引き気味になっていましたね」と松本も話した駒澤は再びラッシュ。71分に松本の左FKに大岡が競り勝ち、小林蒼太が狙ったミドルは枠を越えるも好トライ。74分には中央やや左、ゴールまで約30mの距離から時田が直接狙ったFKはわずかに枠の左へ。赤黒に漂う追加点の香り。
75分は関東第一に2枚替え。佐藤と類家を下げて、貝瀬敦(2年・田口FA)と北村磨央(1年・フレンドリー)をピッチへ解き放つも、76分は駒澤に決定機。左クロスを清水が胸トラップで収め、林が思い切りよく放ったボレーはクロスバーを直撃し、跳ね返りに自ら突っ込んだ林のヘディングは出口がビッグセーブで阻むも、またも林が得点の一歩手前まで。77分は左CK。時田はファーに蹴り入れ、大岡の折り返しから小林蒼太が打ったシュートはDFがブロック。78分は左FK。時田は再びファーを狙い、大岡の折り返しは流れたものの、この2本はあくまで成果への布石。
80分も左CK。「今日はコーナーキックが多くて、ずっとファーに入れていたんですよ。あの時は『やっとニア空いたな』という所で」キッカーの時田が狙ったのはニア。「前半からファーの折り返しを狙っていたんですけど、惜しいシーンで決められなくて、『ここは変えようかな』と思って、『ニアの所は自分が入っていくしかない』と」飛び込んだ小林泰晟のヘディングは、鮮やかにゴールネットを揺らします。「時田からも何本か動画が送られてきたんです」と小林泰晟が話せば、「ああいう点が欲しいという所で動画とかを送ったりして、『イメージこれだよ』みたいに泰晟と2人で話していたんです」とは時田。まさに狙い通りの一撃で、駒澤のリードは2点に広がりました。
赤黒軍団が取り掛かるゲームクローズ。84分に松本の左FKから、時田のヘディングがゴール右へ外れると、大野監督は4人目の交替を決断。清水と鈴木成亜(2年・TFA)を入れ替え、前からのさらなる圧力を。88分は関東第一に決定的なチャンス。横山が短く付け、右サイドを運んだ貝瀬が枠へ飛ばしたシュートは、駒澤のGK三浦健太(2年・S.T.FC)がビッグセーブで弾き出し、リバウンドに自ら詰めた貝瀬のシュートは右サイドネットの外側へ。ようやく掴んだ得点機を生かせません。
90分に駒澤は「結構ガチガチな感じもあったんですけど(笑)、自分の中ではT2もやってきた中で、こういう本番にはみんな気合も入れるので自信はありました」と語ったT1デビュー戦の松本を、吉田舜(2年・FC.GIUSTI世田谷)とスイッチする最後の交替を敢行すると、アディショナルタイムの3分も消し去って聞いたファイナルホイッスル。「確かに今日は良いレベルの試合をしたし、勝てたのは良かったですね」と大野監督も一定の評価を口にした駒澤が、オープニングマッチで勝ち点3をもぎ取る結果となりました。


駒澤がオールコートで発動する圧力は健在でした。とりわけ守備陣の強度は、この時点でも既に相当なレベル。「今回はたぶんシュートを1,2本で抑えられて、完封に近い形だったんですけど、もともと『シュートをゼロで』『失点ゼロで』というイメージでやっていたので、それができて良かったです」と原田が話せば、「大渡とは『シュートゼロで行こう』みたいな話はしていて、結果的にはシュートを打たれちゃったんですけど、体を張ったりして止められて、失点ゼロで抑えたというのは良かったです」と小林泰晟。試合前の目標をほぼ具現化できた事実は、小さくない自信になったことでしょう。
今年のチームを「自主的にやっているし、主体的にもやっているし、何も怒るようなところがないんです。人間的な部分とかチームワークの部分は例年以上にいいですよね」と大野監督が評したことを伝えると、「自分たちの良い所はそういうまとまりの部分とか、協力するという部分なので、そういう所は自信があります」(小林泰晟)「自分たちはまとまりとか、そういう部分が持ち味だと思っているので、そこは存分に出しながら、1人1人が成長して、より良いチームになればと思っています。仲良いがゆえに緩さもありますけど(笑)、そこはこれからちょっとずつ直していければいいと思います」(時田)「今年のチームとしてのテーマは自立ということで、1人1人がリーダー意識はしっかり持たないと、こういうテーマを掲げても自分たちの力は付いていかないと思うので、みんながリーダー意識を持ってやれば、誰がキャプテンになってもこのチームを引っ張っていけるかなと思います。去年からまとまりとか団結力は自分たちの良さかなと思います」(松本)と3人も同じような見解を。今シーズンの駒澤も非常に楽しみなチームになりそうです。      土屋

新人戦埼玉決勝 正智深谷×昌平@青木町公園G(2019)

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0217aoki.JPG埼玉の"一冠目"を巡るファイナルは文字通りの頂上決戦。8年ぶりの優勝を狙う正智深谷と、2年ぶりのタイトル奪還を目指す昌平の一戦は川口市青木町公園陸上競技場です。
インターハイ予選は準々決勝で浦和南に、選手権予選もやはり準々決勝で昌平に競り負け、全国切符を掴み取るまでには至らなかった昨シーズンの正智深谷。復権へと向かう新シーズン最初の公式戦となる今大会は、初戦で大宮南に5‐0で快勝を収めると、準々決勝では浦和南を2‐1で退け、まずは夏のリベンジを達成。準決勝の聖望学園戦は後半終了間際に追い付かれながらも、延長戦で津川勇作(2年・愛知FC)が決勝ゴールを叩き出し、3‐2の辛勝でファイナルまで。今度は秋のリベンジを成し遂げるべく、決勝の80分へ挑みます。
3年連続となった夏の全国では、結果的に選手権王者となった青森山田に高体連との対戦では唯一の土を付け、2年ぶりに堂々たるベスト4進出。冬の日本一が現実味を帯びていったものの、埼玉スタジアム2002で浦和南に1‐2で逆転負けを喫し、埼玉決勝での敗退を突き付けられた昨シーズンの昌平。主力の大半が入れ替わって臨んだ今大会でしたが、初戦の熊谷工業戦を7‐0と好発進でスタートすると、西武文理に9‐0、西武台に6‐0と、3試合で22得点という驚異的な攻撃力を遺憾なく発揮。「優勝して課題を見つけていくのが理想だという話はしました」と藤島崇之監督も話したように、リーチの懸かった"一冠目"を全力で奪いに行く覚悟は整っています。スタンドはほぼほぼ大入り満員。楽しみな決勝は昌平のキックオフでスタートしました。


開始1分経たない内のチャンスは昌平。中央でボールを持った須藤直輝(1年・大宮アルディージャJY)はすかさずスルーパス。「動き出しが自分の特徴だと思います」と話した小見洋太(1年・FC LAVIDA)が抜け出し掛けると、たまらずDFがイエローカード覚悟でストップしましたが、いきなりFKのチャンス。ゴールまで約25mの位置からレフティの大竹琉生(2年・FCクラッキス松戸)が枠へ飛ばしたキックは、正智深谷のGK上原雄翔(2年)が掻き出したものの、直後に今度は左から大竹がクロスを送り、小見が放ったシュートはまたも上原がファインセーブで回避。いきなり昌平がフルスロットルで立ち上がります。
ただ、15分を過ぎたあたりから正智深谷も少しずつ手数が、津川を起点に波多野晟愛(2年・GRANDE FC)が左へ振り分け、上がってきたサイドバックの市川侑吾(1年・東松山ペレーニアFC)が入れたクロスはゴールラインを割ったものの、ようやくチャンスの一歩手前まで持ち込むと、直後にも金田奎人(2年・高崎FC)が山本滉(1年・1FC川越水上公園)とのワンツーからエリア内へ侵入するも、ここは昨年から昌平の守護神を務める牧之瀬皓太(2年・GRANDE FC)が丁寧にキャッチ。19分にも金田のポストから津川が左へ送り、波多野のドリブルは昌平の右サイドバックに入った柳田亘輝(2年・三郷JY)がカットしましたが、「相手に前で基点を作られて、こぼれを拾い切れなかった」と藤島監督も振り返ったように、正智深谷が押し戻したゲームリズム。
20分も正智深谷。相手のパスを引っ掛けた金田がドリブルから打ち切ったシュートは枠を越えるも、積極的なファーストシュートを。22分も正智深谷。右サイドバックの大塚天翔(1年・坂戸ディプロマッツ)、右サイドハーフの佐々木達也(2年・高崎エヴォリスタFC)、波多野とボールが回り、津川のシュートは牧之瀬が何とかキャッチ。25分も正智深谷。津川の左クロスに、ニアへ飛び込んだ佐々木のヘディングは枠の左へ外れるも、27分は決定機。佐々木の縦パスを収めた金田は、反転から左足一閃。ここも牧之瀬がファインセーブで阻止しましたが、山田裕翔(2年・大宮アルディージャJY)と猪爪悠真(2年・東松山ペレーニアFC)のセンターバックコンビと、中盤アンカーの山口正樹(2年)で組んだトライアングルも安定感を増し、漂い出す先制点の香り。
ところが、ワンチャンスを生かしたのは緑の王者。30分に紫藤峻(2年・大宮アルディージャJY)からボールを受けた大和海里(2年・VIVAIO船橋)は、「ゴール前の所でドリで行くと見せかけたら、峻がうまく動き出してくれたので」絶妙のスルーパス。抜け出した紫藤は冷静に左スミのゴールネットへボールを送り届けます。「あそこに出せば峻は決めてくれる」という大和の信頼にきっちり応えた紫藤はこれで4戦連発。昌平が1点のリードを奪いました。
35分も昌平。右サイドで柳田がスローインを送ると、ターンしながら左足で狙った小見のシュートは上原がキャッチ。37分も昌平。ボランチから右サイドハーフへスライドした小川優介(1年・FC LAVIDA)と小見の連携で獲得した右CKを大竹が蹴ると、上原のパンチングから今度は正智深谷のカウンター。佐々木がゴールライン際で残して上げたクロスに、山本のシュートは牧之瀬にキャッチされたものの、確実にフィニッシュまで。「前半は良くなかったですね」とは藤島監督ですが、最初の40分間は昌平が1点のアドバンテージを手にして、ハーフタイムに入りました。


後半のファーストチャンスは正智深谷。41分に相手のパスミスをさらった波多野は、津川とのワンツーからエリア内へ潜ってシュート。最後は昌平のセンターバック高橋孝太(2年・浦和レッズJY)がブロックしたものの、前半から目立っていた波多野と津川でやり切ったフィニッシュに滲む同点への強い意欲。
44分の主役は「チームを得点という部分で引っ張るポジションなので、得点は決めないといけない」と言い切るストライカー。小見からのパスで前を向いた大和が、「自分でターンした時にシュートが第一の選択肢にあったけど、洋太の方がフリーで見えたので」高速スルーパスを通すと、「結構速くて浮いていたんですけど、準備はできていた」小見は極上のトラップから、冷静にゴールの左スミへボールを流し込みます。「多分グラウンドも天然芝でフワフワだったので、人工芝だったら流れていたかなというのもあるんですけど、まあ、良かったです」と笑った11番は、これで紫藤に続いて圧巻の4戦連発。昌平のリードは2点に広がりました。
48分には双方に交替が。正智深谷は山本を下げて、大橋力也(2年)をそのままインサイドハーフへ。昌平は小川と鎌田大夢(2年・JFAアカデミー福島)をスイッチして、アタッカーの顔ぶれに新たな変化を。58分には昌平にFKのチャンス。左寄り、ゴールまで35m弱の距離でスポットに立ったのは大竹。ここまで7ゴールをマークし、チームのトップスコアラーとなっている左サイドバックは直接狙い、ボールはわずかに枠の上へ外れたものの、「キックは良いものを持っている」(藤島監督)レフティが沸かせたスタンド。
真打ちの追加点は60分。須藤、鎌田、小見と細かく繋いだボールを、鎌田は丁寧にラストパス。「大夢くんに付けて、押し込んだ時に自分も追い越して、スペースに入っていった」須藤は1対1の状況にもGKを右へ外し、無人のゴールへシュート。ボールはゴールネットを確実に揺らします。「去年は全然ゴールが決められなくて、チームを引っ張っていけなかったので、もっともっとゴールに近い選手というのを意識してやっていきたいと思います」と口にした10番は、今シーズンも高校サッカー界の要注目選手であることに疑いの余地なし。昌平に大きな3点目が記録されます。
63分の決定的なチャンスは「去年とは全然違いますよね」と指揮官も言及するナンバー9。鎌田がドリブルで果敢に仕掛け、こぼれを拾った大和は右に持ち出しながら、そのままシュート。軌道はクロスバーを越えたものの、「自分は緩急とか、ドリブルとか、ゴール前のアイデアとか、そういう所が武器になってくると思う」と話す大和の爽快感すら覚える仕掛けへの強い意欲。逆に65分には正智深谷に久々のチャンス。中央を通した大橋のスルーパスに、金田が走って抜け出すも、飛び出した牧之瀬は躊躇ないタックルで危機回避。66分は昌平に2人目の交替。後半は効いていたボランチの藤原太征(2年・ヴェルディSSレスチ)に替えて、柴圭汰(1年・伊奈小針中)をそのままの位置に投入。67分は正智深谷に2枚替え。佐々木と猪爪を下げて、宮島夕翔(1年・カムイFC)と荒井巳稀(2年)をピッチへ。ゲームは残り10分間とアディショナルタイムへ。
70分は昌平のアタック。須藤、大和、須藤、小見とフラッシュパスの連続で、飛び出した大和はわずかにコントロールを失ったものの、終盤でも衰えることのない躍動感を。78分は正智深谷。中盤で奮闘し続けた山口のミドルは、牧之瀬ががっちりキャッチ。79分の昌平は3人目の交替として、スタンドからの歓声も大きかった小見と山内太陽(2年・プレジールSC入間)をスイッチ。80+3分の正智深谷は、4人目の交替で左サイドへ送り込まれた須田廉太郎(2年)が軽やかなドリブルからシュートまで持ち込むも、DFがブロックすると、これがこのゲームのラストシュート。「25得点がたぶん注目されがちなんですけど、チームとしては失点ゼロで行けたというのが、今大会の良かった所だと思います」と大和が話したように、西澤寧晟(2年・リベロ津軽SC U-15)と高橋で組んだセンターバックコンビとGKの牧之瀬を中心に、鉄壁の守備陣は大会を通じて1つの失点すら許さず。昌平が4試合で25得点無失点という圧倒的な力の差を見せ付け、埼玉での"一冠目"を獲得する結果となりました。


「極端な話、もうバイタルに入ったら仕掛けの所と、サイドもオープンでボールを受けたら縦に行こう、縦に行こうというのはアリかなと思って。上手さだけでテクニカルな状況が目立つだけより、縦の推進力とか、そういう所は今年はできるかなと思っているので」と藤島監督が話したように、今シーズンの昌平はおなじみの流麗なパスワークに加えて、個でやり切る姿勢がより鮮明に。「あまり自分は体が強い方ではないので、相手をわざと寄せたりとか、ギリギリのタイミングで前に出れればファウルももらえますし、ボールタッチの場所とか、スピードとか自分はこだわってやっています」という大和のスピードや、「もっと自分ならできるというのを自分に問いながらサッカーをやっています」と話す須藤のクイックネスは別格として、「オフ・ザ・ピッチも結構みんなやんちゃというか、個性的というかで大変なんですけど、それもサッカーの面で個性が出ているというのは本当に良い所だと思います」とその須藤も笑ったように、今年は今年で他にも強烈な個性派揃い。「今年の方ができないことが多いので、去年より伸びしろが確実にあると思います。頑張らせます(笑)」と指揮官も新たな期待を寄せる2019年度の昌平も、大いに注目する必要があることは間違いありません。       土屋


東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会決勝 FC東京U-18×FC町田ゼルビアユース@西が丘(2019)

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0211nishigaoka-2.JPG2年ぶりの覇権奪還か。それとも一気に初の戴冠まで駆け抜けるか。FC東京U-18とFC町田ゼルビアユースのファイナルは、もちろん味の素フィールド西が丘です。
「リーグ戦だろうがトーナメントだろうが練習試合だろうが、一戦一戦すべて勝ちにこだわる中でどこまで行けるか」というベースを携えた中村忠監督が就任して約1か月。「全員まだ揃ってやっていない状況があるんですけど、この先はまだ伸びしろもあると思いますし、練習も結構みんな意識高くできていると思うので、これを継続していきたいと思います」と湯本創也(2年・FC多摩)も話したように、少しずつチームの芽が膨らみつつあるFC東京U-18。今大会は初戦でFCトリプレッタユースを苦しみながらも4-2で振り切り、Rio FCから10-0で勝ち点3を奪取。先週の三菱養和SCユース戦は、ディフェンス陣の奮闘もあってスコアレスドローで2年ぶりのファイナルへ。「『東京で1位を取らなきゃ、これからオレらが目指している所に届かない』というのはみんなで決めていた」とは宮田和純(2年・FC東京U-15深川)。タイトル獲得への意欲は十分です。
「サッカーってチームスポーツなので、個性を出す所とどこかで個性を押し殺して、チームが転がるために自分を切り捨てる瞬間と、そのバランスをこっちがどう見てあげるかということと、彼らがそういうバランスを少し感じられたときに、非常に良いグループに僕はなると思っています」とは竹中穣監督。当然プロを目指していく大前提の中でも、個と組織の融合を高次元で結び付けることが求められるフェーズに入ってきた感のあるFC町田ゼルビアユース。今大会は初戦で東京武蔵野シティFC U-18に1-0で競り勝つと、大森FCにも4-0で快勝を収め、グループ首位を懸けた東京ヴェルディユースとの決戦にも、江口大介(1年・FC町田ゼルビアJY)のドッピエッタで鮮やかな逆転勝利を収め、初めての西が丘ファイナルへ。「今年の目標は全部優勝なので、西が丘でも勝てるようにしたいです」とは八木直人(2年・FC町田ゼルビアJY)。冬の東京制覇を勝ち獲るための90分間へ堂々と向かいます。相変わらず底冷えのするスタンドには、少なくないサッカージャンキーが。注目の決勝は13時30分にキックオフされました。


スタートからペースを掴んだのは「今まで自分たちは立ち上がりは良くなかったんですけど、今日は良く入れました」と大会を通じて中盤で存在感を発揮してきた常盤亨太(1年・FC東京U-15深川)も言及するFC東京。この大会から取り組んできた3-4-3ではなく、4-4-2を敷いてきた布陣の中で、右の小林里駆(2年・FC東京U-15むさし)、左の角昂志郎(1年・東京武蔵野シティFC U-15)を配したサイドハーフも、外と内を使い分けながら攻撃の推進力に。9分に角が枠へ収めたミドルはゼルビアのGK鈴木悠矢(2年・桐光学園中)のパンチングに阻まれましたが、勢いを持って立ち上がります。
すると、11分に生まれた先制点。ここも小林の仕掛けで獲得したCK。右からキャプテンマークを巻くバングーナガンデ佳史扶(2年・FC東京U-15深川)がファーまで蹴り込むと、待っていた木村誠二(2年・FC東京U-15深川)のヘディングはゴールネット左スミへ飛び込みます。「トップ昇格よりも、まずはチームをプレミアに戻すというのが今年1年の最大の目標です」と言い切るディフェンスリーダーが攻撃面でもきっちり結果を。FC東京が1点をリードしました。
15分の決定機もFC東京。最終ラインから木村が好フィードを送ると、抜け出した久保征一郎(2年・太陽SC鹿児島U-15)のループはクロスバーの上へ外れるも、トップチームのキャンプを経験した2人でシンプルなフィニッシュまで。22分にもバングーナガンデが蹴った右CKはシュートまで至りませんでしたが、続くFC東京のリズム。
一方のゼルビアは「当然守備の所で怠ってないので、なかなかトップの菊池のラインを人が追い越していくという所が出なかったですね」と竹中監督が口にしたように、右から高島大夢(2年・FCヴァーデュア三島)、小山田賢信(2年・FCトッカーノ)、新井田楓(2年・府ロクJY)と最終ラインに並んだ3枚と、右に船戸詩季(1年・FC町田ゼルビアJY)、左に関口陽大(2年・FC町田ゼルビアJY)を配したウイングバックも含めた5バック気味の時間も長く、5-4-1で守備に比重が掛かる中で、1トップの菊池陸斗(2年・FC町田ゼルビアJY)にボールが入っても、否応なく孤立気味に。ボールを奪った流れも手数には結び付きません。
ただ、「先に点を獲っちゃったんで『よし行けるぞ!』みたいに、勢いだけでサッカーをやっていた部分があった」(中村監督)「先制点も獲れたんですけど、その後の時間帯から全員のやりたいことが噛み合ってなくて、ミスとかも増えてしまった」(常盤)と2人が声を揃えた通り、ボールこそ長く持っているFC東京も手数は少なめ。34分に自ら蹴った左CKのこぼれを森田慎吾(2年・FC東京U-15むさし)がクロスに変えるも、湯本の位置がオフサイド。36分に木村がくさびを打ち込み、反転した久保のエリア外シュートは鈴木がキャッチ。42分に角が左へ展開し、バングーナガンデのクロスにニアで合わせた久保のヘディングは枠の左へ。逆に44分には町田にチャンス。ボランチの一角に入った金澤空(2年・FC町田ゼルビアJY)が左へ流し、八木のスルーパスに抜け出した菊池はオフサイドを取られたものの、ようやく狙いの一手を。「思ったよりはエネルギーを出し戻したので、そこはポジティブに捉えていました」とは竹中監督。前半はFC東京が1点のアドバンテージを携えて、ハーフタイムに入りました。


後半はスタートから双方に交替が。FC東京はバングーナガンデに替えて、大迫蒼人(中学3年・FC東京U-15むさし)をそのまま左サイドバックへ。ゼルビアは2枚替え。八木と米盛憲輝(1年・FC町田ゼルビアJY)を下げて、猪野毛日南太(1年・FC町田ゼルビアJY)と坂野大地(1年・FC町田ゼルビアJY)をそれぞれ右シャドーとボランチに送り込み、「攻撃を改善しましょうということで」(竹中監督)同点、逆転への態勢を整えます。
52分はFC東京に決定機。右サイドから小林が好クロスを上げ切り、突っ込んだ角のダイビングヘッドは枠を捉えるも、カバーに入った船戸がスーパーブロックで危機回避。54分もFC東京。木村が左へ流し、大迫はドリブルから積極的なミドルを枠の左へ。59分もFC東京。再び左サイドをドリブルで駆け上がった大迫は2人をぶっちぎり、マイナスに折り返したボールから久保が狙ったシュートは新井田が体でブロック。「後半はもうちょっと謙虚に行こうと」(常盤)後半に入ったFC東京の続くアタック。
62分はFC東京に2枚替え。木村と久保がベンチへ下がり、大森理生(1年・FC東京U-15むさし)と横田峻希(2年・FC東京U-15むさし)がピッチへ。65分はゼルビアに2枚替え。「非常に前半からタイトにやってくれていたので、どこまで行けるかなという所だった」と竹中監督も評した菊池と新井田を、江口と石川凛太朗(1年・FC町田ゼルビアJY)にスイッチして、最前線に江口と石川、中盤はサイドハーフとして右に猪野毛、左に塩澤拓馬(2年・FC栃木)を配し、ボランチは坂野と金澤、最終ラインは右から船戸、高島、小山田、関口を並べる4-4-2で勝負に出ます。
68分はゼルビア。左サイドから塩澤が蹴ったFKは、FC東京のGK飯塚欣士(2年・前橋FC)がしっかりキャッチ。72分はFC東京。角が左へ展開し、大迫のクロスにダッシュで飛び込んだ角のシュートは塩澤がブロックしたものの、躍動感を放ち続ける大迫とアグレッシブな姿勢の続く角でフィニッシュまで。72分にはその大迫が右CKを続けて蹴り込み、どちらもシュートには結び付かなかったものの、中盤で攻守に的確なプレーを続ける安田虎士朗(中学3年・FC東京U-15深川)と大迫の"中学3年生コンビ"は、ごくごく普通にやれている感が。
77分もFC東京。角が左FKを蹴り込むと、4分前に投入されたばかりの岡哲平(2年・FC東京U-15深川)が合わせたヘディングはゴール左へ。80分はFC東京に決定的なチャンス。左サイドを圧巻の突破力で貫いた小林が中央へ戻し、受けた横田はフリーでシュートを放ったものの、ここは鈴木が懸命に残した手でビッグセーブ。ゲームを決める次の1点は奪えません。
「今日は何としてでも勝ちたかった」竹中監督は、82分に5枚目のカードを投入。町田丈(1年・Forza'02)を右サイドハーフに解き放ち、猪野毛を左サイドハーフにスライドさせて、踏み込みたいラストアクセル。85分にレフティの関口が放り込んだ右FKは湯本にクリアされますが、最終盤で到来したこのゲーム最大にして唯一の得点機。90分。鈴木が自陣から大きく蹴り込んだFKをGKはファンブル。エリア内にボールがこぼれます。誰よりも早く落下地点に入ったのは小山田。10番のキャプテンが左足で狙ったシュートは、しかし枠の右へ逸れてしまい、千載一遇とも言うべき同点のチャンスを逃すと、程なくして聞こえたファイナルホイッスル。「選手が頑張ってくれたと。1試合ずつ元気になってくれて、今日の試合なんか今までで一番僕がベンチからの口数が少なかったと思うんです。アレでも(笑) みんなで声を出している部分が結構あったので、そこは良かったなと思います」と中村監督も語ったFC東京が"ウノゼロ"できっちり勝ち切って、2年ぶりのタイトルを手にする結果となりました。


「本当に優勝を狙えるチームはこういうゲームをしていないはずなんですよ。僕が言うのもおかしな言い方なんですけど、そこはまだチャレンジャーで、どっぷり組み合って『オマエ何できるの?オレはコレできるぜ』っていう見せ方をしている訳じゃないと、僕は本当に正直に捉えていて、そこにはまだもう少し時間が掛かると思っています」と竹中監督も話したゼルビア。指揮官は続けて「僕が一番彼らに多く話をするのはサッカーとどう関わるか。自分がサッカーを愛していて、継続してきているものに対して、ふとした瞬間に凄くルーズなサッカーとの関わり方をするようになったり、多感な時期ですので、他のことにちょっと目が行きかけたり、行ったり。そういう所も含めてサッカー選手になるにはそれではダメだと。サッカーを通じて大人になるという意味ではいいんですけど、『君たちはプロになるんだよね』っていう。『プロになるためにゼルビアを選んだんじゃないの?』ということはテーマとして言っていますけど、何人がそれをスタンダードにしているか。1人じゃみんな見上げているだけだし、その人数をチームとして増やさなきゃいけないと。そこがFC東京との明らかな差というふうに僕は捉えていますので」とも。おそらくはシュート1本に抑えられたこの決勝の景色をどう上書きしていくかが、今シーズンのゼルビアのカギを握ってくるであろうことは間違いなさそうです。
「『試合に出たい!』『俺は元気があるぞ!』というヤツが1人でも増えて欲しい、というのがこの大会通してのテーマの1つだった」と中村監督も口にしたFC東京の今大会を振り返ると、個人的に2人の選手が特に印象に残っています。1人は常盤亨太。「去年はプレミアのベンチばっかりで悔しい思いをしたので、今年は自分が引っ張れるくらいの立ち位置でやりたいなと思っています」と話すボランチは、中盤で攻守に中心と言えるようなパフォーマンスを継続して披露。「今大会に関しては守備の所もサボる回数も少なく、今日も2,3回サボったシーンはあったんですけど(笑)」とは指揮官ですが、本人も「この大会は、去年より一段階攻撃面も守備面も上がったかなとは思っているんですけど、トップレベルに近い相手に対して、まだまだできることはあるんじゃないかなって思っています」とさらなる向上心を。このポジションも新1年生を含めて激戦区と言えるだけに、常盤の今シーズンには大いに注目したいと思っています。
もう1人は宮田和純。「どちらかというとチームをまとめたいというか、勝つために自分から行動したいので、これからもやる機会があったらしっかりやりたいと思ってます」というキャプテンをこの日は譲り、「毎試合指名なので、今日はオレじゃなかったですけど、『最後までやり切りたかったな』というのはありました」という想いこそあったものの、最前線で気持ちを前面に押し出しながらのプレーは、常にチームへ一定以上の推進力を。「征一郎がトップに呼ばれて、里駆がイングランド遠征に行っていた中で、彼は前で中心になって、この大会は良くやってくれたのかなと思うので、これを継続できるとね。まだ失う回数も多いし。もっともっと質を高めないと。ただ、やれる選手かやれない選手かという最後の見極めは、『もっとオレがやってやろう』という気持ちを持っているか、持っていないかだと。そこは大事にしたいですし、結局そういう選手はグラウンドに立つ回数は増えると思うんですよね」と中村監督も触れた宮田のメンタルは、見る者に訴えかけてくる何かがあると思います。「たぶんオレらは1試合1試合選手が固定されないので、出ている選手が自分をどんどん主張して、周りが受け入れて、それでうまく試合の中で成長できたらと思います」と話す13番のストライカーが、2019年に向かう青赤の命運を左右する選手になる可能性は、決して小さくなさそうな気が個人的にはしています。        土屋

東京都CY選手権3位決定戦 三菱養和SCユース×東京Vユース@西が丘(2019)

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0211nishigaoka y-v.JPG昨年度はファイナルで激突した両者がぶつかるのは3位決定戦。三菱養和SCユースと東京ヴェルディユースの好カードは、おなじみ味の素フィールド西が丘です。
「守備に関しては3試合連続無失点で、ちょっとずつちょっとずつ良くなっているのかなとは思います」と栗原イブラヒムジュニア(2年・三菱養和巣鴨JY)も話したように、この大会は初戦のRio FC戦に4‐0、2戦目のFCトリプレッタユース戦も4‐0と徐々に調子を上げながら勝ち切ったものの、先週のFC東京U-18戦では決定機を生かし切れずにスコアレスドローで終わり、得失点差でグループ2位となった三菱養和SCユース。「去年出ていた子もいるけど、なかなか経験値が低いから、少しフレッシュな選手も新人戦でいろいろ使っていく感じだよね」と話す増子亘彦監督は、この試合を最後にユースの監督を退任するため、勝利できっちり締め括りたい90分間へ臨みます。
永井秀樹監督にとっての3シーズン目。「サッカーって"良いサッカー"をする方が最終的には勝つと思うし、だからこそ追求したいと。自分からすると結果を出すために、確率高く勝つために"良いサッカー"をやり続けたい、突き詰めたいというのは凄く感じるんです」というスタンスもチームに浸透し、一定以上のベースは築かれてきた東京ヴェルディユース。今大会は大森FCと東京武蔵野シティFC U-18には揃って4‐0で勝利を収めましたが、先週のFC町田ゼルビアユース戦は終盤に2失点を喫して痛恨の逆転負け。そのゲームを年代別代表のスペイン遠征で欠場した松橋優安(2年・東京ヴェルディJY)と馬場晴也(2年・東京ヴェルディJY)も帰国翌日ながらスタメンに名を連ね、プリンスでもぶつかるライバル相手にフルパワーで挑みます。西が丘のスタンドは思わず身震いするような寒さ。注目のゲームは11時ジャストにキックオフされました。


いきなりの決定機は開始わずか23秒。相手GKにプレスを掛けた栗原はそのままボールを取り切ると、すかさずヒールでラストパス。走り込んできた今野息吹(2年・三菱養和巣鴨JY)のシュートはクロスバーを越えましたが、「自分も代表に行ったヤツらに負けないぐらいやらないと、周りからの評価も下がっちゃうと思う」と年代別代表選手を抱える相手へ対抗意識を燃やす栗原が、積極的なプレーで早くもゲームの沸点を高めてみせます。
12分はヴェルディに決定機。中央で前を向いた松橋は、右サイドに質の高いパスを通し、受けた家坂葉光(1年・東京ヴェルディJY)はカットインから左足シュートを枠に飛ばすも、ここは養和のGK渡辺舜作(2年・三菱養和巣鴨JY)がファインセーブで応酬。18分は養和。左サイドの高い位置に侵入した古舘陸大(2年・三菱養和巣鴨JY)の右足クロスに、頭で合わせた栗原のシュートはゴール左へ外れたものの、左センターバックがチャンスメイクを。20分も養和。今野の左スローインから保坂祐貴(2年・三菱養和巣鴨JY)を経由し、田村進馬(2年・三菱養和調布JY)のミドルは枠の上へ外れましたが、お互いに出し合う手数。
すると、先にスコアを動かしたのは23分のヤンググリーン。中盤で違いを見せつつあった石浦大雅(2年・東京ヴェルディJY)が「最初に優安が動き出した時に、相手がまだスライドしてなくて、1回左を見てから出したという感じ」のパスを右へ送ると、受けた松橋は「相手が滑ってくるのが見えたので」深い切り返しでマーカーを完全に外しながら左足でフィニッシュ。ボールは渡辺も弾き切れず、ゴールネットへ収まります。「もうちょっと強いシュートを打とうとしたんですけど、うまく当たらなくて... 結果的に入ったので良かったです」とは本人ですが、さすがの決定力を披露した11番の先制弾でヴェルディが1点をリードしました。
ノリ始めたヴェルディのラッシュ。24分には左サイドバックの遠藤海斗(2年・東京ヴェルディJY)が縦に好フィードを送り、走った廣野零二(1年・東京ヴェルディJY)のクロスに、ニアへ突っ込んだ家坂のボレーは渡辺にキャッチされたものの、幅を広く使った形でフィニッシュまで。25分にも中盤アンカーの山下柊飛(2年・東京ヴェルディJY)、石川拓磨(2年・東京ヴェルディJY)と短く回し、石浦は絶妙のスルーパス。松橋のグラウンダークロスは渡辺が何とか掻き出しましたが、光る石浦のセンス。その左CKを石浦が蹴り込み、馬場がヒールで残したボールを遠藤がシュートまで持ち込むも、DFがブロック。26分にも右サイドを突破した松橋のクロスに、ファーで合わせた廣野のシュートは枠の左に逸れるも、この時間帯には「どこからでも誰でも点が取れるサッカー」(永井監督)の香り十分。
ところが、一発で劣勢を吹き飛ばしたのはキャプテンマークを巻いたレフティ。27分に最終ラインでボールを持った清水雅仁(2年・三菱養和巣鴨JY)は、躊躇なく絶妙のフィードを相手ラインの裏へグサリ。左ウイングバックの位置から抜け出した今野は、飛び出してきたGKを左にかわしながら、無人のゴールへ丁寧にボールを流し込みます。今シーズンのチームを牽引していくであろう2人の連携から、シンプルな手数で最大の成果を。養和が4分間でスコアを振り出しに引き戻しました。
29分はヴェルディにビッグチャンス。遠藤のフィードに全力で追い付いた松橋が、GKを左にかわしながら左足で放ったシュートはわずかに枠の左へ逸れましたが、「背後をとにかく狙って、相手の裏を狙って、そこで得点を決めるという役割が僕の特徴です」と言い切るアタッカーは帰国直後でもキレキレ。37分は養和に決定的なシーン。相手のディフェンスラインでもたついたボールを宮崎楓吾(2年・三菱養和調布JY)がかっさらい、独走からシュートを打ち込むも、ここはヴェルディの守護神を託された佐藤篤輝(2年・東京ヴェルディJY)がビッグセーブで仁王立ち。共に勝ち越しゴールを奪えません。
43分は養和。上田英智(2年・三菱養和巣鴨JY)と田村の連携で奪った右CKを、チームのダイナモ井上太一(2年・三菱養和調布JY)が蹴り込み、竹内駿斗(2年・Forza'02)が打ったシュートは、ヴェルディのセンターバックに入った藤田譲瑠チマ(2年・東京ヴェルディJY)がきっちりクリア。45分も養和。右サイドの深い位置から田村がFKを蹴り込むと、高い打点でGKに競り勝った竹内のヘディングはゴール左へ外れたものの、養和のセットプレーは迫力十分。
45+1分の主役はまたもこの2人。ヴェルディは最終ラインでのボール回しから遠藤が左へ付けると、サイドに開いていた石浦がピンポイントのグラウンダークロス。「真ん中に入った時にはクロスに飛び込むというのを意識している」松橋は、ニアで受けると素早く左足一閃。ボールはニアサイドをぶち抜いて、ゴールネットへ突き刺さります。「思ったよりも結構良い場所に置けたので、ゴールを見ずに感覚で打ちました」という松橋はこれでドブレーテ。ヴェルディが再びリードを手にして、最初の45分間は終了しました。


ハーフタイムに動いたのは増子監督。田村と宮崎を下げて、望月海輝(2年・三菱養和巣鴨JY)と樋口陸(2年・三菱養和巣鴨JY)を投入し、前線と右サイドの推進力アップに着手すると、48分には上田のドリブルから獲得した右CKを井上が蹴り込み、望月の高い打点で合わせたヘディングはオフェンスファウルを取られましたが、同点への意欲をパワフルに打ち出します。
それでも突き放す形は"らしい"パスワークから。52分にヴェルディは石川とのパス交換から藤田が左へ流し、遠藤のリターンを引き出した石川はすかさずスルーパス。3人目の動きで抜け出した松橋がグラウンダーで中央へ送ると、後半開始から右ウイングへ移動していた廣野が、スライディングシュートでボールをゴールネットへ送り届けます。「こういうサッカーをやるにはみんながすべてを共有できて、共鳴できないとなかなか難しいので、2,3人だけわかっていてもその先が続かないとか、距離感1つとっても今はまだまだです」とは永井監督ですが、この一連の"共有"と"共鳴"はトレーニングの賜物。スコアは3-1に変わりました。
2点のビハインドを背負った養和の反撃は直後の53分。左から今野がアーリークロスを放り込み、うまく収めた樋口のシュートはクロスバーにヒットしましたが、すぐさま反攻の一手を。56分にも栗原とのワンツーで今野が左サイドを突破して中へ。樋口の落としを保坂が叩いたシュートはゴール左へ外れるも、2点差を付けられても心が折れるつもりは毛頭なし。ヴェルディは57分に1人目の交替。家坂に替えて、権田陽大(1年・東京ヴェルディJY)がそのままウイングに入ると、58分には松橋とのワンツーから石浦がミドルにトライするもクロスバーの上へ。
60分は養和に1点を返すチャンス。清水を起点に今野が左クロスを上げると、エリア内でハンドがあったという判定を主審は下し、PKが与えられます。キッカーは10番の栗原。短い助走から右を狙ったキックは、GKの逆を突いてゴールネットへ。「結果にこだわって1年間チームを引っ張っていきたい」と言い切るエースストライカーの一撃。再び点差は1点に縮まりました。
61分は養和に2枚替え。古舘と上田に替えて、櫻井佑樹(1年・横浜F・マリノスJY)と白井敬(1年・三菱養和巣鴨JY)をピッチへ送り込み、2人を両サイドハーフに据えながらシステムも4-4-2にシフトして、狙うのは同点とその先まで。65分はヴェルディに決定機。松橋がスルーパスを繰り出すと、走った廣野はGKをかわし切れず、詰めた権田のシュートは枠を強襲しましたが、カバーに入った清水がライン上でスーパークリア。66分にも右サイドを駆け上がった中嶋基至(1年・東京ヴェルディJY)のマイナスクロスから、権田のシュートはわずかにゴール左へ外れるも、1年生アタッカーがさらなるゴールへの欲求を。
70分は養和。樋口、井上と細かく繋ぎ、栗原のポストから白井のシュートはDFに当たってゴール左へ。直後には5人目の交替として井上と田中雄大(1年・三菱養和調布JY)をスイッチし、中盤へ厚みをもたらしに掛かると、75分にも保坂のパスから白井が裏へ落とし、エリア内へ入った櫻井は自ら打たずに中央へ折り返すも、栗原はシュートまで持ち込めず。76分はヴェルディに2人目の交替。3点目を挙げた廣野と堀内泰雅(1年・東京ヴェルディJY)を入れ替え、堀内が3トップの中央へ入り、松橋が左へスライド。残された時間は15分間とアディショナルタイム。
76分は養和。今野の左CKから、竹内のヘディングは佐藤が丁寧にキャッチ。79分はヴェルディ。遠藤の左FKは弾き返されるも石川が拾い、遠藤が蹴り込んだミドルは枠の上へ。85分は養和に6人目の交替。保坂と仙北颯音(1年・三菱養和調布JY)をスイッチして最後の勝負に。直後の85分はヴェルディ。松橋が左からカットインしながら、打ち切ったシュートは清水が執念で弾き出し、トリプレッタとはいかず。87分はヴェルディに3人目の交替。石川と冨樫輝(1年東京ヴェルディJY)をスイッチして、整える全体のバランス。いよいよゲームは最終盤へ。
88分は養和に同点機。右サイドから望月がロングスローを投げ込むと、ルーズボールに反応した栗原は右足を振り抜くも、軌道はわずかにゴールの左へ。90+3分も養和にチャンス。ここも望月が右からロングスローを敢行し、栗原が競り勝ったボールは佐藤がパンチングで掻き出し、今野が合わせたボレーはしかしクロスバーの上へ消え、万事休す。「50点もあげられないくらいダメな試合です。まずボールが持てないし、ボール保持率が低過ぎるし、新チームの立ち上げで、昨年から出ているメンバーしかやり方がわかっていないというのは問題ですね」と永井監督は厳しい評価を口にしたヴェルディが、打ち合いを制する結果となりました。


ヴェルディで存在感を放ったのは、20番を背負ったレフティの石浦。2アシストにとどまらず、機を見たスルーパスや展開のパスには、近くで見ていた小学生たちも「あの20番、ヤバくね!」と大興奮。本人は「ヴェルディでの自分らしいプレーは全然できていなかったと思います。後半とか自分たちのペースじゃない時に、自分で流れを変えられるようなプレーができていなかったので、納得がいかないです」と渋い顔を浮かべ、永井監督も「普通だったらまあまあかもしれないですけど、僕の中では彼に対する期待はまだ遥か高い所にあるので、今日ぐらいだとまったく不満ですね」と言い切るあたりに、彼の置かれている基準の高さが窺えます。自身のプレーの特徴については「相手のいない所で一番ゴールに直結する所にパスを出すのと、スルーパスだけじゃなくて普通のパスでも、受け手が次のプレーを何をしようかと考えたタイミングで、やりやすいよう所に出すことだと思います」と話しながら、「去年から自分は(山本)理仁をライバルだと思っていて、良い目標だし、超すべき選手だと思うので、理仁にない自分の良い所を出しつつ、ダメな所はしっかり直していきたいなと思います」と一足先にトップ昇格を果たした同級生への対抗心もチラリ。今シーズンの彼がここからどういう成長曲線を描いていくかは、継続して見ておく必要がありそうです。
終盤は猛攻を見せながらも1点及ばず敗れた養和は、前述したように増子監督がこのゲームをもってユースの監督を退任。個人的には昨シーズンも番組のインタビューに答えてもらったり、取材に伺った試合後にいろいろとお話を聞かせていただいたりと、非常にお世話になりました。1年間、ないし2年間を見てきた選手たちに向けてのメッセージを改めてお聞きすると、「この学年は良い子たちが多いので、そういう良さを出してほしいなと。本当に今年は良い子が多いんですよ。悪い子はいない(笑) ただ、ちょっとおとなしいかなと思います。もうちょっと自信持ってやれるようになればいいんだけど、とにかく厳しいリーグ戦を残って欲しいよね」と期待半分、不安半分といった面持ち。とはいえ、きっと養和のグラウンドに行ったら別のカテゴリーを指導されている姿にお会いできることでしょう。増子監督、いろいろとありがとうございました!          土屋


新人戦群馬決勝 前橋育英×桐生第一@敷島(2019)

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0210shikishima.JPG新チームにとって初のタイトル獲得が懸かった新人戦もいよいよファイナル。前橋育英と桐生第一の"新・群馬クラシコ"は、群馬高校サッカー界の聖地とも言うべき群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場です。
インターハイでは初戦で大津に0‐3と完敗を喫し、全国連覇を狙った年始の選手権では、初戦こそ宇和島東に2‐0で勝利を収めたものの、続く3回戦で結果的に埼玉スタジアム2002まで辿り着くことになる尚志に1‐2で敗れ、結果という意味では悔しいシーズンを過ごすことになった昨年度の前橋育英。主力の大半が抜けて迎えた新人戦は、初戦こそ沼田に12‐0と大勝を収めながら、3回戦では館林に3‐2、準々決勝では新島学園に2‐0と、比較的苦しみながらも接戦をモノにすると、昨日の準決勝も高崎商業を3‐1で下して、7年連続の決勝へ。「1年間通して必ず何回も当たる相手なので、県内の一番のライバル」とキャプテンマークを託された渡邊綾平(2年・横浜F・マリノスJY追浜)も口にする、昨年度は屈した同じ相手に同じステージでのリベンジを期して、この80分間に向かいます。
昨シーズンを振り返ると、久々に復帰したプリンスリーグ関東では後期の驚異的な巻き返しで見事に残留。新人戦でも前橋育英を倒してタイトルを獲得したものの、インターハイ予選と選手権予選では揃ってファイナルまで進出しながら、ライバルの高い壁を越えることは叶わず、全国への扉は開けなかった桐生第一。こちらも主力のほとんどが入れ替わった新チームで挑む新人戦は、初戦で吉井を12‐0、3回戦で太田工業を4‐0と危なげなく退けるも、準々決勝の前橋商業戦は4‐2と打ち合いに持ち込まれ、準決勝の健大高崎戦も3‐1で何とか競り勝っての決勝進出。まずは連覇を達成することで、「何とかプリンスに残るのと、夏か冬かどっちかは全国大会に行きたいなというのが今年の目標ではあります」と中村裕幸コーチも掲げる目標達成へ弾みを付けたい一戦です。気温6度というかなり冷え込むコンディション下でも、スタンドには少なくない観衆の数が。楽しみなファイナルは桐一のキックオフでスタートしました。


先に決定機を掴んだのは桐一。4分に右サイドで竹下諒(2年・セブン能登)がスローインを入れると、富樫勇人(2年・ホワイトスター)は巧みなヒールキック。受けた山本直(2年・ザスパクサツ群馬U-15)がエリア内で1人かわしてシュートを放つと、ボールは惜しくもクロスバーに当たって跳ね返り、先制点とは行きませんでしたが、「『アレ?アレ?抜けちゃった』という感じなので、彼が良くやったかなという感じでしたね」と中村コーチも言及した山本のフィニッシュワークで、ゲームは立ち上がります。
以降もペースは「狙って横も取れて、中に入っていけそうなシーンはあった」(中村コーチ)桐一。センターバックの丸山佑大(2年・前橋ジュニア)と青木脩悟(2年・前橋ジュニア)からきっちりボールを繋ぎ、右サイドハーフの落合遥斗(1年・前橋ジュニア)が積極的にボールへ関わりながら、山本の仕掛けや突破を生かすスタイルで、生まれそうなビッグチャンス。
ただ、「僕ら以上に選手もプレッシャーであったり、いろいろなものを感じていた」と櫻井勉コーチも話した育英も、10分以降は少しずつ攻撃にリズムが。13分には右サイドバックの水上翼(2年・ESA)が中央へ送り、エリア内へ松原知希(2年・クマガヤSC)が侵入。最後は竹下の鋭い寄せに態勢を崩し、ボールは桐一のGK近藤秀吉(2年・AZ'86東京青梅)がキャッチしたものの、ようやくチャンスの芽を生み出すと、17分には中央で「守備ではボールを奪えてセカンドも拾えて、攻撃では配球や展開もできる選手になりたい」と言い切る渡邊がスルーパス。抜け出した松原のシュートは近藤のファインセーブに阻まれましたが、育英に漂い始めたゴールへの雰囲気。
18分も育英。左から渡邊が入れたCKはシュートまで至らず。19分も育英。レフティの熊倉弘貴(1年・FCステラ)が自ら蹴った右CKのこぼれを再びクロスに変え、山岸楓樹(2年・大宮アルディージャJY)が狙ったシュートは桐一の左サイドバックに入った眞玉橋綺人(2年・前橋ジュニア)のブロックに遭うも好トライ。21分には右から水上がこの日3本目のロングスローを投げ入れ、フィニッシュは取り切れなかったものの、中村コーチも「押し込まれた時にセットプレーで拾われて、拾われてとなると、冷静さも一緒に失っちゃうのは今年の子たちの弱さ」と言及した桐一を尻目に、タイガー軍団が掴んだゲームリズム。
23分の主役は「先制点が大事だと思っていた」というストライカー。ここもCKの流れから、左サイドでボールを持った熊倉弘達(1年・FCステラ)が「相手のバックパスが緩かったので、インターセプトがうまくできて、自分もスピードに乗った状態でドリブルができた」流れからクロスを上げると、エリア内で受けた松原は右へ持ち出しながら、ゴールネットへボールを流し込みます。「ちょっとボールが後ろ気味に来たので、トラップして、そこから冷静にゴールが見えていました」という26番の一撃は、自身にとっても新人戦の初ゴール。ペースそのままに育英が1点のリードを奪いました。
次の得点機も育英に。32分に右CKを熊倉弘貴が蹴り込み、水上のヘディングは近藤にパンチングで阻まれると、前半の終盤はようやく桐一に手数が。35分に眞玉橋のパスから中央を運んだ遠藤青空(2年・AZ'86東京青梅)がシュートまで持ち込むも、育英のセンターバックを務める相原大輝(2年・クマガヤSC)が気合のスライディングでブロック。38分にはレフティの飯島圭一郎(2年・FCおおた)が右へ鋭いサイドチェンジを送り、走った竹下はわずかにオフサイドを取られたものの、大きな展開を披露。40+1分にもアンカーの田中陸翔(1年・前橋ジュニア)を起点に、落合が放ったシュートはここも相原が頭できっちりブロック。攻守に高い集中力を発揮した育英が、1点をリードしてハーフタイムに入りました。


後半はスタートから桐一に2枚替え。飯島と富樫に替えて、荻原礼士(2年・前橋ジュニア)と須藤礼智(2年・前橋ジュニア)を投入し、荻原はセンターバックへ、センターバックの丸山はアンカーへ、アンカーの田中は左サイドハーフへそれぞれスライドしつつ、須藤は山本との2トップに配して、残り40分で狙う同点、逆転への態勢を整えます。
43分は桐一にチャンス。右サイドのミドルレンジで前を向いた落合は果敢にシュートを放つも、ここは育英のGK牧野虎太郎(1年・Wings U-15)が丁寧にキャッチ。45分は育英。渡邊が中央をドリブルで仕掛け、こぼれを拾った熊倉弘達のミドルはクロスバーの上へ。50分も育英。右サイドでFKを渡邊は中央へ蹴るモーションから縦に付け、大野篤生(1年・Wings U-15)の落としに熊倉弘貴が打ったシュートはDFがブロック。その右CKを熊倉弘貴が蹴り入れ、ファーで相原が折り返したボールを久林隆祐(2年・前橋FC)が合わせたヘディングは枠を越えましたが、育英のセットプレーは常に脅威に。
54分は桐一。青木のパスを高い位置で引き出した眞玉橋が中央へ折り返すと、落合が左へ流れながら打ち切ったシュートは相原が頭でブロック。これで三度目のシュートブロックとなった相原には、「たまに見せてくれるそういうプレーが今日は随所に出ていたので(笑)、僕も『やるな』という感じで見ていました。その場にいるということが大事だと思いますし、それだけ彼も強い気持ちを持ってやってくれたかなと思います」と櫻井コーチも思わず笑顔。3番の長身センターバックという風貌も、どことなく2年前のディフェンスリーダーだった角田涼太朗(筑波大)を思わせます。
57分も桐一。遠藤のパスを受けた須藤は、GKの位置を見ながら35mミドルにチャレンジするも、軌道は枠の右へ。58分は育英。渡邊、山岸とボールを繋ぎ、右へ開いた松原のクロスに、左サイドバックの位置から走り込んできた倉俣健(2年・tonan前橋U-15)はわずかに届かなかったものの、「倉俣も攻撃的な選手なので、アレもチームの特徴の1つだと思います」と松原も話したダイナミックな攻撃を。60分は桐一。山本、遠藤と細かく回し、須藤がドリブルでエリア内へ侵入するも、よく戻った倉俣がきっちりカット。一進一退。拮抗する両雄。
追加点は「年少ぐらいからずっと一緒にプレーしているので、声を出さなくてもわかる部分はあります」という双子によって。61分に左サイドで粘って残した熊倉弘貴は、ライン際から浮かせてクロスを上げ切ると、ファーサイドで拾った熊倉弘達はこちらも粘り強いキープから右足一閃。ボールはニアサイドを破って、ゴールネットへ到達します。2年前に日本一を勝ち獲った悠と涼の田部井兄弟を目標に、「ずっと前橋育英に行きたくて」2人で新潟からやってきたツインズにとって、「ルーキーリーグでは何回かあったんですけど、トップで2人が関わって決めるのは初めてだったので嬉しかったです」と弘達も笑う記念のゴール。育英のリードは2点に広がりました。
64分に育英は1人目の交替として、「まだまだこれに満足しないで、試合にもっと絡めるように頑張っていきたいと思います」と語った先制弾の松原と吉澤怜央(2年・三菱養和巣鴨JY)をスイッチすると、67分にも水上とチームきってのムードメーカーだという山田涼太(2年・前橋FC)を入れ替え、全体の強度向上に着手。72分には桐一にも3人目の交替。山本を下げて、Jクラブの練習参加から帰って来たばかりの若月大和(2年・前橋ジュニア)をピッチへ解き放ち、最後の勝負に打って出ます。
すると、78分に魅せたのはやはり桐一のエース。「今年はアイツに全部やらせます。守備も展開も」と中村コーチも信頼を寄せる落合がフィードを送ると、若月は巧みな動き出しでラインの裏に抜け出し、右サイドからそのままシュート。ボールは懸命にカバーへ入ったDFに当たりましたが、逆サイドに詰めていた眞玉橋が丁寧にプッシュします。「大和は短い時間でも一応仕事をしてくれましたね」とは中村コーチ。たちまち点差は1点に縮まりました。
とはいえ、「最後は1点やられちゃいましたけど、集中したゲームができたと思います」と櫻井コーチも言及した育英は、以降もサイドで時間を使いながら、吉澤や熊倉弘達も枠外ミドルで攻撃を終わらせるようなセオリーを遵守しつつ、アディショナルタイムの2分も消し去って、聞いたのは優勝を告げるタイムアップのホイッスル。「勝つしかなかったですし、勝たなきゃいけないという想いだったので、みんなで頑張りました」(渡邊)「まずこの新人戦はみんなで獲ろうと話していたので、それが獲れて良かったです」(松原)。"新・群馬クラシコ"を制したタイガー軍団が、2年ぶりとなる新人戦のタイトルを奪還する結果となりました。


「『育英だけ倒そう』じゃなくて、全国に行っても勝てるようなことをベースにはやっているので、去年一応ウチの存在価値は示せた中で、今年や来年でとは思っているんですけどね」と中村コーチも話した桐一は、それでも個々に光る選手が少なくない印象。「今年は前に個性があるヤツが大和しかいない、(田中)渉みたいに中盤でゲームメイクを完璧にできるヤツもいない、後ろもキャプテン(中野就斗)みたいな強さがあるヤツがいない、とか弱い所ばっかり見えてしまって、本当は良い所を出していかないといけないと思うんですけど、苦しいなあって思います(笑)」(中村コーチ)とスタッフの基準がより高く置かれている中で、田中や落合といった素材感のある1年生がプリンスリーグを経験して、どう成長していくかは非常に楽しみ。今年も群馬の高校サッカー界を彼らが牽引していくことは間違いなさそうです。
「新人戦では選手を固定せずに、競争と刺激を与えながら試合をやりました。選手権を肌で感じた選手と見ていた選手がいたので、そういう舞台に立てるという意味ではみんな頑張ってくれましたけど、これからまた競争が出てくるかなと思います」と櫻井コーチが評した育英も、既になかなか強度の高いチームになってきている感がありました。中でも昨年度の選手権を唯一ピッチで経験している渡邊の存在感はやはり別格。「尚志に負けたピッチに立っていて、あの凄く悔しい想いをできたのは自分だけなので、その想いをチームに還元すれば凄く良いチームになれると信じていますし、自分が引っ張って良いチームになれるように頑張りたいと思います」という言葉に、キャプテンマークを任されたチームの中心としての自覚も滲みます。2年前は田部井涼、1年前は若月輝という2人の偉大なキャプテンの背中を見据えつつ、「育英のキャプテンを辿っていったら、あの2人みたいな人ばかりなので、少しでも近付けるように、この1年間を通してそういう所も自分は求めていきたいなと思います」ときっぱり。今年のタイガー軍団を引っ張っていく10番の新キャプテンにも大いに期待したいと思います。        土屋

トレーニングマッチ 大宮×松本(2019/2/9)

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いわゆる"プレシーズンマッチ"扱いの1試合目は、石川俊輝と奧抜侃志のゴールで大宮アルディージャが2-0で勝利を収めました。その試合終了から約30分後にキックオフを迎えた"トレーニングマッチ"扱いの2試合目を、ここではレポートしたいと思います。


高木琢也新監督が率いる大宮は、1試合目同様に3-4-3のシステムを採用。ゴールキーパーは塩田仁史。3バックは右から山越康平、河本裕之、高山和真。ウイングバックは右が奥井諒で、左が酒井宣福。ドイスボランチは水戸から帰ってきた小島幹敏とルーキーの小野雅史という"ユース同期のレフティコンビ"で。前線は中央に富山貴光が入り、右は茨田陽生、左はダヴィッド・バブンスキーという11人でスタートします。
一方、反町康治監督体制が8年目を迎える松本もおなじみの3-4-3。ゴールキーパーは村山智彦。3バックは右から當間建文、飯田真輝、新加入のエドゥアルド。中盤は右に田中隼磨、左に那須川将大が構えるウイングバックと、中央は岡山から加入した塚川孝輝と熊本から加入した米原秀亮の"新加入ドイスボランチ"。前線は高崎寛之を頂点に、1試合目も共に15分間ほどプレーした永井龍と中美慶哉がその下に並ぶ11人で挑みます。


勢い良く立ち上がったのはホームチーム。4分に酒井の左クロスを奥井が残し、茨田が打ったシュートはDFにブロックされましたが、幅を使ったアタックを繰り出すと、5分には小野の右CKから、酒井の右クロスに河本がボレーを放つもヒットせず。さらに6分には中盤で前を向いた茨田が、ゴールまで約45mの位置からロングシュートを狙うと、バックステップで下がった村山が転倒。ワンバウンドしたボールはクロスバーに当たり、先制とは行きませんでしたが、まずは大宮が積極的な姿勢を打ち出します。
8分も大宮に決定機。小野が左クロスを上げ、飛び込んだ茨田のヘディングは村山のファインセーブに阻まれたものの、サイドからきっちりフィニッシュまで。11分も大宮。バブンスキーの左CKは村山がパンチングで掻き出すも、こぼれに反応した酒井のボレーは枠の左へ。13分も大宮。右サイドを駆け上がった奥井のクロスから、最後は山越が思い切ったミドルを枠の左へ外しましたが、ゲームは小野と小島のボランチでうまくボールを動かしつつ、茨田がさすがのセンスで好機に絡み続ける大宮ペース。
なかなか前の3枚にボールが入らない松本も、23分にようやくチャンス。高崎がエリア内で落とし、田中のクロスはDFに弾かれるも、拾った米原は縦パスにトライ。ここもDFにカットされたものの悪くないアタックを。24分にはミドルレンジで前を向いた中美のシュートはDFに弾かれるも、少しずつ前へのパワーが出てきます。
そんな中で先制点を奪ったのはオレンジ軍団。27分に小島が付けた縦パスを富山がきっちり返すと、小島は完璧なタイミングで中央へスルーパス。抜け出したバブンスキーは、冷静に左スミのゴールネットへボールを流し込みます。プロ5年目の26番が感じさせる飛躍の予感。ここまでも再三試みていた中央でのワンツーから、大宮が1点のアドバンテージを手にしました。
畳み掛けたのは29分。小島とは同期昇格に当たる高山が好フィードを右サイドへ送り、走った奥井は丁寧に中央へ。飛び込んだ富山がワンタッチでフリックすると、絶好のポジショニングで難なく押し込んだのは茨田。左右に揺さぶる展開から、ワンタッチを交えた綺麗な形での一撃。わずか3分間で両者の点差は2点に広がります。
さて、何とか前半の内に1点は返しておきたい松本。31分に相手のパスミスをかっさらった中美が、少し運んで狙ったミドルはクロスバーの上へ。44分には塚川が前方のスペースへフィードを流し込み、体をねじりながら合わせた永井のボレーは塩田にキャッチされましたが、永井の持ち味は良く出た一連。45分にもセットプレーの流れから、那須川のクロスに飛び込んだエドゥアルドのヘディングは、ここも塩田ががっちりキャッチ。最初の45分間は大宮が2点をリードして、ハーフタイムに入りました。


後半はスタートから両チームに交替が。大宮は河本に替えて、練習生が右センターバックに入り、山越が中央へスライド。松本は一挙に4枚替え。永井、那須川、米原、塚川が下がり、それぞれ前橋育英と四日市中央工業から加わったルーキーの榎本樹と山本龍平、帰ってきた宮阪政樹、安東輝がピッチへ。榎本はシャドーの右、山本は左ウイングバック、宮阪と安東はドイスボランチにそれぞれ組み込まれます。
47分は松本の左CK。宮阪は鋭いボールを蹴り込むも、塩田がパンチングで回避すると、続けて右からここも宮阪が蹴ったCKは大宮ディフェンスがきっちりクリア。49分は大宮にCKのチャンス。左からバブンスキーが放り込み、こぼれを叩いた高山のシュートは枠の上へ。52分も大宮。富山のパスから、茨田が左足で打ったシュートはクロスバーの上へ。53分も大宮。今度は茨田のスルーパスに富山がうまく抜け出し、ここはオフサイドを取られたものの、富山の推進力はチームに間違いなく好影響を。
55分は榎本の仕掛けで松本が獲得したCK。右から宮阪が蹴ったボールは塩田がパンチング。60分も松本。安東が右へ展開し、田中のクロスは跳ね返されるも、宮阪の強烈なミドルはDFに当たってゴール左へ。63分も松本。右サイドを駆け上がった田中のクロスから、ルーズボールを榎本がダイレクトで狙ったボレーは枠の上へ。ようやく右が活性化したことでチャンス自体は増えてきましたが、なかなかフィニッシュが枠を捉えません。
やや全体の運動量が低下しつつあった大宮も、65分にはビッグチャンス。小島が左へ流し、酒井のクロスはファーまで届くも、小野のシュートは村山にがっちりキャッチされ、帰還後初となるナクスタでのゴールには到らず。70分に高木監督は5枚替え。塩田、奥井、酒井、バブンスキー、小野に替わって、加藤有騎、ユースから昇格したルーキーの吉永昇偉、佐相壱明、1本目にも出場した奥抜、プロ18年目の金澤慎がピッチに。吉永は右ウイングバックへ、佐相は挑戦中の左ウイングバックへ、奧抜は左シャドーへ送り出され、金澤は小島と"13歳差のユース出身ドイスボランチ"を形成。松本も70分に2枚替え。當間と中美を下げ、阪南大出身のルーキー大野佑哉と練習生①を投入。大野はそのまま右センターバックに、練習生①もそのままシャドーの一角へ入ります。
すると、73分に輝いたのは新境地開拓に燃える2年目の34番。大宮は左サイドで細かくパスを繋ぐと、奥抜のパスを受けた佐相がカットインしながら思い切り良く右足を振り抜くと、軌道は豪快にゴールネットへ突き刺さります。昌平高校時代から相性が良いというナクスタでの成果に、「NACKでゴールを決めるという前みたいな良いイメージはできたかなと思います」と本人も笑顔。ホームチームに3点目が記録されました。
苦しくなった松本は75分、高い位置で榎本がボールを回収すると、練習生①のミドルは枠を越えたものの、積極性は間違いなく好印象。76分にも練習生①は右サイドでドリブルを仕掛け、シュートは力んでゴール左へ外れるも、チームにもたらす前へのパワー。79分に松本は再び2人の交替。エドゥアルドと田中を、練習生②と溝渕雄志に入れ替え、前者は左センターバック、後者は右ウイングバックとして最後の10分間へ解き放たれます。
84分は松本。右CKのスポットに立った宮阪がショートで蹴り出し、溝渕が上げたクロスはシュートまで行けず。86分も松本。右サイドの狭いスペースで巧みにターンした練習生①がクロスを上げ切り、ディフレクトしたボールを高崎がシュートに変えるも、DFにブロックされると、これがこのゲームのラストチャンス。きっちり3つのゴールを積み重ねた大宮が勝利を収める結果となりました。        


大宮のドイスボランチを組んだ小島と小野には、長期的な意味での可能性を感じました。ユースでの同期という連携面でのアドバンテージを差し引いても、ボールの動かし方や引き出し方は常に一定以上のスムーズさが。1試合目の大山啓輔と石川の連携も十分良かった上に、このポジションには昨シーズンのチームを支えた三門雄大や茨田も控えているだけに、すぐに公式戦でという訳には行かないと思いますが、この段階であれぐらいのパフォーマンスを発揮できれば、シーズンが進んでいく中でポジション争いに絡んでいくだけの力は十分あるのではないかなと。これからの彼らには大いに注目していきたいと思います。     土屋


東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会決勝リーグ FC東京U-18×三菱養和SCユース@小平(2019)

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0203kodaira.JPG西が丘でのファイナルを懸けた強豪同士のビッグマッチ。FC東京U-18と三菱養和SCユースの激突は、おなじみ小平グラウンドです。
初戦はFCトリプレッタユースのポジティブな奔放さに苦しみながらも、何とか4‐2で逆転勝ちを収め、2戦目ではRio FC相手にバングーナガンデ佳史扶(2年・FC東京U-15深川)のハットトリックや、大迫蒼人(中学3年・FC東京U-15むさし)と安田虎士朗(中学3年・FC東京U-15深川)の中3コンビもゴールをマークするなど、10ゴールを奪って大勝するなど、連勝で西が丘への切符を手に入れたFC東京U-18。「この新人戦では始動から1か月と1週間くらいの所で『こういう選手になろうよ』とか『こういうサッカーをやっていこうよ』というのを植え付けられればなと。ただ、根本にあるのは選手が『勝つために何をするか』ですよね」と話す中村忠監督の言葉を考えれば、この一戦も重要なのは言うまでもなく勝利すること。その先にあるファイナルも見据えつつ、まずは目の前の白星を手にするための90分間へ向かいます。
「まだうまく行かなくて結構難しい試合でした」と栗原イブラヒムジュニア(2年・三菱養和巣鴨JY)も振り返ったRio FCとの初戦を上田英智(2年・三菱養和巣鴨JY)のドッピエッタなどで4-0と勝ち切ると、先週のFCトリプレッタユース戦も今度は栗原がドッピエッタを達成し、やはり4-0で制してこちらも西が丘への進出権を勝ち獲った三菱養和SCユース。「チーム的にもまだ始動して1か月ぐらい。相手も一緒だと思うけど、少しずつコンディションが上がってきたかなという感じだと思いますけどね」と増子亘彦監督はいつもの調子で笑いますが、当然この一戦へのモチベーションは十分。現状でのベストメンバーで難敵相手に挑みます。会場の小平に設置されたスタンドは、ほぼほぼ満席状態に。注目の好カードはFC東京のキックオフで幕が上がりました。


良い形で立ち上がったのはホームチーム。4分に左サイドから金誠敏(2年・西東京朝鮮第一中)が蹴ったFKと、7分にやはり金が入れた右CKはシュートまで至らなかったものの、9分にはボランチの常盤亨太(1年・FC東京U-15深川)が短く付け、横田峻希(2年・FC東京U-15むさし)がドリブルから放ったシュートは、DFに当たって養和のGK渡辺舜作(2年・三菱養和巣鴨JY)がキャッチするもファーストシュートを。「立ち上がりでちょっと後手を踏んじゃったよね」(増子監督)「いつも自分たちは立ち上がりが苦手だったんですけど、今日はそこまで押されることなく入れたので、そこは良かったかなと思います」(湯本創也・2年・FC多摩)と2人が話したように、まずはFC東京がペースを掴んでゲームに入ります。
11分もFC東京。キャプテンマークを巻く宮田和純(2年・FC東京U-15深川)が右サイドを抜け出し、カットインから枠へ収めたシュートは渡辺がキャッチ。14分は養和。左から司令塔の井上太一(2年・三菱養和調布JY)が蹴り込んだCKは、FC東京のGK高橋優仁(2年・FC東京U-15深川)がパンチングで回避。20分は再びFC東京。高い位置で相手のパスを引っ掛けた横田が左へ流し、梅原翔琉(1年・FC東京U-15むさし)が打ったシュートは枠の左へ外れるも、ペースは変わらずFC東京。
「15分ぐらいでうまく人がズレていくようになって、ちょっと守備が安定してきたのかな」と増子監督も見ていた養和の決定機は25分。センターバックの竹内駿斗(2年・Forza'02)が縦に鋭いボールを送り、うまく反転した保坂祐貴(2年・三菱養和巣鴨JY)のミドルはわずかに枠の右に外れましたが、あわやというシーンを創出すると、28分にも宮崎楓吾(2年・三菱養和調布JY)の突破で左FKを奪い、井上のキックは中央でのオフェンスファウルを取られるも、31分にも井上の左CKを栗原がバイシクルで残し、ここは宮田がクリアしたものの、「自分が時間を作って3人目を使ったりとか、流れの中でターンしてボールを受けられたりとか、そういう回数が増えてきた」と栗原が口にした通り、少しずつ養和が取り戻したゲームリズム。
それでも、33分はFC東京にビッグチャンス。金からのパスをミドルレンジで引き出した宮田は、思い切り良くシュートを狙うと、渡辺にファインセーブで掻き出されるも好トライ。34分にも金の右CKはいったん跳ね返されたものの、拾った梅原の左クロスから、こぼれを古屋颯眞(1年・FC東京U-15むさし)がループで狙った軌道は右のポストを直撃。やり返す青赤。一段階上がったピッチ内のボルテージ。
38分は養和。左サイドバックの今野息吹(2年・三菱養和巣鴨JY)がスローインを放り込み、体をうまく使って抜け出した栗原の折り返しに、飛び込んだ樋口陸(2年・三菱養和巣鴨JY)はわずかに合わず。40分はFC東京。左サイドを抜け出した金がピンポイントのクロスを送るも、3列目から走り込んだ常盤のシュートはゴール右へ。43分は養和。栗原が倒されて得た右FKを井上が蹴り入れるも、宮田がきっちりクリア。45分はFC東京。宮田のドリブルで奪った左CKを森田慎吾(2年・FC東京U-15むさし)が入れるも、今野がきっちりクリア。お互いにやり合った前半はスコア動かず。0-0で最初の45分間が終了しました。


後半はスタートから養和に交替が。センターバックで奮闘していた畑橋拓輝(1年・三菱養和調布JY)に替えて、「ケガをしたことで外から見る立場になって、やっぱり『本当に悔しい』という想いも『早く試合に復帰したい』という想いもたくさんあった」というケガ明けの清水雅仁(2年・三菱養和巣鴨JY)がそのままセンターバックに入り、ディフェンスラインの顔ぶれに変化が加わります。
47分はFC東京。右サイドで森田が外へ付けると、思い切ってオーバーラップしてきた古屋のクロスは渡辺にキャッチされたものの、3バックの右センターバックが絡んでくる厚みのあるアタックを。57分は養和に決定的なチャンス。今野のパスを引き出した栗原は、「1人目に体をぶつけて前に落として、そこから頭で先に触って、腕で体をねじ込んでみたいな感じで、結構自分の特徴を出したプレー」でラインの裏へ抜け出しながらボレーを敢行しましたが、ボールはクロスバーにハードヒット。「良い感じにボールに当てたらバーで、自分は『入った!』と思ったんですけど、副審を見たらノーゴールというジェスチャーだったので、凄く悲しかったです」とは本人。先制点とは行きません。
59分にFC東京は2枚替え。ボランチの沼田航征(2年・FC東京U-15むさし)と金を下げて、安田と大迫がそのままボランチと左のウイングバックへ。61分に横田のパスから、湯本が枠の上へ外したミドルを挟み、62分には養和も2枚替え。右サイドハーフの保坂と右サイドバックの田村進馬(2年・三菱養和調布JY)を、上田と望月海輝(2年・三菱養和巣鴨JY)に入れ替え、右の攻守における推進力向上に着手します。
64分はFC東京。右サイドで森田が粘ってクロスを上げ切り、ニアで体をねじって合わせた宮田のヘディングはゴール右へ外れたものの、「向こうにイブラがいて、彼はきっと意識していたと思うし、今の所は本当に取り組みという意味ではしっかりやってくれているかなと思います」と指揮官も言及したキャプテンが前面に押し出すゴールへの意欲。67分は養和。高い位置でボールを奪った宮崎が、自ら枠へ飛ばしたシュートは高橋が冷静にキャッチ。68分はFC東京に3人目の交替。梅原に替わった角昂志郎(1年・東京武蔵野シティFC U-15)は、そのまま2シャドーの一角へ。「3バックに変わってからあまりうまく行っていない時もあったんですけど、今日は連動して、守備する時はしっかり固めて、攻撃の時はバランスを取って、リスクマネジメントも意識できたと思います」と大森理生(1年・FC東京U-15むさし)も話したFC東京ディフェンス陣も、養和ディフェンス陣も集中力は途切れません。
69分は養和のスムーズなアタック。高橋昴(1年・三菱養和巣鴨JY)、樋口、井上、宮崎と綺麗にボールが動き、上田の左足シュートはゴール左に外れましたが、悪くないチャレンジを。直後には養和に4人目の交替。宮崎と古舘陸大(2年・三菱養和巣鴨JY)をスイッチして、狙う左サイドの攻撃力アップ。78分はFC東京。チームの中心としての雰囲気も出てきた常盤が奪ったボールを素早く縦へ送り、反転した宮田のシュートは枠の左へ。79分は養和。望月のパスから上田がクロスを送り込むも、ファーに飛び込んだ古舘のヘディングはヒットせず。気付けばスコアレスのままで、ゲームは最後の10分間とアディショナルタイムへ。
ドローでは得失点差でグループ2位となる養和は、83分に5人目の交替。樋口に替えて、町田悠(1年・三菱養和巣鴨JY)を最前線へ解き放ち、狙う先制点と勝ち点3。85分は養和。井上の右FKは中央でオフェンスファウル。87分も養和。井上の左FKがこぼれ、DFのクリアを上田が叩いたシュートは、ここもDFが懸命にブロック。88分も養和。望月を起点に上田が1人外してクロスを送るも、果敢に飛び出した高橋が確実にキャッチすると、これがこのゲームのラストチャンス。「全体を通してみればどっちに転がるかわからなかったし、0‐0だけど失点する可能性もあったし、得点できる可能性もあった」という栗原が的を得た感想を口にした一戦は、両者譲らずドロー決着。FC東京がファイナルへと進出する結果となりました。


今年のFC東京U-18で、個人的に最激戦区のポジションだと思っているのがセンターバック。今回はトップの沖縄キャンプ帯同により不在だった木村誠二(2年・FC東京U-15深川)に加え、この試合の3バックを形成していた古屋、湯本、大森といずれ劣らぬタレント揃い。湯本が「去年の自分は理生にスタメンを取られて、試合に出れない時期もありましたし、今は誠二がトップに行っていて、アイツも上に行っているから自分も負けていられないんですけど、逆にこっちではチャンスになったりするので、そこでできるだけ自分が良いプレーをできたら、またトップに呼ばれるチャンスも出てくると思いますし、まずは自分のことを必死にやってできるようにしたいです」と話せば、大森も「もちろんみんな実力が高いですし、強さもあるので、そこは自分の武器を生かしながら、周りをどう動かすとか戦術的な部分も含めて、もっと成長していかなくてはいけないかなと思います。去年までは3年生の中で出させてもらっていて、助けてもらうというか、付いていく感じのシーンが多かったんですけど、今年は自分が主体となってチームを動かせるようなプレーをしたいですね」と力強い決意を。1年生の古屋も昨年のT1リーグで見た時から、いかにもセンターバックという立ち姿が気になっていた1人であり、彼らに新1年生も交じえた精鋭たちが切磋琢磨して、どこまで成長していくのかは、今シーズンのチームを見ていく上で楽しみな部分だと考えています。
「守備の所は全然相手のことをわかっていなくて、まさか3バックだとは(笑) 『アレ、中村忠、3バックできんの?(笑)』みたいな感じだったけど」と増子監督が笑った三菱養和SCユースは、それでも相手の形も含めて戸惑いを隠せなかった序盤を経て、以降できっちり立て直す修正力はこの時期で考えても十分なレベル。「ある意味この年代のトップレベルとやって、『ああ、ちょっと自分たちがやってるより速いな』とか『強いな』とか、『ちょっと周りが見えてないな』みたいな、そういうのが経験できたというのは良かったと思います」と指揮官が続けたように、今シーズンは同カテゴリーを戦う相手との90分間で、小さくない経験値を積み上げた印象が残りました。この日のキャプテンマークを託された栗原は、新チームの印象を尋ねられ、「個人的には去年より足元の技術は全体的にちょっと落ちるかなという気はするんですけど、球際が強い選手とか、サイドの速くて強い選手とか、身体能力の高い選手がたくさんいるので、去年も勝負所でフィジカルとか強さで勝てるか勝てないかみたいな試合をたくさんしてきた中で、結構勝負強いチームになるのかなって。戦える選手がたくさんいるし、自分はシーズンが始まるのが楽しみですね」と期待感を口に。おなじみの楽しむことを忘れないチームカラーも込みで、今シーズンの養和にも大いに注目したいと思います。    土屋


東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会決勝リーグ FC町田ゼルビアユース×大森FC@小野路G(2019)

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0127onoji.JPG東京都のクラブユース最強を決める"新人戦"もいよいよ決勝リーグ。FC町田ゼルビアユースと大森FCが対峙する"第2節"は小野路公園グラウンドです。
昇格したT2できっちり結果を残し、1年でのT1昇格を手繰り寄せつつ、夏のクラブユース選手権では全国で強豪相手に好ゲームを演じ、決勝ラウンド進出はならなかったものの、一定以上の結果を残した昨シーズンのFC町田ゼルビアユース。迎えた今シーズンは「個とチームのバランスを少し感じられたときに、非常に良いグループに僕はなると思っています」と竹中穣監督も期待感を口にしており、先週の東京武蔵野シティFC U-18戦も、1‐0で勝ち点3をもぎ取ってこの2試合目へ。勝てば西が丘が決まる90分間へ、言うまでもなくフルスロットルで向かいます。
3年連続で敗退していた決勝リーグ進出決定戦をとうとう勝ち抜き、念願のステージへ進出したのはちょうど1年前。その決勝リーグではFC東京U-18、三菱養和SCユース、東京武蔵野シティFC相手に全敗したとはいえ、きっちり大会の歴史に名を刻んだ大森FC。今大会も2年続けて決勝リーグ進出決定戦を制して勝ち上がると、先週の東京ヴェルディユース戦は0‐4で負けましたが、まずは初ゴールと初勝利を目指して難敵相手のゲームへ挑みます。17時半の小野路は間違いなく"坂の下"より低い気温下のコンディション。楽しみな一戦は大森FCのキックオフでスタートしました。


ファーストシュートは3分のゼルビア。果敢なインターセプトから、そのまま駆け上がったセンターバックの小山田賢信(2年・FCトッカーノ)はミドルを放ち、ここは大森のGK重盛地球(1年・大森FC)にキャッチされたものの、いきなり10番のキャプテンが勝利への意欲を打ち出すと、直後に生まれた先制点。5分に左でボールを受けたサイドバックの関口陽大(2年・FC町田ゼルビアJY)は「積極的に仕掛けたら抜けたので、中を見て」鋭いクロスを上げ切り、DFのクリアボールを石川凛太朗(1年・FC町田ゼルビアJY)が拾ってきっちりプッシュします。早々に実ったアグレッシブな姿勢。ゼルビアが1点をリードしました。
ただ、以降は「テンポ良くサイドを変えたり、中を使ったりという、自分たちがやりたいことがあまりできていなかった」(小山田)「前半は積極的に裏とか取れなくて良くなかった」(関口)と2人が声を揃えたように、なかなかゼルビアのアタックに出てこないリズム。11分に左から八木直人(2年・FC町田ゼルビアJY)がCKを蹴り込み、こぼれを叩いた塩澤拓馬(2年・FC栃木)のボレーはゴール左へ。13分に関口がミドルレンジから放ったシュートは、八木に当たってコースが変わるも重盛がキャッチ。逆に21分には大森FCも河原隆斗(2年・大森FC)が左へ振り分け、森泉光輝(1年・大森FC)のクロスはDFに弾かれ、河原の再クロスもクリアされたものの、1つ形を創出しかけます。
24分はゼルビア。塩澤は前を向きながら縦パスを通し、走った石川のシュートはDFが体でブロック。25分は大森FC。左への展開から、サイドバックの梨勇翔(2年・大森FC)が後ろへ戻し、ジャスティン・マホーニー(2年)がクロスを上げると、飛び込んだ小泉欣也(2年・大森FC)はオフェンスファウルを取られるも、フィニッシュの一歩手前まで。30分はゼルビアに決定機。1本のフィードに石川が抜け出しましたが、ループ気味に狙ったシュートはクロスバーにヒット。ドッピエッタとはいきません。
ただ、32分にゴールを奪ったのはまたもゼルビア。右サイドで獲得したCK。キッカーを務める関口が「基本的に自分はいつも奥のファーとか狙うようにしていて、カーブが結構得意なので巻いて蹴った」ボールはクロスバーを直接叩くと、DFに当たったボールはゴールネットへ転がり込みます。記録上はオウンゴールでしたが、「ゴールを狙うイメージで蹴ってはいる」レフティの左足が呼び込んだ追加点。点差は2点に広がりました。
小さくないビハインドを追い掛ける格好となった大森FC。34分には梨の左FKに、ジャスティンがバックヘッドで合わせたものの、この軌道はゼルビアのGK鈴木悠矢(2年・桐光学園中)がしっかりキャッチ。36分はゼルビアにチャンス。スムーズなパスワークから右に開いた菊池陸斗(2年・FC町田ゼルビアJY)がクロスを送り込み、ファーへ入った八木のヘディングは枠の右へ。39分もセルビアにビッグチャンス。関口がピンポイントで送った左クロスに、頭で合わせた石川のシュートはまたしてもクロスバーにハードヒット。「彼が動き出すことでチームにチャンスが来ますし、そこまでは行っている選手です」と指揮官も評した石川は、2度までもクロスバーに嫌われましたが、前半はゼルビアが2点のアドバンテージを握って、45分間が終了しました。


後半のファーストチャンスはゼルビア。47分に八木が左から蹴ったCKはDFにクリアされましたが、51分には再び決定的なチャンス。菊池を起点に石川が左へ流すと、関口のシュートは重盛がファインセーブで回避します。すると、直後には大森FCに1人目の交替。センターバックで奮闘していた地頭方輝(1年・大森FC)のプレー続行が難しくなり、上野裕也(2年・大森FC)が投入されると、最終ラインは右から山田武(2年・大森FC)、梨、ジャスティン、森泉という並びに変わり、ドイスボランチはそのまま相川翼(2年・大森FC)と飯村直(1年・大森FC)、サイドハーフは右に伊藤航太(2年・大森FC)、左に上野、前線は河原と小泉が配され、2点を追い掛ける態勢を整え直します。
52分もゼルビア。八木の左CKは重盛がパンチング。53分もゼルビア。関口の右CKはDFに掻き出されるも、再び関口が右クロスを放り込み、小山田が頭で繋いだボールを新井田楓(2年・府ロクJY)はヘディングで枠へ収めたものの、重盛ががっちりキャッチ。58分もゼルビア。八木の左CKは重盛がキャッチすると、ここで動いたのは竹中監督。63分にはボランチの米盛憲輝(1年・FC町田ゼルビアJY)、新井田、菊池に替えて、杉本裕哉(2年・東急SレイエスFC)、山野辺夢歩(2年・FC町田ゼルビアJY)、江口大介(1年・FC町田ゼルビアJY)をピッチへ送り込み、システムも4‐4‐2から4‐3‐3へシフト。最終ラインには右から船戸詩季(1年・FC町田ゼルビアJY)、杉本、小山田、関口が揃い、中盤はアンカーに塩澤で、インテリオールに八木と金澤空(2年・FC町田ゼルビアJY)、前線は右に山野辺、左に江口、中央に石川が入り、さらに窺う追加点とその先の勝ち点3。
73分はゼルビア。船戸の右クロスに、飛び込んだ山野辺のヘディングは枠を襲うも、重盛がファインセーブで回避。直後に大森FCは2人目の交替として田中爽太(1年・大森FC)を送り込み、攻撃の推進力を高めに掛かりますが、ここで魅せたのは2年生コンビ。74分に「フォワードが走ってくれて、僕はあそこを使うだけでした」という八木がスルーパスを送ると、抜け出した山野辺は右からカットインしながらフィニッシュ。ボールはゴールネットへ突き刺さります。「まあアレが仕事なので」と笑う八木と山野辺の連携が光った一撃。スコアは3‐0に変わりました。
「途中で4‐3‐3に変えて、そこからはテンポが上がって攻撃まで行けましたね」(小山田)「4‐3‐3になってから結構ボールも回って、ボールが入る回数も増えて、やりやすくなりました」(八木)と2人も手応えを口にしたゼルビアは、ここから交替ラッシュ。75分には高島大夢(2年・FCヴァーデュア三島)、藤野直樹(2年・FC町田ゼルビアJY)、町田丈(1年・Forza'02)の3人を、81分には渡邊朝月(1年・FC町田ゼルビアJY)、佐藤列(1年・FC多摩)、足立唯真(1年・横浜FC JY)の3人を相次いで投入し、「チームをコントロールしていく中で、役割という意味では今日のゲームは彼を抜くと、チームに閉塞感が残ったままゲームが終わるんじゃないかなと思ったので、残しました」と竹中監督も言及した八木以外は、フィールドプレーヤーのスタメン全員をベンチメンバーと入れ替えます。
そして、ゲームを締めたのは唯一残った"スタメン組"。90+2分に右から町田が素晴らしいクロスを送ると、「本当にボールが良かったので胸トラして、思った所には止められなかったんですけどね」と振り返る八木は、すぐに置き位置を修正しながらエリア内からシュート。ボールはゴールネットへ飛び込みます。「彼は1ゴール1アシストじゃ足んないです」と指揮官は期待ゆえに辛口だったものの、八木のラストゴールでこのゲームは打ち止め。ゼルビアが4‐0というスコアで西が丘進出を決める結果となりました。


「まだチームとしてTリーグに向けた準備段階、いろいろなものを積み上げていく中では、選手自身が凄くストレスを感じるようなゲームだったんじゃないかなと。それは僕も含めて同じ感覚でいると思うので、また前向きに進みたいと思います」と竹中監督が話したように、決してスムーズに進められたゲームではなかったものの、終わってみれば4ゴールに加えて20人の選手がピッチに立つなど、一定の成果を90分の中で得たゼルビア。それでも、「蹴るだけになっちゃったり、イージーなミスとかが出ていたので、そこを次のゲームまでに改善したいです」と小山田は反省を口にするなど、選手たちも"同じ感覚"を有している様子。現在地と目指すものまでの距離はきっちり測れているようです。
試合後に竹中監督と話していた中で、この日の90分間でとりわけ印象に残った八木について尋ねると、「これはたぶん書いていただけると思うので、わざと話していますけど(笑)」と切り出しながら、「彼には本当にもっと高い所を求めたいんですけど、普段の生活や学校生活でもサッカーに必要な自己管理の所が非常におろそかになる子なので、そこをきちっと見直させているということと、そこが伴えば彼はもっと能力を生かせる子だと思っているので、そこに尽きると思います」と続けた言葉に滲む指揮官の期待。本人もその自覚はあるようで、「結構生活面でやらかしてきました(笑) いつもそういう所がもったいないんですよ。そこは絶対変えなきゃいけないですし、タケさんからも言われているので、やっていかないといけないです」とやや苦笑しながら、それでもきっぱりと決意を口に。彼の決意が続くのか、そしてそれはピッチでのプレーにどのような影響を与えていくかは、継続して見守っていく必要がありそうです。        土屋


東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会決勝リーグ FC東京U-18×FCトリプレッタユース(2019)

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0120kodaira.JPG2019年シーズンの幕開けは例年同様にこの大会から。FC東京U-18とFCトリプレッタユースが激突する、東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会決勝リーグのオープニングマッチは、おなじみの小平グラウンドです。
クラブユース選手権と高円宮杯チャンピオンシップの全国二冠を獲得した一昨年から一転、カップ戦の早期敗退にプレミアからの降格と、結果という意味では非常に悔しい1年を過ごした昨シーズンのFC東京U-18。迎えた今シーズンは中村忠監督がコーチから昇格した中で、「プリンスからプレミアに上がるのと、T1からプリンスに上がるのもそうですし、Jユースとクラブユースを優勝するという目標はみんなで掲げています」と宮田和純(2年・FC東京U-15深川)が口にした目標は全員の共通認識。「もちろんFC東京なので、リーグ戦だろうがトーナメントだろうが練習試合だろうが、一戦一戦すべて勝ちにこだわる中でどこまで行けるかと。そこは選手にこだわらせる所」と言い切る新指揮官の元、まずは新チームの初陣に向かいます。
クラブユース選手権とJユースカップの二大大会では全国切符獲得を逃し、T2リーグは奮闘しながらも6位とT1復帰には届かず、こちらも結果という意味では少し悔しいシーズンとなった昨年のFCトリプレッタユース。今シーズンのチームを「結構自分たちが1年の時から強い代と言われていて、中学年代の各チームから強い選手も集まっているので、そういう意味ではボールを回せると思いますし、見ていて楽しいサッカーは自分たちが目指しているサッカーです」と語ったのはキャプテンマークを託された芳山詩音(2年・FCトリプレッタJY)。カテゴリー的にJクラブとの対戦は限られているだけに、真剣にこの90分間へ挑みます。小平のゴール裏には、この日を楽しみに待っていた少なくない観衆が。注目の一戦は13時ジャストにキックオフされました。


立ち上がりからペースを掴んだのは「先制点を狙うという前提で入った」(大貫雅之監督)トリプレッタ。開始44秒でルーズボールを収めた山田真暉(2年・バディSC)がボレーで狙ったミドルはゴール右へ逸れたものの、ファーストチャンスに意欲を滲ませると、3分にも右から山田吾一(2年・Forza'02)が入れたFKに、突っ込んだ渡邊颯(2年・駒澤大学高)はわずかに届きませんでしたが、まずは勢いを前面に押し出します。
7分にはFC東京も右サイド、ゴールまで約25mの距離から金誠敏(2年・西東京朝鮮第一中)がFKを直接狙うも、枠の左へ外れると、9分は逆にトリプレッタにFKのチャンス。中央やや左、25m弱のFKに宇田川楓斗(2年・FC府中)がこちらも直接狙ったボールは壁にヒットするも、「初戦ということもあって、硬さもあったんですけど、試合の入りはチームとしてあまり良くなかったです」と小林里駆(2年・FC東京U-15むさし)も認めたように、続くトリプレッタの攻勢。
ところが、ワンチャンスで先制したのはホームチーム。11分にトリプレッタの右FKがシュートに至らなかった流れから、一気にFC東京のカウンターが発動。ボランチを務める常盤亨太(1年・FC東京U-15深川)のフィードから右サイドを抜け出した宮田は、「中を見たら自分を合わせて2対1の状況だったので、確実にと思って」中央へラストパス。走り込んできた横田俊希(2年・FC東京U-15むさし)が難なくゴールネットへボールを流し込みます。「ちょっと攻められた状態で、2本のパスのカウンターで1点取ったというのは凄く良かった」とは中村監督。劣勢のFC東京が1点をリードしました。
14分もFC東京。右サイドを駆け上がった森田慎吾(2年・FC東京U-15むさし)のクロスに、宮田が合わせたヘディングはクロスバーを越えたものの、流れの中からフィニッシュを取り切ると、20分には山田が蹴ったトリプレッタの左FKを、GKの高橋優仁(2年・FC東京U-15深川)がパンチングで回避。23分にも右サイドで得たFKを金が蹴り込み、こぼれを拾った木村誠二(2年・FC東京U-15深川)のクロスに、飛び込んだ大森理生(1年・FC東京U-15むさし)のヘディングはゴール左へ外れるも、少しずつFC東京に出てきた前へのパワー。
落ちなかったトリプレッタのメンタル。25分のセットプレーは左サイドで獲得したFK。山田が丁寧に蹴り込んだボールへ、突っ込んだ宇田川のヘディングは完璧な軌道を描いて、右スミのゴールネットへ吸い込まれます。「セットプレーは昨日も調整で練習していたので、あれは良い流れでしたね」と芳山も納得のデザインされたFKが見事成果に。スコアは振り出しに引き戻されました。
27分は追い付かれたFC東京。金の左FKが中央に入るも、反応した宮田はシュートまで持ち込めず。32分は勝ち越したいトリプレッタ。中盤から持ち運んだレフティの渡辺瑠偉(2年・FCトッカーノ)が左へ振り分け、山田が狙ったミドルは枠を越えるも好トライ。34分はFC東京。金の右FKに飛んだ木村のヘディングは、ヒットせずにゴール左へ。お互いに手数を繰り出しながら、窺うのは次の1点。
意外な形からの歓喜はアウェイチーム。37分に中盤でのパスワークから山田が左サイドへ付け、縦に運んだ渡辺は利き足の左足で鋭いクロスを送ると、ゴール方向へグングン伸びたボールはGKの頭上を破り、そのままネットへ飛び込みます。芳山も「2点目はマグレでしたね(笑)」と笑ったように"シュータリング"のような恰好でしたが、それを引き寄せたのは間違いなく失点にも折れなかったポジティブな意欲。トリプレッタが逆転に成功しました。
「立ち上がりから先に点は取ったけど、苦しい状況で内容も悪かった」(木村)上に、スコアを引っ繰り返されたFC東京。39分には右FKを金が放り込み、流れから木村が打ったヘディングは枠の上へ。42分に金が蹴った右FKはファーに流れ、拾った梅原翔瑠(1年・FC東京U-15むさし)のクロスはDFがきっちりクリア。45+1分に森田が入れた左CKも、トリプレッタのGK谷口丈士(2年・FCトリプレッタJY)がパンチングで回避。「失点した後にセットプレーで取れたのは大きかったかなと」(大貫監督)「前半は良い流れで終わったと思います」(芳山)。渡邊と矢口空哉(2年・K.Z.Vermeliho)のセンターバックコンビを中心に、守備もきっちり機能したトリプレッタが1点のアドバンテージを握って、最初の45分間は終了しました。


ハーフタイムに動いたのはFC東京。横田と梅原の両サイドハーフを下げて、青木友佑(1年・FC東京U-15深川)と湯本創也(2年・FC多摩)を投入し、「4‐2‐3‐1でうまく行っていなかったので、たぶん3‐4‐3に変えた方がウチの良さが出るかなという所で、それだけの話。気まぐれです」と中村監督も話したように、最終ラインに湯本、大森、木村が並び、ウイングバックは右に森田、左に上田浩大(1年・FC東京U-15むさし)、常盤と金のドイスボランチに、アタッカー陣は最前線へ宮田を頂き、青木と小林がその下に入る3-4-3で残された45分間に入ります。
すると、全体の距離感が近付いたことで、少しずつFC東京に長いボールより短いボールでのアタックが増加したのを見て、次は大貫監督が一手。「10分過ぎくらいまでは形を変えずにという所で、相手がロングフィードから下を使うようになってきて"てんやわんや"になったので、そこを潰すためにと、中盤は流動的に奪った後は出るヤツが出るというような形にシフトチェンジ」しようと、スタメン唯一の1年生だった高橋玄(1年・VERDY S.S.AJUNT)を馬越陽明(2年・FCトリプレッタJY)に替えて、中盤でのスペースケアを重視した布陣にシフトします。
そんな中で生まれたのは同点弾。60分に青木の仕掛けで得た右CK。金が左足で蹴り込んだキックがファーまで届くと、「一応マークはいたんですけど、うまく相手が外してくれて、当てるだけというゴールでした」と振り返る青木が頭でプッシュ。ボールはゴールネットを揺らします。「本当はスタメンで出たくて、メンバー発表の時に呼ばれなくて悔しかったのもあって、『途中から出たら絶対に点を取って、流れを変えてやろう』という気持ちで試合に入りました」という1年生ストライカーの貴重な一撃。再び両者の点差は霧散しました。
「2失点目をした時は、『連続失点しないように』と話していた」(芳山)トリプレッタはすぐさま反撃。61分の右CKを渡辺がグラウンダーで蹴り込むと、ニアに走った芳山がスルーで流し、その後ろに飛び込んだ宇田川がシュート。ここはDFのブロックに遭いましたが、引き寄せた3点目のチャンス。やり合う双方。展開もヒートアップ。
大事な大事な次の得点は青赤に64分。ここも前方を見た常盤が好フィードを縦に送ると、「マッチアップしていた選手がボールじゃなくて自分に来る人で、1回そこを剥がさなきゃいけなかったので」宮田は頭で持ち出しながら、少し運んでフィニッシュ。ボールは右ポストを直撃したものの、拾った小林の左足シュートは右スミのゴールネットをきっちり捉えます。「良い所に転がってきたので、落ち着いてしっかりと仕留められたと思いますし、素直にホッとしたというか、『結果を残すことができて良かったな』という想いが一番ありました」と笑顔を見せた7番のゴールで、FC東京が再逆転に成功しました。
畳み掛けたホームチーム。67分には高い位置でボールを奪い切ってのショートカウンターが発動されると、前を向いた小林は右へラストパス。「裏に抜けたのがあまり良い状態じゃなくて、角度もないとわかっていたので、『どうしようかな』と思って、打てる体勢まで持っていった」宮田が冷静にGKを外して流し込んだボールは、ゴールネットへ転がり込みます。「やっと後半は少し選手とかポジションも入れ替えて、躍動感が出てきましたね」とは中村監督。4-2。点差は2点に開きます。
「追い付かれた1点のダメージが残ったまま、結構押し込まれていたので、選手たちはキツかったかなというのはあります」と口にした大貫監督は、71分に2枚替え。山田と北原康太(2年・FC Consorte)を下げて、三谷深良惟(2年・FCトッカーノ)と松尾大暉(2年・FCトリプレッタJY)を送り込み、中盤の推進力向上に着手。71分はFC東京。森田のパスから、常盤が放ったミドルは谷口がキャッチ。73分はトリプレッタ。山田が右FKを蹴ると、三谷が競り勝ったボールはDFがクリア。78分は双方に交替が。トリプレッタは吉田和紗(2年・バンディオンセ神戸)が、FC東京は沼田航征(2年・FC東京U-15むさし)、久保征一郎(2年・太陽SC鹿児島U-15)、安田虎士朗(中学3年・FC東京U-15深川)が登場。ゲームは2点差のままで残り10分間とアディショナルタイムへ。
81分はFC東京。金の右FKは谷口が丁寧にキャッチ。83分はトリプレッタ。松尾の右CKはニアでDFがクリア。84分にはFC東京が6枚目と7枚目の交替として、GKの飯塚欣士(2年・前橋FC)と古屋颯眞(1年・FC東京U-15むさし)をピッチへ。88分のトリプレッタは5人目の交替として、津田啓吾(2年・INAC多摩川)がピッチへ。お互いに残されたカードを入れ替えながら、迎える最終盤。
90分はトリプレッタにセットプレーのチャンス。中央やや右、ゴールまで約20mの位置から宇田川が打ち込んだFKはカベに跳ね返り、こぼれを利き足とは逆で蹴った的井文謙(2年・川崎チャンプ)の右足ボレーは枠を越えると、これがこのゲームのラストシュート。90分には立川廉(1年・FC東京U-15深川)と谷地田陸人(2年・FC東京U-15深川)も投入してゲームをクローズしたFC東京が、新チームの初陣を勝利で飾る結果となりました。


「準備してきたものをぶつけられたかなと思います。年末も年明けも1回ずつヴェルディにやってもらったりとか、年末に韓国遠征に行って球際やファイトする部分も身に付けて、そういう部分は出たかなと。ただ、それ以上に形だったり技術だったりが引き伸ばせないと、勝ちには持ってかせてくれないなという感じですね」と悔しそうに語ったのは大貫監督。その中でも「自分たちでボールを持つこともできましたし、マイボールの時間を創れたり、耐える時間で耐えられたというのは結構自信になりました」と芳山も口にしたような一定の自信を、この90分間で掴んだ様子はゲーム後のチームから窺えました。「ちょっと悔しくて面白いコメントは言えないですけど」と笑った指揮官が「新チームの次の3年生が結構何でも言い合えて、層も厚くて元気なので、本当にここからの取り組み次第で大きな飛躍は期待したいなと思ってます」と続ければ、「今年は結構みんなの個が強くて、まとめるのも大変なんですけど(笑)、みんなサッカーに対してマジメで向上心もあるので、逆にそれがうまくまとまれば本当に良いチームになれると思いますし、良い雰囲気を創れたら今日の前半みたいな良いゲームができると思います」と芳山もきっぱり。新生トリプレッタにも大いに期待したいですね。
「結果的には後半の立ち上がりから30分くらいは、ある意味でウチらしいサッカーができましたけど、それ以外の部分では緊張があったり、硬くてミスが起こったり、僕自身も落ち着いてゲームを見れなかったりとか、いろいろな要素があったので難しい試合になった中で、選手はよく頑張ったかなと思います」と中村監督も話したFC東京は、ややヒヤヒヤの初陣となった印象ですが、勝利という結果を得たことは重要なポイント。その指揮官も「『育成だから』ということは考えてますよ。この選手はこういう所で可能性があるとか、こういうふうにさせた方がもっとこういうことができるようになるんじゃないかなと、そういうことを考えるのは僕らの仕事。でも、子供たちにしてみれば全部勝つか負けるかというのを、今年でやっていかなくちゃなって。結局勝つ意欲が低い選手はプロになれないし、なったとしても通用しないので、内容とかそういうのを考えるのは僕らの仕事で、選手にはやっぱり勝ちにこだわる姿勢は求めていて、そういう意味で勝って終わったというのは選手が素晴らしかったと思います」と話したあたりが、改めて今シーズンのチームの根幹なのかなと。
「僕のFC東京は『スゲーな』っていうイメージ。ヴェルディにいた時は『上手いな』って選手が多かったんですよ。でも、結局『上手いな』ってだけのヤツはプロになっても長く続いていないんですよ。やっぱり『スゲーな』って選手が生き残っているので、それはもうチームが変わっても一緒で、特にFC東京なんかは『スゲーな』ってヤツが生き残っていかないと。『スゲーな』っていうのは上手くて戦えるとか、上手くて走れるとか、上手くて気持ちがあるとか、そういう部分だと思うので、バランスを取りながらやっていければなと思っています」という中村監督の熱量と、選手たちの上を目指す気持ちが溶け合って、どれだけ『スゲーな』と言いたくなる選手が出てくるかが、2019年度のFC東京U-18を測る上で1つの指針になりそうな気がしています。        土屋


高校選手権1回戦 国士舘×米子北 試合後の国士舘・丸山龍基、柳陽哉、田中壮太、村崎海斗、井上優太、莊原聡、長谷川翔コメント

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駒沢陸上競技場で行われた
第97回高等学校サッカー選手権大会1回戦の
国士舘高校×米子北高校は
0-1で米子北高校が勝ちました。
以下、試合後のミックスゾーンにおける
国士舘・丸山龍基、柳陽哉、田中壮太、村崎海斗、
井上優太、莊原聡、長谷川翔のコメントです。


(国士舘・丸山龍基)
Q:今日はいつものフォワード起用ではなかったですね。


A:そうですね。自分は左利きなので、キック精度が良いということを言われていて、田中壮太にクロスを上げる感じだったんですけど、あまり攻撃のシーンもなくて、今日はあまり良くなかったですね。


Q:相手は寄せてくる圧力も含めて、少し今までの相手とは違いましたか?


A:そうですね。「プレーのスピード感が全然違うな」と思って、東京ではファウルを見てくれる所も、あまり吹いてもらえなかったりとか、「基準も全然違うな」と思って、そういう所は感じましたね。


Q:セットプレーのチャンスは結構ありましたね。


A:そうですね。CKも自分が蹴った中では3本と、FKも自分が蹴ったのが2本くらいあったんですけど、やっぱりそういう所で点を取れないと勝てないですよね。あまりチャンスも多くないので。


Q:それは全国の違いみたいなものを感じたということですか?


A:はい。1次予選を含めて8試合全部で先制点を取って勝ってきたチームなので、先制点を取られる経験も自分たちはあまりなくて、しかも早い時間に取られちゃったので、それが痛手でした。


Q:なかなか攻撃の形も創らせてくれなかったですね。


A:創る前にプレッシャーを掛けられて、潰されてというのがほとんどだったので、そういう所は「プレミアでやってるチームなんだな」みたいに思いました。


Q:上野監督は「丸山が相手にダメージを与えていたから、交替した選手たちが活躍できた」と言っていましたが、そのあたりはどうでしたか?


A:自分も本当はフォワードをやっていた時はドリブルもしたいし、シュートも打ちたいとは思っていたんですけど、チームのためということを考えたら、自分の身体能力と利き足と足の速さを考えて、ちょっとでも相手を嫌がらせるとか、相手にダメージを与えるとか、嫌な印象を付けて潰れるという感じで、次に繋げていければなとは思っていました。


Q:実際に立ってみた全国の舞台はどうでしたか?


A:決まった時はあまり実感もなかったんですけど、開会式でいろいろな強いチームを見ると、やっぱり「全国に来たんだなあ」と思いました。4000校以上の中から、48校に入って全国に出られるというのは凄く幸せだし、光栄なことだなというふうに改めて思いました。


Q:今日は楽しかったですか?


A:楽しかったです。人間的にも凄く良い経験ができましたし、これからサッカーを続けるつもりでいるので、そういう所でも全国レベルで試合ができたというのは大きな経験で、良い想いをさせてもらえて嬉しかったです。


(国士舘・柳陽哉)
Q:今日のゲームはどうでしたか?


A:監督から言われていたのは、ボランチとセンターバックの間でボールは意外と受けられると。それはビデオを見てもわかっていたんですけど、なかなか相手のプレッシャーも思った以上に速くて、ミーティングでやっていた通りには行かなくて、苦しい時間がずっと続いていました。先に失点した後は、フォワードに壮太がいるので、ポイントも良い形も創れていたんですけど、自分もフォワードなので点を取れなくて悔しいです。


Q:相手のプレッシャーも含めた圧力は、東京では感じたことのないレベルでしたか?


A:本当に感じたことのないようなレベルでした。練習試合で流経とかはやっていたんですけど、本番と練習試合だと違ったプレッシャーもあるので、相手はプレミアでやっているだけあって、そこはさすがだなと思いました。


Q:セットプレーからはチャンスを創れましたね。


A:チャンスはセットプレーからかなって、自分も試合の中で思っていましたし、逆に相手も何回かセットプレーのパターンがあって、結構掴みづらかったです。


Q:ちょっと交替は早かったなという印象ですか?


A:早かったです。自分も右サイドでやりたかったというのもあったので。右サイドでの方が仕掛けられますし、もうちょっと出たかったですけど、本当に控えの選手でも(井上)優太だったり、福田だったり、本当にスタメンで出ていい選手なので、そこの部分は仕方ないなと思います。


Q:全国に出るチームで、10番を背負ったことについてはどうでしたか?


A:自分はあまり10番というのは気にしなかったですけど、個人的に選手権は予選から結果を出していなかったので、「全国で点を取りたいな」とは思っていました。結果は出なかったんですけどね(笑)


Q:こういう素晴らしいスタジアムで、最後に試合ができたことに関してはどうですか?


A:本当に嬉しいですし、これからもサッカーをやっていくので、良い経験をさせてもらったなと。この仲間と選手権に出られたことが、本当に一番嬉しかったです。


Q:今年の3年生はどういう3年生なんですか?


A:もうヤンチャというか、問題ばっかり起こしていたんですけど(笑)、他の学年以上に一致団結する場面が体育祭とかそういうイベントでもあって、本当にみんな仲が良いので、そういう所でサッカー面も含めて1つになれる所もあって、本当に良い学年だなと思います。


(国士舘・田中壮太)
Q:ゲーム自体の印象はどうでしたか?


A:結構裏に蹴ってくるチームだったので、押し込まれる時間もあったんですけど、自分もチャンスはあったので、そこを決め切れなかったのがダメだったと思います。


Q:田中くんをターゲットで使うチームの意識は見えましたが、そのあたりはどうでしたか?


A:自分が基点になって、ロングボールも競って、そのこぼれとかを狙う感じでやっていて、クロスも簡単に上げる意図でやっていました。


Q:前半のFKに合わせたヘディングは惜しかったですね。


A:ちょっとだけ当て過ぎちゃって、悔いが残ります。もっとかするイメージだったんですけど、当て過ぎて「ヤバイな」と思いました(笑)


Q:後半も1本終盤にチャンスがありましたね。


A:キーパーが出てきて、あまりコースもなかったんですけど、「決めれるかな」と思って蹴ったら、キーパーに当たっちゃいました。


Q:全国の舞台でスタメンというのは、個人的にも意気に感じる部分があったんじゃないですか?


A:はい。大学でもサッカーをやるので、そこに繋げられればなと思います。


Q:実際に立ってみた全国のピッチはどうでしたか?


A:緊張というよりは楽しみの方が大きくて、「点を決めたいな」と思っていたんですけど、それはできなかったです。


Q:もともとセンターバックをやっていたんですよね?


A:はい。2年生の途中まではセンターバックで、インターハイの終わりぐらいにフォワードになってそれからです。でも、フォワードは点が取れるし、楽しんでできますし、やりがいがあります。


Q:今日の田中くんはスタートからでしたけど、今年のチームは田中くんも含めて、交替選手の役割が効いてましたね。


A:福田とか井上とか莊原とかがスピードがあって、リズムや流れを変えられる選手たちが多くいるので、そこでギアが上がって、攻められるみたいな感じはありました。


Q:国士舘での時間はどういう3年間でしたか?


A:今年の最初は試合に出られていたのに、途中で出れなくなって、ツラい時期もありましたけど、福田とか井上とかと一緒に腐らず努力して、最後に自分はスタメンとして出られて、本当に良かったです。でも、やっぱり勝ちたかったです。


(国士舘・村崎海斗)
Q:最後の最後で登場した感じでしたが、今日のゲームはどうでしたか?


A:0-1で負けていて、自分が入ってからは3バックで、長いボールを放り込んで壮太に当てようというのは監督からの指示だったんですけど、自分的にもそんなに良いプレーはできずに終わってしまったので悔しいです。予選とかもTリーグとかも自分はスタメンで出れていて、全国に行って出られなくなっちゃったので、そこも悔しいという想いが一番強いですね。ケガではなくて普通にスタメンを外れてしまって、1回腐っちゃった時期はあったんですけど、それを乗り越えて「よし、頑張ろう」と思っていたのに、結局スタメンでは出れなくて。でも、「途中から出たら仕事をしてやろう」と思ったんですけど、できなかったですね。


Q:他にもレギュラーだったけど、ベンチに回った選手たちがいて、彼らも真摯に頑張っていたと思うんですけど、そういう彼らの影響もあったでしょうか?


A:そういう友だちの影響は結構あって、(長島)佑仁は同じくらいの頃にスタメンを外れちゃって、でも、2人で「頑張ろう」という話はしていました。


Q:最後に全国のピッチに立てたこと自体はどうでしたか?


A:ピッチに立ちたいという気持ちは強かったので、5分くらいしか出ていないですけど、お母さんもおじいちゃんも見に来てくれていたので、ちょっとは良い所を見せられたのかなと思いますね。


Q:国士舘での3年間はどうでしたか?


A:自分はAチームに入れたのも3年生からで、ずっとBチームでやっていましたし、中体連出身なんですけど、入学当初はまさかAでスタメンを張れるなんて思ってなかったんです。でも、人間的にも成長できたので、国士舘に来て良かったなと思いました。


Q:3年生は楽しそうなメンバーでしたね(笑)


A:はい。本当にみんな明るいですよ。みんな仲良くて、本当にまとまっているというか、一体感が凄くありますね。ハメを外しちゃうことも多いんですけど(笑)、みんなで全国に出られたので良かったです。本当に楽しかったです。


(国士舘・井上優太)
Q:今日のゲームを振り返ってもらえますか?


A:本当は後半の立ち上がりから行くって言われてたんですけど、流れ的に15分くらい経ってから出て、自分的には結構良かったです。実は本当はスタメンのはずだったんですけど、外されちゃってマジで悔しくて、出たらそれが最後かもしれないので、全力でやろうと思っていました。良いプレーができたので悔いはないです。


Q:今年は途中から出た選手が流れを変えることが多かったと思うんですけど、そのあたりで自分の役割の整理はどうでしたか?


A:自分はパスを回せると言われているので、ゲームがバンバン蹴り合う感じたった所を落ち着かせるみたいな役割もありますし、「流れを変えろ」ともよく言われていて、自分は2年生からAチームで、T1昇格を決めた試合でたまたま0-1で負けていて、自分が出て流れが変わって、点を決めて1-1で引き分けた試合があって、去年からずっと流れを変えられると言われる中で、スタメンで出ていたんですけど、「チームのためにサブに回ってくれ」と言われて、そういった流れを変えるプレーや、ボールを落ち着かせるプレーが自分の役割かなと思っています。


Q:福田くんが「もともとスタメンで出てたのにサブに回って、ふてくされたこともあったけど、チームのためにという気持ちになった」と言っていましたが、井上くんもそういう所はありましたか?


A:インターハイで負けた日からスタメンを外されて、選手権予選の1回戦で取り返したんですけど、流れを変えられるタイプがあまりいないので、「自分が先に出ちゃうと流れを変えられなくなる」と、「調子は良いんだけど」と言われて、本当に1週間くらいふてくされてしまって。でも、負けたら終わりですし、勝てばそれがいいと言われるので、「自分は何をしていればいいのか」という感じでやっていたので、一番苦しい時期でしたね。だから、その頃はチームのためもありますけど、親のためとかいろいろな人の想いもあって、「やらなきゃな」って感じました。


Q:全国の舞台で高校サッカーを締め括れて良かったですね。


A:良かったです。選手権に出れるなんてあんまり考えてもいなくて、正直西が丘を目標にしていて、そのあたりで負ける可能性もあったのに、本当に良い形で終われたのかなと思います。


Q:全国のピッチはどうでしたか?


A:いや、意外と身近にある感覚があって。でも、一番は楽しかったです。今日の最後は泣くかなと思ったんですけど、楽し過ぎて「なんか終わっちゃったな」みたいな。今日はずっと楽しかったですね。気持ち良かったです。ただ、入場がカッコ良かったので、それをスタメンでやりたかったなというのはあるんですけど、自分的にはプレーも良かったので楽しかったですし、たぶん大学でサッカーはやらないので、一番良い終わり方かなと思います。


(国士舘・莊原聡)
Q:だいぶ流れを変える活躍ができたんじゃないですか?


A:はい。正直交替の1番目に出ると思っていなくて、自分自身ビックリで、試合に出る前は監督から「オマエが流れを変えろ」とも言われたので、そこは役割を果たせたんじゃないかなと思います。


Q:何回も鋭い突破があって、スタンドが沸いてましたね。


A:自分は突破が得意というのもあったので、そこはうまくできたんじゃないかなと思います。


Q:実際に立ってみた全国のピッチはどうでしたか?


A:自分は正直Tリーグとか出ていなかったんですけど、いきなり選手権の予選に出て、そこで勝って、今は全国の舞台で出させてもらったのは凄く幸せですし、良い経験ですし、凄く財産になりますね。


Q:応援も凄かったですね。


A:本当に凄かったですし、個人の応援も聞こえたので、それも凄く自分の力になって「頑張らなきゃな」というのは試合中にも思いました。


Q:チームとして全国まで辿り着けたということに関しては、どういう想いがありますか?


A:やっぱり戦ってきた相手の気持ちも背負っていたというのは、チームの中でも口にしていたので、それも含めて凄く良い経験ができたなと思います。


Q:この大会は途中出場の選手が流れを変えていく中で、そういう役割を自分が担っている想いはありましたか?


A:はい。それは凄く実感していました。そういう役割を持たせてもらったことに、凄く感謝しています。


Q:良い3年間でしたか?


A:凄く良い3年間でした。凄く楽しかったです。


(国士舘・長谷川翔)
Q:今日のゲームはどうでしたか?


A:やっぱりプレミアって感じはしましたね。佐野海舟とか葉間田とか個々も上手くて、チーム全体でこの選手権に懸けているなという想いが、自分たちより強いなと感じました。


Q:最初の失点が全体に与えた影響も大きかったですか?


A:そうですね。最初がもったいなかったと思います。それがなければ自分たちも焦らずに、その後のゲーム展開もできたかなと思うんですけど、最初の失点で気持ち的にもやられたかなと思いますね。


Q:相手の中盤のプレッシャーは感じましたか?


A:そうですね。背負って受けたら、もう相手が後ろにいるみたいな状態で、本当にプレッシャーも速くて、あまりボールにも関われずに終わってしまったので、そこは悔しいですね。


Q:セットプレーのチャンスは結構ありましたね。


A:そうですね。あったんですけど、相手のキーパーも結構飛び出してきて、良いキーバーだったかなと思います。先に触られることも多くて、もう読んでるみたいな感じで出てきて。セットプレーで点を取りたかったですね。


Q:どういう所に相手との差を一番感じましたか?


A:絶対失点はしない、みたいな。とりあえず前でプレーするという部分では、相手の方が上回っていたかなと思います。もうちょっと下で繋いでくるかなと思ったんですけど、前に飛ばされちゃいましたね。


Q:実際にプレーした選手権の全国はどういうステージでしたか?


A:東京の決勝とは違って、観客の数とか、国士舘の応援の人の多さとかも違って、やっぱり選手権の全国大会は違うなと思いましたね。


Q:応援も凄かったですね。


A:そうですね。苦しい時もあったんですけど、応援してくれる人たちを見たら勇気付けられて、「やらなきゃな」って、「勝たなきゃ」って思って、自分を奮い立たせていましたね。


Q:キャプテンという立場は大変でしたか?


A:そうですね(笑) こんなうるさいヤツらばっかりの学年はあまりないと思うので、自分はまとめられたというか、そのまんまみたいな、監督が自由に解放してくれたみたいな感じなので、そこはあまりまとめてもないですし、自分も逆にちょっとふざけてた部分もありましたから(笑)


Q:振り返ってみると、国士舘での3年間はどういう時間でしたか?


A:一番はやっぱり楽しかったなって。この仲間と3年間続けられて良かったなと思います。憧れていた舞台でみんなとピッチに立ってサッカーできたので、そこは人生の中で最高の思い出になったと思います。楽しかったです!


以上です。


土屋