関東大会予選東京準々決勝 都立狛江×大成@駒沢第2

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0421komazawa2.JPG揃って昨年度の選手権予選で西が丘のピッチを踏んだ強豪を退けてのベスト8進出。都立狛江と大成が激突するフレッシュな準々決勝は、引き続き駒沢第2球技場です。
「結構一体感があった代」と長山拓郎監督が評した昨シーズンも、インターハイ予選は1次トーナメント決勝で東海大高輪台に0-2、選手権予選もブロックベスト16で都立東久留米総合に1-2で惜敗するなど、好チームを創り上げていた都立狛江。迎えた新チームは新人戦で地区準優勝を手にして関東大会予選への進出権を手にすると、今大会は初戦で東海大菅生を延長戦の末にウノゼロで振り切ると、駒込にもウノゼロで勝ち切ってクォーターファイナルへ。「相手より走るっていうのはテーマ」とはキャプテンの安藤貴大(3年・東京小山FC)。全員で走り切る覚悟を持ってこの一戦へ挑みます。
関東大会予選は初戦で実践学園と延長までもつれ込みながら0-2、インターハイ予選は成立学園に1-2、シーズン総決算の選手権予選も結果的に優勝する実践学園に0-1と、いずれも難敵相手の惜敗を突き付けられた昨年の大成。ただ、第7地区の新人戦王者として臨んだ今大会は、多摩大目黒に1-0で競り勝ち、先週の2回戦では國學院久我山を2-0で下して、この準々決勝まで。近年の実績を考えれば一気にブレイクスルーを狙う意味でも、重要な80分間へ向かいます。駒沢はもはや真夏を思わせるような厳しい陽射し。楽しみな準々決勝は大成のキックオフでスタートしました。


「耐える試合だと思って今日は来ました」と狛江のセンターバックを託された曲木雄吉(3年・世田谷尾山台中)が話したように、基本は大成が攻めて、狛江が守る構図。7分には狛江も左サイドバックを務めるレフティの安藤がFKを蹴り込むも、大成のGK柴田憲伸(3年・府ロクJY)にキャッチされると、11分は大成にチャンス。バイタルで前を向いた風岡信哉(3年・和光ユナイテッド川崎)の左足シュートはゴール右へ外れましたが、あわやというシーンを創出します。
以降もボールは大成が動かす中で、「ゴールの前だけはきちっと守るという所は意識できたんじゃないかなと思います」と長山監督も話した狛江は右から伊藤潤(2年・コンフィアール町田)、奥村直木(2年・世田谷梅丘中)、曲木、安藤で組んだ4バックと、アンカー気味に構える勝見明也(3年・緑山SC)を中心に、きっちり築く堅陣。23分には大成も右サイドを抜け出した阪口駿(2年・あきる野東中)が枠内シュートを放つも、狛江のGK八木下悠太(3年・町田小山中)がファインセーブで回避。「リスク管理だけは絶対に徹底して、1メートルでも良い位置にいようとは言っていました」とは曲木。前半はスコア動かず。0-0で40分間が終了しました。


後半もファーストチャンスは大成。42分にセンターバックの佐藤イライジャ(2年・FC.GRORIA)を起点に、杉田健(2年・三菱養和調布JY)が左へスルーパスを送ると、風岡のシュートチャンスは奥村が果敢なタックルで阻止。44分は狛江にもチャンス。左サイドでボールを持った神山範佳(3年・町田木曽中)が1人外してラストパス。ここは秋本恭平(3年・町田木曽中)は反応しきれなかったものの、悪くないトライ。「ビルドアップもしたいし、崩しの練習もしている」と指揮官も話したトレーニングの一端が垣間見えます。
49分は大成。阪口のパスから大石勇冴(2年・FC多摩)が左サイドを崩して上げたクロスは、八木下ががっちりキャッチ。51分も大成。柴田のキックに風岡が抜け出すも、八木下は思い切り良く飛び出しキャッチ。59分は狛江。右サイドを運んだ櫻井拓実(2年・ルキノSC)がクロスを上げ切り、こぼれに反応した新井湧大(3年・調布FC)のシュートはDFにブロックされたものの、サイドアタックからフィニッシュまで。それでも、今西奏真(2年・府ロクJY)、佐藤、金井渉(2年・FC多摩)、山梨雄也(3年・Forza'02)の4バックで構成された、2年生中心の大成ディフェンスは崩れる気配なし。
59分は狛江に1人目の交替。櫻井拓実に替えて、前原龍太郎(3年・世田谷FC)を投入。60分は大成も1人目の交替。中盤センターの原統哉(3年・FC府中)を下げて、宮田龍弥(3年・東久留米下里中)をピッチへ送り込むと、直後にはルーレットで左サイドを切り裂いた風岡がシュートを打ち切るも、八木下がファインセーブで応酬。67分も大成。レフティの宮脇茂夫(2年・練馬三原台中)が右FKを蹴り入れ、ニアに佐藤が飛び込むも奥村が寄せ切り、八木下がキャッチ。69分は狛江に2人目の交替。前線で攻守に奮闘した小野達矢(3年・世田谷砧中)と山本由稀(3年・コンフィアール町田)を入れ替え、さらなる攻撃への意欲も。ゲームは70分を経過。いよいよ熱戦も最終盤へ。
71分は大成。右からカットインしながら阪口が放ったシュートは枠の上へ。72分に大成が切った2枚目のカード。大石と平川優大(2年・調布第八中)をスイッチして、取り切りたい最初のゴール。73分も大成。入ったばかりの平川が右からクロスを放り込み、風岡が粘って打ったシュートはゴール左へ。79分は狛江。曲木の好フィードから、前原がエリア内でGKともつれて倒れるも、主審はノーホイッスル。直後の79分も狛江。「長山先生に『一番後ろから一番前まで駆け上がれるくらいの選手になれ』って言われた」という安藤が、この時間帯に左サイドを駆け上がってクロスを上げ切るも、突っ込んだ山本はわずかに届かず。
80+3分に神山と長谷川和磨(3年・町田薬師中)を3人目の交替として入れ替え、勝負に出た狛江は80+4分に曲木のFKから、安藤がクロスを上げるも、大成DFが掻き出してCKへ。そのCKを左から秋本が蹴り込むもシュートには至らず、駒沢のピッチには後半終了を告げるホイッスルが。「1対1だったら相手の方がうまいので勝てないんですけど、人数が多ければ勝てるのでそれを意識してやっていました」とは安藤。両雄譲らず。勝敗の行方は前後半10分ずつの延長戦へもつれ込みます。


大成のキックオフでスタートした延長。86分は狛江のチャンス。前原、秋本とボールが回り、上がった安藤の左クロスは柴田がキャッチ。90分は大成。平川が右へ流し、今西がグラウンダーで入れたクロスは八木下がニアで丁寧にキャッチ。延長後半スタートから大成は風岡と児島進之介(3年・府ロクJY)をスイッチして、右に平川、左に阪口、1.5列目に山本、最前線に児島とアタッカー陣を並べ替え。いよいよ勝負は正真正銘最後の10分間へ。
94分は大成。阪口の左スローインから、反転して運んだ児島はフィニッシュを取り切れず。98分も大成。宮田の右クロスから、粘って収めた平川のミドルはDFをかすめてクロスバーの上へ。その右CKを宮脇が蹴り込むも、ファーへ流れてゴールキックに。100分も大成。杉田の左CKを八木下がキャッチすると、駒澤の青空へ吸い込まれたファイナルホイッスル。0-0。準決勝進出の切符はPK戦で奪い合うことになりました。


先攻となった大成1人目の山本はGKの逆を突いて左スミへグサリ。後攻の狛江1人目は安藤。「もともと右って決めてたので、そこは自信を持って蹴りました」というキャプテンのキックは柴田もよく触りましたが、ボールの勢いが勝って何とか成功。大成2人目の阪口はGKの飛んだ方向と同じ右へ蹴り込むも、コース良く成功。狛江2人目の新井はGKの読みとは反対の右スミへ成功。2-2。PK戦でもその差は付きません。
大成3人目の宮脇は右ポストの内側に当てながらも、タイミングを含めて完璧なキックで成功。狛江3人目の山本もGKを飛ばしたパーフェクトなキックを中央やや右寄りへ。大成は4人目にGKの柴田が出てくると、八木下の飛んだ逆の左スミへ成功。狛江4人目の曲木が左へ蹴ったキックは、GKも飛び付くも「気持ちが強いのが武器」というだけあってきっちり成功。4-4。ここでも両雄は譲らずに運命のラストキッカーへ。
大成5人目のキッカーが左スミを狙うと、同じ方向に舞った八木下はワンハンドでボールを掻き出すビッグセーブ。「こっちが全員決めたらいつか、という感じでした」とは安藤。守護神の大仕事。訪れた破調。そして狛江5人目のキッカーは途中出場の前原。短い助走から右に蹴り込んだボールは、飛び付いたGKのわずかに指先を通過し、ゴールネットへ到達します。「これは奇跡ですね」と笑ったのは長山監督。PK戦を制した狛江が東京4強へ名乗りを上げる結果となりました。


「ウチはやっぱり普通の都立高校なので、とにかく粘り強く。コイツらは本当に毎日練習しているし、毎日朝練もしているし、『学校生活もしっかりやれよ。サッカーだけじゃないんだ』ということで、厳しい練習というよりは、厳しい私生活を送っているんです。『そういうのが最後の最後の所で勝負を決めるんだよ』と言い続けているので、そういう意味で結果と繋がっているのかなって思います」と長山監督も語った狛江。その"厳しい私生活"は、とりわけ守備の粘り強さに結び付いている印象も。「狛江高校は技術とかでT1やT2のチームに劣っている所はあると思うんですけど、やっぱり耐える力というのはどこのチームにも負けていないかなと思います。そこが一番頑張りたかった所ですね」とう曲木を筆頭に、最後の最後で耐える力は特筆モノ。3試合で無失点という守備力は、強豪相手にも十分通用する武器になり得るレベルであることは間違いありません。次の相手は王者・関東第一。「まだ選手権じゃないので、良い経験だと思うので、楽しんで思い切りやりたいと思います」と安藤が話せば、「技術ではカンイチの方が絶対高いから、耐えて、耐えて、耐えて、最後はPKでもいいから耐える力だけは勝って、最後まで耐えて、誰かが1点決めてくれればそれでいいし、僕は耐えて、耐えて、チームを盛り上げて勝ちたいです」とは曲木。東京の春を彩る狛江の挑戦はまだまだ続きます。        土屋


関東大会予選東京準々決勝 関東第一×駒澤大学高@駒沢第2

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0421komazawa1.JPGここ数年における都内のタイトルを分け合ってきたと言っても差し支えない強豪対決。関東第一と駒澤大学高のクォーターファイナルは駒沢第2球技場です。
一昨年のインターハイ予選を皮切りに、現在都内のトーナメントコンペティションは5大会連続制覇中。その勝負強さに一層磨きが掛かってきている関東第一。迎えた今大会も初戦で都立江北を5-1で退けると、先週の2回戦も都立東大和南に1-0で競り勝って、このステージまで。「去年は東京三冠を獲ったんですけど、リーグ戦は獲れなかったので、今年は"四冠"を獲りたいです」とはストライカーの池田健太(3年・VIVAIO船橋)。関東大会の出場権獲得に王手を懸けるべく、難敵相手の90分間へ向かいます。
「去年1年間で『優勝するというのは簡単じゃないな』というのは思いました」と大野祥司監督が話したように、なかなか思うような結果が付いてこなかった昨シーズンの駒澤大学高。今シーズンはT1リーグで成立学園に勝利し、國學院久我山と引き分ける上々のスタートを切ると、今大会も都立調布南を3-0、東京朝鮮を1-0で下してクォーターファイナルへ。「関東予選で結果を出せばインハイも選手権も少し楽になってくるので、まずは目の前の関東大会をみんなで意識してやっていきたいと思います」とはキャプテンマークを巻く齋藤我空(3年・Forza'02)。ディフェンディングチャンピオン相手に臆するつもりは毛頭ありません。注目の好カードに駒沢第2のスタンドには少なくない観衆が。ビッグマッチは駒澤のキックオフでスタートしました。


スタートから勢いを持ってゲームに入ったのは駒澤。開始早々に左からサイドバックの島田竜汰(3年・川崎チャンプ)がロングスローを投げ込み、これはDFのクリアに遭ったものの、2分にも保科一生(3年・東京久留米FC U-15)がミドルレンジから枠内シュートを打ち込むと、関東第一の絶対的守護神・北村海チディ(3年・GRANDE FC)がファインセーブで応酬するも、あわやというシーンを。直後の3分にも左から小林蒼太(2年・Forza'02)がCKを蹴り入れ、北村がパンチングで掻き出したボールを、保科が合わせたシュートは枠の左へ外れましたが、「2分30秒で相手のペースになったので、『早過ぎるだろ!』と思いました」とは関東第一の小野貴裕監督。駒澤が攻勢に打って出ます。
12分も駒澤。島田の左ロングスローを長身フォワードの池間敦也(3年・宮古島平良中)がすらすも、北村がしっかりキャッチ。19分はようやく関東第一にチャンス。ボランチの大井航太(2年・VIVAIO船橋)が獲得した左FKを小関陽星(3年・町田JFC)が蹴るも、駒澤のGK宮崎雅崇(3年・Wings U-15)がキャッチ。21分は駒澤に決定機。江藤惇裕(3年・坂戸ディプロマッツ)の右CKを稲井宏樹(3年・FC駒沢)が残すと、涌井蓮(3年・国立第一中)のシュートはクロスバーに跳ね返り、こぼれを拾った保科のシュートは北村がファインセーブ。直後に江藤が蹴った右CKから、ここも保科が枠へ収めたシュートは再び北村がビッグセーブ。北村の強烈な存在感でスコアこそ動かなかったものの、「昨日調子が良かったので使ったんですけどね」と大野監督も言及した保科が漂わせる先制点の香り。
27分も駒澤。右サイドバックの山田英夫(3年・三菱養和調布JY)を起点に江藤が上げたクロスへ、ニアに突っ込んだ保科のシュートはゴール右へ外れると、30分は関東第一にアクシデント。右サイドバックに入った田中大生(2年・横浜FC JY)のプレー続行が難しくなり、早くも田中颯(3年・横浜F・マリノスJY追浜)と交替。36分も駒澤。小林蒼太の左クロスから、ルーズボールに飛び付いた池間のヘディングは北村がキャッチ。関東第一も37分、39分と続けてCKを手にするも、フィニッシュには繋がらず。「さすがに駒高相手に1年が2人ディフェンスラインにいて大変だよなと。勝負は後半だと思っていたので、前半はちょっと我慢させておいた」とは小野監督。駒澤がゲームリズムを掌握した前半は、右から田中颯、菅原涼太(1年・SCH FC)、山脇樺織(3年・東急SレイエスFC)、弓氣田葵(1年・ジェフユナイテッド千葉U-15)で組んだ関東第一のディフェンスラインが粘りを見せ、スコアレスでハーフタイムに入りました。


後半のファーストチャンスは関東第一。44分に前を向いた加藤陽介(3年・VIVAIO船橋)はスルーパス。抜け出し掛けた池田のシュートはDFにブロックされたものの、前半からキープにプレスに獅子奮迅の活躍を見せていた池田が、一瞬で駒澤ディフェンス突き付けた鋭い刃。直後に岡田琉空(2年・FC多摩)が入れた右CKは池間にクリアされましたが、悪くない格好で関東第一の後半は立ち上がります。
46分は駒澤に1人目の交替。前半の攻撃を牽引した池間に替えて、羽鳥陽祐(3年・フレンドリー)をそのまま最前線へ。51分は関東第一に2人目の交替。右サイドハーフの貝瀬敦(2年・田口FA)を下げて、「プレー以外でもチームの盛り上げ役として引っ張っていきたい」と意気込む古宇田旭(3年・横浜F・マリノスJY追浜)がピッチへ。52分は駒澤。保科が右のハイサイドへ落とし、江藤のクロスから羽鳥が叩いたシュートはDFがブロック。56分も駒澤。島田の左ロングスローに羽鳥が競り勝つも、北村が丁寧にキャッチ。駒澤が取り戻す前への圧力。
小野監督が57分に切った3枚目のカードは、都立江北戦で2ゴールを決めているルーキーの笠井佳祐(1年・VIVAIO船橋)。58分は駒澤。山田の右ロングスローから、島田の左クロスに羽鳥が合わせたヘディングはゴール右へ。60分も駒澤。保科を起点に山田が右へ振り分け、江藤のクロスは関東第一のディフェンスリーダー山脇が懸命にクリア。保科と小林泰晟(2年・FCクラッキス松戸)をスイッチした交替を挟み、61分にも小林蒼太の右CKから齋藤はドンピシャヘッドも、北村ががっちりキャッチ。やや駒澤ペースで推移していくゲームが、ようやく動いたのはその2分後。
63分にここも池田が収めて前を向き、左に開いた笠井が縦へ流したボールを、一気に加速した加藤はサイドをえぐり切ってマイナス気味に中へ。「加藤が良い感じにえぐって、『クロスを上げ切るだろうな』と思っていたし、池田がニアに走って潰れてくれたので、『かぶらないようにファーでしっかり残って待っていようかな』というイメージで」パスを受けた古宇田は、冷静にボールをゴールネットへ流し込みます。「最初ベンチスタートだったので、ベンチのヤツらの気持ちもわかっていたし、チームで盛り上げたかったので、ベンチに走って行きました」という古宇田を中心にできた歓喜の輪。関東第一が1点のリードを手にしました。
65分は関東第一に4人目の交替。大井と類家暁(1年・東京ベイFC U-15)を入れ替え、中盤の強度アップに着手すると、67分には笠井、古宇田と回ったボールを小関は枠の上に消えるミドルまで。71分は駒澤。小林蒼太の右CKから、DFのクリアを拾った稲井のシュートはゴール右へ。74分に大野監督は2枚替え。小林蒼太とボランチで奮闘した細川竜征(3年・Forza'02)を下げて、中村廉(3年・FCクラッキス松戸)と本宿雄太(3年・VERDY S.S.AJUNT)を同時投入し、最後の勝負へ。残された時間は5分間とアディショナルタイムのみ。
75分は駒澤。エリア内へ侵入した小林泰晟がGKを巧みにかわすも、中に入れたボールはDFが決死のカバー。その左CKを本宿が蹴り込むも、シュートまでは至らず。78分も駒澤。中村の右CKを羽鳥が頭で残し、生まれた混戦から類家が大きくクリア。80+2分も駒澤。山田の右ロングスローはシュートまで持ち込めず。80+3分も駒澤。本宿の左CKに飛び込んだ齋藤のヘディングは枠を襲うも、ライン上でDFがクリアすると、これがこのゲームのラストチャンス。「今日は本当に選手はよくやったと思います」と小野監督も認めた関東第一が、セミファイナルへと勝ち進む結果となりました。


「駒高は最後に一歩ボールに寄って来るのが嫌なので、今日はウォーミングアップもいつもと違って、最後のゴール前の所はセンタリングシュートを省いて、クリアの練習をしたので、それが生きたんです!」と小野監督が笑った通り、菅原と山脇のセンターバックコンビを中心に、関東第一のディフェンスが築いたエリア内での堅陣は驚異的で、これには駒澤の大野監督も「向こうの守備は相当良いですね。11人で守っていたし、こじ開けるのは本当に大変ですね」と舌を巻く程。こういうゲームで確実に勝ちを拾えるあたりに、今の彼らが都内で発揮する勝負強さの一端が垣間見える気がします。途中出場で決勝ゴールを挙げた古宇田に、勝利の瞬間の感想を聞いても「これがこの大会のゴールではないので、次に切り替えないといけないと思ったし、喜びは整列するぐらいまでで一瞬でした」ときっぱり。「結局ゲームになった時に、子供が迷うような指示を出したらダメなので、今日は『もう大丈夫』って。そうやってタフにするしかないですからね」と話す小野監督の下、関東第一はさらなる常勝軍団への道を確実に歩み始めているようです。     土屋


関東大会予選埼玉1回戦 狭山ヶ丘×昌平@昌平G

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0414syohei.JPG双方にとって、2018年度最初の公式戦は関東大会予選。狭山ヶ丘と昌平の1回戦は昌平高校グラウンドです。
関東大会予選でいきなり武南や聖望学園を退け、ベスト4へと進出。インターハイ予選では初戦で武南のリベンジに遭ったものの、選手権予選では浦和南に競り勝つなど、県内にその存在感を示してみせた昨シーズンの狭山ヶ丘。新チームで初めて挑んだ新人戦では、聖望学園に準決勝で敗れての西部支部3位で、県大会への切符は獲得できませんでしたが、この関東予選では2年続けて旋風を巻き起こすべく、難敵相手の初戦に挑みます。
昨シーズンは圧巻の埼玉五冠を達成し、県内では無双の強さを誇ったものの、全国の舞台ではインターハイが初戦で、選手権でも2回戦で敗れる格好となり、やや悔しいシーズンラストとなった昌平。その時の主力が複数残っている今シーズンは、新人戦でいきなり黒星を突き付けられると、リーグ開幕戦も1-3で敗れ、現在公式戦は連敗中。「そのまま関東大会の予選でもズルズル行っちゃったら物凄くもったいないなと思っていたので、『とりあえず初戦に集中して勝とう』という話をしていた」とはキャプテンを託された関根浩平(3年・栃木SC JY)。"ホームゲーム"での勝利を今後への追い風にしたい所です。グラウンドの周りには少なくない観衆の姿が。楽しみな一戦は10時30分にキックオフされました。


ファーストチャンスは昌平。5分に原田虹輝(3年・クラブ与野)と大越俊也(3年・ACアスミ)の連携から、ルーキーながらいきなり10番を背負い、1トップ下を任された須藤直輝(1年・大宮アルディージャJY)が右CKを獲得すると、原田が蹴ったボールに吉田航(3年・C.A.ALEGRE)が合わせたヘディングは枠を越えたものの、7分にも「ラストパスやシュート、ゴールに繋がるシーンを増やしていきたい」と話す原田がドリブルで運び、打ち切ったミドルはDFに当たり、狭山ヶ丘のGK須永幸志郎(3年)にキャッチされましたが、まずは昌平が勢いよく立ち上がります。
一方の狭山ヶ丘は、7人の1,2年生がピッチに立つフレッシュな布陣でスタート。16分には司令塔のレフティ西原正斗(3年)が左の裏へ好フィードを落とし、走った安重翔太(3年)はシュートまで持ち込めませんでしたが、悪くないチャレンジを。西原と米持皓成(2年)のドイスボランチで時間を作る姿勢を見せつつ、2トップを組む高木慎太郎(2年)と中西祥太郎(2年)の"太郎コンビ"を軸に、縦へ速いアタックを窺います。
ただ、ゲームリズムは変わらず昌平。22分には原田が右FKを蹴り込み、関根が左スミへ飛ばしたヘディングは須永がファインセーブ。23分には「走れなかったり、ディフェンスをやらない、みたいなタイプだったら、普通にちょっと上手い選手ですけど、そこにファイトするメンタリティの強さもありますし、そこは楽しみだなと思いますね」と藤島崇之監督も高評価を与える須藤が横パスをかっさらい、そのままエリア内へ。シュートは飛び出した須永に阻まれるも、あわやというシーンを。29分にも左サイドバックの堀江貴大(3年・大宮アルディージャJY)を起点に、大越、原田とボールが回り、1トップを務める森田翔(3年・栃木SC JY)のシュートは、安重が体でブロックしたものの、手数が増えてきたタイミングで動いたスコア。
森田のシュートで手にした右CK。スポットに立った原田が「キーパーが今日は結構出ていたので蹴りにくかったんですけど、ニアに引っ掛けないようにファー狙いで」蹴り込んだボールに突っ込んだのは関根。「相手が前にいたんですけど、『たぶん競り勝てるな』と思って、後は『コースというよりは強く叩こう』と思ったので、枠へ行けば入るかなと」いうヘディングはGKの手を弾き、ゴールネットへ到達します。「序盤から結構押し込んで崩してはいたんですけど、最後は相手も体を張って堅かったので、そういう中でセットプレーで取れるというのはデカいと思います」というキャプテンの先制弾は30分。昌平が1点をリードしました。
白の衝撃はその3分後。33分に高木の仕掛けで狭山ヶ丘が奪った左CK。安重が丁寧に蹴り入れたキックへ、舞った嶋田昭也(1年)は高い打点のヘディングを撃ち下ろすと、GKも掻き出し切れず、ボールはゴールネットへ飛び込みます。何と狭山ヶ丘はファーストシュートがそのまま同点弾。「あのセットプレーは相手も完全に戦略的にやってきていると思うんですけど、そこで1点取られたというのはもったいなかったなと思います」と関根も反省を口に。あっという間にスコアは振り出しへ引き戻されました。
「追い付かれてからは、相手も流れに乗ってくるチームだったので、結構やりにくい雰囲気が出ていた」と原田も話した昌平。36分には大和海里(2年・ヴィヴァイオ船橋)のパスから、須藤が狙ったシュートは狭山ヶ丘の左サイドバック岡部佑哉(2年)が体でブロック。38分にも森田が左へ振り分け、堀江のクロスに飛び込んだ大和のダイレクトシュートは枠の左へ。39分にもボランチの阿部天翔(3年・成立ゼブラFC)、森田と繋いだボールを大和が左足で叩くも須永がキャッチ。右から神津研輔(3年)、内田晴基(2年)、太田涼介(1年)、岡部で組んだ狭山ヶ丘4バックの続く集中力。
こじ開けたのは「俺がゴ-ルを決めてチームを勝たせたい」と言い切る11番。前半終了間際の40+2分。須藤とのワンツーでエリア内へ潜った原田がシュートを放つと、こぼれたボールは森田の目の前へ。「こぼれる所を予測して、なるべくゴールに近いポジションを取っていたら来たので、詰めるだけでした」というシュートが揺らしたゴールネット。「ああいう所で決めていかないと勝てる試合も勝てないので、そこは良かったと思います」と笑ったストライカーの一撃で、昌平が再び1点をリードして、最初の40分間は終了しました。


後半もスタートからのラッシュは昌平。42分に右サイドバックの伊藤雄教(3年・フレンドリー)が攻め上がり、大和が左へ振ったボールから、狙いすました大越のシュートはわずかにクロスバーの上へ。44分にも関根が右のハイサイドにフィードを送り、収めた森田の折り返しに須藤が合わせたシュートはヒットしませんでしたが、「ボールを引き出して、サイドバックの背後とかに抜けて、俺がキープして点に繋いでいくというのはチームのスタンスとしてもやっている」と森田が言及した狙いの形を1つ。45分にも原田とのワンツーでバイタルへ飛び込んだ須藤は、鮮やかに2人をかわしてシュートまで持ち込むも、ここも岡部が体を投げ出してブロック。漂う追加点の雰囲気。
何とか攻撃の時間を創りたい狭山ヶ丘は、48分に1人目の交替。コーナーキックからアシストを記録した安重に替えて、中山陽平(3年)を最前線に送り込み、前への迫力を打ち出しに掛かりますが、依然として手数は昌平。54分に原田が右からCKを蹴り込み、ファーで阿部が折り返すと、森田が残したボールを伊藤が狙うも、軌道はクロスバーの上へ。59分にも原田の右CKの流れから、自身の所に戻ってきたボールを原田は絶妙スルーパス。抜け出した森田のシュートは須永のビッグセーブに阻まれたものの、スムーズな連携を披露すると、次のゴールはこの2人から。
63分に中央を運んだ原田は「森田の動き出しも上手くて、いつも練習でもあるシーンなので、パスも良い所に出せた」と納得のスルーパスを左へ。「動き出しでディフェンスを外せたので、原田から良いボールが来て、決めるだけだった」森田はGKとの1対1も冷静に、ボールをゴールネットへ流し込みます。「フォワードとして、『去年の佐相(壱明)くんより劣った』と言われるのは悔しいので、超えられるように頑張りたいです」と笑顔を見せたストライカーはドッピエッタの活躍。スコアは1-3に変わりました。
2点を追い掛ける展開となった狭山ヶ丘は、失点直後に決定的なチャンス。64分に左サイドで粘って粘って抜け出した高木は、そのままシュート。ここは昌平の新守護神を託されている牧之瀬皓太(2年・GRANDE FC)がファインセーブで回避しましたが、流れの中から初めて決定機を。中西の左CKは関根にクリアされるも、このワンプレーでチームの士気は間違いなく高まります。
66分は昌平。左サイドで加速するドリブルから3人を一気に剥がし、そのまま打ち込んだ堀江のシュートは須永が必死にセーブすると、その右CKを原田が放り込むも、内田が大きくクリア。71分も昌平。尻上がりに調子を上げた大越のパスから、堀江の鋭いグラウンダークロスは太田が懸命にクリア。73分も昌平。右サイドを単騎で切れ込んだ大和の折り返しに、走った須藤のシュートは神津がブロック。74分は双方に交替が。昌平は渡邉建太(2年)を、狭山ヶ丘は三原弘誠(2年)をそれぞれピッチに解き放ち、ゲームは残り5分とアディショナルタイムの最終盤へ。
75分は再び狭山ヶ丘に決定機。ここも巧みに裏へ抜け出した高木は1対1を迎えましたが、再び牧之瀬がファインセーブで仁王立ち。相次いで切られる昌平の交替カード。75分に植村朋弥(3年・FC LAVIDA)、77分に山本蓮(3年・FC LAVIDA)と大竹琉生(2年・FCクラッキス松戸)を同時に投入し、取り掛かるゲームクローズ。80+1分は昌平。大越の左クロスから、大竹が放ったシュートは須永がキャッチ。80+3分も昌平。原田が左へ丁寧なスルーパスを通し、カットインから大越が打ったシュートは須永がファインセーブで回避。その右CKを大竹が蹴り込み、山本がきっちり当てたヘディングは須永が掻き出し、クロスバーに当たって追加点とは行きませんでしたが、これがこのゲームのラストチャンス。「勝てたことで自信に繋がればいいかなと思いますし、その自信が良い方向に繋がるようにしていきたいですね」と藤島監督も口にした昌平が、公式戦の連敗をストップしつつ、初戦を突破する結果となりました。


「去年の関東は本大会を獲っていて、今年もやっぱりそこは目指さないといけないので、初戦で負けるというのは自分たちも納得いかないですし、周りからも負けないチームみたいに思われている所もあったと思うので、そういうプレッシャーもありました」と関根も素直に語った昌平は、そのプレッシャーに打ち勝っての初戦突破。とはいえ、「ああいう失点でやられちゃう所もあると思いますし、そこはもう1回頑張らなきゃいけないかなと思いますね」(藤島監督)「自分たちはゼロベース、無失点を意識してやっているので、失点慣れしないというのは大事なんですけど、やっぱりセットプレーの1点はもったいなかったなと思います」(関根)と2人が声を揃えたように、少ないピンチで失点を喫したことは、はっきりとした課題として修正したい所です。一昨年、昨年のチームがベースをきっちり作ったことで、「埼玉四冠獲って、なおかつインターハイで結果残して、選手権ではもちろん優勝なので、日本一という目標を掲げて、1個1個勝って行ければいいと思います」(森田)「新人戦は負けちゃったので、五冠はないんですけど、残りの四冠は全部獲って、日本一という目標は変わらないです」(原田)と目指す地点も明確。今シーズンも昌平のこれからには注目していく必要がありそうです。       土屋


T1リーグ2018第3節 東京武蔵野シティFC U-18×國學院久我山@駒沢第2

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0404komazawa2.JPGT1リーグの中でもハッキリしたスタイルを有する両者の邂逅。東京武蔵野シティFC U-18と國學院久我山の一戦は、引き続き駒沢第2球技場です。
前日はBチームがT3リーグを戦った中で、連日となる公式戦でAチームが臨むのはT1リーグ。「45人の選手がユースにはいるんですけど、ジュニアユースとジュニアを含めて上がってきた選手が3分の2で、今まで歴代でも一番人口密度的には多いんです」と杉浦史浩監督も話したように、いわゆる『ここでプレーしたい』という想いの強い選手の集団とも言えそうな東京武蔵野シティFC U-18。実質のT1開幕戦となった第2節の成立学園戦では、大量4ゴールを奪って最高の滑り出しを。その勢いを持って、難敵相手のセカンドゲームへ挑みます。
関東大会予選ではセミファイナルで実践学園に、インターハイ予選もセミファイナルで関東第一に、そして2年ぶりの全国出場を目指した選手権予選でもファイナルで実践学園に延長戦で屈し、いずれのコンペティションでも代表を決めるゲームで"あと1つ"を乗り越えられなかった昨シーズンの國學院久我山。迎えた今シーズンは「『テンポが大事だよ』と言っていて、守備のことは一切言っていないので。今は自分の中で狙いを持つとか、ポジショニングとか、そういう細かい所に意識を向けさせようと言っている」とは清水恭孝監督ですが、T1では開幕戦で都立東久留米総合に1-2で敗れると、第2節の駒澤大学高戦はスコアレスドロー。2戦未勝利という状況でこのゲームを迎えます。駒沢は第1試合に輪を掛けてのポカポカ陽気。やり合い必至の好カードはシティのキックオフでスタートしました。


2分のチャンスは久我山。右ウイングの戸坂隼人(3年・FC東京U-15むさし)がラインの裏に抜け出し、接触ギリギリで足を伸ばしたシュートは、果敢に飛び出したシティのGK渥美拓也(3年・横河武蔵野FC JY)がキャッチ。7分はシティのビッグチャンス。10番を託された小川開世(3年・横河武蔵野FC JY)のパスから、花村勇太朗(3年・VERDY S.S. AJUNT)の思い切り良いシュートはクロスバーを直撃し、こぼれを拾った花村のリシュートは久我山のGK生垣海渡(3年・横浜FC JY)がキャッチしましたが、お互いに決定的なシーンを創り合います。
8分はシティ。3バックの左に入った島田陸大(3年・横河武蔵野FC JY)が中央へ打ち込み、花村のシュートは生垣にキャッチされたものの、「Bチームにいた選手ですけど、テクニックは元々あるし、本人も頑張って生き残りをかけてやろうという気概は感じていた」と指揮官も認める長身フォワードがゴールへの意欲を前面に。10分は久我山。山本献(2年・横浜F・マリノスJY追浜)のスルーパスから、粘り強くスライディングで打ち切った加納直樹(2年・ジェファFC)のシュートは枠の左へ。14分はシティ。左ウイングバックの藤岡聡志(3年・横河武蔵野FC JY)がアーリークロスを放り込み、大場小次郎(3年・横河武蔵野FC JY)が放ったシュートは生垣がキャッチしたものの、「『90分ちょっと抑えながら、最後に力を出そうなんて絶対考えんじゃねえぞ』と」(杉浦監督)送り出されたシティの上回る勢い。
ただ、「この頃は入りが集中できていなかった中で、最初から守備も集中してやっていたので、そこで耐えられたのはディフェンスラインのおかげかなと思います」と司令塔の高橋黎(3年・ジェファFC)も言及した通り、この立ち上がりを保野友裕(2年・東京武蔵野シティ U-15)と豊田歩(3年・横河武蔵野FC JY)の共に古巣対決となった両センターバックを中心に、久我山ディフェンス陣が何とか凌ぐと、15分過ぎからは少しずつ手数が。17分に豊田の左CKから、加納が打ち切ったシュートはシティの右センターバックを務める長澤シバタファリ(2年・東京武蔵野シティFC U-15)にブロックされたものの、20分にも福井寿俊(2年・東急SレイエスFC)のパスを受け、高橋は枠の左へ外れるミドルまで。22分にも高橋が右サイドへスルーパスを送り、戸坂のシュートはゴール右へ外れるも、「自分たちボランチもパスだけじゃなくて、ゴールを狙っていくという意識を持たないと上で勝てないと思う」という高橋の積極性も目立ち、久我山が引き寄せるゲームリズム。
25分はシティ。小川を起点に花村が右へラストパス。エリア内へ潜った寺本剛瑠(3年・横河武蔵野FC JY)は鋭い切り返しでマーカーを外すも、次が続かずにシュートを打ち切れず。27分は久我山。右サイドバックの秋山広夢(3年・AZ'86東京青梅)が完璧なスルーパスを通し、うまく飛び出した山本のシュートは渥美のファインセーブに阻止されましたが、リズムそのままに先制点を記録したのは久我山。39分に右サイドから戸坂が巻き気味に左足でクロスを上げると、キャプテンの竹浪良威(3年・FC東京U-15むさし)も「結構ストライカーっぽいヤツ」と評した加納は、絶妙のタイミングで裏へ抜け出しヘディング。渥美もキャッチはしていたものの、ボールは既にラインを割っていたと主審はジャッジし、ゴールが認められます。「ウチはあまりクロスはないんですけど、それでも今は点を取るためにいろいろなバリエーションが必要」と清水監督が話せば、「最近は船橋招待でゴール前でも繋ぐことが多くて、それで点が入らなかったりしたので、『クロスを増やしていこうよ』って話をしていた」とは竹浪。彼らにしては珍しいクロスからの一撃で、久我山が1点をリードしてハーフタイムに入りました。


後半はスタートから久我山に交替が。左ウイングの牛田陸也(3年・FC東京U-15むさし)に替えて、山本航生(2年・東急SレイエスFC)を送り込み、攻撃の圧力アップに着手すると、48分の後半ファーストチャンスも久我山。「オーバーラップでどんどん仕掛けていくことを意識してやっています」という左サイドバックの竹浪が得意のドリブルから中へ付け、高橋のミドルは枠を越えるも積極的なトライ。追加点への意欲を滲ませます。
「『ボールを奪ったら前進しよう』という話をしていく中で、前半は割り切りが悪い方に出た」と杉浦監督も語ったシティも、49分にチャンス到来。ボランチの一角を担う山登一弥(3年・FC東京U-15むさし)が縦に入れ、エリア内へ潜った谷江開良(2年・東京武蔵野シティFC U-15)はマーカーともつれて転倒するもノーホイッスル。直後にも長澤が縦に打ち込み、寺本のミドルはクロスバーを越えましたが、"前進"という意味では悪くないチャレンジを。
54分は久我山。秋山広夢の右クロスを山本はダイレクトボレーで枠へ飛ばしましたが、ここは渥美がファインセーブで応酬。56分には久我山が早くも2枚目のカードを。山本と秋山優太(3年・FC杉野)をスイッチして、図る中央でのポイント再生。63分にはシティも1人目の交替。谷江を下げて、小島永遠(2年・杉並ソシオ)をピッチへ送り出すと、65分に鋭い反転から渥美にキャッチを強いた秋山優太のフィニッシュを挟み、67分にはシティに2人目の交替。大場と筑井諄(3年・横河武蔵野FC JY)のスイッチで、配置転換も含めた変化を。
「後半はちょっと相手に持っていかれる時間が多かった」と高橋が口にしたように、ややシティペースで推移していく中、相次ぐ両者の交替。68分には久我山3枚目のカードとして谷尾晟(3年・FC東京U-15深川)を、70分にはシティも3枚目のカードとして玉川昂勢(2年・東京武蔵野シティFC U-15)をそれぞれピッチへ。73分には久我山も豊田のショートコーナーから、竹浪が思い切ったミドルを枠の左へ。78分は久我山に4人目の交替。戸坂と金子和樹(3年・大宮アルディージャJY)のスイッチで、サイドの好守にテコ入れを。82分は両チームに交替。シティは古矢龍成(3年・横河武蔵野FC JY)を、久我山は粕川幹太(3年・FC.CORUJA)をピッチへ解き放ち、いよいよゲームはクライマックスへ。
勝負を決めたのは途中出場の3年生コンビ。90分に右サイドでボールを持った谷尾は迷わず仕掛け、えぐり切ったタイミングでクロス。ファーへ突っ込んだ粕川がプッシュしたボールは、左スミのゴールネットへ飛び込みます。「最後の最後で点を取ることもできたし、我慢強いチームになってきたかなと思います」とは高橋。90+4分に小川の左アーリーから、シティで3バックのセンターを任されている牧野晋作(3年・三鷹F.A.)が放ったヘディングは、生垣ががっちりキャッチ。終わってみれば無失点で90分間を乗り切った久我山が、3試合目にしてリーグ戦初勝利を手にする結果となりました。


「やっぱり年度の初めに勝ち点3を早く取れるかって結構大きいと思うんですね。それが続かないと不安になってくるし、自分たちがやっていることに迷いも出てくると思うので、今はチーム作りを『こういうふうにしよう』とやっていて、『仮に負けてもブレないでやるよ』とは言ってあるんですけど、あまり良いゲームではなかった割には頑張ってくれたので良かったと思います」と清水監督も話した通り、ようやく年度初の勝ち点3を奪った久我山。その背景にキャプテンの竹浪も「ああやってスタンドのみんなもサポートに来てくれて、ベンチでもT2のヤツらもサポートしてくれたり、一体感というのもこれからもっと出てくると思います」と話す、スタンドやベンチでそれぞれの役割を果たした各々の選手の奮闘があったことも見逃せません。もちろん3年ぶりの全国出場を掲げる中で、「今年はチャレンジャーなので、サッカーを楽しんで、みんなで勝ち上がって頂点を取りたいなと。『東京の王者へもう1回輝きたいな』って思っています」と熱く語ったのは竹浪。覇権奪還を狙う久我山の2018年シーズンからも目が離せません。      土屋

T1リーグ2018第3節 帝京×成立学園@駒沢第2

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0404komazawa1.JPG共に開幕連敗を喫し、何とか勝ち点3を掴みたいチーム同士の激突。帝京と成立学園の『十条ダービー』は駒沢第2球技場です。
開幕戦は押し込む時間も長く創りながら、関東第一に0-1で惜敗。第2節もFC東京U-18(B)に終盤の失点で0-1と敗れ、開幕2連敗スタートとなってしまった帝京。とはいえ、シーズン前も他チームからの評価は高く、今年は勝負の懸かったシーズン。来週から始まる関東大会予選を考えても、早めに勝利を手にしておきたいタイミングでこのゲームを迎えます。
こちらは駒澤大学高とぶつかった開幕戦で、PKでの失点を許して0-1の敗戦。「ボールを持たされた感じがあって、ビルドアップで自滅した」と五十嵐和也監督も振り返った第2節は、東京武蔵野シティFC U-18に0-4で大敗を喫し、帝京同様に開幕2連敗を突き付けられた成立学園。「1節と2節はベンチから見ていてもみんな結構緊張していて、いつも通りの動きができていなかった」と話すエースの窪田稜(3年・S-P FUTE U-15)もスタメンに名を連ねた今節が、今後の浮上を占う意味でも重要な90分間であることは間違いありません。駒沢には午前中から夏を思わせるような強い陽射しが。注目のダービーは帝京のキックオフで幕が上がりました。


序盤はセットプレーで窺う両ゴール前。5分は帝京。10番を背負う佐々木大貴(3年・FC東京U-15むさし)の左CKは、成立のGK大野来生(2年・伊勢ソシエタFC)がパンチングで凌ぐと、一転して成立のカウンター。八木橋俊介(3年・青森山田中)のドリブルシュートはDFにブロックされたものの、見応えある攻防を。6分は成立。右CKをレフティの原豪汰(3年・三菱養和調布JY)がインスイングで蹴り込んだボールは、DFがクリア。14分も成立。今度は左CKを原がアウトスイングで蹴り入れ、ここもこの日はセンターバックでスタートした帝京のハイタワー赤井裕貴(3年・FC東京U-15むさし)に跳ね返されましたが、まずはCKからチャンスを繰り出し合います。
15分は成立。右から八木橋が上げたクロスに、飛び込んだ吉長真優(2年・FC府中)のヘディングはゴール左へ。16分も成立。今度は右サイドバックの豊田優磨(2年・成立ゼブラFC)がオーバーラップからクロスを上げ切り、窪田のヘディングは枠の上へ。20分は帝京。梅木遼(3年・ミラグロッソ海南)の突破で得た右CKを三浦颯太(3年・FC東京U-15むさし)が流し込み、久保莞太(3年・横浜F・マリノスJY)が頭で残すも、大野が素早くキャッチ。21分も帝京。中央を単騎で運んだ佐々木のミドルはクロスバーの上へ。やり合う両者。
23分は成立。八木橋が左へサイドを変え、吉長の落としを原がクロスまで持ち込み、こぼれを叩いた大田弘量(3年・成立ゼブラFC)のシュートは帝京のGK白鳥俊介(3年・板橋高島第二中)がキャッチ。24分は帝京。ボランチの中村怜央(3年・FC東京U-15深川)が裏へ落とし、走った佐々木のシュートはヒットせず、大野が丁寧にキャッチ。成立は前節から修正したビルドアップに関しては、キャプテンマークを巻く照山颯人(3年・柏レイソルU-15)と西尾将吾(3年・TODA GRAMADO NFC)で組むセンターバックの間に、ボランチの宇津木優人(2年・柏レイソルU-15)が落ちて、ボールを動かすスタイルで時間を追うごとに安定していったものの、「思い切ってスペースを意識した攻撃ができなかった」(五十嵐監督)こともあって、手数自体は繰り出し切れず。徐々にゲームリズムは帝京へ。
カナリア軍団のラッシュ。38分は三浦、佐々木とボールを繋ぎ、中村が狙ったミドルはクロスバーの上へ。41分にも中村を起点に三浦が右へ振り分け、梅木の折り返しを萩原颯都(3年・FC東京U-15むさし)が打ったシュートはDFがきっちりブロック。その右CKを三浦が蹴り込むも、赤井のヘディングは枠の左へ。45分はFKのチャンス。中央から三浦が放り込んだキックはDFにクリアされましたが、前半は徐々に三浦と中村のドイスボランチがボールを握り、右の梅木が躍動した帝京がペースを引き寄せつつ、スコアレスでハーフタイムに入りました。


後半最初の決定機は成立。49分に左から後藤樹(3年・成立ゼブラFC)が上げたクロスを、収めた吉長は丁寧に落とし、フリーの窪田が放ったシュートは「ファーに流し込もうとしたんですけど、芝を蹴っちゃって」ゴール右へ外れると、直後の先制弾は帝京の10番。51分に高い位置でボールを奪った佐々木は、エリア内に入って少し持ち出しながらも右足一閃。ボールは左スミのゴールネットへ突き刺さります。カナリア軍団を牽引するエースがきっちり一仕事。帝京がスコアを動かしました。
52分にも左サイドバックの仙道平雅(3年・KSCウェルネス)が果敢なインターセプトから、ゴール左へ外れるミドルにトライするなど、好リズムの帝京に対し、成立は56分に1人目の交替を。後藤に替えて、高木健匠(3年・横浜F・マリノスJY)を送り込み、八木橋を中央にスライドさせながら、高木を右に配してサイドの推進力向上に着手すると、61分には高木の突破から右CKを奪い、原のキックは赤井にクリアされたものの、1つ意図したサイドアタックからチャンスの芽が。
63分は帝京。三浦と仙道の連係で左CKを奪い、佐々木のキックを大野が弾き出すと、三浦の右足ボレーは枠の上へ消えるも、積極的なシュートチャレンジ。64分は成立にビッグチャンス。ミドルレンジに侵入した八木橋の左足シュートはDFに跳ね返り、再び八木橋が左スミを突いたミドルも白鳥のファインセーブに阻まれましたが、直後の「大きい選手が付いていたので『低めで行こう』と思って、速いボールを蹴った」という原の左CKは、エリア内で帝京ディフェンスのハンドを誘発。主審はペナルティスポットを指し示します。キッカーは窪田。短い助走から右を狙ったキックはポストの内側を叩いて、逆のサイドネットへ何とかグサリ。「後半の一発目をどフリーで外したら先制されちゃって、PKもうまく当たらなくて、読まれていたので『外しちゃったかな』と思ったんですけど、入って良かったです」とエースも一安心の同点弾。スコアは振り出しに引き戻されました。
追い付かれた帝京は67分に1人目の交替。最前線の福澤吉記(3年・ナサロット)を下げて、石川航大(2年・鹿島アントラーズつくばJY)を投入すると、続けて69分には2人目のカードとして梅木と入澤大(3年・FC東京U-15深川)もスイッチ。72分に照山のパスから八木橋が左へ振り分け、吉長のクロスに八木橋が届かなかったシーンと、直後に宇津木のスルーパスから高木の折り返しが中と合わなかったシーンを経て、73分には3人目の交替も。仙道と鷲田優斗(3年・FC町田ゼルビアJY)を入れ替え、勝ち越しへの意欲をピッチ上へ落とし込みます。
それでも、「後半はパワーをゴール前に掛けられたかなと思います」と五十嵐監督も言及した、成立の勝利への執念はアタックの手数へ。75分に左サイドから八木橋が打ったミドルは白鳥にキャッチされ、76分に豊田が叩いたミドルは枠の上に外れましたが、79分のチャンスはFK。左寄り、ゴールまで約25mの位置。スポットに立った原が得意の左足を振るうと、右スミへ向かったボールは白鳥もよく触ったものの、そのままゴールネットへ飛び込みます。「あのコースは結構得意なコースだったので、思い切って狙ったら入ったので良かったです」と笑ったレフティは2ゴールに絡む大活躍。成立がスコアを引っ繰り返しました。
一気呵成。80分に照山のパスから、宇津木が枠へ収めたミドルは白鳥が懸命にセーブ。81分には原の右CKを白鳥がパンチングで掻き出すも、八木橋が残し、高木のヘディングは枠の上へ。82分にも大田が右へ展開し、窪田のクロスに八木橋が当てたボレーは、帝京の右サイドバックを務める塩入颯斗(3年・横河武蔵野FC JY)が体でブロック。83分にも原の右CKから、宇津木が放ったミドルは白鳥がキャッチ。84分にも右サイドを抜け出した豊田のフィニッシュは、白鳥がビッグセーブ。守護神の白鳥奮戦も押し込まれる帝京。押し込み続ける成立。
試合を決めたのは「割と攻撃に絡める選手で、凄く面白いなと思っています」と指揮官も期待を寄せる2年生アタッカー。90分に左サイドでドリブルを開始した吉長は、少し運びながらコースを突いた冷静なフィニッシュ。ボールは右スミのゴールネットへをきっちり捉えます。「チームとしては2連敗で、得点も今までなかったので、今日は3点取れましたし、1点は取られちゃったんですけど、守備陣が頑張ってくれていたので、チームとしては良かったと思います」と窪田も笑顔を見せた成立が、逆転でリーグ初勝利を手繰り寄せる結果となりました。


「3連敗していたら家に帰れなかったと思いますよ」と苦笑しながら、「でも、1つ勝ったことで自信になったんじゃないですかね」と話したのは五十嵐監督。「昨日も試合前なんですけど紅白戦で確認して、積み重ねてきてはいるんですけどね」とその指揮官が続けたように、この時期はいろいろな意味で"積み重ね"が重要なタイミングではあるものの、なかなか結果が出なかった中で、週末に控える関東大会予選に向けても、この1勝が大きな成果であることは疑いようがありません。また、「今年は去年以上にマークも厳しくなると思うんですけど、それを掻い潜って、去年以上に点を取って、インハイと選手権全部に自分が導けたらと思います」と言い切るエースの窪田にゴールが付いたことも、今後に向けての好材料。ゼブラ軍団の2018年シーズンがようやく動き出しました。       土屋

T2リーグ2018第3節 早稲田実業×FC町田ゼルビアユース@駒沢第2

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0403komazawa3.JPG3月に開幕を迎えたT2リーグは今節で3試合目。昇格組同士の早稲田実業とFC町田ゼルビアユースが対峙する一戦は、駒沢第2球技場です。
昨シーズンのトーナメントコンペティションは関東大会予選、インターハイ予選と共にベスト8まで辿り着き、選手権予選こそ東京朝鮮にPK戦で敗れたものの、一定の成果を打ち出すと、T3リーグでは7勝2分けと無敗でブロック優勝を達成し、5年ぶりにT2の舞台へ帰ってきた早稲田実業。そのT2では東京朝鮮に開幕戦で0-3と返り討ちに遭いながら、第2節では駒澤大学高(B)に2-1で競り勝って、シーズン初勝利を獲得。連勝を目指して今節の90分間に臨みます。
2015年シーズンに初めてTリーグに参戦すると、カテゴリーを着々と上げながら、昨シーズンは9戦全勝でT3ブロック優勝を果たし、初めてのT2へ殴り込みを掛けているFC町田ゼルビアユース。東京ヴェルディユースやFC東京U-18との対戦を経験した、クラブユースの新人戦に当たる"東京都CY選手権"でも、3位決定戦で西が丘のピッチに立つなど、今シーズンも期待値は大。「守って勝つんじゃなくて、自分たちで主導権も握りながら勝っていきたいと思います」と言い切るのはストライカーの齊藤滉(3年・コンフィアール町田)。ここまでリーグ戦は1勝1敗。白星先行を懸けて大事なゲームに挑みます。午後に入っても駒沢のスタンドにはサッカー好きが集結。楽しみなカードはゼルビアのキックオフでスタートしました。


あっという間の先制点は3分のゼルビア。右サイドで前を向いたキャプテンの鈴木舜平(3年・FCトッカーノ)がミドルを放つと、枠を捉えたボールは早実のGK山崎泰斗(2年・浦和レッズJY)もファインセーブで掻き出しましたが、きっちり詰めていた金澤空(2年・FC町田ゼルビアJY)がゴールネットへ蹴り込みます。「舜平君が『ファーに打つな』と思って、『良い位置に行ったらキーパーがこぼすかな』と思ったので、ここに来るかなという感覚で入りました」という2年生アタッカーの光った嗅覚。ゼルビアが早くも1点のリードを奪いました。
いきなりビハインドを負った早実も、8分にはセットプレーのチャンス。亀井英志(3年・早稲田実業中)のドリブルで得たFK。やや左寄り、ゴールまで約25mの位置からキャプテンの鈴木俊也(3年・FC東京U-15深川)が、得意の左足で右スミへ蹴り込んだキックはゼルビアのGK市橋知弥(3年・FC町田ゼルビアJY)がファインセーブで応酬。同点とは行きません。
すると、次の得点を手にしたのもゼルビア。9分に右サイドでボールを受けた金澤は、「一発目でトラップでうまく剥がせて、前にスペースがあるのは見えたので、これは仕掛けるしかないなと思って」そのままエリア内までドリブルで侵入すると、マーカーはたまらずファウル。ゼルビアにPKが与えられます。キッカーの佐藤陸(3年・FC町田ゼルビアJY)が左へ蹴ったボールは、飛び付いた山崎もわずかに及ばず。両者の点差は2点に広がりました。
「前半の立ち上がりは自分たちの練習してきた形がうまく出た」と金澤も振り返ったように、止まらないゼルビアの勢い。18分にも鈴木舜平のパスから齊藤が狙ったミドルは、山崎がファインセーブで凌いだものの好トライを見せると、24分にも2トップの連携で決定機。鈴木舜平が粘って残したボールを、齊藤は丁寧にスルーパス。抜け出した前田陸斗(2年・FCトレーロス)が飛び出したGKを見極めながら、少し浮かせたボールは綺麗にゴールネットへ吸い込まれます。このシュートには「昨日練習した形で『コレ本番でできるの?』みたいな感じのことを試合でやれたのは、まさに実行力が上がっている証拠だと思います」と普段は厳しめの竹中穣監督も高評価。ゲームは予想外の差が付いてしまいます。
さて、3点を追い掛ける展開を強いられた早実。30分には右に開いた橋山航輔(3年・横浜F・マリノスJY)がサイドをえぐって中央へ折り返すも、ここはよく戻った金澤にクリアされましたが、ようやく38分にはまず一矢。左サイドで得たCKを小松寛太(2年・三菱養和巣鴨JY)が蹴り込むと、ファーに流れたボールを鈴木俊也は中へリターン。飛び込んだ橋山のシュートはゴールネットへ到達。スコアは3-1に変わりました。
この得点前後に早実はベンチから指示が飛び、布陣を3-4-1-2から中盤ダイヤモンドの4-4-2に変更したことで、全体のリズムに落ち着きが。42分にも、最終ラインから中盤に上がった高橋一真(3年・Forza'02)を起点に小松が右へ振り分け、橋山のクロスに小松が合わせたシュートはゼルビアの右サイドバックを務める北野拓海(3年・コンフィアール町田)が体でブロックしたものの、きっちりチャンスを創出。ゼルビアも43分にはセンターバックの杉本裕哉(2年・東急SレイエスFC)が右へフィードを送り、北野のクロスに齊藤が枠へ飛ばしたヘディングは山崎がファインセーブで回避。双方で4つのゴールが生まれた前半は、ゼルビアが2点をリードして45分間が終了しました。


ハーフタイムに早実は2枚替え。左サイドバックの樋爪悠人(2年・江東深川第四中)と右サイドハーフの大橋優貴(3年・ヴィテス福岡FC)に替えて、ルーキーの阿蘇谷大地(1年・横浜F・マリノスJY追浜)と植村竜也(2年・東京セゾンFC)をそのままの位置に送り込み、さらなる攻守のバランス向上に着手して、セカンドハーフへ向かいます。
47分はゼルビア。左サイドからドリブルで運んだ齊藤のシュートはゴール左へ。51分もゼルビア。この日は左サイドハーフに入った野呂光希(3年・ウイングス鹿沼)がルーズボールを収め、そのまま放ったミドルは枠の右へ。57分は早実。高橋が短く付け、橋山が右から中へ戻すと、小松が少し持ち出して打ったシュートは市橋がキャッチ。お互いに手数は繰り出すも、金澤が「相手がフォーメーションを変えてきて、それにうまく対応できなかったかなという感じはしますね」と振り返った通り、早実も上村の推進力を後ろ盾に押し戻したパワー。
58分はゼルビアに1人目の交替。野呂を下げて、大塚拓哉(3年・横浜FC JY)がピッチへ送り込まれると、65分にはビッグチャンス。北野のパスを受けた金澤はスルーパスを通すも、右サイドを抜け出した前田のシュートはわずかに枠の左に逸れ、ダメ押しとは行かず。一方、67分に右から吉岡直輝(3年・浦和レッズJY)が蹴り込んだFKも市橋にキャッチされた早実は、69分に3枚目のカードとしてアイクソエ怜生オーエンス(1年・大宮アルディージャJY)をピッチへ解き放ち、一気に傾きつつある流れを掴みに掛かります。
70分は早実。阿蘇谷のパスを引き出した橋山は、マーカーを外して左クロス。小松のダイレクトシュートはゴール左に外れ、シューターは頭を抱えましたがサイドを崩し切ってフィニッシュまで。73分はゼルビアも2人目の交替を。北野と塩澤拓馬(2年・FC栃木)をスイッチして、サイドの好守にテコ入れを。さらにゼルビアは75分に佐藤が、78分に甲斐稜人(2年・FC町田ゼルビアJY)がそれぞれ右からFKとCKを蹴り込むも、シュートには至らず。逆に79分は早実もセットプレーのチャンス。右サイドバックの佐久間大地(2年・ラッセル郡山)を起点に、アイクソエのドリブルで右CKを手にすると、鈴木俊也が蹴った鋭いキックはクロスバーを直撃し、こぼれに飛び付いた阿蘇谷のシュートは杉本が執念でブロック。「相手が形を変えたら、もう全然スペースに入れなかった」とは竹中監督。ゼルビアは最終ラインこそ杉本と小山田賢信(2年・FCトッカーノ)のセンターバックコンビを軸に、粘り強く相手のアタックを凌いでいく中で、攻撃は失ったリズムを引き戻せません。
81分はゼルビアに3人目の交替。齊藤と青木拓洋(3年・FC Consorte)を入れ替え、図るディフェンスの安定。82分は早実。左から小松が入れたFKは、入ったばかりの青木が的確にクリア。83分はゼルビア。前田とのワンツーから、前を向いた大塚のシュートはクロスバーの上へ。85分は早実。右から鈴木俊也が蹴ったFKは、鈴木舜平が気合のクリア。その右CKも鈴木俊也が蹴り込みましたが、ゴールラインを割ってしまい、天を仰ぐキャプテン。87分は早実に4人目の交替。ボランチで奮闘した奥野開(2年・東京セゾンFC)と永瀬祐(2年・エスペランサFC)をスイッチして、最後の勝負に。アディショナルタイムは長めの6分。ゲームはいよいよ最終局面へ。
90+1分はゼルビアのセットプレー。レフティの甲斐が右から蹴ったCKは、シュートまで至らず。90+4分は早実のチャンス。前線へ上がっていた鈴木俊也が右のハイサイドでボールを奪い切り、中に入れたクロスはわずかに橋山と合わず。90+6分も早実。今度は左サイドで鈴木俊也が粘って残し、上げたクロスに小松が合わせたシュートは、寄せた甲斐が体できっちりブロックすると、これがこのゲームのファイナルシュート。「T2は苦しいですね。簡単なゲームは1つもないですし、自分たちがやりたいこともうまく行かないことだらけの中で、今日で言えば勝ててなお反省できたことが凄くポジティブ」とは竹中監督。ゼルビアが立ち上がりの3ゴールを生かした格好で、勝ち点3を積み上げる結果となりました。


この日の主役は「ドリブルが得意なので、持ったら仕掛けていこうという想いで試合に入って、それがうまく出せたかなという感じです」と笑顔を見せた金澤。1ゴール1PK獲得の活躍に、竹中監督も「ドリブルできればいいという子だったんだけど、それがどう相手を動かして、自分がドリブルを始めるかという所が少しできるようになって、アイツの所で少しプレーが完結できるようになってきたので、凄く良くなっていると思います。凄くポジティブにサッカーを捉えられているので、彼を使わない理由は今はないですね」とその成長に言及していました。先日はトップチームの練習にも参加したことで、「『まだまだ全然だな』『まだまだ足りないな』って思いました。ドリブルで剥がせる所はあるんですけど、剥がした後にトップの選手は体が強くて、すぐに潰されちゃったので、そこをしっかり剥がせるようになるために、体幹とかにも意識して取り組んでいきたいなと思いました」と想いも新たに。「個人では毎試合波がないように、どんな試合でもよいプレーができるようにいつも心掛けてやっていきたいですね。良い時と悪い時の差をなるべくなくして、悪い時でも最低限自分の役割はやりたいなと思っています」というキレキレ系ドリブラーの今後にも要注目です。        土屋

T3リーグ2018 Bブロック第1節 修徳×東京武蔵野シティFC U-18(B)@駒沢補助

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0403komazawa2.JPG2018年シーズンのT3リーグにおけるオープニングマッチは新年度最初の公式戦。修徳と東京武蔵野シティFC U-18(B)の対峙は、こちらもおなじみの駒沢補助競技場です。
選手権で全国ベスト8を経験してから早4年。以降はなかなか都内を勝ち抜くことは叶わず、昨シーズンも関東大会予選は帝京、インターハイ予選は駒澤大学高、選手権予選は都立東久留米総合と、いずれも上位進出校に早期敗退を強いられ、悔しい1年を過ごした修徳。迎えた新チームは「地区予選で負けると思ったけど、よく頑張ったんだよ」と岩本慎二郎監督も笑って振り返る新人戦で、きっちり地区優勝を果たして関東大会予選の出場権も獲得。来週から始まるトーナメントに向けて、手応えを掴みたい90分間へ向かいます。
初挑戦となった昨年のT3リーグではブロック6位。昇格後、即昇格とは行かなかったものの、きっちり残留を果たした上で、貴重な実践経験も積み上げた東京武蔵野シティFC U-18(B)。2シーズン目となるT3開幕に当たり、「去年はT1とT3と違うシステムでやっていて、杉浦(史浩監督)とも話をして『今年はそれはやめよう』と。基準はAチームで、あくまでもAチームに上がった時に活躍する選手を創りたいと思っています」と話すのは高野湧暉コーチ。いろいろな意味で上を目指すシーズンのスタートは、当然勝利で飾りたい所です。駒沢補助は午後も変わらないポカポカ陽気。注目のゲームは12時ジャストにキックオフされました。


いきなりやり合う両雄。6分は修徳。キャプテンを託されている刑部泰生(3年・アミーゴFC)が、ラインブレイクからGKと1対1に。シュートはシティのGK足立創(1年・東京武蔵野シティFC U-15)にファインセーブで凌がれましたが、まずは決定的なシーンを創り出すと、9分はシティの決定機。石塚雄八(1年・東京武蔵野シティFC U-15)が裏へ抜け出しフィニッシュ。ここは190センチに98キロの体躯を誇る修徳のGK下田響(3年・順蹴FA)が掻き出し、詰めた杉村航太(2年・学習院中)のシュートは右ポストに弾かれたものの、お互いに決定機を迎え合います。
11分はシティ。シャドーの一角を担う原川昂大(2年・東京武蔵野シティ U-15)のミドルが下田にキャッチされると、3分後の先制弾は「アレは有望だよ」と岩本監督も認める1年生ボランチ。14分に3列目から飛び出し、完全にフリーとなった大森博(1年・修徳中)はGKとの1対1も冷静に、左スミのゴールネットへボールを流し込みます。「185センチもあって柔らかい」(岩本監督)スーパールーキーが入学後の初公式戦で大仕事。修徳が1点のリードを奪いました。
以降もゲームリズムは修徳。17分には内澤海大(2年・SK ONZE)の右FKに、頭で合わせた刑部のシュートはクロスバーの上へ。21分にも松林空(3年・船橋宮本中)のラストパスから、村山大翔(3年・両国FC)のシュートはDFのブロックに遭い、松林が狙ったシュートは枠の上に消えるも果敢なトライ。「新人戦はアイツらが頑張ったんだよ」と指揮官も評価する右の松林、左の村山と両サイドハーフの躍動で、修徳に漂う追加点の雰囲気。
「新1年生が半分以上いる中なので、難しいゲームになるのはゲーム前から予想していた」(高野コーチ)シティは、なかなかシステムのギャップを生かし切れず、守勢に回る時間が続きましたが、26分には決定的なチャンス。3バックの右に入った野村航平(1年・東京武蔵野シティFC U-15)が綺麗にスルーパスを通すと、石塚が抜け出すもGKとの1対1から放ったシュートは枠の左へ。31分にも石塚を起点に原川が左へ付け、西郷瑛(2年・東京武蔵野シティ U-15)の折り返しに走ったセンターフォワードの西本祐馬(1年・杉並ソシオU15)はわずかに届かなかったものの、生み出す反撃の一手。
ところが次にスコアを動かしたのも修徳。38分に松林が通した絶妙スルーパスから、ここも1対1となった刑部のシュートは足立のファインセーブに阻まれましたが、42分には2トップの一角を担う石崎皓大(3年・柏ラッセルFC)のパスを受けた刑部が右へ流すと、松林は右足一閃。左スミを捉えたボールはゴールネットへ飛び込みます。「ウチのヤツもいつもに比べて技術的にはそこそこだと思うんだけどね」と岩本監督も評した修徳が2点リードを奪い、最初の45分間は終了しました。


ハーフタイムでシティベンチは3枚替えを決断。慣れない最終ラインで奮闘した菊田凌万(1年・東京武蔵野シティFC U-15)と野村、西本を下げて、吉田琢(1年・すみだSC)、長堂駿介(2年・東京武蔵野シティU-15)、煙山拓(1年・FC東京U-15むさし)を送り込み、最終ラインは右から長堂、島田颯也(2年・東京武蔵野シティU-15)、吉田の3バックにシフトし、煙山は最前線に配置されるなど、後ろと前の顔ぶれに変化を加えましたが、後半早々に生まれたのは追加点。47分に右から松林が中央へ送り、内澤は思い切ったボレーにトライすると、ボールはゴールネットへ突き刺さります。2年生ボランチのゴラッソ。点差は3点に開きます。
55分は修徳にさらなる追加点機。内澤が飛距離十分の左ロングスローを投げ込み、大森のヘディングは足立がファインセーブで凌ぎ、こぼれに反応した松林のシュートも足立が再度ファインセーブで立ちはだかると、守護神の気合に応えたのは1年生シャドー。1分後の56分。左から西郷瑛(2年・東京武蔵野シティU-15)が丁寧にクロスを放り込み、飛び込んだ石塚はダイレクトでのシュートを選択。ボールはゴールネットへ到達します。「もっともっと俺らは左右にボールを動かしながら、ゴール前に侵入していくこともやらせたい」と高野コーチが話した、サイドへ動かしてからのゴール前への侵入で奪った1点。点差は2点に縮まりました。
57分は修徳。石崎のフィニッシュは足立が丁寧にキャッチ。59分はシティ。原川のパスから2点目を狙った石塚のミドルは枠の上へ。60分もシティ。左サイドからカットインしながら、原川がそのまま打ち切ったシュートは下田がキャッチ。気温の高い気候もあって、少しオープンな展開になる中でも、右から川島大輝(1年・ジョカーレFC)、横須賀郁哉(3年・バリエンテオンセFC)、高橋港斗(1年・柏レイソルU-15)、松本拓巳(2年・三郷JY)と、1年生2人を含む修徳最終ラインが打ち出す一定以上の安定感。
66分は双方に交替が。修徳は1人目の交替として、1ゴール1アシストの松林と栗崎豪流(3年・フレンドリー)をスイッチ。シティ3人目の交替は、ドイスボランチの一角に入った安西響(2年・東京武蔵野シティU-15)に替えて、「凄く技術があるので、本来はもう一列前で使おうかなと思ったんですけど、真ん中でボールも握れるかなという意図で」西山栄人(2年・東京武蔵野シティU-15)をそのままボランチへ投入。68分は続けざまに修徳が2人目の交替。「替えたのはちょっとケガ持ちなの。でも、『なんで替えるんだ』ぐらいの悔しそうな顔してたね」と指揮官も笑って評した大森を下げて、辻秋馬(2年・SK ONZE)をピッチへ。残り時間は20分強。
69分は修徳。右サイドを駆け上がった川島のクロスに、栗崎が合わせたヘディングは枠の右へ逸れましたが、70分も修徳。右サイドからカットインした川島は、そのまま左足でシュートまで。このボールは足立にキャッチされたものの、1年生サイドバックは落ちない脚力をしっかりアピール。71分はシティに4人目の交替。右ウイングバックの杉村に替えて、高野コーチも「どこかで状況を見ながらジョーカー的な扱いで考えていた」と言及した佐藤朋哉(1年・東京武蔵野シティFC U-15)を同じ位置へ送り込み、最後の勝負に打って出ます。
「横河の子たちは上手いからさ。やっぱり疲れてきた時には技術がモノを言うからね」(岩本監督)「西山がいることで、ハッキリと『ボールを預ければいいんだ』ということで、少しボールを握れるようにはなったと思う」(高野コーチ)と2人が話したように、70分過ぎからはシティがボールを動かしながら、アタックの機会を窺う中で、それでも手数は修徳。77分に村山は1人外してからシュートを枠へ収め、足立がファインセーブで弾いたこぼれに栗崎が飛び込むも、シュートは枠の左へ。79分にも川島、刑部とボールが回り、石崎が放ったシュートは長室が体でブロック。残りは10分間とアディショナルタイム。スコアは3-1で最終盤の攻防へ。
82分に刑部と花嶋亮(1年・船橋若松中)を入れ替える修徳3人目の交替を経て、追撃の一手は85分のシティ。左サイドで獲得したCKを茨木緩汰(1年・東京武蔵野シティFC U-15)が蹴り込むと、ルーズボールを吉田は縦へ。反転して前を向いた原川が、思い切り良く右足で打ち切ったシュートは右スミのゴールネットへ飛び込みます。3-2。1点差。終始盛り上がっていたシティの応援団も、さらにボルテージが上がりましたが、反撃もここまで。「今年は失点するから、それも覚悟してやらないとね。点は水物だからわからねえよね」とは岩本監督ですが、きっちり3点を奪った修徳が逃げ切る格好で、勝ち点3を手にする結果となりました。


終盤に猛追を見せたシティ。その一端にはピッチサイドで、まず自分たちが楽しみながら声援を送り続けていたチームメイトの応援団の勢いが、選手たちを後押ししたことも見逃せません。チームとしては、T1のゲームでAチームが成立学園に大勝したことも大きな刺激になっている様子。「成立戦に4-0で勝ったことで、『俺らのやっていることは間違っていないんだ』というのは選手も凄く言ってくれますし、このレベルでサッカーができれば、たまたまですけど成立さんに4-0で勝てるくらいのチームになれるんだというのは、選手も理解してやってくれていると思うので、満足は彼らもしていないと思いますし、今日も不満タラタラの顔で帰ってきて、『だったらやれよ』とは思うんですけど」と苦笑した高野コーチも「Aチームがプリンス昇格を掲げている以上、この1年ではT3の中でプリンスで戦える選手を創らないといけないので、そういう意味ではどんどんやらせるだけで、上だけを、前だけを見てどんどん選手にはやらせるようにできればと思います」とキッパリ。この日のピッチに立った選手たちが、どれだけチームのレベルを底上げできるかが、今後のシティ躍進のカギを握っているのは間違いありません。      土屋


T1リーグ2018第3節 駒澤大学高×実践学園@駒沢第2

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0403komazawa1.JPG一昨年度の選手権王者と昨年度の選手権王者の激突。駒澤大学高と実践学園のスプリングマッチは、おなじみの駒沢第2球技場です。
昨シーズンはインターハイ予選で実践学園に屈し、ベスト8敗退を強いられると、選手権予選ではまさかの初戦敗退。「去年1年間で『優勝するというのは簡単じゃないな』と。当たり前のことじゃなくて、『そこに辿り着くまでが大変なことなんだな』と思いました」と大野祥司監督が振り返ったように、3年連続の全国出場を逃す悔しいシーズンとなった駒澤大学高。迎えた今シーズンは「去年も後期のリーグ戦はほとんど1、2年でやっていた」(大野監督)ため、実戦経験のあるメンバーが多数残った中、T1開幕戦で成立学園に1-0で競り勝ち、第2節では國學院久我山とスコアレスドローと、ここまで無失点で勝ち点4を獲得。守備の安定感を携えながら、昨年王者との90分間に向かいます。
関東大会予選、インターハイ予選、選手権予選とそのすべてで東京代表の座を獲得した上、T1リーグでも頂点に立ち、チーム立ち上げ当初から目標に掲げていた"都内四冠"を見事に達成してみせた昨シーズンの実践学園。その主力がほとんど卒業し、「新チームが実際にちゃんとまとまってやるのは、あの選手権が終わってからで、他のチームよりはスタートは確実に遅いですね」とは鈴木佑輔コーチですが、開幕したT1リーグでは国士舘相手に3-0と快勝を収めると、都立東久留米総合にも1-0で勝利を収め、こちらも無失点での連勝を達成。守備の粘り強さを武器に開幕3連勝を狙います。会場の駒沢はお花見にも最適のポカポカ陽気。楽しみな一戦は実践のキックオフでスタートしました。


いきなりの歓喜は実践に。開始8分。右ウイングバックの相馬修平(3年・AZ'86東京青梅)を起点に、キャプテンマークを巻く佐藤洋介(3年・横河武蔵野FC JY)が右からアーリークロスを放り込み、中山颯人(3年・府ロクJY)の折り返しを佐藤恵允(2年・ESA)が潰れながら残すと、中山がプッシュしたボールはゴールネットへ到達します。「アレは綺麗だったかなと思いますね。狙い通りで」と鈴木コーチも認める崩しの仕上げは、12番を背負ったセンターフォワード。中山の一撃で実践がスコアを動かしました。
さて、「アップの時点で向こうは気合が入っていて、『その差で立ち上がりにやられてしまったのかな』とは薄々感じています」とディフェンスリーダーの齋藤我空(3年・Forza'02)も話した駒澤は、早々に1点を追い掛ける展開に。12分には小林泰晟(2年・FCクラッキス松戸)が頭でつついたボールを、羽鳥陽祐(3年・フレンドリー)が狙ったミドルは枠の左へ。17分にも右から原田大渡(2年・FC東京U-15深川)がクロスを送り、小林蒼太(2年・Forza'02)が左へ流すと、島田竜汰(3年・FC川崎チャンプ)のミドルも枠の左へ。続く19分にもセンターバックの稲井宏樹(3年・FC駒沢)が長めのFKを蹴り込むも、羽鳥のヘディングはクロスバーの上へ。フィニッシュは取り切るものの、枠を捉えることができません。
アンカー気味に構える細川竜征(3年・Forza'02)と小林泰晟の中盤を含め、ボールアプローチで上回った駒澤がペースを掴む中で、33分は実践にチャンス。3バックのセンターを任された諏訪悠磨(3年・GA FC)が鋭い出足のパスカットから右へ散らし、古川真人(2年・ESA)の折り返しに突っ込んだ諏訪はオフェンスファウルを取られましたが、果敢なオーバーラップを披露。逆に34分は駒澤。相手エリア内で右サイドバックの山田英生(3年・三菱養和調布JY)がボールを奪い切り、中へ入れたボールは原田が打ち切れなかったものの、両DFが見せたアグレッシブな攻撃姿勢。
35分は実践。左サイドから佐藤恵允が右足でクロスを送るも、中山のヘディングは弱く、駒澤のGK宮崎雅崇(3年・Wings U-15)がしっかりキャッチ。36分も実践。左に開いた佐藤洋介が縦へ付け、昨年から主力を担ってきた山内稔之(3年・AZ'86東京青梅)は1人かわして右足で枠へ収めるも、ここも宮崎がキャッチ。38分は駒澤。江藤惇裕(3年・坂戸ディプロマッツ)、山田、原田と回ったボールを羽鳥が落とし、山田が打ち込んだシュートは諏訪が体でブロック。41分も駒澤。羽鳥と島田で左サイドを崩し、こぼれを叩いた小林蒼太のシュートは、実践のGK秋山隆成(3年・FC多摩)がファインセーブで応酬。お互いにチャンスを創り合った前半は、駒澤が1点のリードを保ってハーフタイムに入りました。


後半開始から動いたのは駒澤。小林泰晟に替えて、本宿雄大(3年・VERDY S.S. AJUNT)を送り込み、前線のポイント創出に着手すると、51分には稲井がパスカットから素早く縦に付け、トラップで1人外した本宿のシュートは秋山にキャッチされたものの、登場早々にフィニッシュまで。52分にも江藤が右のハイサイドへ落とし、山田がマイナスに折り返したボールを、本宿が狙ったシュートは再び秋山のキャッチに遭いましたが、「後半から入った雄大が良い位置で受けてくれた」とは齋藤。16番が活性化させる赤黒軍団のアタック。
55分も駒澤。江藤のパスを本宿が繋ぎ、左からカットインした小林蒼太の右足シュートは、実践の右センターバックに入った野崎翔吾(3年・FC.VIDA)が果敢にブロック。56分に大野監督が切った2枚目のカードは、細川に替えて中村廉(3年・FCクラッキス松戸)。58分も駒澤のチャンス。山田の右ロングスローを原田が拾い、山田が入れたクロスは中央を合わずにラインを割ると、61分には早くも3人目の交替として小林蒼太と小林慎治(3年・FCトッカーノ)もスイッチ。中盤より前の顔ぶれを入れ替え、狙う同点弾とその先。
「最近3試合とも後半が良くないんですよね」と鈴木コーチも話した実践は、押し込まれる流れの中で61分に2枚替えを敢行。相馬と古川を下げて、半田峻一(3年・GA FC)と村田篤哉(3年・FC多摩)をピッチへ解き放ち、ボランチの山野大地(3年・東京久留米FC U-15)を左ウイングバックへ、その位置にいた山内を右ウイングバックへ移し、両翼は揃ってレフティに。64分には右サイドで得たCKを山内がショートで蹴り出し、佐藤恵允のリターンを山内が入れたクロスはミスキックに。67分にも左FKを山内が蹴り込み、中山のヘディングはゴール右へ逸れましたが、セットプレーを中心に追加点への意欲も隠しません。
69分は駒澤が原田と鉄本雅樹(3年・FC府中)をスイッチする4人目の交替を、72分は実践が先制弾の中山と鈴木駿一(2年・FC.VIDA)をスイッチする3人目の交替をそれぞれ行うと、74分は駒澤に好機。島田のドリブルで得た左CKを本宿が蹴り入れ、稲井が残したボールを島田が右クロス。エリア内で中村が放ったシュートはDFをかすめてゴール左へ外れるも、悪くないチャレンジを。75分も駒澤。ここも本宿の左CKから、またも島田が右クロスを上げ切り、鉄本が叩いたシュートは枠の上へ。76分も駒澤。島田の左ロングスローがこぼれ、いち早く反応した小林慎治のシュートは、佐藤洋介にブロックされるも好トライ。「サイド攻撃が増えたからコーナーキックも増えたと思う」と齋藤も口にした通り、駒澤のサイドアタックには得点の雰囲気が。
85分は駒澤に5人目の交替。羽鳥に替えて、涌井蓮(3年・TACサルヴァトーレ)をピッチへ。直後のチャンスは駒澤。巧みにボールを捌いた中村のパスから、島田が枠へ飛ばしたミドルは秋山がキャッチ。86分は実践に決定機。佐藤が右へ素晴らしいサイドチェンジを通すと、マーカーを股抜きで振り切った山内のシュートは、宮崎がビッグセーブで仁王立ち。さらに佐藤恵允と菅谷太一(3年・東京ベイFC U-15)を入れ替えた実践4人目の交替を挟み、89分にも高い位置でボールを奪った鈴木は単騎で持ち込み、枠の右へ外れるシュートまで。「一体感を持って守備をして、我慢強くというのは彼らの今年の良さかなと思います」とは鈴木コーチ。野崎、諏訪、森田礼(2年・Forza'02)で組んだ3バックと秋山を中心に揺るがぬ実践の堅陣。いよいよゲームは最終盤へ。
90分は駒澤。島田が粘って残し、左から涌井が打ち切ったシュートはゴール右へ。90+4分も駒澤。宮崎の長いFKを本宿が懸命に残し、島田が打ったシュートは実践DF陣が執念のブロック。90+5分はラストチャンス。ピッチ中央、ゴールまで約25mの位置で手にしたFK。ポイントに立った江藤が右足から繰り出したキックは、無情にもクロスバーの上へ消え、万事休す。「『我慢して、我慢して』という所はもう確実に実践らしさで、チームを創り始めたばかりですけど、この段階にしては伝統をしっかり受け継いでやってくれているのかなと思いますね」と鈴木コーチも認める実践が開幕3連勝を達成する結果となりました。


これで3試合続けての無失点で、開幕ダッシュに成功した実践。昨シーズンからGKも3バックもすべて顔触れが入れ替わった中でも、この安定感はさすがの一言。「彼らとはリーグ戦が18試合あるので、去年の結果も含めて一桁失点、年間通して9点以内で抑えようという話をしていたので、ここ3試合はゼロということで評価できる所かなと思いますね」と鈴木コーチも及第点を与えていますが、かなり高いハードルを課された実践のディフェンス陣には今後も注目したい所です。「去年も"何だかんだまとまりがあった"ということが、最終的に東京都の中でも勝てた理由だと思っているので、その一体感を持ってまとまってしっかりやるということが、まず第一に今年も求めている所ですね。求めてはいるけど、まだ理想と現実がうまくマッチしないかなという感じなので、同じことを求めるけれど、今年の良さだったり、今年の学年の色をちょっと出せればなと思っています」と話す鈴木コーチも含め、指導陣の充実も彼らのチーム力を考える上で欠かせない要素。今シーズンも実践がきっちりとした集団を創ってくることは間違いなさそうです。        土屋

T1リーグ2018第1節 関東第一×帝京@駒沢第2

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DSC_0582.JPG東京の高校年代における2018年シーズンもいよいよ開幕。2年連続で選手権の代表権を獲得している関東第一と、着実に復権への道を歩んでいる帝京の90分間は、おなじみの駒沢補助競技場です。
インターハイは3年連続、選手権は2年連続で全国大会出場を果たすなど、近年の東京高校サッカー界を間違いなく牽引し続けている関東第一。1月中旬から立ち上がった新チームは、「始まった当初もまったく勝てなくて、メッチャ失点とかもしていて、攻撃も全然点が入る気配がなくて、『本当にヤバいのかな』って焦っていた」と小関陽星(2年・町田JFC)が話したように、なかなか結果が出なかったそうですが、ここに来て少しずつチーム状態も良化傾向に。その流れも追い風に「今日は絶対負けたくない」と池田健太(2年・VIVAIO船橋)も口にした、大事なリーグ開幕戦へ向かいます。
同校最後となる冬の日本一をキャプテンで経験した日比威監督の就任後、インターハイ予選、選手権予選と準決勝や決勝まで勝ち上がる勝負強さは見せてきたものの、あと一歩で全国切符には届いていない帝京。1年時からチームを支えてきた三浦颯太(2年・FC東京U-15むさし)や佐々木大貴(2年・FC東京U-15むさし)など、期待された世代もいよいよ最終学年を迎える今シーズンは、より一層上を狙う意味でもチャンスの年。まずはリーグ開幕で難敵相手に結果を出すことで、今後の自信に繋げたい所です。会場の駒沢補助には思った以上に冷たい風が。やや肌寒いコンディションの中、関東第一のキックオフでゲームはスタートしました。


立ち上がりは「入りが良くて、自分たちのやりたいことができた」と小関も話した関東第一ペース。9分にはボランチの宮林庸太(2年・FCトリプレッタJY)を起点に古宇田旭(2年・横浜F・マリノスJY追浜)が右へ流し、ドリブルで運んだ貝瀬敦(1年・田口FA)のシュートはクロスバーの上へ外れたものの、「立ち上がりは『もっと蹴っちゃうかな』と思ったら、思いのほかウチが1個我慢した」と小野監督も認めたように、丁寧なパスワークとシンプルな縦をうまくミックスしながら主導権を引き寄せます。
すると、先にスコアを動かしたのも関東第一。15分に昨シーズンからセンターバックを任されていた山脇樺織(2年・東急SレイエスFC)が前線にフィードを送ると、「その前に監督に『ディフェンスから離れて裏へ抜けろ』と言われていた」池田はプルアウェイの動きから、DFともつれたボールをうまく収めてエリア内へ。「最初は『ループ気味で右に流し込もうか』と思ったんですけど」、飛び出したGKを左にかわし、そのまま無人のゴールへボールを送り届けます。「メッチャ嬉しかったです」というストライカーは、「なんかみんな呼んでたんで、行った方がいいかなと思って」ベンチメンバーの呼ぶ輪の中へ。関東第一が1点のリードを手にしました。
以降も「左でちょっとゲームを創っておいて、右で広げてという感じのイメージ」(小野貴裕監督)の関東第一は、その左でサイドバックの高嶋隆太(2年・田口FA)とサイドハーフの金子直樹(2年・浦和レッズJY)が基点を創りつつ、各アタックも手数の一歩手前まで。「みんなもモチベーションが高かったですし、最初からガッツリ行きました」とは池田。握るボール。続く攻勢。
一方の帝京にファーストシュートが生まれたのは25分。左サイドで獲得したFKをレフティの仙道平雅(2年・KSCウェルネス)が蹴り込み、ハイタワーの赤井裕貴(2年・FC東京U-15むさし)がヘディングで合わせたシュートは、関東第一のGK出口貴也(1年・葛飾青葉中)にキャッチされたものの、33分には入澤大(2年・FC東京U-15深川)のパスから、赤井とのワンツーで福澤吉記(2年・ナサロットFC)が枠の左へ外れるシュートまで。少しずつ押し戻し始めたカナリア軍団。
34分も帝京。佐々木、三浦とボールが回り、入澤のスルーパスに走った赤井はわずかに届かなかったものの、スムーズなパスワークから決定機に近い形を。35分も帝京。右サイドで粘った三浦が中へ戻すと、佐々木が左スミを狙ったミドルは出口がファインセーブで何とか回避。「20番(赤井)が収まっちゃうのと、プレスバックに行っても8番(三浦)と10番(佐々木)が足元の技術があって、自分たちのやりたいようなプレーを向こうも少ししてきて、やりにくかったです」とは小関。反転したペース。押し込む帝京。
39分も帝京。スタメン唯一の1年生となったボランチ佐藤悠生(1年・三菱養和調布JY)が右へ振り分け、上がってきたサイドバックの塩入颯斗(2年・横河武蔵野FC JY)がシュート気味に上げたクロスは枠の上へ。42分は久々に関東第一のチャンス。高嶋が縦に付け、左サイドをドリブルで進んだ古宇田のシュートはDFが体でブロック。30分過ぎから帝京がペースを握った前半は、それでも関東第一が1点のリードを守って、ハーフタイムに入りました。


後半も先にフィニッシュを取ったのは帝京。46分にうまくギャップへ潜ってボールを受けた佐々木は、ドリブルからシュートまで持ち込むも、ここは出口がしっかりキャッチ。51分は決定的なシーン。ここも左サイドを独力で運んだ佐々木がシュートを打ち切ると、枠へ飛んだボールは惜しくもクロスバー直撃。52分にも佐々木が右へ展開し、塩入のクロスに佐藤が合わせたボレーはヒットしなかったものの、帝京はセンターバックの萩原颯都(2年・FC東京U-15むさし)と久保莞太(2年・横浜F・マリノスJY)を軸に、相手のアタックの芽を事前に摘み取る守備もきっちり機能。ハーフタイムを挟んでも変わらないゲームリズム。
54分に高嶋、金子、池田とボールを回し、高嶋のミドルはクロスバーの上に消えたものの、久々に良い流れのアタックを繰り出した関東第一は、59分に1人目の交替を決断。「ちょっと捕まえづらかった感じでしたね」と指揮官も一定の評価を与えた金子に替えて、篠崎源太(2年・大宮アルディージャJY)をそのまま左サイドハーフへ投入し、サイドの攻守にテコ入れを図ります。
次のゴールを求め、双方が繰り出すセットプレー。62分は帝京。右サイドから三浦が蹴ったFKは、そのままファーサイドへ流れてゴールキックに。63分は関東第一。田中大生(1年・横浜FC JY)の右CKがファーへこぼれると、左から篠崎が入れたグラウンダーのクロスに、ニアで反応した山脇のボレーは枠の左へ。66分は帝京。ここも右サイドで得たFKを三浦が蹴るも、山脇のクリアはそのまま関東第一のカウンターに。貝瀬が快速を飛ばして抜け出すも、帝京のGK白鳥俊介(2年・板橋高島第二中)も判断よく飛び出してカット。68分も帝京。仙道の右CKから、ファーに突っ込んだ福澤はわずかに触れず。70分を経過して、スコアは1-0のまま。勝負はラスト20分間へ。
72分には関東第一に2人目の交替。古宇田を下げて、板垣大空(1年・バンデリージャ横浜)を送り込み、貝瀬が中央にスライドして、板垣は右サイドハーフへ。74分は帝京も最初の交替。赤井と照田拓史(1年・三菱養和調布JY)を入れ替え、前線の顔ぶれに変化を。79分に貝瀬が白鳥にキャッチを強いたミドルを挟み、81分に関東第一は池田と小久保圭吾(2年・FC町田ゼルビアJY)を、82分に帝京は福澤と梅木遼(2年・ミラグロッソ海南)を相次いでスイッチ。差し掛かる終盤。果たして勝敗の行方は。
83分は関東第一。田中が右FKを蹴り込むも、塩入がきっちりクリア。85分も関東第一。小久保と貝瀬の連係で右CKを奪い、篠崎が蹴ったキックはシュートまで繋がらず。87分に小野監督は4枚目のカードとして屋敷蒼(2年・三菱養和調布JY)をピッチへ投入し、取り掛かるゲームクローズ。88分も関東第一。田中の右FKに宮林が競り勝つも、飛び込んだ屋敷はオフェンスファウル。「もっと自信を持っていいぐらい」と小野監督も評した伊藤翔(1年・ミナトSC)と山脇のセンターバックコンビを中心に、関東第一のディフェンス陣が打ち出す安定感。
89分には帝京も中村怜央(2年・FC東京U-15深川)をピッチへ解き放ち、最後の勝負に出ましたが、タイムアップまで関東第一の堅陣は揺るがず。「開幕戦を落とすのと落とさないのでは相当違うと思うし、監督も『1個勝つのが大変だ』と言っていたので、その開幕戦を勝って、シーズンとして良い入りができたかなと。内容はもうちょっとやりたかったですけど、まず開幕戦の結果は良かったと思います」とはこの日のキャプテンマークを巻いた小関。関東第一がウノゼロで開幕戦の白星を手にする結果となりました。


「僕も2か月半ぶりぐらいだったので楽しかったです。ゲームに入る前が凄くウキウキして、多少浮わ付いた気持ちでゲームに向いてしまいました(笑)」と珍しく小野監督が笑いながら話したように、久々の公式戦という要素がプラスに働いた印象のある関東第一。新チームの立ち上げ当初を冒頭のように語っていた小関も「ここ最近本当になんかちょっとずつチームになってきて、失点も減ってきて、点が入るようになって、今はたぶん少しかもしれないですけど右肩上がりに上がっているので、この調子でどんどん行きたいです」と手応えを口に。ただ、試合に出られなかった選手たちに目を向けながら、小野監督は「今日出れなかったヤツが悔しくなると思うんですよ。そういうのがもっと出てこないと。去年は"守った"というか、我慢する1年間だったので、今年はたぶん選手の性格を考えると、我慢するだけでは彼らの良さは出ないと思いますし、自分たちからやるエネルギーが今年のポイントになると思うので、そういう部分で言えばまだ全然本来の持っているものは出ていないと思います」ときっぱり。今シーズンの関東第一もかなり楽しみになるような90分間だったのではないでしょうか。        土屋

東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会決勝 三菱養和SCユース×東京ヴェルディユース@西が丘

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0211nishigaoka2.JPGシーズン1冠目を巡るファイナルは6年ぶりにこのカード。三菱養和SCユースと東京ヴェルディユースの対峙は、もちろん味の素フィールド西が丘です。
激戦のプリンス関東を2位で抜け出し、プレミア参入戦へと進出。初戦でサガン鳥栖U-18を退け、久々のプレミア復帰に王手を懸けながら、最後は富山第一の前に屈したものの、「結果的に最後は負けちゃいましたけど、よくやったと思うんですよ」と増子亘彦監督も言及したように、一定の結果は残してみせた昨シーズンの三菱養和SCユース。不動のエースだった中村敬斗がガンバ大阪へと加入した今シーズンは、「『今年はどうなの?』って、まず新チームが立ち上がった時に思われたと思うんですけど、実際彼がいなくなったということは、みんなが1.5倍くらい頑張っていかないと点も取れないし、守備もやられちゃうという所でチームがまとまれています」と栗原イブラヒムジュニア(1年・三菱養和巣鴨JY)。今大会も決勝リーグ最終戦では、FC東京U-18に4-0と快勝を収めてファイナルへ。タイトル獲得に向け、絶好調に近い状態でこの90分間を迎えます。
2連勝で迎えた決勝リーグ最終戦は、FC町田ゼルビアユースを相手に勝利のみがファイナル進出の条件という中で、終盤に追い付かれて窮地に立たされましたが、後半アディショナルタイムに坂巻日向(1年・東京ヴェルディJY)が決勝ゴールをマークし、3年ぶりの王座奪還へあと1つに迫った東京ヴェルディユース。「去年のチームもそうですし、僕たちの学年もそういう所で勝負弱かったりというのがあったので、こういう所で勝てる勝負強さは次に繋がるし、良いことだと思います」と話したのは、今シーズンのキャプテンを託された森田晃樹(2年・東京ヴェルディJY)。「基準は難しいんですけど、数字で言うとボール保持は85パーセント以上、パスは800本、シュートが前半9本、後半9本で18本、5分に1回はシュートということを目指したいです」と言い切る永井秀樹監督の下、内容と結果の両面を手にするためのファイナルへ臨みます。西が丘のスタンドには少なくないサッカー好きが集結。13時30分に注目の一戦はキックオフされました。


「ヴェルディさんの攻撃に対して、しっかりチームでコンパクトにしてスペースを与えずにといった所で、たぶん立ち上がりの10分くらいは前線からうまく規制が掛からなくて、入って来られちゃっていたと思う」と増子監督も話したように、うまくゲームに入ったのはヴェルディ。馬場晴也(1年・東京ヴェルディJY)と綱島悠斗(2年・東京ヴェルディJY)のセンターバックとアンカーの山下柊飛(1年・東京ヴェルディJY)の3人を軸に、きっちりボールを動かす意識を表出。主導権を奪いに掛かります。
「立ち上がり15分はあまりみんなうまく行かなくて後手を踏みまくっていた」(栗原)養和でしたが、「最初は結構『フォワードがセンターバックに勢いよく飛び出して、プレッシャー掛けてけ』って言ってたんですけど、行っても取り切れないから、途中からは『行かずにステイして』という感じでセンターバックと話していた」とはドイスボランチの一角を担う冨久田和真(2年・三菱養和調布JY)。これには右サイドバックの宮嶋俊弥(2年・三菱養和調布JY)も「ヴェルディはパスを繋ぐのが本当に上手くて、自分たちは最初は前から行っていたんですけど、取れないことに全体が気付いて、ちょっと後ろからブロックを作っていこうとなった」と同調。清水雅仁(1年・三菱養和巣鴨JY)と遠藤光(2年・三菱養和調布JY)のセンターバックコンビもラインを微調整しながら、図る守備面の安定。
逆にヴェルディはボールこそ動くものの、「キーパーを使って数的優位を作って、そこでボールを回しているだけで進まないというのは、別に目指している所ではない」と永井秀樹監督も口にした通り、大きなチャンスは創り切れず。ファジーなポジションを取る森田の個は目立つ中で、なかなか養和ゴールへと近付くことができません。
すると36分にスコアを動かしたのは、少しずつゲームリズムを押し戻していた養和。右サイドからCKを蹴った宮嶋は、再び自分の元へボールが戻ってくると、「クロスを上げようと思ったんですけど、前が空いていたので、そこで2タッチくらいして中に切れ込んで、誰かに出せばという感じで」中央へ。収めた栗原は「普段ああいう所は人を使いがちなんですけど」、自ら反転して前を向きながら左足一閃。右スミへ転がったボールはゴールネットへ吸い込まれます。「あそこで1個入れ替われたのが素晴らしいプレーだと思うし、守備に回る時間が多かった分、ああいうプレーで流れを持ってこれたのは大きかったと思います」と自ら振り返るストライカーの貴重な先制弾。養和が1点のリードを奪って、最初の45分間は終了しました。


後半はスタートから両チームに交替が。養和は清水に替えて、渡辺大貴(2年・三菱養和巣鴨JY)をそのままセンターバックへ。ヴェルディは左ウイングに入っていた荒木大輔(2年・東京ヴェルディJY)を下げ、松橋優安(1年・東京ヴェルディJY)を最前線に置いて、フロントボランチに森田を、左ウイングに村井清太(2年・東京ヴェルディJY)をスライドさせて、まずは1点を返すための態勢を整えます。
51分は養和。右から宮嶋が蹴ったCKは、ヴェルディのGK佐藤篤輝(2年・東京ヴェルディJY)ががっちりキャッチ。53分はヴェルディ。森田の左CKはDFが大きくクリア。58分もヴェルディ。右ウイングに入った栗畑玲偉(2年・ヴェルディSS花巻)の積極的なミドルは枠の上へ。61分は養和。ボランチの田中恭司(2年・Forza'02)を起点に、右サイドで獲得したFKを宮嶋が蹴り込むと、渡辺がうまく合わせたボレーはゴール左へ。「セカンドボールをしっかり拾って、自分たちのリズムになったというのはあるけど、1対1の局面は相手の方が上だった感じはあります」とは冨久田。やり合う両者。出し合う手数。
63分にはヴェルディに2人目の交替。馬場と坂巻を入れ替え、前線の顔ぶれに新たな変化を。65分に松橋がミドルレンジから左足で狙ったシュートがDFをかすめ、ゴール右へ逸れたシーンと、直後にレフティの山本理仁(1年・東京ヴェルディJY)が蹴った右CKもDFにクリアされたシーンを経て、お互いに切り合うカード。66分は養和。右サイドハーフで奮闘した林壮真(2年・三菱養和調布JY)と上田英智(1年・三菱養和巣鴨JY)をスイッチ。70分はヴェルディ。村井に替えて、石川拓磨(1年・東京ヴェルディJY)をピッチへ。73分は養和に2枚替え。先制ゴールの栗原と勝浦太郎(2年・横浜F・マリノスJY追浜)の2トップを同時に下げ、西田湧大(2年・三菱養和巣鴨JY)と樋口陸(1年・三菱養和巣鴨JY)をそのまま前線へ。差し掛かる終盤。双方にとって勝負の時間帯。
74分に記録されたのは養和の追加点。右サイドで上田が外へ付けると、「最初はダイレで上げようと思ったんですけど、1個持ったら宮本が良い所にいてくれたので」という宮嶋はピンポイントクロスをファーサイドへ。きっちり走り込んでいた10番の宮本康生(2年・三菱養和調布JY)は、ヘディングでボールをゴールネットへ突き刺します。「昔はクロスが得意だったんですけど、最近は調子があまり良くなくて、監督からも『最近全然だな』みたいな感じで言われて自分も悔しかったんですけど、ちょっと見返せたかなと思います」と笑顔を見せた2アシストの宮嶋に対して「本来の持ち味が整理できてピッチに立っていたので、今日なんかは前半から思い切って行っていましたね」と指揮官も確かな評価を。養和のリードは2点に変わりました。
「色々なプランを試すのもそうだし、せっかくの決勝の舞台なので、そういう経験もなるべく多くの人間にさせたいなというのもありましたね」という永井監督は、2点のビハインドを追い掛ける展開の中で、78分に4人目の交替。栗畑と小林優斗(1年・東京ヴェルディJY)を入れ替えると、80分にはエリア内でマーカーを外した森田が左足で枠へ収めるも、ここは養和のGK渡辺舜作(1年・三菱養和巣鴨JY)が丁寧にキャッチ。右から宮嶋、渡辺、遠藤、廣川虎太郎(2年・三菱養和巣鴨JY)で組んだ養和4バックの安定感も、時間を追うごとに高まるばかり。追撃の一手とは行きません。
80分に宮本と小山竜二(2年・三菱養和巣鴨JY)を交替させた養和は、その2分後にチャンス到来。右サイドでボールを持った宮嶋は、「『アレ、行っちゃってる?』みたいな感じで、右と左とか見えてなかったんですけど、来た人を抜いてスルスルっと行けたので」カットインしながらシュートまで。最後はDFのブロックに遭ったものの、「ドリブルは得意じゃないですけど、たまたま行けて選択肢はシュートしかなかったですね」というフィニッシュを独力で。
86分はヴェルディ。山本がヒールで残したボールから、右サイドバックの三浦雅仁(2年・東京ヴェルディJY)はクロスを上げ切り、ダイレクトで叩いた坂巻のシュートは枠の左へ。直後には5人目の交替として、山本と天満恭平(1年・東京ヴェルディJY)をスイッチ。87分は養和に決定機。樋口からボールを引き出した冨久田は「あまりああいうパスが今日はなかったので」と、絶妙のショートパスを西田へ。シュートは佐藤のファインセーブに阻まれましたが、「去年から出ているので、自分が最高学年になって、チームを引っ張っていかなきゃいけないというのはこの大会で凄く感じました」という7番が披露した確かなセンス。
90分はヴェルディ。左サイドバックの飯島蓮(2年・東京ヴェルディJY)が奪ったCKを森田が蹴るも、DFが懸命にクリアすると、これがこのゲームのラストチャンス。最後は90+1分に望月海輝(1年・三菱養和巣鴨JY)と田村進馬(1年・三菱養和調布JY)も同時投入してゲームを締めた増子監督は「彼らは明るくて良い子たちだと思います。今までは3年生がいたけど、1個学年が上がったので、そうなってくると『責任感というか、求められるものが強くなるんだよ』と。『エラくなった訳じゃないからな。その分、自分のことをやらなきゃいけないし、チームのためにといった部分だよ』ということを言い聞かせてます(笑)」と笑顔で。養和が2月の東京を見事に制する結果となりました。


後半から始まった養和のゴール裏ステージショー。時には中島みゆきの『糸』。時には大塚愛の『さくらんぼ』。時にはSMAPの『世界に一つだけの花』。時にはTWICEの『TT』。もはやただのカラオケ大会と化していた時間帯もありましたが(笑)、「アレは去年の先輩たちです。後半から来てくれていて。大学の練習とか試合があったみたいなんですけど、後半から声を出してくれていたのは今の3年生です。去年はリーグ戦でも流経のグラウンドとかで歌ったりとか(笑)、ちょっと恥ずかしかったというか、それで相手の調子を崩すという感じでね」と苦笑いを浮かべた増子監督が、「でも、ああいう良いお兄さんになれればいいじゃないですか。サッカーをやりながら」と続けた言葉が、おそらくは養和の在り方を最もよく表現しているのかなと。実際にトラメガを持って歌いまくっていた"先輩"の加藤慎太郎は、U-19日本代表に選出されてスペイン遠征に行ってきたばかり。そういう"お兄さん"たちが、ピッチの内外でハイパフォーマンスを発揮し続けてきたからこそ、養和には脈々と続くあの雰囲気がある訳で、栗原も「あまり上下関係はなくて、凄く話しやすいので、そういう所で言いたいことを言えるのは大きいと思います。サッカーものびのびできたり、選択肢も増えたりするので大事ですね」ときっぱり。彼らの伝統とも言うべきスタイルの持つ強みを、改めて実感するようなファイナルだった気がします。      土屋