元Jリーガー小林祐三が“年の差”同期鼎談、百年構想クラブ「クリアソン新宿」の理念に迫る

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元Jリーガー小林祐三が“年の差”同期鼎談、百年構想クラブ「クリアソン新宿」の理念に迫る
 新宿区を拠点とする関東1部リーグのクリアソン新宿が2月25日、「Jリーグ百年構想クラブ」に認定された。本拠地となるスタジアムの問題など成績面以外にも課題は残るが、連携協定を結ぶ新宿区の支援も受けつつ、Jリーグ入会の第一関門を突破した形だ。

『ゲキサカ』では17年間のJリーガー生活から新人サラリーマンへの転身を遂げたDF小林祐三(35)、同じくJリーグの舞台からキャリアを選んだMF池谷友喜(25)、一学年12人のJリーガーを輩出した明治大から新卒で加入したFW岩田寛生(22)の“年の差同期鼎談”をオンラインで企画。大都市新宿で地道な活動を続ける異例のクラブの取り組みに迫った。

■小林祐三(35) 株式会社Criacao社員
上里FC-静岡学園高-柏-横浜FM-鳥栖-クリアソン新宿

■池谷友喜(25) 株式会社Criacao社員
熊本Jrユース-熊本ユース-中央大-熊本-讃岐-クリアソン新宿

■岩田寛生(22)
緑東FC-藤枝東高-明治大-クリアソン新宿

―まず三人にそれぞれ質問をさせてください。まずは小林祐三選手から。これまでJリーグで17年間にわたってプレーしていて、周囲には必ずしも「理念」を求めてプレーする選手ばかりではなかったと思います。このクラブに来てからの変化をどのように感じていますか。


小林「おっしゃるとおりで、Jリーグは本当にいろんな選手がいる環境でした。サッカーのレベル感はだいたい揃っているんですが、そこに至るまでの背景や、選手が持っている考えはかなりバラツキがあって、いわば『サッカーのレベルで一元的にまとめた』というディビジョンです。いまは全く反対で、自分たちが実現したい世界や、自分がこうありたいという『to be』のところで人間が集まっているので、サッカーのレベルにはバラツキがあります。つい最近までサークルでやっていた選手と僕がサッカーで同じレベルだったらまずいわけですよね(笑)。そういった感じで、揃えるところが違うんです。Jクラブはサッカーのレベルで揃えますし、クリアソン新宿は理念や世界観で揃えるという。もちろんサッカーという競技は同じなのでプレーのモデルや原則は変わらないんですが、『なんでサッカーをするんだ』というものは変わりました。正直、それぞれ難しさはあります。ただ、その難しさがどこに向かっているのかという点では、いま自分がやっている作業が合っているのかなと思います。数年前、迷いながらJリーグでプレーしていた時とは違うものがありますね」。

―次は池谷友喜選手、お願いします。昨季までJリーグで3年間プレーしていましたが、そのままJクラブで戦う選択もあったと聞きました。あえて、このクラブで挑戦することの意義をどのように感じていますか。


池谷「チームとして何かを成し遂げるというところがすごく強いクラブで、プロサッカーチームだと成し遂げられないもの、つくりあげられないものがあると感じています。プロはサッカーでのし上がる、サッカーで上に行くことも強く求められる中で、クリアソン新宿では、選手同士や地域とつながることにも重点を置いていて、そこに魅力を感じています。チームスポーツの価値は、人とつながって、人に価値を与えていくことにあると思っているので、結果にコミットしつつもそういったものが体現できるのがCriacaoだと思っています。僕自身、学生スポーツにもそういったものを強く感じていたんですが、いまは株式会社Criacaoでも働いていることもあり、それ以上に大きいものを追いかけているなという実感があります」

―ある意味、プロに入るよりも大きな決断だったのではないでしょうか。
池谷「すごく大きかったと感じています。プロで3年間を過ごして試合に出始めていた時期でもあったので、周りからも『これからの選手』と言っていただいていましたし、実際に『なんでそういう決断をしたの』と言われたりもしました。ただ、リスクのところに目が行きがちなんですが、リターンのほうを見ていくと、自分が5年後、10年後にどうなっていたいのか、どういうサッカー選手でありたいか、どういう人間でありたいかという『to be』のところを考えると、クリアソン新宿でサッカーをしたほうが大きなものを得られるんじゃないかと考えました。サッカー選手として上に行く可能性は低くなってしまうかもしれないけど、自分がどうありたいかにつながる大きなものを成し遂げられる可能性のある挑戦だと思っています」

―最後に岩田寛生選手。明治大からの加入ということで、同級生にはプロに入る選手も多かった中、大きな決断だったと思います。どのような点でクラブを選びましたか。


岩田「僕はクリアソン新宿に入る前、クラブについての理念やどういうチームなのかを聞いていて、イメージを持って練習参加に行きました。まだ社会人になって働いていたわけではないので、サッカーと社会人の両立を実感できていなかったんですが、先輩たちの話や姿を見ながら両方頑張ることによって世の中に与える影響はすごく大きいと思い、難しい挑戦を達成できるチャンスのあるこのチームに入りたいと思いました」

―大卒選手となると、実業団に近いJFLクラブでサッカーを頑張るか、会社員としてのキャリアに尽くすかという選択が一般的だと思いますが、迷いはありませんでしたか。
岩田「どこでサッカーをやるかの迷いはありました。プロじゃなかったらJFLでやる選手が多いのかなとも思い、チームを見させていただいたのですが、そこではサッカーが中心の生活になるという認識がありました。ただ、自分の中ではどっちも同じくらいに頑張りたいという思いがあって、クリアソン新宿でやりたいという決断ができました」

―ここからは小林選手に回しつつ話を進めていただきたいのですが、年下のお二人に対して大事にしてほしい考え方、ここでプレーする意義というものはありますか。
小林「でも、この二人は僕と同期なんですよね。チーム歴は変わらないので(笑)。ただ、いろんなところでたびたび言っていることですが、実現したい理念や世界観があるからプレーをしているというのが大前提にある中で、組織をどれだけ前に進められるか、組織にどういうものを与えられるかは大事にしてほしいですね。理念や理想はあくまでも槍や剣だと思います。突き進んでいく上で障壁を崩すために使う手段であって、自分自身を守る盾や鎧にしてはいけないと思います。一人の人間として……という考え方とか、僕はわりと好きなんですが、理念や理想から決して逃げずにどうありたいかは大事にしながら、そこに突き進んでいける最良の組織がCriacaoであるということを忘れないでほしいなと思っています。また自分もCriacaoがそうした最良の組織であり続けられるよう、一人の人間として良い影響を与え続けたいと思います」

―たしかに同期なんですね。サッカー界は「同期入団」より「同級生」が絶対だと思っていたので、失礼ながらその発想はありませんでした。
小林「そうなんです。たとえば株式会社Criacaoのほうで原田亮という人間が僕のメンターなんですが、年で言えば二級下なんですね。でもCriacao歴は僕より長くて、いろんなことを教えてもらっています。じゃあ、そこでピッチに立ったらどうすんねん?という問題です。サッカーでは僕のほうがキャリア的には上ですよね。でも、僕は『リョウさん』って呼んじゃいます(笑)。『ちょっとリョウさん、いまのプレーは……』って(笑)。結局、お互いずっと敬語で喋って落ち着いているんですが、サッカー界の人が見たら、プロでやったことない年下の人間に僕が敬語でアプローチしてるのは変に見えるかもなって客観的に見たりもします。池谷とも同期ですけど、その辺はどう?タメ口で喋ってくることはないですけど(笑)」

池谷「難しいですね(笑)。でもピッチの上では皆さん対等に扱ってくれますよね。社会人としてはすごく教えてくれる立場なんですけど、ピッチに入ればなんでも要求し合えるので、そういう関係はすごく良いなと思っています。プロサッカー界だとサッカーが上手ければそれで偉いってなってしまう部分もあったんですが、それがないのは会社とクラブの両輪があるからなのかなと思っています。普段から株式会社Criacaoの社員選手がどんな仕事をしていて、どういう人なのかという人となりを知ることができるので、だからこそサポートしたい、この選手のために自分がボールを取り返したいという思いが自然と芽生えてくるのも、このクラブならではの良さだと感じています」

―岩田選手はいかがですか。
岩田「いままでだと、一回り年が違う選手とプレーすることはなかったんですけど……」

小林「やかましいよ(笑)。誰が年寄りだよ」

池谷「(笑)」

岩田「いえ、でも大学時代は最大で三つ年上の人とプレーしていても、なかなか言えない環境があったり、要求もしにくかったんです。ただ、クリアソン新宿の選手は『年上だから俺の言うことを聞け』という人はいないし、言われたことに対して飲みこむ能力がすごく高い方ばかりなので、年下でもやりやすい環境をつくってもらっていると感じています。そういった関係が良いところだなと思います」

小林「僕は結構、この同期という考え方が好きでなんですよね。もちろんJリーグでの実績から、プレーヤーとして期待されているものもあって、そこから逃げるつもりはないんですが、そんなものはいままでもあった話なので。この組織にどう影響を与えられるのかということからは逃げも隠れもしないけど、そこが大きくなりすぎるのは好きじゃなくて、だからこそ同じタイミングで似たような境遇でクラブに入った池谷の存在で、普通の会社の同期みたいに感じられることがあるのは大きいですね」


―このクラブならではのものが見えてきたような気がします。
小林「もし丸さん(クリアソン新宿 代表 丸山和大)がJリーグクラブの社長になりたいとか、偉くなりたいとか、上場してめちゃくちゃお金持ちになりたいって言い始めたら今からの話はなくなっちゃうんですけど(笑)、『サッカーは手段でしかない』というのが丸さんの口癖で、それが他クラブとの決定的な違いになってくるんじゃないかなと思っています。サッカーの可能性、サッカーが素晴らしいものだというのは大前提で、僕らもそういったものを届けたいと思ってはやっているんですが、それよりも『もっと社会を豊かにしていきたい』とか『孤立した状態じゃなくつながって豊かになりたい』というものに向けて、サッカーの役割としてもっとできることがたくさんあるよね、というところがスタート地点だと思っています。選手たちも『サッカーがすべて』とか『サッカーが一番すごい』とかという発想でやっている選手は一人もいない。僕らはサッカーだけをしに来ているわけじゃないので、サッカーをもし取り上げられたとしても、『じゃあCriacaoとして何をしようか』という思う人たちしかいないと思います。それがこのクラブにしかないものかなと思っていますし、僕はCriacaoがなければサッカーも辞めていたと思います。ヒロキはこのクラブならではのものってどう思ってる?」

岩田「サッカーのレベルが高いところならどのクラブでも良いという考え方もあると思うんですが、クリアソン新宿には『このクラブでやりたい』という思いが強い人ばかりがいると思います。僕が入ってすぐ、Zoomで、僕を含めた新加入選手の自己紹介の時間を設けられていたり、定期的にサッカー以外のことを話す時間をチームでつくっていたり、ピッチの中でだけつながっていればいいという考え方ではなく、サッカー以外の部分でもチームとしてつながって目標を達成していくという考え方が他のクラブにないものかなと思っています」

小林「これは良いのか悪いのか分からないんですけど、ウォーミングアップの時にみんな仕事の話をしてますからね。本当に良いのか悪いのかは分からないですが(笑)。集合時間の前に早く集まった時なんかは、みんな着替えながら『あれどうなってる?』って、株式会社Criacaoとしての業務の話をしていたり。練習にバタバタって来る人がいたら『仕事、大丈夫?』『いまこの対応してて、でも練習に間に合って良かったです』『それたまらんねー』みたいな。僕はそういうところすごく好きで、だから株式会社Criacao以外で働いている選手が練習に来てくれるとものすごく嬉しい気持ちになるんですよね。いままでそんな気持ちになったことなくて(笑)。この選手たちはサッカーをやらされているわけじゃなく、明確な意思を持って仕事を調整して、自分の意思でグラウンドまで来て、自分の意思でピッチに立っているなというのをすごく感じて。そういう選手が練習が終わった後にスーツ着替えて『仕事あるんで!』って戻っていくのを見ると、自分はもっと頑張らなきゃなと思いますし、そういう刺激ももらっています。なかなかそういうのはこのクラブじゃないと味わえなかったなと。だから正直、勝った時よりも、そうやって選手が慌てて練習に来てくれるほうがうれしいくらいで(笑)。そういうのをどう取るかは人それぞれだと思っていて、サッカー文脈で言ったら『サッカーに集中できていない』という言い方もいくらでもできると思うんです。そういう側面だけに目を向けたら。でも自分自身はエネルギーに変わる機会のほうがすごく多いので、僕がメディアで多用している『いま、楽しいです』って端的な言葉はそういう意味です。イケはどう?俺は練習前の雰囲気、けっこう好きなんだけど」

池谷「僕も好きです」

小林「いそいそと着替えて、準備体操しながら『あれ、どうなってるんだっけ?』って(笑)」

池谷「それにつながる話ですけど、そういう選手がピッチではめちゃくちゃ頑張ってるみたいなのも良いんですよね。それこそ昨日とか、練習の5分前くらいまでパソコン開いて立ったまま仕事してる人もいて、でもピッチに入った瞬間、それを忘れて全力でサッカーに取り組むという。そういう姿勢を見られるのはすごくいいなと感じています。プロサッカー選手でも、試合に出るか出ないかで練習に対する気持ちの波が見えたり、『これが自分のスタイルだから』って感じの選手もいるんですが、Criacaoにはそういう人がいない。極論、サッカーはやらなくてもいいわけで、仕事が忙しい中で休みがなくても、なんとか仕事に都合をつけたり、いろいろ片付けて来ているということにサッカーをすることへの覚悟があって、それを外で見ていても感じられるのが良いところだと思います」

小林「いいですよね。イケが言ったような『頼まれてないのにやっている』というのは核心を突いていると思います。もっと言えば、Jリーグの選手たちにも誰も『やれ』って頼んでいないんですよね。代わりに上手い選手も、やりたい選手もいくらでもいるので。でも、いつの間にかみんなやらされちゃうわけですよね、気がついた時には。それに周りの選手が違和感を感じて、チームが、クラブが、組織が……というところにつながっていくんですが。でもCriacaoでは導入部分のところで『誰からも頼まれてない』ということを認識するので、サッカーは『自分で選んでやりますよ』と。それはなぜかというと『こういう自分でありたい』という前提条件が揃っているからです。だから僕はもしそういう選手がミスをしても嫌な思いをしないというか、妙ないら立ちみたいなのはなくなりましたね。選手の姿勢がそういうところに繋がっていると思います」

池谷「そう思います」

小林「あとこのクラブにしかない話で言えば、株式会社Criacaoで働きながらサッカーをするという働き方とサッカーの兼ね合いもここにしかないものですよね。実業団のように全員が社員であり全員が選手でもあるというチームもありますし、全員がバラバラに働いているチームもありますが、クリアソン新宿にはいろんな人が共存しています。学生もいるし、株式会社Criacaoで働いている選手、他の一般企業で働いている社外選手もいる。三つの選手たちがうまく共存しているのはクリアソン新宿だけだと思っています。それもいろんな選手たちがいる中で、みんながそれぞれを尊重して、誰が一番上手いかとか誰が一番稼いでるかとかではない。いままでのサッカーだとそういったものが多かったんですが、バックボーンが多様すぎてレイヤー分けすらできないことが素敵だなと思っています。ヒロキは今は学生、これからは社会人になるけど、どう思う?」

岩田「サークル出身者もいますし、元プロでやっていた選手もいる。バックボーンがさまざまで、それぞれが対等な立場でお話できるというのは、学ぶものがたくさんあるなと感じています」

小林「対等という話で言えば、僕がこの前の試合で一瞬だけ歩いていたら、後ろから誰か分からないですけど『歩くな!切り替えろ!』って言われて。僕は身体がビクッ!って反応したんですけど、良いチームだなと思いましたよね(笑)。年齢的にもピッチの中で一番上で、元プロというのもあるんですが、そういうのをピッチの中で取っ払ってくれる環境なんだなというのを感じます。イケはどうかな。Jリーグから来たけど、良い意味で全く関係ないわけじゃない?」

池谷「そう言われてハッとさせられるというか、やらなきゃというふうに思わされるのが良いチームだなと思いますね」

―そういったクラブが新宿という街にある意義はどう思いますか。
小林「新宿って何でもある街なんですよね。何か食べたいなと思って、じゃあカレーにするかってGoogleMapに入れると、めちゃくちゃ美味しい店が10分以内にチャリを使えば行けるんです。何をするにも事欠くことが全くない。ただ、スポーツ、サッカーはここにはなかったんです。これだけ多様性が認められた街でも、スポーツというものは必要とされてこなかった。それでもこれくらいの文化レベルの街ができあがっている。ただ、そこがこの街におけるチャンスだと思っています。僕らがゼロから『新宿とスポーツ』『新宿とサッカー』という関係値をつくっていけることに大きな魅力を感じています。ヒロキは新宿のイメージってどう?」

岩田「新宿といえばたくさんの人がいて、新宿駅は世界で一番使われる駅ということで……」

小林「さすが、うちが使ってる資料よく読んでるねー(笑)」

岩田「はい(笑)。でも本当に多種多様な人が集まってくる街だと思っていて、それに重ねてクリアソン新宿にも多様なバックグラウンドの選手が集まっています。Criacaoでのつながりを新宿区に還元することができて、もっと明るく豊かな街になったら良いなと思っています。新宿区を代表させてもらっているチームなので、まずは結果も含めて僕たちがやっていることを新宿区全体に浸透させて、新宿区をより盛り上げていくことが僕たちの仕事だなと思っています」

小林「ヒロキの話を聞いて、あらためて新宿の多様性とメンバーの多様性など、クラブと街の共通項がたくさんあるなと思いました。『なぜ新宿にこのチームがあるのか』『なぜ新宿でサッカーをやっているのか』という意味でも、リンクするものはいっぱいありますし、逆に『新宿なのに?』というものは感じないと思う。僕は『Criacaoが新宿にある理由』と『新宿区がCriacaoを選んでくれた理由』はコインの表裏だと思っています。多様なものをサッカーでつなげる姿を目指しているんですが、実現したい世界観の中に新宿じゃないといけない理由がたくさんあります。イケはどう思う?」

池谷「多様性のところはリンクする共通項が多いし、サッカーを通して広めていきたいですよね。あと新宿という街全体の多様性も知ってほしいなと思っています。僕自身も大学時代は危ない街というか、夜の街というイメージがあったけど、練習後とかに自転車で新宿の街を回っていると、本当にいろんな顔を持っているなと思います。東京って人と人との繋がりがなく寂しい人が多いのかなと思っていたのが、『ポスター貼ってください』って言ったら本当に快く応援してくれたり。新宿ってこんな一面があって、こんな人たちがいて、こんな良いところがあるんだよということを僕らサッカークラブが中心となって、良さを広めていきたいという思いが最近すごく芽生えてきています」


小林「僕も商店街に行った時はそういう印象を受けました。やっぱり昔からある街だなって。昔から住んでいた人たちが思ったよりいっぱいいるんだなと思いました。またここで生活して、そういう人たちと会って話すと、昔から新宿に住んでいた人たちが僕たちのことを応援してくれるという価値はすごく大きいなと感じます。新宿区とCriacaoの包括連絡協定では①スポーツ振興、②学校と地域、③多文化共生、④健康寿命の延伸と健康づくり、⑤産業振興と地域商店街の活性化の5つを重点事項にしているのですが、普通のスポーツクラブが結ぶ内容じゃないですよね。自分たちが価値を提供できることがこれだけたくさんあるというのは普通のクラブと普通の街の関係性ではないことだと思います。クラブを通じて、サッカーを通じて、クラブとサッカーだけに完結せず、自分たちの価値をそういったところに落とし込めることが新宿にある理由、新宿でないといけない理由、新宿でやる理由につながります。自分たちも新宿でやる以上、新宿の代表チームとしてたくさんの人に応援してもらっている以上、プレーの時もそのことを頭に入れつつ、ビジネスでも5つの項目につなげていければいいなと思っています」

―Jリーグが進めている『シャレン!』活動に少し携わっているのですが、そうした社会課題へのコミット感は、なかなか他のクラブでも見られないような“社会連携”への強い意識を感じます。そろそろまとめに入りますが、サッカークラブが取り組む意義は大きそうですね。
小林「何度も言ってしまうんですが、サッカーは手段でしかありません。新宿区は課題先進地域と言われていて、日本で起こりうる課題がぎゅっとなっている地域なんですが、それをスポーツクラブ、サッカークラブがどうアプローチして、どのように解決していけるかという流れをいち早く実現できるチャンスだと思っています。僕らにとってサッカーはそれを解決する手段です。サッカーを通じてそれらの社会課題がもしまるっと解決できたらこんなにすごいことはないなと思っています。その可能性が秘められた地域とクラブだと思っています。こちらからは以上です(笑)」

池谷「じゃあ次は僕で(笑)。社会課題の解決というところですが、僕はサッカー選手を3年やってきて、地域のために人のためにというところの思いを持ってやってきました。ただコロナでサッカーがなくなった時、何ができるんだろうかと考えた時、やってきたものの範囲がすごく狭かったなと感じさせられました。昨年、僕は讃岐にいましたが、香川県の中の、サッカーが好きな人たちの中の、カマタマーレが好きな人というすごく狭い範囲にしかアプローチできていなかったなと。もちろん、そこにアプローチすることの良さもすごくあるんですが、サッカーがなくなってしまうと無力さをすごく感じてしまい、クリアソン新宿に来てからはサッカーとは別の大きな枠組みで社会に対してできること、社会のためにアクションをできることの良さを感じています。こうした活動を続けていくことで、新宿がもっと良い街になったり、日本がすごく良いところになったり、社会全体がより良い環境になったらいいなとすごく感じています。実際に良くなっていくんじゃないかという手応え、自信もついてきているので、そういったものを大切にしながら一つ一つクリアにしていけたらいいなと感じています」

小林「ヒロキ、最後にまとめちゃってください」

岩田「それ、僕ですか(笑)。でも、僕がいままでサッカーをしてきたところでは、関わってくださった方とか、応援してくださっていた方々にしか影響を与えられなかったなと思っていて、でもクリアソン新宿ならもっと大きな規模に良い影響を与えられるんじゃないかって思わせてくれる方々がたくさんいて、そのことに誇りも感じているし、責任もあるなと思っています。規模感がすごく大きなものになるので、まだ自分が新宿区に影響を与えられているという実感は得ていないですけど、それを達成したいという思いがありますし、このチームならできるという思いがあります」


―そうしたミッションを聞くと、百年構想クラブ認定に対する世間の捉え方も変わってきそうですね。
小林「今までのJリーグクラブやJFLのクラブが階段を上っていった過程は、われわれがこれから歩む道とは全く違うものになるんじゃないかと予想しています。これまでのJクラブは街おこし的な側面も強く、そこで文化の礎をつくってこられたと思っています。ただ自分たちは課題先進地域にいて、地域に密着しながらそれらを解決していくというやり方です。そういったところでクラブが地域にとってどういう存在であり続けるのか。これはどのクラブもクリアしたことがない課題だと思っています。まずは新宿区がこのクラブを選んでくださったことと、そして自分たちがこういった階段の上り方をしていきますという報告をして百年構想クラブという形で、ある意味Jリーグが応援をしてくれたことは、いままでのケースとはまた違うものなのかなと。スタジアムのことも言われますが、『新宿にスタジアムをつくるために頑張ろうよ!』ってノリではないですし、新宿にスタジアムをつくることが最大の夢だというわけでもないです。スタジアムで実現できる世界観を考えると、もちろんワクワクします。でもそれは手段でしかない。あくまでもこれからが大事ですし、いまのところは課題を一つでも解決し切ったわけではありませんし、まだ糸口を掴むか掴まないかのフェーズにあることは変わりありません。なかなか他の団体がチャレンジできない、リーチできないところに挑戦していることは誇りに思いつつも、自分たちはこれからだというのを念頭に置きつつ、謙虚さと自信とを両方持ちながら活動していければと思います」

▼今後の試合予定
4月18日 11:30
第26回東京都サッカートーナメント(天皇杯予選準決勝) vs駒澤大
※無観客のためYoutube LIVE配信
https://youtu.be/Cbd_fDzMwe8

4月25日 13:30
前期第3節 vsVONDS市原(夢の島)

4月29日 14:00
前期第4節 vsブリオベッカ浦安(浦安陸上競技場)

(インタビュー・文 竹内達也)


栃木元GMの上野氏が死去、選手・スタッフが喪章着用へ

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 栃木SCは13日、ゼネラルマネージャーや強化部長を務めた顧問の上野佳昭氏が病気のため亡くなったと発表した。81歳だった。

 1940年3月26日生まれの上野氏は現役時代に古河電工サッカー部などでプレー。栃木県の国体代表チームを指揮した後、2007年に栃木に強化部長に就任した。その後、シニアディレクター、シニアアドバイザーを歴任した後、13年9月から強化部長に再任。14年2月からゼネラルマネージャーを務め、16年2月から現職だった。

 クラブは「故人のご冥福をお祈りいたしますとともに、謹んでお悔やみ申し上げます」とコメント。17日に行われる第8節千葉戦、21日に行われる第9節新潟戦では選手・スタッフが喪章を着用し、キックオフ前に黙祷を行うという。

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福岡DF志知が“史上初”ラフプレー退場、鹿島ザーゴ監督はPK判定に不満:J1第9節VARまとめ

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DF志知孝明(福岡)が一発退場に
 J1リーグは10〜11日、第9節の10試合を各地で行った。今季から再導入されているビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によるレビューは3回。Jリーグ史上初めて、ノーファウルだった事象にラフプレー(著しく不正なファウルプレー)によるレッドカードが出される事例も起きた。

<第1節 3回>
<第2節 2回>
<第3節 3回>
<第4節 なし>
<第5節 4回>
<第6節 1回>
<第7節 4回>
<第8節 2回>

<事例1>4月10日 J1第9節 C大阪 2-2 福岡 @ヤンマー(一発退場に関する判定)
 0-0で迎えた前半11分、福岡は左サイドで相手にプレッシャーをかけたDF
志知孝明がMF奥埜博亮とボールを奪い合った際、膝付近にスライディングタックルをする形で交錯。その時点ではファウルを告げるホイッスルは鳴らされず、福岡の攻撃がそのまま続いた後、C大阪のクリアでプレーが途切れた。

 ここでVARが介入。約1分半にわたってチェックが入った後、笠原寛貴主審がオンフィールドレビューを行った。その結果、笠原主審は志知の行為が「著しく不正なプレー」にあたると判断。ノーファウルからレッドカードに判定が変更された。第8節鹿島対柏戦の類似事例ではFWエヴェラウド(鹿島)にイエローカードが出されていたが、レッドカードが出されるのは史上初となった。

主審:笠原寛貴
VAR:池内明彦
AVAR:川崎秋仁

<事例2>4月11日 J1第9節 札幌 2-2 鹿島 @札幌ド(PKに関する判定)
 鹿島が2-1でリードして迎えた後半20分、札幌はMF金子拓郎が素早いターンからペナルティエリア内に仕掛け、鹿島DF町田浩樹を股抜きで突破。続いて追いかけてきたDF永戸勝也と交錯した後に転倒し、清水勇人主審はPKの判定を下した。

 ここでVARが介入。争点は永戸のファウルがエリア内だったかどうか。通常、エリア内外は「ファクト(事実)」に関するプレーのためVARオンリーレビューで最終判断が行われるのが一般的だが、このようなケースでは「どの行為がファウルにあたるか」という主観的な判断も必要とされるため、清水主審はオンフィールド・レビューを行った。

 その結果、清水主審は永戸のファウルがエリア内で起きていたとして札幌のPKを再度指示。当初の判定をキープした。札幌はこのPKをFWアンデルソン・ロペスが決めて同点。2-2のまま試合は終わり、鹿島のザーゴ監督は試合後に「試合を見ていた人全員がPKではないということを明確に見られたのではないかと思うし、それが非常に残念」「PKではないPKを取られた」と不満をあらわにした。

主審:清水勇人
VAR:高山啓義
AVAR:田尻智計

<事例3>4月11日 J1第9節 FC東京 2-4 川崎F @味スタ(ゴールに関する判定)
 川崎Fが2-0でリードして迎えた前半23分、ゴール正面からのFKをMFジョアン・シミッチがクイックリスタートすると、FWレアンドロ・ダミアンがフリック。これに反応したMF三笘薫がカットインで相手GKをかわしてゴールに流し込んだ。

 副審はフラッグアップしていなかったが、ここでVARが介入。約2分半にわたってVARがチェックを行った結果、三笘のオフサイドが確認され、VARオンリーレビューでノーゴールとなった。オフサイドによるゴール取り消しはこれで今季4例目。川崎Fでは第5節の神戸戦に続いて2例目となった。

担当副審:塚越由貴
VAR:中村太
AVAR:平間亮

■2021年VAR統計(第9節まで)
レビューで判定が修正された回数:18
レビューしたが原判定が支持された回数:4

①得点に関わる事象
ゴールが認められた回数:2
ゴールが取り消された回数:8

オフサイド(ゴール/ノーゴール):2/4
ハンド(ゴール/ノーゴール):0/2
その他ファウル(ゴール/ノーゴール):0/2
ラインアウト(ゴール/ノーゴール):0/1

②PKに関する事象
PKが与えられた回数:3(成功3、失敗0)
PKが取り消された回数:1
PKが蹴り直しとなった回数:0

エリア内外(PK/取り消し):1/1
ハンド(PK/取り消し):1/0
その他ファウル(PK/取り消し):1/0

③レッドカードに関する事象
カードなし→レッドカード:2
イエローカード→レッドカード:0
レッドカード→イエローカード:0
カードなし→イエローカード:1
レッドカード→カードなし:0

④人違いに関する事象
人違いでカードの対象が変わった回数:0

(文 竹内達也)
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長崎、クラブスタッフ1人がコロナ陽性

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長崎、クラブスタッフ1人がコロナ陽性
 V・ファーレン長崎は13日、クラブスタッフ1人が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定を受けたと発表した。選手との接触はなく、自宅で隔離・療養しているという。

 当該スタッフは今月7日に喉の違和感を訴え、8日に医療機関を受診。風邪の初期症状という診断を受け、8〜9日は従業員の少ないオフィスで隔離業務を行っていた。10〜11日は休業日で、12日に陽性診断を受けた。濃厚接触者の有無は保健所とともに確認中。接触の多かった従業員は自宅待機し、自主的にPCR検査を受けているという。

 長崎では今月9日、高田春奈代表取締役社長が新型コロナウイルスの陽性判定を受けていた。だが、濃厚接触者はなく、食事をともにした従業員、近くで業務を行っていた従業員は全員が陰性だったこともあわせて発表している。

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YS横浜が元香港代表10番MFを獲得「長年の夢が実現できました」

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日本代表とも対戦経験を持つ
 Y.S.C.C.横浜は13日、香港レンジャーズFCから元香港代表MFアオヨン・ユーチョン(31)が加入することが決まったと発表した。

 同選手は1989年7月11日生まれの31歳。かつて横浜FC香港のほか、ポルトガル2部リーグにも所属していた実績を持つ。

 クラブを通じて「子供の頃から日本でサッカーをするという夢。遂にJリーガーになることができました。長年の夢が実現できました。Y.S.C.C.の皆様や協力していただいた関係者の皆様に心から感謝致します。香港初のJリーガーとして、Y.S.C.C.の一員として、全身全霊をかけてJリーグの舞台で活躍し、チームに貢献します。応援して頂ける皆様に恩返しをしたいと思います。これからも応援宜しくお願い致します。Effort is always rewarded!天道酬勤!」とコメントしている。

 以下、クラブ発表のプロフィール

●MFアオヨン・ユーチョン
(Au Yeung Yiu Chung)
■生年月日
1989年7月11日
■出身地
香港
■身長/体重
175cm/66kg
■経歴
Hong Kong 09(香港) – Hong Kong 08(香港) – Workable Football Club(香港) – South China Athletic Association(香港) – Yokohama FC Hong Kong(香港) – Atlético Clube de Portugal(ポルトガル) - Grupo Sportivo de Loures(ポルトガル) – Guizhou Football Club(中国) – Dreams FC(香港) – Tai Po Football Club(香港) – Hong Kong Rangers Football Club(香港)

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「ホペイロという職業の概念を日本に定着させた」ベゼーハ氏が死去、東京Vが公表

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「ホペイロという職業の概念を日本に定着させた」ベゼーハ氏が死去、東京Vが公表
 東京ヴェルディは13日、1991年から98年にかけてホペイロ(用具管理担当スタッフ)を務めたルイス・ベゼーハ・ダ・シルバ氏が死去したと発表した。

 クラブは「ご逝去の報に接し、前身の読売クラブ時代に来日されて用具を専門に取り扱うホペイロという職業の概念を日本に定着させた同氏の功績を偲び、クラブの選手及びスタッフ一同、謹んで哀悼の意を表するとともに心よりご冥福をお祈りいたします」と伝えている。

 クラブの発表によると、ベゼーハ氏は1955年11月25日ブラジル生まれ。1991年に読売クラブで監督を務めていたペペ氏に招聘されて来日し、選手が使用する用具の管理を専門で行うホペイロという職業の存在を日本に広めた。Jリーグ開幕後はヴェルディ川崎に98年まで在籍。2001年には浦和レッズでもホペイロを務めた。

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